技術史な使い魔   作:ddds

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にじファンより移転してきました。

キャラクターのみで攻殻機動隊なども影響しています

また、他サイトに投稿している『虚無と大戦』と
大筋の話が同じであるため、『虚無と大戦』が進むまでは更新予定がありません。
よろしければ、『虚無と大戦』も読んでいただけると幸いです

このSSとは雰囲気も大きく違いますので注意してください。



地理などの面は現実と同じものを使用します(勿論修正あります)
そのため原作崩壊要素が多数存在します

にじファンの頃の数話を一つにつなげているため、
多少違和感があるかもしれません。


まあ適当に見てくださいな


プロローグ

人類は限界だった

 

何が限界だったか

単純に地球での繁栄が限界だった

 

神の子を名乗る男が現れてから数千年

人類はエネルギー不足に悩んでいた

 

核融合炉でのエネルギー生産では追いつかなくなり

人類はついに一部ではあるがダイソン球に手を出した

ダイソン球というのは

太陽のエネルギー全部回収すればエネルギー使い放題じゃね?

的発想から生まれた太陽を包む殻である

 

そしてその工事の第一段階 ひとつめのリングが完成していた

 

同時に食料の不足にも悩んでいた

人類は地球の循環システムに影響を与えない最大限の農地を開拓し、

先進国が莫大な資金を使い、砂漠を緑化し、足りない分は工場で作り、

土を食べる研究をもし、ついに糞尿にすら手を出しても

人類には食料が足りそうになかった

 

地球の総人口170億人

核融合炉用のヘリウム3の採掘施設を中心とする月面都市の総計が

2000万人

テラフォーミングの最終段階にある火星の人口が

4億人

金星の高高度で飛びながら金星のテラフォーミングを行う浮遊都市

というより飛行都市連合が

4000万人

木星の衛星系や土星、その他の惑星の衛星軌道上で資源回収をしている前哨基地が

120万人

 

だがそれは恒星外移民を始めるまでの話だ

人類はついに超光速航行技術を手に入れたのだ

惑星外移民を始めてからは更に恒星外に幾つかの居住可能惑星や

テラフォーミング可能な惑星が発見され

移民開始から100年

人類はオリオン腕全体に広がり

太陽系外人口だけで50億人になる

 

 

そしてきっかり100年目になる今日

日本国第22次移民船団「瑞鶴」は未だ未知である銀河の中心方向へ向けて

旅立とうとしていた・・・

 

福島県は双葉市

かなり昔の話となるが、「原子力発電所」なる原始的発電所の事故により

人が住めなくなった

 

しかしその後ナノマシン技術の進歩により放射性物質の回収が容易になるも、

元の住人はすでに大半が死亡していたため、結局無人地帯に

そこに宇宙港が建設されたのだ

周囲30キロは無人だったため騒音被害も発生せず、

それまでの宇宙港だった種子島に比べて首都圏にも近いため、

世界一の宇宙港として大いに発展した

 

 

移民の開始からは複数の大規模ドックやその付随工場が建設され

人口は300万にも達する都市になった

 

 

「これより出港式を行います」

総理大臣の男が言う

今までに何十回か送られた移民船団だが、毎回の出港式がお決まりになっていた

「本日 世界初の移民船団「大和」の出港から100年となります」

「この「翔鶴」が向かう先は未だ誰も行ったことのない銀河の中心方面」

「我々、人類は孤独ではありません 人類は常に全てが共にあるのです」

 

その他色々割愛

そして無事出港

 

超大型居住艦1

大型居住艦2

大型製造艦2

環境艦6

小型製造艦4

娯楽艦8

戦闘艦12

多目的艦2

からなるこの船団は

日本国の名を掲げてはいるものの

実態は独立国家であり、法律も行政も日本とは全くの別物であった

大統領制だし、物資統制はかかることもあるし、

船団内総動員法、人口制限法すら存在するのだ

人口は300万人 2000万人まで対応できるようになっている

全ての艦で環境システムが共有されていて、

最低でも環境艦が2隻ないと環境システムは崩壊してしまう

全長50キロにも及ぶ船団は、

 

2時間かけて大気圏を離脱

 

