ラブライブ〜9人の女神と1人の少年〜   作:舞亜

2 / 4
おもい…だした!

音ノ木坂学院に入学してから、早2ヶ月が経っていた。

そろそろ、新入生の皆も学院での生活に慣れてきている頃だろう。

 

「よーっす、はよー」

「あ、うん。おはよう」

 

朝、教室について数人の男子と挨拶をし、自分の席へと座る。

さきほどの挨拶を見ればわかると思うけど、当初いるかどうか心配していた男子の生徒がどうにかいてくれたので(それでも一クラスに3〜5人程度だが)安心した。

いるとはいっても、圧倒的に女子の方が多いのは変わらず、男子としてはなかなかに気を使う毎日だ。

時間的にもうクラスの大体の人が集まっている。

この2ヶ月である程度のグループ分けが済んでいて、女子は数人のグループがいくつか、男子は男子少数のグループ1つが出来上がっていた。

かくいう、僕も男子のグループに入るのが普通なはずなんだけども。

 

「おっはよう!瀬奈くん」「おはようございます」「おはよぉ」

「おはよう3人とも」

 

僕の場合は最初に知り合ったこの3人によくしてもらっており、自分でいうのもなんだけど、結構仲が良いと思う。そのため、高坂さん、園田さん、南さんと僕を含めた4人のグループに落ち着いていた。

その弊害というわけではないんだけど、いまいち他の男子との距離が縮められないのが如何ともしがたい。

 

「くそっ!瀬奈のやつ…毎朝毎朝。笑顔の眩しい我らの高坂さんと挨拶しやがって!」

「いや、それよりもクールビューティーな園田さんから挨拶してもらえるとかずるい!」

「何を言う!ほんわかガール南さんとの挨拶の方がずるいだろ!」

「そ、そうだ!あの女ども!僕の瀬奈くんと!」

「「「お…おぉ……そ、そうか…」」」

 

他の男子達のそんなやり取り。

冗談半分ではあるんだろうけど、やっかみを受けるのが最近の習慣だったりする。

確かに女子と先に仲良くなっていた僕を見たらそうなるだろう。逆の立場だったら僕も同じこと言うと思う。

ってか、最後の人はいつも何かおかしいからね!?

まぁ、最初に女の子と仲良くなった僕はといえば、逆に男子のグループに憧れるんだけど。

男同士ならではの連携感とかいいよねー。そのうちどこかでチャンスがあるでしょ。

 

「あ、そういえば瀬奈くん昨日先生に朝の間に1限目の授業の準備頼まれてなかった?」

 

高坂さんのその言葉に忘れていた記憶が蘇る。

 

「っ!?おもい…だした!」

重いものがあるから手伝えっていわれてたんだ。すっかり忘れてました。

確かに女の子に重いものとか運ばせるのはちょっとね。

最近は自分がやらねばと、使命感すら帯びてきた気がする。や、確実に気のせいだけど。

「それじゃあ、ちょっといってくる」

「「「いってらっしゃい」」」

 

3人の声に見送られ、教室を後にした。

 

ーーーー

 

結論から言おう。荷物が想像以上に重かった。

確かにこれは女の子じゃ無理だよね。男の僕でも疲れるんだから。

あまりの重労働ぶりに思わず聞いちゃったね。

 

「よくよく考えたらなぜ僕なんですか?他にも男子はいるんですから、次は違う方をお願いしますよ」の言葉に返された先生の「あ、なんか君が1番頼みやすそうだったから〜」の一言には声がでなかった。

次は絶対やってやんないんだからねっ!

とりあえず、早く教室に帰って残りの時間をゆっくりしよう。

そう思い、少し急いだのが悪かったのだろう。

 

廊下の角を曲がった瞬間、「ドン!」という音と共に、何かにぶつかった感触が伝わり「きゃっ」という女の子の声が聞こえてきた。

やばい。ぶつかった!

慌ててぶつかった相手に近寄り声をかける。怪我してなければいいんだけど…。

 

「す、すみません!大丈夫でしたか」

そう言って、倒れている彼女に手を差しのばし、助け起こす。

 

「えぇ…なんともないわ」

「ホントにすみませんでした。僕の不注意で」

「こちらも不注意だと思うから、気にしないで。それより…そろそろ手、いいかしら?」

「あ、はい」

どうやら怪我はないみたいで一安心。

彼女にいわれ、掴んでいた手を離すと共に、思った以上に距離が近かったため、一歩離れる。

そこで初めて相手の姿をはっきりと確認することができた。

 

タイの色は2年、上級生か。

金髪碧眼の少女で、十中八九ハーフか何かだとは思うけど、日本人離れした整った顔立ちに、メリハリのあるスタイル。ぱっと見欠点のない完成された容姿。

モデルをやってます、とか言われても驚かない自信がある。

確か金髪碧眼って、劣性遺伝とかなんとかで、出にくいって聞いたことあるけど綺麗に出てるなー。

 

「なんやなんや。一年の子はえりちに見惚れてるのかな?」

 

目の前の少女の後ろから、別の少女の声が聞こえてきた。

前の少女に気を取られていたせいで気づかなかったけど、すぐ後ろにもう1人いたみたいだ。

少しボリュームのある紫がかった髪をおさげ(あれ?今はツインテールっていうの?)にしていて、はんなりとした雰囲気を持っている。とても柔らかな印象を受ける女の子。特に目にとまるのは…その……発育の良い胸ですかね。いや、僕が女性の胸に興味あるとかではなくね?ホントにただ単にそこが1番目につくってだけだからね?

