剣を片手に野望を胸に1から始める塔攻略! 作:久遠/kuon
また、投稿主は今回が初投稿となりますので至らない点が多々ありますがご容赦の上ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!
「よくいらっしゃいました。新たな冒険者様!ここアヴァベルの都市は突如空から降ってきた塔を調査するために塔を中心に築き上げられた街です!準備を整えてメインタワーの調査をお願いします!」
ぼくはファイン姉さんの新しく街を訪れた冒険者への説明を少し遠くで聞いていた。
去っていく冒険者を笑顔で手を振りながら見送るファイン姉さんに近づいて八つ当たり気味に言う。
「ぼくはいつになったら冒険者になれるの」
「ソウカはもう職業決めたの?」
「ううん、まだ決めてない」
「なら、まだもうちょっと先ね」ファイン姉さんは優しく笑ってぼくの頭を撫でた。
この街では誰でもメインタワーと呼ばれる今だに謎の多い塔を調べる権利がある。ただしメインタワーは危険が多く、調査中に命を落とす者が多かった。そこでメインタワーを中心に建てられた3つの拠点『リヴェール』『ノクトアル』『アストリア』はメインタワーの入場制限を作った。それは職業に就くこと。この街で職業と言えば鍛冶屋や道具屋のことではなく、【ウォリアー】【ローグ】【レンジャー】【アコライト】【クリエイター】【マジシャン】【ワンダラー】という基本7職のことを指す。それぞれには固有の特徴があり、《スキル》と呼ばれる体術がある。この《スキル》は鍛錬次第でどこまでも強くなる。この職というのは1度決めるともう変えることは出来ない。ちなみにこの基本7職の上には上位職という物があるらしいがソウカはまだ知らない…
「職か…いつか…決められるのかな…」
〜5年後〜
「よくいらっしゃいました。新たな冒険者様!ここアヴァベルの都市は突如空から降ってきた塔を調査するために塔を中心に築き上げられた街です!準備を整えてメインタワーの調査をお願いします!」
「その説明は何度も聞いたぜ!ようやく僕の冒険が始まるんだッ!」
うおおー!と雄叫びを上げていると、ファイン姉さんが心配そうに
「絶対…怪我しないでよ…?本当にメインタワーは危険なところなんだから」
「大丈夫!いつか塔の真実を見つけ出してやるぜ!」
「もう…1度決めたらほんとに言うこと聞かないんだから…最近は特にモンスターが手強くなってるって噂なんだから気をつけてよ!?」
「分かってるってー!」行ってくるー!っと手を振りながらメインポータルと呼ばれるメインタワーの入り口へと向かって歩く。
「ふふふ、ここから天才冒険者ソウカの覇道が始まるのだ…!」
「……ボスには近づいちゃダメよー…!……」
「分かってるってばー!!」今だに叫んでくるファイン姉さんに同じように叫び返してメインポータルへと飛び込む。
しゅうううっと消えていく体を見て大はしゃぎしているソウカを見ながらファインはまだ心配そうにして思案する。
(あの子ももう子供じゃないから大丈夫だと思うけど…神様…どうかソウカが怪我しませんように…)
そんなファインの心配を知ってか知らずかソウカは一階でオークと呼ばれる人型のイノシシの振り回す棍棒をかわし、1度剣を地面深くまで沈め一気に振り上げた!そして飛び上がった直後に思い切り振り下ろす!「《レイダーファング》!!」
ボシュッと音を立てオークは消えた。
「へっへ、俺にかかればこの程度楽勝だな!」
「へーなかなかの威力だね、拠点で結構練習した?」
「良く分かったな!おれの剣技を見抜くとはお前……お前誰だよ!?」
「ギルドって知ってるか?若き冒険者よ」
「アレだろ?弱い奴の集合体。ソロで突破出来ねぇから徒党組んでるっつーやつ。おっさんギルドマスターっての?」
「君はアレだよね…的確に逆鱗に触れてくるよね…まあ良いさ、僕のギルドに入らないかい?」
「やだよ、弱いやつの集まりなんか。おれまで弱くなっちまう。」
「なるほど…君は僕のことも弱いって言うわけだね?」
「当たり前だろ?マスターってことは1番最初に徒党組もうって決めたんだから、弱いに決まってんじゃん。最弱なんじゃねーの?」
「おーけーおーけー…君は3階に行ったことはあるかい?」
「行ったことねぇけど…あ、おっさんもしかしてボス倒せないから最強のおれに頼もうとか思ってる!?」
「(んなわけあるか…)…ああ、君の力なら倒せると思ってね」にっこりと笑うおっさんに不信感を抱きながらも3階へと向かう。
「で?おれに倒して欲しいのはどれだ?」
「あの奥の方にいる〈ジャバウォック〉ってのさ」
「ほほう、なるほどでかいが…おれの敵じゃない!喰らえ!《ファストスタブ》!!」
剣を思い切り後方に引き、狙いを定めて全威力を剣先に溜め込んで突きを放つ!
