限定トーナメントの一回戦第三試合。
戦うのは、専用機白式を持つ藤島冬也と、ドイツ代表候補生にして専用機シュヴァルツェア・レーゲンを持つラウラ・ボーデヴィッヒ。
話題の男性操縦者の一人と、IS部隊所属の現役軍人の勝負ということで来賓客達は注目する。
だが、アリーナの観客席にいる生徒達はさほど注目していなかった。
彼女達はクラス代表戦での冬也の戦いを知っており、あの程度じゃIS部隊所属の現役軍人になど勝てないと思っているからだ。
「むしろ、何分保つかで食券を賭けているらしいですわ」
控え室に戻ってきたセシリアから話を聞き、イチカは渇いた声で笑う。
「ははは。そんなレベルなのか。というか、賭け食券好きだなこの学校」
「お金賭けているわけじゃないし、数少ない娯楽として開校以来まかり通っているのよ」
生徒会長としてそういった歴史を知る刀奈の補足に、イチカは同じことが刀太達の進学した高校にあると聞いた事を思い出していた。
その学校にはかつて、大明神と呼ばれるほどの的中率を叩き出した女生徒もいたらしい。
「で、この試合はどう見る?」
「ラウラの圧勝で終わり」
「右に同じく」
シャルロットの問いかけに簪が即答し、マドカも同意する。
「ちなみに賭けるなら何分くらいでいく?」
唯一の三年生のケイシーの質問に、それぞれが自分の賭ける時間を口にする。
フォルテやサラ、弐にココネは十分ぐらいと答える。
一方でラウラの強さを知っているイチカ達は。
「五分保てば上出来じゃないか?」
「確かにね。私が賭けるなら三分で」
「僕も」
よほどあっさり決まると思っているのか、全員が五分以内と想定する。
これを冬也への低評価とみるか、ラウラへの高評価とみるか。
ラウラの強さを知らない面々はしばし真剣に悩んだ。
「あっ、始まるみたいよ」
モニターに目を向けていた刀奈の一言に、悩んでいた面々は画面へ目を向ける。
アリーナ内では既に紹介と登場が終わり、ラウラと冬也が地上で向き合っていた。
「どうやら覚悟はできたみたいだな」
雪片を構え、自信に満ちた表情を見せる冬也だが、向き合っているラウラから見て脅威は感じない。
虚勢を張っているか、根拠の無い自信に満ちているようにしか見えていない。
覚悟を決めるのは、むしろあっちだと思うほどに。
「それはこっちの台詞だ。素人に毛が生えた程度で、軍で何年も訓練を積んだ私に勝てると思っているのか」
観客、特にクラス代表戦の内容を知っている生徒達の意見も全く同じだった。
さらにドイツから来た関係者一同も、同意するように頷いている。
あれだけ過酷な訓練を受けた代表候補生が、ISに触れて数ヶ月の相手に負けるはずがないと。
「やってみれば分かるさ!」
『試合開始!』
フライングギリギリの先手を取る冬也。
先の先としてのタイミングはバッチリで、強化した成果かスピードも上がっている。
しかし、ココ最近、イチカ達との修行で瞬動の動きを見慣れているラウラの動体視力の前では、その程度では通用しない。
紙一重で避けられると、腕を掴まれて勢いそのまま投げ飛ばされた。
「な……んっ!?」
あまりに鮮やかで無駄の無い動作に冬也は何が起きたのか理解できなかった。
それでも体勢を立て直して着地し、今度は空中から仕掛ける。
強化した推進力で上空へ舞い上がり、急降下しながら上段に構えた雪片を振り下ろす。
「だいぶ機体を強化したようだが、その程度の腕では勝てんぞ」
振り下ろされた雪片をAICで受け止めるラウラ。
完全に動作を停止させられた冬也は思うように動けなくなった。
「くそっ、動け!」
「AIC がどういうものか知らない訳ではあるまい。動くわけがなかろう」
あがく冬也へ向け、躊躇無くレールガンを撃った。
防御することも回避することもできない冬也はまともに攻撃を浴び、地面に倒れて転がる。