その後月軌道を通過し超光速航行へ移る

未知のエリアは短い距離をジャンプするのを繰り返すのだが、

地球周辺はすでに星図があるため長距離ジャンプができるのだ

だがこの時は誰も予想が出来なかった

あんな理解不能な事態になるとは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事超光速航行に移行できたと思っていた移民船団「翔鶴」一行であったが・・・・

 

 

超光速航行に入って主観でわずか一時間後のことである

 

「何があったんだ たたき起こしたからには何かあるんだろうな」

大統領になった男が中央管理室に現れた

どうも寝ていたらしく、髪はボサボサでしかも寝間着だった

それほど重要なことだということだ

だがそれは普通に見ればマヌケなのだが

 

「実は・・・・」

画面を監視していた男が何かを言いかける

 

「なんだ 正直に言ってくれ」

 

「突然空間が歪んだんです」

 

「当たり前だ 歪んで飛んでいるんだろう」

 

超光速航行というのは

物体が存在すると空間が歪むのなら、

空間を歪めれば物体がなくても何かしらの形で質量が発生し得ないか

という無茶苦茶な理論の元作られたものだ

 

無茶苦茶のはずができてしまったのだ

詳細な説明は複雑なので割愛するが

人工重力にも応用できるし、兵器としても有効であるかもしれない

 

「歪んでいるというどころじゃないですね 空間に穴が開いているんです」

 

「なん・・・だと・・・」

 

空間に穴がある

この現象は特殊な状態でしか発生しない

ブラックホールである

非常に強力な重力により空間が無限に落ち込んでいるので離脱できない。

「球状の穴」である

 

「そんな馬鹿な 地球から50光年も離れていないんだぞ」

 

「ブラックホールではないようです。引力がないですから。ですがもう手遅れのようですね・・・・」

 

「何・・・?」

 

大統領が周りを見ると

超光速航行で周りは真っ黒だったはずが星が見えるようになっていた

 

「というか俺を呼び出す必要はあったのか? 電話のほうがいいじゃないか」

「いいえ 穴が発生したときには既に手遅れでした」

 

 

しかし空間の穴に入り込むなどということは前代未聞であり、

何が起こるのかわからない状態だった

ブラックホールならすぐにバラバラになるのだから

 

だが彼らはすぐに理解した

「ここは故郷から遠く離れた地」であると

 

 

 

 

 

 

「状況を報告しろ」

大統領が緊急閣議とドアに書かれた会議室に入り各大臣に報告を要求する

 

最初に天文大臣と書かれた席の男が手元の資料を読んで説明し始める

 

「現在 無人・有人探査機を全て使って星図の制作を全力で行っておりますが、半径10光年の恒星系の星図が完成しました

これがその資料です」

 

「これは・・・・」

「どういうことだ・・」

 

会議室が騒がしくなる

 

「ええ。間違いありません。太陽系です。」

天文大臣は続けて言う

 

「我々のよく知る太陽系のように水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星。

それぞれによく似た星が確認されています」

 

「だが我々の太陽系ではない」

 

「その通りです。いかなる電波も宇宙船も確認されていません」

 

「で、我々が一番知るべきなのは・・・」

 

「勿論地球です。次の資料をご覧ください」

 

その時 また会議室が騒がしくなった

 

「この恒星系の第三惑星 仮に地球と呼称しますが、

地球にはご覧のように適度な大気と青い海が確認されています」

それは無人探査機の撮影した画像だった

青い大気に包まれて茶色と緑の陸地を囲むような青い海

間違いなく地球だった

 

「ここまで似ているのに・・・」

 

「ええ、月が2つなんです」

天文大臣は続けて言う

「この二つの月は二重連星のようで、微妙なバランスを保っています」

 

「普通なら地球に落ちるのでは?」

 

「その通りです。が、説明不明な力が働いています」

 

「その力の検討は付いているのかね?」

 

「いえ、全く想定できません

今後はこの恒星系第三惑星の観測を強化すべきかと」

 

「それで問題ないしそれ以外思いつかないな」

 

 

次に外務大臣が話す

 

「まずこの状況から言って、

地球との連絡はほぼつかないと考えていいでしょう。

また、他の移民船団などとも連絡が付きそうにありません。」

 

