俺とサイードはトロスト区から一日かけてシガンシナ区に着いた。
ピクシス「思ったより、早かったな。」
俺「どういうことだ?」
ピクシスはジャックにはサイード、ニーナにはアリスを尾行させていたことを説明した。
俺「じゃあ、これも天才策士ピクシスの作戦か・・・」
ピクシス「俺はお前が壁から出ていけば条件降伏する。だから出発を急いでもらいたい。ゾーン統括支部長が戦いかねない。」
俺「ゾーン統括支部長?!!」
ピクシス「ああ、ニーナの姉さんだ。彼女は王政を恨んでる。」
俺「ニーナが戻って来てからだ。それから出発する。彼女が壁の中に残ろうが、残らまいが。」
ピクシス「だが制限は三日間だけだぞ。」
俺はピクシスに聞いた。
自分の知り合いが何人乗るのかを知りたかった。
マイク、ウィル、ハンク、アリス、サイード、ノーランドが乗るらしい。
マイクは財団をピクシスにゆだねて新しい動物を見つけに。
ウィルは川を旅する夢があり。
ハンクは暗殺された調査兵たちが見たものをみるために。
アリスとサイードは駆け落ちかつ医者もどきだからであり。
ノーランドは案内役だった。
ピクシスはそれぞれ役割があると言って乗せるらしい。
俺は聞いた。
俺「俺とニーナの役割はなんだ?」
ピクシスは笑いながら言った。
ピクシス「それは船に乗れば分かる。ニーナが乗ろうが乗らないがな。」
蛮人らしい答えが返ってきた。
俺「そうか・・・」
そして三日経ちとうとうアリスとニーナは戻って来なかった。
ウィル「よし出航だ!!!」
250人を乗せた船はマリア水門から出ようとしていた。
調査兵「まわりの巨人は駆逐した。行くならいまだ。」
水門が開き始めた。
すると暗闇の中で街中を立体機動する音がした。
ウィル「よし、急ごう!」
あわてて帆を広げる、ウィルは憲兵が来たと思った。
だが二人の兵士が船にぎりぎり乗り込んだ。
十人の調査兵がマスカット銃を構えていたが、二人の兵士は立体機動装置を外し、投降した。
俺「銃を降ろせ!味方だ。」
それはアリスとニーナだった。
俺とサイードはすぐ駆け寄り、二人のもとに行き、それぞれ抱きしめながら言った。
俺「来てくれるのか?あの世に。」
ニーナ「だって五年間組んでくれたじゃん、幸せにしてよね♪」
抱きしめながら言った。
サイード「アリス、作戦成功だな!」
アリス「あんただけはちゃんとあたしの愚痴聞いてくれたもんね。」
抱きしめながら言った。
船はもうマリアから出ていた。
そして朝日が昇った。
俺とニーナはかすかに見えた。
俺「シガンシナ区壁上にピクシスと姉さんがいるぞ。」
ニーナ「見守っててくれてんだね。」
ピクシス「ついに行ったな。これで降伏出来る。」
リナ(それがお前の愛した男かい、あたいの代わりに幸せにしてくれよ、ジャック♪)
ピクシス「ゾーン支部長マリア南西を説得してもらいたい。」
リナ「いいけど、ピクシスあたいは別にもう王政を恨んでないよ、てかあきらめたよ、母親を守る選択したあたいと愛する男を選択したニーナ。」
ピクシス「前から気になっていたが、ハンナはなぜ最後の女性の名前に~~ナとなずけられる?まあとりあえずそんなことより説得を頼む。」
リナ「それは村を創った村長がハンナって名前でその掟さ。説得はしなくても、船のショックでみんな降参さ。」
一か月後マリアの税は二割という条件とマリアの冤罪人を返してもらうことを条件に降伏した。
すると王政は二つ返事で条件を呑み、マリアの囚人が解放された。
こうして人類は平和を取り戻した。
ハンナ村にて・・・
エレナ「十五年ぶりだね~あんたが返ってくるなんて思いもしなかったよ。」