今のでシールドエネルギーが二割ほど減った。
「それならっ!」
続いて冬也が繰り出したのは瞬時加速。
強力なAICでも、反応が追いつかなければ使えないとの判断。
その考え方は正しいし、通常は瞬時加速に反応するのは難しい。
だが、相手はイチカ達と修行を積んでいるラウラ。
AICに集中力を傾けていなければ、集中力を周囲に向けて瞬時加速にでも反応する事ができる。
「そこだ」
位置を察したラウラは振りぬかれた一撃をAICで防御する。
再び停止させられた冬也の表情は歪む。
「なっ。お前、どうやって俺の位置を」
冬也とは相反して余裕の笑みを浮かべるラウラは質問に答える。
「師匠との特訓の成果さ」
そう返したラウラは右手でプラズマ手刀を叩き込む。
同時にAICを解除し、後方へよろめいた冬也を両肩のワイヤーブレードで攻撃し、さらに縛り付けて拘束。
気で足腰を強化してしっかり踏ん張り、ワイヤーで繋がった冬也を放り投げた。
「どうりゃあぁぁっ!」
男らしい声を上げながら放った冬也は、放物線を描いて地面へと真っ逆さまに落ちる。
ワイヤーブレードが収納される頃には地面へ叩きつけられ、白式のシールドエネルギーは半分を切った。
「言っただろう。軍で積んだ訓練を甘くみるな!」
腕を組んで言い放つ姿に、観客席から黄色い声が響く。
「ありゃあ、こりゃ銀髪ちゃんにもファンクラブできるかもっスね」
小柄なマスコットキャラのような外見で、相手を力ずくで放り投げ仁王立ちして厳しい一言。
もしもラウラが男なら惚れてしまうような一連の流れに、サファイアは呟く。
それに同意するように、イチカ達も頷いた。
一方の冬也の方は、今の状況が信じられないでいた。
「そんな、あんなに改良したはずなのに、俺に相応しい高性能機になったはずなのに」
せっかくの改良が全く意味を成しておらず、明らかに動揺していた。
そこへ、数少ない冬也への応援が届く。
「頑張れ冬也! お前が負けるはずがない」
「そうよ! そんな軍人なんてやっつけちゃえ!」
僅かながらいる、箒を始めとした冬也の応援団。
その声を聞いて立ち上がった冬也は、零落白夜を発動させる。
「そうだ。俺が負けるはずがない!」
エネルギー効率を上昇させたお陰で、零落白夜で消費するエネルギー量が減っている。
それでも徐々にシールドエネルギーの量は減っている。
「いっくぞっ!」
強化させた推進力と連続瞬時加速にものをいわせ、残像を残しながら左右に動いて攪乱させようとする。
零落白夜でエネルギーを消費しているところへ、これだけの事をすれば余計に消費が早まる。
だとすれば、今冬也が狙っているのは一撃必殺の攻撃。
これが当たれば冬也の勝ち、外すか避けられるか防がれればラウラの勝ちがほぼ決まる。
「ふん、面白い」
一か八かの一発勝負に微かに笑みを浮かべ、心を研ぎ澄ますラウラ。
(簪の分身に比べれば、この程度の残像など)
無理に目で動きを追うことなく、センサーの反応に頼りすぎることなく。
気配と音とセンサーによる補助で動きを捉え、ラウラは自身の右側にAICを展開した。
直後に冬也の動きが停止し、振り下ろされた雪片も受け止められた。
「なんだとっ!?」
「悪い策ではなかったが、相手が悪かったな」
何故かドヤ顔をしているラウラは、無慈悲にレールガンを撃った。
吹き飛んだ冬也のシールドエネルギーは残り僅かとなり、機体の損傷率も大きい。
大きなダメージを受け、動きが鈍っているのを見たラウラはあの技を試してみることにした。
「トドメだっ!」
体勢を低くして構え、地面に着けた右手のプラズマ手刀を発動。
さらに右手へ気を集中させ、右手が二つのエネルギーで光り輝く。
「グランド!」
低い体勢から上空へ跳び、バーニアを吹かして急降下しながら前方宙返りで勢いをつける。