「すべての周波数帯を監視するほかないな」

「それが懸命かと」

 

が、それは日常の任務なので特に代わり映えはない

 

次に環境大臣が話しだす

「船団全域において循環システムは良好。食料備蓄も36ヶ月分はあります。」

 

「つまり異状なしということだな」

 

その他の大臣の報告も終わり、本題に入っていた

 

「あの星をどうするかだな・・・」

 

「とりあえず距離が2光年はあるので火星軌道あたりまで入って近くから観測ですかね」

 

「それ以外考えられないな」

なんせ何年も旅をした先で見つけるつもりだった移住候補の惑星が今自分たちの目の前にあるのだから

移住を主目的としている以上、それしか考えられなかった

 

2光年は目の前と言えないかもしれないが

数十分で行けるならそれは十分目の前と言える

 

 

 

「あと市民に伝えるかどうかだな・・・」

下手に発表して混乱してもらっては困る

強硬派が出てきて

『今すぐ地球に降りるんだ!』などと言われてはたまらないからだ

 

「とりあえず今は隠蔽ということで」

 

「まあ明日までには嫌でもバレるだろうな」

 

幾つかの光学望遠鏡は民間のものが存在しているからだ

趣味に使っている人もいるし仕事で使っている人もいる

超光速航行中止については『機関の故障』にしておいた

出発早々故障していては不安がられるかもしれないがパニックになるよりはマシだった

 

 

だが、開始早々の閣僚会議に不信感を持つ人も少なくなかった

 

 

 

次の日

 

 

緊急の大統領府発表となり、事態を説明することになった大統領は混乱しつつあった

単純に『どう説明するんだよこれ・・・・』ということである

 

 

 

『えー・・・結論から申しますと』

『地球との通信が途絶しました』

その時 

 

時間が凍結した

街全体の時間が止まったように見えたのだ

 

 

ありえないことだが、人間の主観で止まったように見えるならそれは止まっているも同然である

 

 

次の瞬間

記者の質問攻めになった

 

『どういうことです?説明してください』

『地球に何が起きたんでしょうか』

というよりパニックだった

 

電話網はパンクし、ネットもサーバーダウン

 

危惧していたことそのものだった

当然だ。宇宙広しといえど安心して帰れる星はひとつしかないのだから

 

「とりあえず話を聞いてください」

 

 

続けて今置かれている状況、

そして今後の予定などを説明した

 

 

ある記者が言う

「我々は地球に帰れるんでしょうか?」

「分かりません。ですが、なくても帰れる場所を作る必要があります」

 

「つまり将来的に第三惑星への揚陸を行うと。」

「そういうことになります

ですが今後の調査内容によってはそれが大幅に遅れたり、

最悪降りれない可能性もあります」

 

 

それを最後に記者からの質問は終わった

 

 

早速超光速航行で火星軌道まで移動することとなり

わずか30分のワープを行った

 

 

 

その先にあったのは

間違いなく地球だった

肉眼でもわかる。自分たちの知っている地球だと

 

某日カップ麺のアニメみたいに赤かったりしない。

星戦争のコルサントようにビルで埋もれているわけでもない

 

間違いなく青い星がそこにはあった

 

 

その日のうちに地球低軌道に向けて多数の人工衛星が放たれ、その日の行動は終了

 

 

 

大統領は寝床でこう思った

 

「ああ・・・・めんどくせぇことになったなぁ・・・・」

 

探索と移動を繰り返しているうちはたいしたことないと思っていたのに

初日からあの状態じゃあ体力が持たないし、

今後も仕事が山積みだと思うとかるく憂鬱になる

 

明日は昼まで寝よう。いっそ明日全部寝過ごしちゃおう

子供のような発想にまで至ってしまう

それほど先が見えないのであった

 

 

 

 

 

 

閣僚会議と書かれたドアを開けて定位置につく

既に自分以外の全員が揃っていた

「さて、今日も現状を報告してもらおうか」

 

全員の視線が一人に集まる

 

 

まず全員が見つめる先には「天文大臣」

「えーとですね・・・更に理解し難い事態に陥っています」

「どういうことだ」

 

「手元の資料に詳細が・・・・」

 