リナ「ああ、もうそろそろ母さんの世話をしようと思って。」
するとコンコン、と音がしドアをあけたリナは驚いた。
ライドが返って来たのである。
ライド「ただいま。」
リナ「おかえり♪」
エレナ「誰だいそのイケメンは?」
リナは母にライドのすべてを話したが、ライドは巨人の件の記憶を消され返って来た。だがリナにとってそんなことはどうでもよかった。
二人は駐屯兵として平和に活動し、エレナを支えて幸せに暮らした。
出航二日目・・・
俺は拳銃に似たものを発見し、ハンクに尋ねた。
ハンク「これは信号弾だ。赤色は巨人発見、黒色は奇行種発見だ。ちなみに緑もあるが意味がないと思い積まなかった。」
俺「じゃあ巨人が来たときは頼むよ。調査兵団団長ハンクさん。」
ハンク「俺が調査兵団団長だと!!!」
俺「あんたが一番向いてる。今俺は開拓兵団団長だけどな。船なら安全だな、巨人が寄ってきても流されるだけだし、でも壁の中には戻れない。だから大地を移動してたんだろ?」
ハンク「そうだ、その通りだ。壁の中には戻れない。しかし信号弾の使い道がないな・・・」
楽観的で前向きなハンク。
俺「お前のその性格が命をつないだのかもな・・・」
出航三日目・・・
俺とマイクは巨大戦艦からロープをつないで舟で釣りをしていた。
俺「十年前を思い出すな♪」
マイク「ああ、目の前で巨人が一緒に泳いでなければな。」
マイクの前でこっちに近づこうとしている巨人数体が流されていた。
俺「お前よく船に乗ったな。なんで乗ったんだ。」
マイク「壁の中では夢を叶えた。だから乗ったんだ。」
マイクの回想・・・ウォール修道院でマイクが5才の時。
神父「君はジョニーの息子のマイクだね。」
マイク「おじさん誰?」
神父「私はここで一番偉い預言者の子孫だ。君には友達がいるだろ。」
マイク「うん、当たり前だよ。誰でもいるじゃん。」
神父「君は十五年後神の船に乗るんだ。その友達とな。」
そして15年後・・・
俺「マイク、おいマイク!!俺は船に戻って様子を見てくる。」
マイク「ああ、分かった。舟に居るよ」
俺「頼んだぞ。」
俺はそう言って立体機動で戦艦に戻った。
ノーランド「なんで、あの偽憲兵は俺を助けたんだろう・・・」
俺「さあな、それよりここに見覚えはあるか?」
ノーランド「いや、ずっと陸地から来たから。見覚えはない。」
ハンク「ここらへんまでだ、俺が壁外調査で見たのは。」
俺「そうか、ついに誰も見たことがない大地を川から目にするんだな。」
ノーランド「川の幅が変わらないということは、海はまだまだだな。」
すると森に100mの建物が見えた。
ハンク「あれはなんだ!!!」ノーランド「あそこには行ったがなにもなかったぞ。ちょうどあそこで仲間が食われた。仲間は急に巨人の力を失い、俺以外全員死んだ。そして俺だけが北に向かった。」
俺「そうか、君が言うならやめておこう。馬も積んでないしな。」
ハンク「でも、巨大樹の森の中だ、巨人と戦わず、到達できる!!!」
俺「いや、目的はノーランドの島に行くことだ。それまで無駄は避けたい。」
ハンク「おい、俺は調査兵だぞ?せめて俺一人行かしてくれ。団長は任せた。」
そう言って彼は川に飛び込み、陸に上がり立体機動で100mの建物に向かった。
ノーランド「いいのか?ジャック。」
俺「彼の夢だ、行かしてやれ。」
出航四日目・・・
右舷から黒い信号弾が上がった。
巨人はクロールで泳ぎながら迫ってくる奇行種だった。
俺はたまたま砲撃室に居た。
俺「よし砲台で遊撃する、砲弾装填準備、調査兵20人立体機動準備。」
俺「一発撃ちこめ、砲撃!」
三十cmの砲弾が十五m級の巨人に被弾し、巨人は跡形もなく消えた。