「ラウラ!」
大きく振りかぶった輝く右手は、驚愕に包まれた冬也を目掛けて振り下ろされる。
「ハンッ……マー!」
命中と同時に凄まじい轟音と衝撃波と土煙が周囲へ広がる。
撮影しているカメラも衝撃波で揺れ、モニターに映っている画面がガタガタとぶれる。
アリーナの観客席にいいる生徒達は悲鳴を上げ、控え室で映像を見ている一同はイチカを除いてポカンとしていた。
「……何、今の技」
あまりの威力と衝撃に、白式が壊れたんじゃないかと思いながら刀奈が呟く。
「俺が授けたラウラの必殺技だ!」
技の完成度に満足したイチカは、親指を立ててドヤ顔をした。
「イチカ! ラウラになんて技を教えてるのさ!」
「ちなみにプラズマ手刀を加えるのは、ラウラが考えたオリジナルだ」
「知るか!」
鈴のツッコミが炸裂したちょうどその頃、アリーナの観客席では一人の女生徒が嘆いていた。
早朝ランニング中にイチカがラウラに必殺技を教えようとする場面にでくわした、ラウラのクラスメイトでルームメイトの相川清香である。
「ボーデヴィッヒさん、あの技覚えちゃったんだ……」
必死に止めたあの努力は無駄だったのかと、頭を抱えて落ち込んだ。
『白式、シールドエンプティー。勝者、ラウラ・ボーデヴィッヒ』
アナウンスが流れ勝者が決まったが、会場にいる全員が未だに呆けており、歓声も何も無い。
そんな静かな会場内で、破れた冬也は怒りに燃えていた。
「こんなはずじゃない、こんなはずじゃないんだ。あんな出来損ないの弟子の眼帯女に!」
もう動けないはずの白式を無理矢理動かそうとあがくが、エネルギーも無いのに動くはずがない。
最後にラウラの必殺技から搭乗者を守るため、残ったエネルギーを全て防御に回したのだから。
それでも動かし、ようやく湧き上がった歓声に手を振っているラウラに、背後から一撃入れようと考えている冬也。
そんな彼の目に、ある表示が映った。
『シールドエネルギー消失を確認。リモートパラサイトシステム始動』
「何だこれ――あぁぁぁぁぁっ!?」
突如響く冬也の悲鳴に、会場内の全員の視線がそちらへ向かう。
何があったのかとカメラもズームし、様子を捉える。
するとそこには、白式の背中にコウモリのような模様が浮かび、全身の血管が浮き出てくるかのように赤い線が広がっていく。
もがき苦しむ冬也の様子から、操縦者にも何かしらの負担が掛かっていると思われる。
さらに司令室の方でも緊急警報が鳴り響く。
「何が起きた!」
司令室の責任者である千冬が状況説明を求める。
「藤島君の機体から異常な反応を感知しました。シールドエネルギーも回復していきますし、操縦者及びこちらの信号を受け付けません。このままでは白式が暴走します」
オペレーターの席に座っているネカネの説明に、前回の代表戦の繰り返しを想像する。
そうならないために、可能な限りの手を考える。
「藤島、白式を待機モードに強制解除できるか」
『とっくにやってるよ! でも、受け付けない。それどころかこいつ、勝手に動こうとしてる!』
通信の向こうで苦しみの声を上げる冬也の説明に、司令室にいる全員が信じられないといった表情をする。
無人機ならばともかく、既に人が乗っている機体が勝手に動くはずがないと。
しかし、アリーナの中にいる白式は突然のシールドエネルギーの回復と共に立ち上がり、剣を振り回している。
操縦者の冬也は必死に止めようとしているが、暴れるのをある程度抑えているぐらいしかできていない。
『姉さん、早くなんとかしてよ!』
通信の向こうから横柄な声で叫ぶ冬也はあまり好ましくないが、千冬にとっては生徒の一人でもある。
可能な限り最善を尽くす義務が千冬にはある。