その時、会議室が騒がしくなるどころか一瞬で凍りついた

 

理解できなかったのだ。自分たちの目の前にあるものが

 

そして数十秒の沈黙の後

一人が口を開いた

 

 

 

「地球だ」

「間違いない。これは地球だ」

例の第三惑星の地理情報であった

 

ユーラシア大陸があり、その南にアフリカ大陸、大西洋を挟んで北と南に両アメリカ大陸

間違いなく自分たちの知る地球であった

 

「偶然にしては異常です。ですが、少々おかしい点も存在します」

「というと?」

「次のページを御覧ください」

 

今度は会議室が少しざわめいた

 

「ええ、よく似ているようでなにかが違うんです」

それはヨーロッパによく似た地形図であったが

何かが違う

 

 

「スペインに当たる部分の陸地がないんです」

 

ピレネー山脈にあたる部分からスペイン寄りに陸地がないのだ

 

ジブラルタル海峡に当たる海岸線は急な崖になっていることが予想される

 

「また、北欧のスウェーデンとノルウェーに当たる部分も存在しません」

北海が非常に広いのだ

 

「イギリスの位置がおかしくないか?」

「ええ、土地全体が標高1000mになります」

 

イギリスの位置がおかしかったが、詳細は不明らしい

 

 

「それよりも驚くべきことは・・・」

 

天文大臣は続ける

 

 

 

「人間が居ます」

 

 

 

 

会議室が完全に凍りついた

凍りつくのレベルではない

完全に時間が止まった

そして数分たった頃だろうか

その場の全員が驚愕した顔で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「なっ・・・なんだってえええええええええええええええええええええええ」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう驚くのは当然だ

人類は既に地球外生命体を発見していたが、どれもが細菌や植物の類で、

動物も少数存在するが地球では考えられない形状を指定たりしていた

『人間』のような知的生命体も可能性がなかったわけではないが、

人類と同じような形状をしている可能性はほぼゼロで、それこそプレデターだのタコ型だの

なんでもありえたのだ

 

『人間』がいる

それは外見上であるが、自分たちと同じ見た目をしているということだ

ありえないことが次々と現実となる

これから起こることが全く読めず、全員の頭は壊れかけていた

 

 

 

天文大臣は続ける

 

 

「また、文明もあるようです」

 

 

 

 

 

ΩΩΩΩ<な、なんだってー

 

本当はもっと衝撃的なのだが

マンネリ化を防ぐために変更す

 

 

「文明があるということは我々に気付いている可能性も・・・」

全長50キロの物体が火星(仮)付近に存在しているのだ

宇宙に出れなかったとしてもフォボスやダイモスを1800年代には発見されている以上、

見られている可能性があった

が、それは非常にまずい

『宇宙人の侵略だ』などと騒がれてはたまらない

 

 

 

「いえ、文明のレベルは中世末期程度、天文学があるかどうかすら怪しいです」

 

「そうか・・・で、どーすんのよこれ」

大統領がその役職らしからぬ言い回しをし始めると

 

 

「文明の存在は確認できましたが、不明な点が多いんです

現在まとめている不審点は」

 

 船が陸上にある

 イギリスが海に面していない

 というか浮いている

 文明はヨーロッパ周辺にしか存在していない

 中東周辺の砂漠がトルコあたりまで進行している

 その他の地域に人間が居るかどうかは不明

 

「以上になります」

 

「文明が存在している以上、まず相手のことを知らなければならないな・・・」

「我々の故郷にもなりうるわけですからね」

天文大臣は続けて言う

「東アジアの島国には文明も存在せず、人間も存在しないと予想されます」

「つまり・・・日本のことか」

「その通りです」

 

「つまり降りれと。」

「とりあえずはそうするべきでしょうな」

 

 

「とりあえず今後の方針も決めなければならない

勿論我々だけでは無理だ 専門家や学者も呼ばないとお話にならない」

「そうですな では明日また招集をかけてまた明日決めるというとでよろしいでしょうか」

「それしかできそうにないな」

 

他の報告は聞かずにお開きになった

大統領はつかれていた

というか他の大臣も疲れていた

理由は簡単だ

 

 