調査兵団砲撃班班長「ほかの巨人も撃ちますか?」
俺「いや、弾の無駄だ、長い旅だ。節約して使い、君の判断で砲撃しろ。」
そう言って俺は砲撃室から出て行った。
ニーナが船の甲板から陸地を見ていた。
俺「どうした?巨人が怖いのか。」
ニーナ「うん、船から見たのが初めてだったから、まだ交戦もしたことないし。」
俺「俺も巨人とは肉弾戦をしたことがない。だから怖さは君と同じさ。だが200の調査兵が乗船してる。彼らが全部駆逐してくれるさ。」
俺はそう言って空いてる狭い四人部屋に彼女を連れて行った。
ニーナ「ついにあたしを抱く気になった。」
冗談交じりに言う。
俺「聞いてほしいことがあるんだ。」
俺は部屋の鍵を内側から閉めた。
ニーナ「どうしたの?あんたらしくないじゃん。」
俺「俺はケインとマークを殺したんだ・・・サイードが撃たれそうになって。」
俺は目に涙いっぱいに言った。
ニーナは俺を抱きしめてくれた、そしてこう言ってくれた。
ニーナ「あんたは殺したくて殺したんじゃないし、あんたのおかげでサイードは生きてるし、アリスといつも船の甲板で楽しそうに見ているよ。あんたは二人を幸せにしたんだよ、二人の命を奪ってね。でもあんまり自分を責めないでね。あたしはあんたが居なかったらこの船に四人は居なかったと思ってるんだから。」
俺は彼女に言ってほしい答えが返ってきてつい唇を奪ってしまった。
ニーナ「あんたやれば出来るじゃん。あたしは初めてキスしたよ。」
俺「俺もだ、お前のためにこの唇をとっといたんだ。」
そう言って俺は狭いベッドで彼女と愛し合った。
ベッドの中で・・・
ニーナ「母さんはあたしの事許してくれたよ。好きな男と駆け落ちしろってね。あんたがあたしにこうしたのもノーランドが見つかったからでしょ。」
俺「俺は逆だよ、母親に行かないでって言われた、この罪悪感は一生背負わなくてはならない。でも君が居れば俺は少しはマシになる。」
ニーナ「これからは二人のことを考えよう、ジャック♪。もう家畜じゃないんだから。」
俺「分かった、結婚しよう♪」
ニーナ「うん♪やっと言ってくれたね。」
出航して一か月が経った。
そして見張り台から鐘が鳴った。
ウィル「水しかない!!!水しかない!!!」
ウィルが大声で叫んでいた。
横で鐘を鳴らしたノーランドが冷静に言った。
ノーランド「大丈夫、海だ。」
ウィル「これがウミか。みんな巨人とはここでお別れだぞ!!!」
そして250の船員たちが巨人からの支配に解放されたと思い、歓喜が巨大戦艦を包んだ。
海に出て一週間が経った。
見張り台にて・・・
ウィル「おかしいな。」
ノーランド「大丈夫だ、俺の島からは一か月こっちの大陸に来るのがかかった。」
ウィル「そういうことじゃない、なぜ風がずっと南向きに吹いてるかだ。導かれるように。」
右舷甲板では・・・
サイード「一週間水しか見てないな。水飽きたよ。」
サイードはありえない現状に笑いながら言った。
アリス「でも壁の中にいたらこんな景色見ることなかったよ。壁の外は絶望のイメージがあったけど、そうでもないね。」
サイード「分からないぞ。この先は死の世界かもしれないしな。」
アリス「脅かさないでくれよ。」
左舷甲板では・・・
ニーナ「ジャックありがとう、やっぱりあんたは白馬の王子様だよ。」
俺「え?俺はただの兵士だけど、誰がそんなこと言ってたんだ。」
真に受けるジャック。
ニーナ「婦人憲兵はみんなそう呼んでたよ、アリスにクロエ、ナディアもそっから憲兵4年目になった時、ジャックがかっこいいみたいなのが流行ってね。あたしは焦ったけど。」
俺「そうか、俺もったいなかったな。」