「教員部隊は急ぎにアリーナへ、白式を止めろ。スプリングフィールド先生は観客に被害が出ないよう、バリアを強化。万一に備え観客席の生徒、来賓は避難を。ボーデヴィッヒもすぐにビットへ退避しろ!」
素早く指示を出し、自身も状況を少しでも把握しようとコンソールを叩き白式にアクセスする。
だが、表示されるのはエラーや原因不明という文字ばかり。
生徒達と来賓は避難を始めたが、ラウラはビットへ退避しようとしない。
『教官、私が奴を抑えます』
「退避しろと言ったはずだぞ」
『しかし』
「早くしろ。今はまだ藤島が抑えているが、暴走の結果どうなるかわからん。生徒であるお前を、無暗に危険な目に合わすわけにはいかん」
前回の無人機の件では、鈴がロックオンされ、教員部隊が動けないという非常事態だったので致し方なくイチカ達に戦わせた。
今回はラウラはロックオンされておらず、教員部隊も問題無くアリーナへ向かっている。
なので、千冬は生徒であるラウラの安全を優先させた。
そんな気持ちを察してか、尊敬する元教官の指示だからか、ラウラは標的にされる前にビットへと引き上げた。
後は教員部隊が制圧すれば済むと思っていたが、アリーナへ駆けつけた教員部隊に白式は斬りかかった。
「何をしている藤島!」
『俺じゃない! もう俺には、こいつを抑えられない!』
体力的な限界で冬也にはもう白式を抑えることもできなかった。
解放された白式は、背中にある蜘蛛のような模様の指示に従うかのように、教員部隊へ攻撃する。
「仕方ない。攻撃を開始、シールドエネルギーを削って動きを停止させろ」
とても制圧して押さえ込むのは無理だと判断した千冬は、武力行使による撃破を指示した。
白式は近距離武器しかないので、数名が囮として引き付け、残りが遠距離から射撃攻撃で削る。
機能そのものは変化を見受けられないという通信を聞いた教員部隊は、なら大丈夫だと躊躇無く引き金を引いた。
「うわわわっ!?」
撃たれた冬也は驚きの声をあげるが、絶対防御はしっかり発動している。
シールドエネルギーは削られていても、冬也には傷一つ無い。
「零落白夜が発動する可能性もあります。接近の際は注意を」
『了解』
部隊の隊長らしき教員の指示に、囮役の教員が返事をして白式との距離感に気を配る。
時折、白式が囮ではなく射撃する方へ攻撃しようとするが、素早く散開してがら空きの背後を囮部隊が叩く。
再度そちらへ気を取られたら、今度は射撃部隊が一斉射撃する。
「さすがは先生方、一糸乱れぬフォーメーションだな」
撮影していた生徒は避難したが、カメラは生きているので映像はモニターで見れていた。
控え室でそのモニターを見ているイチカの発言に、全員が頷いて教員部隊の動きに感心する。
「やるっスね。下手な軍の部隊より統率がとれてるっス」
「戦い方としては基本に忠実ですけど、その基本がしっかりしているからこそ、安心感がありますわね」
イチカ達も最初は自分達はどうするべきかと悩んでいたが、今は教員部隊の戦いを見て落ち着いていた。
安定した戦い方を見て、これならそうそう失敗しないだろうと、戦いの様子を観戦している。
退避して戻ってきたラウラも、教員部隊の予想以上の錬度に表情が隊長の時の表情になる。
「やるではないか。囮役は回避と誘導を同時にこなしているし、射撃部隊は狙われた無理せず散開して接近戦には応じない。冷静かつ堅実な戦闘だ」
現役軍人であるラウラさえ認める教員部隊のフォーメーション。
派手さは無いが確実に白式のシールドエネルギーを削り、残りは二割を切った。
「それにしても、今回のアレはなんだ? 変な強化してバグでも起きたか?」
「仮にそうだとしても、無人機でないISが勝手に動くはずないよ」
プログラミング等に精通している簪の指摘に、そりゃそうかと全員が納得する。
「じゃあ、考えられるのは」
数名の脳裏に一瞬、某兎耳巨乳が浮かぶがすぐにかき消した。