『リアクションに疲れた』のである

文明が存在していて、人間も存在している

非常に面倒になる内容であった

現地に人間を派遣する必要もあるし、

最悪

というか当然なのだが言葉も通じないかもしれない

非常に面倒である

 

しかもそれが変な宗教でまとめられてたらもう大変

その力を利用して団結したり、

意思疎通ができても宗教的な禁止事項に触れて何が起こるのかわからないし

複数の宗教が存在していたり、

精霊崇拝のような原始的宗教ならいいのですが・・・

 

非常に面倒なのでいっそ焼き払いたくなりますが、

それはできない

「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」

略して宇宙条約が1967年に国連で採択され、

2031年に改正案が採択された

この頃になると月面を含める太陽系内の惑星、衛星への植民が本格的な段階となり、

国家間でそれに関する条約が制定された

 

そして月面植民が始まった2061年

「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動及び企業活動に関する条約」

が制定された

略して「新宇宙条約」である

これは民間での宇宙空間活動も記載されたものである

この頃になると民間でも宇宙ステーションを打ち上げるようになる

いや、「打ち上げる」は古い表現となった

スペースプレーンが実用化されたからだ

 

 

そしてつい最近

150年ほど前

初めての外宇宙移民船団が造船段階に入った頃に採択されたのが

「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動及び企業活動に関する条約」

改正案が採択された

これは今まで国家プロジェクトであったスペースコロニーや

惑星移民などの計画を民間でも行えるようにするための改正案だ

 

これには新しい内容である

「地球外生命体が存在する星においての条項」が存在する

この内容は

 

地球外生命体(以下生命体とする)の存在する星において、

植民を行う場合、生態系を破壊してはならない

または、破壊を最低限にしなければならない

よって人間の居住エリアと生態系を保護するエリアで完全に隔離することを推奨する

人間の居住エリアは生命があまり居ないところにするべきである

 

知的生命体が存在していた場合、

彼らと意思疎通が可能であれば話し合いを持ち、

意思疎通が不可能であれば何も言わずその場を立ち去れ

なるべく干渉してはならない

ただし正当防衛は認められる

 

また、知的生命体が宇宙での活動が可能な場合、とりあえずは意思疎通を図りつつ

地球での国連会議が終了するまで動いてはならない

 

ここでの知的生命体の規準は同じ種族同士で同じ情報を共有できる

を規準とする

 

 

 

などと記載されている

つまり殺生は禁止ということだ

だが今回は場合が場合だ

事実上の国際法だとはいえ、

地球とも連絡が取れず、

また、他の移民船団や植民星にも連絡がつかない

 

しかもそこにあるのは地球によく似た星、

更に人間ときた

 

もう例外的な動きしてもいいのではないかと思うくらいだった

考えるのすらだるい

寝よう

早く寝よう

 

彼らは日が暮れないうちに寝てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして遭難?4日目の朝

未だ商店街も開店しない様な時間に各専門家や学者がひとつの部屋に集まった

 

場所は大統領府である

 

総勢120人

これでも代表だけを集めたのである

 

移民船団というのは20万人の専門家とそれを支えるその他480万人で構成されている

人類文明の全てを継承するためのシステム

 

仮に地球が滅びてしまっても消えた文化や歴史が存在しないようにということである

よって地球上のあらゆる学問の専門家が集まっている

 

また、この会議は移民船団はもとより第三惑星の行く末を決める大事な会議である

よって全艦に生放送である

 

「とりあえず天文大臣。今日報告すべきことはあるかね」

 

「また面倒なことになるのですが・・・」

 

「おいまたか・・・勘弁してくれよ・・・で何なんだ」

 

「由来不明のエネルギーです」

「つまり具体的にはどういうことだ」

「第三惑星の地表面から由来不明の強力な電磁波が検出されています」

 

「それのどこがおかしいんだ」

 

「エネルギーの由来が不明なんです」

「それは今後の調査でわかるだろう 他になにかないか」

 

「地球のエネルギー収支が不釣合であることが判明しました

「詳細を」

 