ニーナにガチの溝うちされるジャック。
ニーナ「でも本当にあのままだと王子になってたかもね。だからあなたの拘束命令が出たのかもね。」
俺「夕日がきれいだな、水面いっぱいに映る夕日が。」
ニーナ「あんたはやっぱり箱庭からあたしを連れ出してくれた、白馬の」
するとニーナが話している途中にマイクが大声で言った。
マイク「おい!!!ジャック来てくれ!!!」
俺「今いくぞ!!!」
俺は立体機動で舟に向かった。
マイク「エサに食いついた魚の力がすごいんだ!!!」
マイクは手で糸回収装置のクランクをまわしながら言った。
俺も加勢して糸を引っ張るが力が強く二人ではつれそうになかった。
俺「サイード!!!」
サイード「どうした?」
俺「とりあえず糸引っ張るの手伝ってくれ!!」
するとだんだん水面から魚のシルエットが浮かんできた。
三人で一気に引っ張った、バシャン!!!と音がして2mの魚が舞い上がり舟に落っこちた。
ジャック「お見事サイード。」
ジャックは疲れながら言った。
マイク「こんなでかい魚(マグロです)みたことない!!!」
アリス「魚のせいで雰囲気ぶち壊しだよ、ね~ニーナ。」
ニーナ「そうだね。」
ニーナは苦笑いしながら言った。
魚(マグロ)は調査兵がおいしくいただきました。
さらに一週間経った・・・
マイク「あと三週間で250人の食料が尽きる。もう二週間水しか見てないぞ。」
俺「深刻だな、船上で殺し合いか、飢え死にだな。」
ウィルが鐘を鳴らす。
すると前から黒煙がたちこめるのが見えた。
サイード「なんだこの世の果てか?」
ジャック「いや、違う船が燃えてるんだ。」
最初に黒い棒から黒煙が出てるのを見て船員は唖然とした。
そして徐々に船体が見えてきたが・・・
船は真っ黒で煙を出しながら、砲撃してきた。
初めて見るものにノーランド以外は動揺が隠せなかった。
ノーランドは降りてきた。
そして俺にこう言った。
ノーランド「全員待機だとジャックから言ってくれ。」
俺「分かった、とりあえず。戦闘準備にかかろう。」
ノーランドの言うとおりが賢明だと判断した。
俺は調査兵に落ち着くように言った。
「信号弾で赤色は待機、黒色は砲撃だ。今は待機、全員持ち場で待機!」
あたりはすっかり真っ暗になった。
ノーランド「暗いうちに舟を出して向こうで話し合う。」
俺「お前の仲間か?」
ノーランド「ああ、だから話し合える、サイードに来てもらう。」
俺「兵団トップのおれがいくべきじゃないのか?」
ノーランド「兵団トップだからこそだ。俺とサイードに何かあればあとはお前たちで決めろ!!!」
ノーランドはサイードに理由を話して、サイードは納得した。
アリスは心配そうに舟が行くのを見た。
ニーナはアリスを見てアリスの肩を組んで一緒に見守ってあげた。
サイード「お前タケル・アオイって名前らしいな。ノーランド要素全然ねえじゃねえか。」
ノーランド「今まで黙ってて申し訳ないな、まさかまた祖国に帰るとは思わなくて。」
サイード「俺たち完全武装だけど向こうと話し合う気あんのか?」
舟にはサイードとノーランド含め、六人の兵士全員が立体機動装置とマスカット銃を持ってた。
サイード「なんか焦げくさいぞ。」
ノーランドは赤い信号弾を上に撃った。
すると、舟を光で照らされ、目の前が真っ白になった。
海兵「武器をすべて舟に置いて投降しろ。」
六人は立体機動装置に六丁のマスカット銃を置いて縄で船に上がった。
海兵二十人に六人は提督室に案内された。
ジャハール提督「私は初めて見たよ。北から来る船を。」
提督は冷静に言った。
するとノーランドが言った。
ノーランド「第二十大陸侵略作戦部隊タケル・アオイ二等ただいま帰還しました。」