(よっしゃクリーンヒット!)
だが、ジャバウォックは少し後ろに押されただけでダメージを受けた様子は無い。
(うっそ!?やばっ…)ジャバウォックが紫色の気を溜め始める。
それが解き放たれる直前。
後ろから、バッと影が踊り出る。
腰のガンホルダーから2丁拳銃を取り出し前進しながら一気に弾をばら撒く。そして繋げる様に足を前後に開きさらに多くの弾をばら撒き、追い討ちとばかりに不可視のフィールドを縦横無尽に弾が飛び交うスキルを発動させた。
そう、今のは明らかにスキルだった。だがソウカの知る限り銃を使う職は【レンジャー】のみで今見た3つのスキルの内1つしか見たことが無かった。もちろんソウカの職である【ウォリアー】にもあんなスキルは無い。
止めは刺さずスタスタと歩いてくるおっさんにジャバウォックが紫色の球状の気を放とうとする!
「危ねぇっ!」思わず叫ぶがおっさんはニコニコ笑うだけで振り向こうとすらしない。そしてスキルが放たれる直前突如としてジャバウォックの足元に魔法陣が発動し氷混じりの竜巻がいくつも立ち上り回転しながらジャバウォックに襲いかかった。
「もう!止めくらい刺してください!」
「LAを譲るのはマスターとして当然だろ?」おっさんは近づいてきた女性に笑いながら言った。
まだ言い合う2人に俺はためらいながら問いかけた。
「なあ…お前ら…あのスキルなんだ?俺…あんなスキル見たことねぇ…それに、なんでそんなに強いのにギルドなんて組んでるんだ?」
2人は目を合わせクスッと笑い俺の問いに答えてくれた。
「さっきとは随分態度が違うな?それにお前の考えは間違ってるぜ、ギルドは弱い者同士が組んでるんじゃない。一緒に強くなって高みを目指すため、そして自分達の持ってない物をそれぞれ補うためさ。」
「1人で悩むよりみんなで考える、が形を取ったような物ですよ」
「そ、そっか…じゃあ!あのスキルは…?」
「はっは!知りたきゃうちのギルドに来な!お前は見込みがある!これから強くなるぜ!」
「上位職ですよ、特定の条件を満たせば就くことが出来ます」
「おい!言っちゃったらギルド来てくれないかもしれないじゃん!」
「初心者の質問に答えることは普通ですよ!まったく…汚いんですよマスターは」
「おい言い過ぎだってば!いくら無礼講ギルドでもそれは言い過ぎだぜ!?」
「うるさいです。耳がキーンとなってしまいます。」
いつからこうなったー!そう叫んで上位職のスキルだろうか着弾と同時に爆裂する弾を周りのオークに打ち込み始めた。
「あの…おれ…ギルド入るよ。あんたらのギルドに。」
キョトンとした顔で2人がこっちを見てくる。
「な、なんだよ!入るっつてんだから喜べよな!」
すると2人は大笑いし、おっさんが銃で俺の頭をグリグリしながら
「んー?態度がおかしいんじゃないかなー?」と言ってくる。
「…はぁ」
「痛っ!?杖でマスターどつくのはどうかと思うよ!?」
「確かにこの態度はイラっとくるものがありますがせっかくの加入希望者なのですから歓迎しましょう。」
「分かった分かった…ようこそ若き冒険者!我がギルド[エターナルフィフティーン]へ!」
「…ちなみにどういう意味なの?」
「いや、ギルド設立時にさ、この子に俺が年齢聞いたときに『永遠の15歳です☆』って言ってきたから大爆笑してギルド名決定ってわけよ!」
「あの時はまだ若かったんですよ…」
「いや、永遠の15歳に老いも若いも無い…痛っ!痛いってば!!」
なんだか…騒がしい冒険の日々が始まりそうだった…。
タグにもある通り不定期更新かつ本命小説の息抜きに書くつもりなので大幅に間が空くかもしれませんが、楽しんでいただけたら幸いです!