「我々のよく知っている地球は太陽から約1億4000万キロ離れていますが、

この第三惑星は太陽からの距離が約1億2000万キロなんです」

「つまり、太陽から受けるエネルギー総量が多いということですな」

学者の一人が言った

「そうなんですがおかしい点が複数存在します

まず、地球と同じように温帯域の気温が15-30度で安定しています

また、その他のエリアも地球とほぼ同じ気温です」

「もっと暑くなるはずなのに気温が低くて、

だがその反射や放出したエネルギーはそれほど多くない」

「その通りです。

地球上でエネルギーがどこかへ消えてるんです」

 

場が騒然となった

 

「エネルギーが消える」

ありえないことだった

地球上でも利用可能なエネルギーは使用した後大抵、熱に変わって空気中に拡散する

利用不能になってもエネルギーは不滅だった

エネルギー保存の法則を破壊してしまったのだ

 

 

「じゃあ先程の電磁波になったのでは?」

「我々はそう考えています」

 

「だが太陽光から電磁波に至るまでの間が説明できない

想定もできないしな」

「とりあえず今後の調査で調べるということで」

 

 

 

大統領が正面を向きなおして言う

「さて、本題である第三惑星上の文明への対処だが・・・」

 

ある学者が言った

「社会学から言わせてもらえば相手を知らないと何も出来ないでしょう

こんなありえない話が色々湧いて出てくるこの状況じゃ

より詳細な情報がないと話しにならん」

 

 

場に意義を唱えるものは居なかった

 

大統領は続ける

「とりあえずは情報収集だが、どうやってやるかが問題だ。

突然空から数十キロもあろうかという鉄の塊が降ってきたらパニックどころじゃあないでしょう」

 

地政学者が言う

「文明はヨーロッパ周辺にしか無いというのであれば、

降下地点の東アジアから来たということにすればいいのでは?」

 

考古学者が

「だがそれでも文明度の差が大きいと何が起こるかわからん

この頃は未だ現象の科学的な見方というのがないはずですから

中世末期頃は未だ錬金術をしていたはずです」

 

化学者が言う

「確かに迷信が多い状況では冷静に物事を捉えられる人も少ないでしょうし

そもそも産業革命以降の人たちでもオーバーテクノロジーの塊が突然来れば

パニックになるでしょうな」

 

歴史家が言う

「そもそもこの頃は大航海時代になるあたりだ

外に出て行かないということは何かあるんでしょう」

 

大統領がそれを聞いて

「つまり我々もヨーロッパにたどり着くのに時間がかかったということにすればいいんですな」

 

「そういうことですが、技術水準をどの程度にするかが問題です」

 

「確かに・・・航空機を知らない人が航空機を見たとき『怪鳥だ!』などと言ったそうですし、

航空機がないので航空機よりも前・・・・」

 

「中世末期頃とほぼ同じなのでそのすぐ後の産業革命前後の技術ではどうでしょうか」

 

「となるとどのあたりになる?」

「蒸気機関、鋼鉄、憲法、共通規格あたりかと」

 

「つまり『黒船来航』をやればいいんだね」

 

「ちょうどそのあたりになりますね」

 

「その他の『設定』はどうしようか」

「国名は日本国でいいでしょう。

ヨーロッパに来れなかった理由は喜望峰の未発見及び中東の砂漠に阻まれた

その他の内容は専門家の方々に考えてもらいましょう」

 

どうせ大した内容はない

宗教制度や経済体型、政治制度くらいのものだ

大して時間はかからないだろう

 

かくして、第三惑星の未来の大筋を決める会議の第一回は30分足らずで終わってしまった

 

そのあと大統領府では来週中に第三惑星への揚陸を行うと発表

移住都市一つ目の計画である「新東京市計画」も同時に発表された

 

 

移民船団の人間はまだ知らなかった

この星にとんでもない技術体系が存在することを

 

 

 

 

 

 

遭難?から2週間目

 

ついに揚陸の日となった

それまでにあったことといえば

黒船船団用の船16隻の製造開始くらいだ

受注した造船所曰く「今更こんな古代の船を作るとは夢にも思わなかったよ」

だそうだ

連中は木造艦ばかりみたいなので鉄甲艦ならまあそれなりに驚くだろう

 

我々にとって連中の文明レベルはもはや化石レベルである

しかしいくら文明度が低いからと言って

どう動こうにしろ情報がない

情報がないと動きようが無い

 