ジャハール「!!!お前が陸軍最初の帰還兵だ、誇りに思うぞ。」
ジャハールは興奮しながら言った。
ジャハール「君は十年前の大陸侵略作戦部隊だな。あれから十年部隊を送り続けたが、誰一人帰ってこなかった。」
ノーランド「彼らは敵ではありません。シーナ王国からの亡命であります。」
サイードには言ってる意味がよくわからなかった。
ジャハール「シーナ王国の人に会うのは初めてだ!島中がざわつくだろう。」
サイード「私の名前はサイードで王政の憲兵をしていた。」
ジャハール「東洋系か。ふむ、我が国も巨人の力の脅威で逃げてきた人が大半を占める。君たちは巨人から逃げてきた様には見えないが。」
サイード「我々は壁の中から船で川を下って海に出て一か月半かかって外の人と出会った。」
ジャハール「そうか、我々も大陸の川の上流に戦艦を二隻偵察にだしたが帰って来なかった。」
ノーランド「とりあえず、島に帰還したいのですが・・・」
そうやって朝まで三人の話し合いが続いた。
そして船は一隻から二隻に増えていた。
マイク「知らない間に鉄で出来た船がもう一隻増えてるぞ。」
俺「だが砲撃はしてこないし、こっちの方が二隻分あって戦いになれば互角かそれ以上になる。」
巨大戦艦は右舷に一隻、左舷に一隻と並行になっていた。
右舷並行の船から舟が戻ってきた。
六人とも無傷で武器も取り上げられなかった。
サイードはまたアリスに抱きしめられていた。
また違う舟が右舷の船から左舷の船に行くのが見えた。
ノーランド「ジャック話したいことがある。」
そう言って二人は見張り台に行った。
俺「どうなってる?俺たち捕まるのか。」
ノーランド「いや、島に住んでいいそうだ。」
俺「どういう風の吹き回しだ?」
ノーランド「私の国ローゼ帝国は簡単に言えば、農民、漁民、陸軍、海軍の四つの仕事が主にある。そして生まれた子供はダーマ神殿によって仕事が決まる。それは絶対的な予言であり、正しければ神殿は青く光り、間違えれば赤く光る。そして仕事以外のことも神殿に尋ねられるが、それで青く光った場合は絶対に尋ねたことをしなければならない。だが戦争については一切答えない。」
俺「答えになってないぞ。」
ノーランド「つまりシーナ王国の難民はダーマ神殿によって決まる。」
俺「とりあえずお前の故郷に連れて行かれるんだな。」
ノーランド「心配するな。人生の半分しかローゼ帝国にはいなかったが難民はすべて受け入れていた。無理な質問以外で神殿が赤く光るのをほとんど見たことない。」
二時間後巨大戦艦は海軍の軍艦二隻にロープで引っ張られて東に進んだ。
マイク「ウィル危なかったな。」
ウィル「海軍が見つけてくれてよかったよ。あのままだとどうなってたことか。」
ノーランドの島からかなり西に航海していたようだ。
二時間かかって二隻の軍艦にロープをつなぎそのまま海兵が見張りのため四十人乗船している。
マイクは海兵にあのままだとどうなっていたか聞いた。
海兵「あのまま行けばまた故郷に帰っただろう。でも人が生きれる温度じゃない。」
笑いながら言った。
マイク「そうか、そんでなんであんたは黒いんだ?」
海兵「俺は黒人だ。」
マイク「こくじん?」
海兵「島の先住民だよ。ちなみに俺はマイケル一等海兵だ。この船の海兵のトップだ。」
マイク「名前似てるね。肌の色全然違うけど。」
マイケル「そうだな。」
二人は笑った。
次の瞬間左舷前方の軍艦が蛇のような体をした生き物がとぐろに縦に巻きつき鉄の船を真っ二つにした。
マイケル「海竜だ!!!50m級だ!!!」
ジャックが慌てて甲板に出てきた。
俺「どうした?!!すごい爆音が聞こえたぞ。」
