シンデレラと野獣   作:BKCT

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こんばんわ、また投下します。


邂逅4

「プロデューサーさん!」

 

「菜々ちゃん!お疲れ!ばっちりだったね!」

 

 収録を終えた部が剣崎に走り寄ってくる。

 

「えへへ。ありがとうございます!…ってあれ?あれ?」

 

 あたりをキョロキョロと見渡す、安部。

 

「ん?どうしたんだい?」

 

「榊さん?でしたっけ?一緒じゃないんですか?」

 

「あぁ、少し前に帰ったよ。何かあるのかい?」

 

「そうですか…いえっ。なんかバタバタしててちゃんとお礼を言えてなかったような気がしてまして…。」

 

「そっかそっか!うーん、でも大牙そういうの嫌がっちゃうからなぁ。」

 

「ええー!そんなぁ…。」

 

「うん、多分ね。その代り、菜々ちゃんの下着をあげればとっても喜ぶと思うよ?」

 

「…ええええ!!??なななな///榊さんてそんな人なんですか!!?」

 

 剣崎はとんでもない、スキャンダルを言う。

しかし、これは真実ではない。

たぶん…。

 

「そうだよー。(ふふふ、ここで大牙の好感度を下げておかないと、菜々ちゃんが籠絡されてしまうからね…ぐへへ…。)」

 

「…プロデューサーさん…聞こえてます…。」

 

「へ!?え、嘘!?声に出てた!?」

 

「えぇ…。…最低ですね。」

 

 安部は物凄く蔑んだ目で剣崎を睨みつけた。

 

「や、やめて!?そんな白い目で見ないでよぉー!!」

 

 効果は抜群だ。

 

「…ふーんだ。」

 

 安部菜々は剣崎からそっぽ向いた。

 

「ぐはぁっ…!」

 

会心の一撃

剣崎は倒れた。

 

「うう、菜々ちゃぁん、ごめんってば…僕はただ菜々ちゃんが心配で…。」

 

「はぁー…。もういいですよー!」

 

「本当!?よかったぁー!」

 

「まったくもう…!それより、榊さんとプロデューサーさんってお知り合いだったんですか?」

 

「あ、あぁ。うん、そうだよー。大学時代からの友達さ。」

 

「へえー!すっごい偶然ですね!」

 

「うん、まぁねー。」

 

「榊さんって、どんな人なんですかー?」

 

「ん?そうだねぇー、一言で言うのはとても難しいんだけど…。」

 

「はい。」

 

榊大牙

彼の人となりを知っている剣崎でもその人間性を説明するのは難しい。

なので、とりあえず自分が思っていることを伝える。

 

「不器用・短気・乱雑・乱暴・適当・素直じゃない・頑固…あとは…。」

 

「悪口!!悪口になってますよ!?それ!」

 

 いいところが無いではないか。

 

「あ、あぁ。ごめんごめん!あんまりこういうチープな言い回しは好きじゃないんだけどね…。リーダーシップ的な…?カリスマ性?みたいなものをこれでもかってほど持ってる…とか?」

 

「なんで疑問形なんですか?」

 

「いや、本当に難しいんだよ?」

 

「そうなんですか!なんだ、立派な人じゃないですか!」

 

「そうなんだけど、まぁ本人にその自覚ないとは思うけどね。」

 

「なんか謙虚な方でしたよね?あーまた会えるかなー?ちゃんとお礼したいなー。」

 

「ふふ、そうだね。…まぁまた近いうちに会えると思うよ?」

 

「本当ですか!?」

 

「今日と同じ立場で会えるとは限らないけどね…。」

 

「え?どういう意味ですか?」

 

「いや!なんでもないよ!ささ、もう遅いよ!帰ろう帰ろう♪」

 

「あーちょっとプロデューサーさーん!待って下さいよー!」

 

 今日のように友人として会えるとは限らない。

相対する敵として目の前に立たれる可能性もあるのだから。

 

 

 

 

「はぁ…。つっかれた…。」

 

 榊は帰るなりベッドに飛び込んだ。

今日も色々あった、本当に。

 

「最近のオレ、アイドル遭遇率が尋常じゃなくね…?しかも厄介ごと付きで。」

 

「刀二か…、懐かしいな。…いずれ蓮三にも会わなあかんやろなー。ったく、めんどくせぇなぁ…。まっでも、自分のケツぐらい自分で何とかせなな。」

 

 口ではそう言っている大牙だが、純粋に嬉しい気持ちもある。

だが、やはり3年間全くの音信不通だったのも事実。

後ろめたさが、やはりあるのだ。

 

「にしてもなんであんなこと、刀二に言ってもたんやろなぁ?オレこんなんやっけ?」

 

 ふと榊の脳裏に愛原と萩原雪歩が浮かぶ。

 

「…期待、ねぇ。眩しい太陽に、当てられたかな。にしても刀二ってあの安部さんのプロデューサーってことはあのキュートプロのプロデューサーってことやんな?…てかすごくね?あいつ。」

 

 榊の付け焼刃のアイドル知識でもキュートプロのアイドルは多く知っている。

みんなとても有名でその中でも安部菜々のプロデューサーということは、とても優秀なプロデューサーということを想像するのに苦労はいらなかった。

 

「うん?待てよ。」

 

 ここで榊はとても重大な事実に気付く。

 

「ってことはあいつ…毎日あんな可愛い女の子たちといちゃいちゃしてるってことかぁああああ!!!!!あの野郎ぉ!!!!」

 

 重大である。榊にとっては!

 

「あんの野郎…!絶対次会ったらたらふく飯おごらせてやる…!!だってあのキュートプロやぞ!?あのDVDにも!このDVDにも!出てきてるやないか!可愛いな畜生!ったくこんなにたくさんのD…VD…。」

 

 ふと榊の思考が停止する。

そう…榊はもっと重要なことを思い出すべきだった。

榊はもともとどこに行く予定だったのか、その目的が果たされた場面があっただろうか。

 

「D…VD…。DVD。あああああああ!!!?レンタルぅ!!!いいいいま何時や!?」

 

午前0時。

 

「…く、くそがぁ…!へっいいよいいよ!延滞料なんか知れてるしな!」

 

「ぐすん…寝よ…。」

 

 榊はふて寝した。

まるでいま起きたことから逃げるように。

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