正直毒ですよ!…良い意味で。

というか、このお2人どこかでみたような?

 

「もお、希。何をいってるの」

「エリチは可愛いから仕方ないやんな?」

「…あぁ、そうですね。正直、2人とも凄い美少女で眼福です」

「「……///」」

 

考えごとをしながらだったため、軽く生返事になっていたような気がする。

えーと、どこだっけ?確かあれは…そう、入学式でみたような……あっ、おもい…だした!

 

「壇上で挨拶してらした会長さんと副会長さんじゃないですか!って、なんか微妙な雰囲気になってません?」

 

なんかお2人の顔が赤いような。

あれ?おかしいこと言ったり…しました?全く何言ったか覚えてないんですけど…。

 

「こほん、別になんでもないわ。それより私たちのことに今頃気付いたの?」

 

あ、なんか持ち直した。

この2人を最初に見たのは入学式の挨拶のとき。

それ以降は見ることもなかったので、すっかり頭から抜け落ちていた。

1度見たら忘れないような人達なんだけどな。遠目からだったし仕方ないか。

 

「ウチら1年のほうはあんましいかへんからね」

「そうね。自分達の教室と、生徒会室の行き来くらいね」

それもそうか。よっぽどの用がない限り他学年の場所なんていかないのが普通か。

なんか他所の学年って怖いですしね。最早異空間だよ。

そんな低いエンカウント率の中ぶつかってしまうとか。ついてるのか、ついてないのかよくわからない。

「なら、入学式の日にも名乗ったはずだけど改めて、2年で生徒会長を務めてる絢瀬絵里よ」

「同じく2年の東條希や。副会長やってるよ」

「1年の瀬奈悠です。よろしくお願いします先輩」

「なんかええな、先輩って呼ばれるん。凄い新鮮」

「確かに。学年が上がったんだって実感するわね」

 

あー、それわかります。僕も中学の時、2年になって初めてせんぱ…あれ?呼ばれたことあったかな。そもそも後輩に知り合いとかいなかったような?

…呼ばれたらそんな気持ちになるよね、うん。

それにしても、生徒会、生徒会か…そうだ。

 

「あのー、よろしければぶつかったお詫び、というわけでもないんですけど、生徒会の方で何かお手伝いしましょうか?」

「別にいらないわよ。こちらにも非はあったわけだし、それに部外者にはできない仕事ばかりよ」

「そうですか…」

 

生徒会の仕事を部外者にやらせるのは確かに問題ですよね。見たらダメな書類とかもあるでしょうし。

しかし、何もしないというのもなんか気が収まらないのもまた事実。

 

「手伝ってもらえばいいやん」

「ちょ…希。あなたね」

「男の子が男みせたいいうてるんやから。それに、カードがウチにそう告げるんや」

ここでまさか相方さんから助け船がでるととは思わなかった。

僕なんかより全然男前な発言や。やめてうっかりときめいちゃう。

ところで、カードって何です?カードの声が聞こえる方なんですか?イメージしちゃうんですか?

「占いはウチの得意分野なんよ!」

 

不思議そうにしていた僕に東條先輩は自信満々に答えてくれた。

あぁ、カードってタロットかそういうのか。得意分野というからにはよく当たるのかな?

 

「まぁ、希がそこまでいうなら…」

 

東條先輩の信頼度が高いっ!?

ん?…東條先輩の信頼度が高い?占いの信頼度が高い?どっちだろ?まぁ、結果はあまり変わらないけど!

 

「さずかに書類制作とは無理やけど、荷物運んだり、整理とかは大丈夫でしょ」

「そうね。それなら確かに…。とりあえず今は仕事もないから、必要になったら呼ぶわ。それでいい?」

「ええ、大丈夫です。いつでも呼んでください」

「ほな、近いうちによろしくね」

「もうすぐHRも始まるから瀬奈君も早く戻りなさい」

 

え?もうそんな時間。ゆっくりする予定だったのに…。案外話こんでたんだな。

2人と別れ、教室に帰ろうとするーー。

「あ、ちなみに瀬奈くん女難の相でとるよ」

「!?」

 

すぐに後ろを振り返るが、もう誰もいなかった…。

ちょ、最後の最後に脅かしてくとか。東條先輩絶対Sだな。しかも、内容が女難の相っていうのが生々しくて嫌なんだけど。

 

それにしても、絢瀬先輩と東條先輩か…。

良い人だっていうのは少し話しただけでもわかった。話してて楽しかったですしね。

もっと仲良くなれれば、更に楽しくなるかも。

そんなことを思いながら自分の教室へと歩いていく。

 

 

こうしてまた学園での1日が始まっていくのだったーー。




ふむ。
長く考えた末なのにこのクオリティー。泣けますね。
これが舞亜クオリティーです。

大丈夫!わかる人にはわかるはず!な意気込みでやってます。


さてさて、今回は3年生組(ここの場合は2年生)の2人がご登場しました。
いかんせん、これであってる?のまま進めたので、どうかな〜的な感じがプンプンしてますが、ここまできたら気にしない方向でお願いします!

次あたりでもう1人もご登場!?したらいいな…。


それでは皆様次回をお楽しみに!

最後に気づく、段落のあけかたがわからない…という事実。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。