シンデレラと野獣   作:BKCT

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こんばんわ、投下いたします。
まだ慣れるまで時間がかかりそうです。

展開が遅く申し訳ありません。
アイドルは出し惜しみせずに可能な限り大放出します。

ではよろしくお願いします。


見つけ出した答え

 榊が萩原雪歩と出会う少し前。

 パッションプロの社長と事務員はプロデューサースカウトのため町に繰り出していた。

 

「ところで社長」

 

「なんだね? 千川君」

 

「どういった人をスカウトするおつもりですか? 」

 

「そうだねぇ。うちのプロのコンセプトにあった人材を選びたいところだね」

 

「うちのコンセプト? 」

 

「うむ。今やアイドル戦国時代。可愛い歌がうまいなんてのはもはや区別する材料にならなくなってきている。その中でだ、トップアイドルとして花を開かせるには、私は個性だと思うのだよ」

 

「個性……ですか」

 

「そうだよ、個性だ。アイドルとしてだけではなく、アイドルの子たちの本質。つまりは人間性そのものを前面に出していきたいのだよ」

 

「でもそうなってくると、出ていける番組や企画も偏ってきませんか? 」

 

「そこなんだよ。だからその子達の個性を殺さずに、伸ばしていってくれる。なおかつ有り余る個性を受け入れることのできる包容力とかを考えているね」

 

「へぇ、意外とちゃんと考えているんですね! 」

 

「とても失礼だね。うむ、では2手に分かれるとしようか。同じ場所を2人で回っていても効率が悪いからね」

 

「そうですね。では変な人をさがせばいいんですよね? 」

 

「個性を変とかいうんじゃあない」

 

 ということになり、2人は手分けして個性のありそうな人物探しにいった。

 見た目で個性がわかるか、それは多少。

 

 -とある公園-

 

「はぁーあ、一口に個性といっても全然ぴんと来ないわね」

 

 千川ちひろはとある公園でぼやいていた。

 この公園には榊と萩原がいる。

 

「こんなことで見つかるのかしら。この公園の中一つとっても太極拳してるお爺さんやハトの餌やりしているおばあちゃんでしょ、それに見るからにガラの悪そうな男がアイス片手にタバコ吸って女の子ナンパしてるし……」

 

  言わずもがなだが、3つ目は件の榊の事である。

 現実とは悲しいものである。

 

「あら? あのナンパされている女の子どこかで……はっ! あの子は765の萩原雪歩ちゃんじゃないの!? こうしちゃいられないわ早くあの男の魔の手から助けないと! とりあえず警察っと……」

 

  そんな事態になりかけていたとは、榊は露も知らず。

 しかも、ただ見た目だけである。

 

「ん? でもよく見ると雪歩ちゃんの方から榊に近づいているような? ちょっと会話が聞こえないわね……近くまで行きましょうか」

 

 そうして一連の出来事を聞いていた千川ちひろ。

 

「この短時間で男性恐怖症の難攻不落の萩原雪歩を籠絡するとは! 彼できる!! 」

 

「っとそうじゃなくて!まさしく彼こそぴったりじゃない!! よし、ちょっと声だけでもかけてみましょうか。あの……っていない!? 」

 

 千川は辺りを見渡すが、榊の姿は既になかった。

 どうやらファーストコンタクトには失敗したようだ。

 

 

 

 

「うむぅ、やはりそう簡単にみつかないものだのぅ」

 

 奇しくも、いずれ榊が訪れる撮影が行われる場所に社長も来ていたのだ。

 なんとも数奇な運命である。

 

「しかし、カメラが何台もあるところをみると何かの撮影かね? ん? おや、あれは765の愛原君じゃないか! ちょっと挨拶でも……ん? 走っていってしまったね」

 

「ん? あれは!? 萩原君がガラの悪い男の車から出てきたぞ!? これはスクープではないかね!? よし、もっと近づこう! 」

 

 榊と愛原・萩原との会話の一部始終を聞いた社長はティンときていた。

 彼しかいないと。

 

 然は急げ、早く動かなければ。

 愛原もスカウトしている、ということは765プロとパッションプロでは万に一つも勝ち目はない。

 とすると社長の行動は決まっていた。

 

「とりあえず話だけでも聞いてもらおうか。おーい、そこのキミ……っていない!? 」

 

 社長と千川ちひろは見事にニアミスしてしまっていた。

 まさか同じ人物に目をつけているとは思いもよらず。

 

 社長は先ほどあった出来事を千川に伝える為に電話をかける。

 そして、いい人材をみつけた事を伝えなければならなかった。

 

「もしもし、千川くんかい? 」

 

「はい、社長! 私いい人見つけましたよ! 」

 

「そうかい! 実は私も久々にティンときたよ! 」

 

 お互いに接触できずに終わった旨を聞き終えると、二人はとりあえず合流することになった。

 

 

 

 

「で、千川くん。君の見つけた人物とは一体どんな人物何だい? 」

 

「見た目はそうですね。この世のワルというものを具現化したような人物でしたね。社長の方は? 」

 

「うむ、私の方は殺人以外なら経験がありそうな見た目だ」

 

 全くもって酷い言われようだが、否定はできそうにない。

 

「そうなんですか。確かに見た目は凶悪そうなんですけどね、目なんかすごく鋭いし耳にピアスしてたりしてたんですけど。でも、萩原雪歩ちゃんと普通にトークを……」

 

「萩原くんだと!? 」

 

「え、ええ。雪歩ちゃんを車に乗せてどこか行っちゃいましたけど……」

 

「私の言う彼も車から萩原くんを連れて降りてきたぞ……まさか」

 

「いやそんな……」

 

「「同一人物!? 」」

 

 社長と千川は鳥肌が立った。

 陳腐な言い方だが運命なのではと。

 しかし、運命とは皮肉にも悪戯が好きである。

 榊と出会うのはもう少し先になる、いつだって波乱の先にあるのだ。

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