とりあえず揚陸してから考える

これからするべきことが多すぎて憂鬱だ

どうせ移住する惑星も見つからず一生が終わるだろうと思っていたのに・・・

 

まったくもってなんてこった

大統領になんぞなるんじゃなかった

地上で普通に官僚やってりゃよかった

そう思うここ数日の大統領である

 

まず揚陸前の第一段階

静止軌道への侵入は既に終えている

惑星の裏側にヨーロッパがあるので見つからないだろうし、

見つかったとしても大した騒ぎにはならないだろう

第二段階低軌道侵入を二時間前に終え、

ついに大気圏突入へのカウントダウンに入っていた

 

大気圏突入するからって大したことはしない

船自体が巨大なのでそれほど揺れないのだ

人工重力もあるのであまり関係ない

寝ていたらいつの間にか地上もありえるのだ

 

大気圏に突入を開始

すこし浮いているような気分になるが、それも30分ほどで終わるのだ

 

こうして船団のすべてが東京湾に着水

揚陸作業と地質調査の船が出ていった

その他にも大量の航空機や資材の揚陸船が出ていく

 

今は暇だが今後が地獄だった

ヨーロッパの方の情報を手に入れたらすぐに対策会議を建てなきゃならんのだ

 

その後数時間たって

幾つかの戦闘艦が喜望峰に向けて飛んでった

 

その後ろを追いかけるように16隻の黒船船団が東京湾を出ていった

その乗員や貨物の内容などは

人間が62人、あとの1000人以上の乗員はすべてアンドロイドだ

効率良く情報を収集するためと、諜報機関から割ける最大人数であり、

他の調査機関なども人手が足りなかった

よってアンドロイドを投入することになったが、

連中にバレることはまず無いだろう

 

既に「電脳化」というのが衰退しつつある現在、

過去に義体化などの技術も高度化しており、

更に人間と同じような感情を持つ思考チップとプログラムも存在していた

どこの誰が書いたのかはわからないが、突然ネットにぶちあげられた代物らしい

そんなのを信用したくないが、幾度も書き換えられつつ、基本は今も変わっていないらしい

体の造形技術も2010年頃には既に高度化しつつあったので義体もすぐに違和感なく作ることができるようになった

 

そんなテクノロジーの塊を理解できる人間があの文明レベルで居るわけがないし、

居たとしても詳細な構造や理論はわからないだろう

 

『行き過ぎた科学は魔法に見える』

誰が言った言葉かは知らんが

全くそのとおりだね

 

船の方はたいしたことはない

1800年代末期の蒸気機関とスクリュー式の推進

前時代の遺物そのものだ

 

あるゲームに例えれば

地図なくして戦争はできないし、スタックもないうちに戦争などできない

未知の技術を持っているなら尚更だ

とりあえずは諜報ポイントに資金を割いてスパイ経済国家を目指すこととしよう

本当に未知の技術を持っているならばの話だが

 

 

3日後

 

黒船船団はマラッカ海峡を通過したと報告があった

戦闘艦は喜望峰に到着

補給拠点の建設を開始したそうだ

 

予定なのでどうでもいいとして今度は物理学や化学や生態学のほうが騒がしい

「未知の物質を発見した」だの

「地球の生物によく似ているが色々とおかしい生物を発見」だの

「遺伝子含める基礎生態系が地球とほぼ一致していることを確認」だの

「人間によく似た生物を発見するも襲って来たので射殺 サンプルとして回収」だの

大量の発見があったようだ

 

いちいち俺に言う必要あんのかよそれ

学会内だけにしてろ

 

だが間違いなく彼らの瞳は新しい玩具をもらった子供のような

好奇心に満ちあふれた目をしている

ここ2日寝ていないそうだが疲れ知らずのようだ

これから毎日何かしらの発見があるんだろうな・・・・

 

だが俺には関係ない

まず諜報部隊がヨーロッパにつくまでは待機

12時前に寝てしまうのだ

 

 

 




このSSはにじファン向けに特化していたため、
ハーメルンに移転させました。
読めない程酷いという人は『虚無と大戦』も読んでいただけると
満足できるかもしれません。
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