マイケル「頼む!海竜を討伐してくれ。」
右舷前方の軍艦は真っ二つにした軍艦にまだ海竜が乗っていたために沈みゆく船に砲撃していた。
俺はマイケルの頼みを聞き、すぐに砲撃準備にかかった。
俺はすぐ砲撃室に行き、調査兵団砲撃班に指示した。
俺「よし!前方甲板砲台五発、左舷前方砲台五発装填。」
班長「ぎりぎり届きます!」
俺「撃てーーー!!!」
ドンドドドドドンドンドドド――――と砲台が耳を裂くように鳴り響いた。
海竜は水中にもぐり、真っ二つの軍艦に被弾し轟沈した。
海竜の背びれが水面に見え、もう一隻の軍艦に向かった。
もう一隻は遊撃しているが、ほとんど効果がない。
俺は海竜が砲撃に慣れていることを知った。
そして俺は無駄と分かっていたが、援護砲撃した。
俺「前方甲板砲台五発、左舷前方三発、右舷前方三発装填。」
もう一隻が必死に砲撃している、俺はそれを見て最後までやるだけやろうと思った。
班長「微妙です・・・」
海竜が前方に見えた時俺は構わず言った。
「撃て―――!!!」
ドドドドドドドドドドドーーーーーーと爆音が鳴りみんな耳をふさいだ。
そして海竜の姿も影もなかった。
マイケルが砲撃室に来て「ありがとう!!!」と言った。
残った軍艦一隻も静まり返ってた。
俺「全員よくやった・・・・」と言った瞬間。
右舷の軍艦の煙突が倒れ、海竜の顔がこちらを向いていた。
海竜は一旦水中深くに潜り勢いをつけて軍艦の船底から煙突に突っ切ってたのである。海竜は軍艦甲板にいる海兵を七人くらい食べた後、そこからとぐろに軍艦に縦に巻きつき真っ二つにして沈めた。
俺は見てる事しかできなかった。
マイケル「そうか、法王はこれを言っていたのか。これが神の船なのか。」
俺はあまりの惨劇にマイケルがおかしくなったと思った。
ノーランド「そうだ、法王はすべて予言していたんだ。ダーマ神殿が俺たちを引き合わせた。」
俺はみんながおかしくなったと思った、そして自分がおかしくなったのかと思った。
班長「ヤマト団長どうしますか?団長?」
俺は言った。
「退艦したいものはしろ。あとは班長、君に海竜討伐を任せる・・・」
班長「・・・よし全員最後まで戦うぞ!!!」砲撃班「了解!!!」
その後も迫ってくる海竜に砲撃し続けた。
みんな無意味なのはわかっていた。
だが最後まで調査兵としての誇りを持っていた。
ニーナは右舷甲板で戦いを見ていた。
ニーナ「ジャックよく頑張ったよ。あんたはもういいんだよ。なんも考えなくて・・・」
俺「ニーナすまない、幸せにしてやれなくて。」
ジャックは右舷甲板で泣きながら言った。
ニーナ「充分しあわせだったよ。綺麗な夕日見してくれたじゃん。」
そうやって小さな手で俺の頬に流れる涙を拭いてくれた。
俺「結局二人で年とれなかったな・・・」
ニーナはやさしく唇に唇を重ねてきた。
マイケル「ジャック!!!海軍総督に任務は成功したと言ってくれ♪」
なぜか希望に満ちていた。
前方右舷甲板でマイケル一等海兵はそう言って拳銃で頭を撃とうとした。
俺「待て、せめて退艦しろ!!!」
前方右舷甲板が青白く光った。
パン!!!という音とともに
すると前方右舷甲板にエラや手や足に水かきがついていて背びれまであっただが緑色の巨人が立っていた。
緑色の巨人は巨大戦艦から水中に飛び込み、海竜を捕まえたそして水面に引きずり出した。
船員は恐怖と驚愕が入り混じっていたが、巨人が海竜と戦うのを見て砲撃班は十発の最後の砲弾を海面に出ている巨人と海竜に撃ちこんだ。
ドドドドドドドドドド―――ンという音とともに。巨人は消滅し、海竜は致命傷を負った。
それでも海竜は巨大戦艦に向かってきた。