束は確かに冬也を好いていないが、だとしても実験台に使うほどでもない。
何もせず放っておき干渉しない。
それが束が冬也に取る唯一にして絶対の行動だ。
「なんか最近、変なことが多いですわね」
「嵐の前触れじゃなけりゃいいけどな」
「ケイシー先輩、それフラグ立ちそうだからやめてください」
そんな事を話している間に、モニターの向こうでは教員部隊がようやく白式を制圧し終えていた。
待機状態に戻った白式は回収され、解析に回される。
白式によってはちゃめちゃに動かされて体を痛めた冬也は、担架で医務室へと運ばれていた。
「あっ、そういえばトーナメントはどうなるんだ?」
ふと浮かんだ事を口にした弐の疑問に、この場の誰も答えられない。
こういった場合の処置は、教師達に委ねられているのだから。
「トーナメントは一回戦のみ全てやって終了とする」
待機命令をしにきた千冬にトーナメントについて聞いたところ、そんな回答が返ってきた。
一回戦といっても、残るは代表限定戦が四試合のみ。
とりあえずはデータだけでも取ろうということなのだろう。
それとなく今回の白式の暴走についても聞いてみたが、原因不明としか言われなかった。
これは誤魔化しているのではなく、本当に原因不明なのだ。
コウモリの模様と赤い線は再展開した際には既に消えており、内部データにも異常らしい異常は無かった。
「本当に何も無かったの?」
前回のクラス代表戦での事もあり、何かが起きようとしているのではと考えたイチカは廊下に出た千冬を追って尋ねる。
千冬は周囲を見渡して他に誰もいないのを確認すると、小声で囁く。
「……これは本来は機密事項なのだが」
実は内部データに異常が無いというよりも、異常が無くなっていたそうだ。
徹底的に解析してみると、白式が教員部隊に制圧され、シールドエネルギーが尽きたタイミングで自壊らしい。
侵入経路が冬也の端末だったのでそちらも解析したところ、外部から強制インストールされた痕跡を発見した。
「外部から?」
「あぁ。そこで束にも連絡を取って調べさせている最中だ。あいつは冬也の事で調べるのが嫌だと言っていたがな」
「じゃあ、どうやって納得させたのさ?」
「……すまない」
何故か謝る千冬に、イチカは嫌な予感を覚えた。
「千冬姉、何を差し出したんだ?」
「いやいやいや、別に何も差し出していないぞ。テオドラさんから頂いたお前の半ズボン姿とか、海パン姿とか、風呂上りの浴衣姿の写真のコピーなんて渡していないぞ」
こういった後ろめたささから、機密事項を話してくれたのだ折るが、思いっきり口走っている報酬内容にイチカは頭痛を覚えた。
いつの間にかそんなものを姉に渡していた義母と、それを報酬に利用する姉に。
今頃嬉々として依頼に取り掛かっているであろう束はこの際放置し、とりあえずイチカは千冬の頭を引っぱたいておいた。
「くっ……。イチカが私に対してツン期を脱してくれない。いつになったらデレ期が」
「来るか!」
おまけ
とある空間の暗闇の中、液晶画面が映り文字が表示される。
――計画第一段階・実験β終了
強制停止信号の拒否……問題無し
シールドエネルギー供給機能……正常に作動
VTシステムを応用した自動戦闘システムによる戦闘行為……従来の性能の半分も発揮できず
単一能力の発動……不可
IS搭乗者以外への攻撃不可機能……正常に作動
絶対防御システム……正常に作動
稼働中における搭乗者への負担……レベル中の負担を計測。数十分で疲労状態になると推測
戦闘データの収集……成功
自壊システム……正常に作動
リモートパラサイトシステムは今計画において効率的ではないと判断
よって実験βによる計画実行は不採用
続いて実験γへと移行
実験対象ISの選別を開始する
やがて画面は消え、空間は再び暗闇に包まれた。