これぞ、超亀更新
書いては満足出来ずに消しての繰り返し
それが不毛だと思い、取り敢えずあって無いようなクオリティよりも
完結させる事を優先させようかと思った結果の駄文です。
そろそろエクステラも発売ですし、それで創作意欲が再燃したのもありますかね。
fgoの六章は面白かった……。
12月に来るという七章が楽しみですね。
それは太陽を背負った男の歴史である。
男は幼き頃から王道を歩んでいた。
補佐を受けながらも王としての責務を卒なくこなしていたと言われている。
そんな男だが、歳相応に演劇に興味を持ち、自分も舞台に立ちたいと望んだ。
そうして立った舞台で、男が演じたのは太陽の神アポロンだった。
それ故に男は太陽王と呼ばれるようになる。
民からすれば若い王はただの傀儡にしか見えなかっただろう、そんな王が能天気に舞台に立っていたのだから、皮肉でそう呼んでいたのかもしれない。
そこまでの話が事実かどうかは分からない。
歴史とはそもそも何が事実だったのかなど定かではないのだから。
しかし男はあることに気がつくことになる。
民が憂いている時は己も憂いていた、己が笑った時は民も笑っていた。
その様子はまるで本当の太陽のようではないか。
太陽が曇れば地は暗く、太陽が輝けば地は明るくなる。
だから男は楽しむことにした。
王の責務も演劇も両立ではなく、一緒くたにして。
彼は民の気持ちを理解していた訳ではない、ただ単に自分が楽しめる口実が欲しいだけだったが。
男が楽しんでいる時、民も同様に楽しんでいたのだ。
それを確信した時、男は名実ともに太陽王となった。
そんな男が創り出した最高の舞台。
それこそがヴェルサイユ宮殿。
そこで行われた至高の祭典。
それこそが魔法島の歓楽。
ライダーのサーヴァント、太陽王ルイ14世の宝具。
それこそが『魔法島の歓楽(パレー・ド・ヴェルサイユ)』
「では、舞台上のルールを伝えようではないか」
出現したヴェルサイユ宮殿の中には幾多の自動人形が行進をしていた。
その自動人形達の中心にある馬車の上でライダーは高らかに宣言をする。
「これより、朕以外の者の宝具の使用を禁ず」
そう宣言した瞬間、キャスターの周りに漂っていた鏡が地に落ちた。
「御主人様……触る事も出来ないみたいです」
「……これは凄い厄介な宝具ですね」
正確にはどういう効果の宝具か分からないがライダーの言葉には逆らえないようだ。
何度も使えるのかは分からないが、もし何度も出来るのであれば、これ以上ライダーが言葉を発する前に決着をつけなければ……
宝具を展開した相手に無闇に近づくのは悪手だが、幸いなことに自分のサーヴァントはキャスターであり、遠距離からの攻撃に秀でている。
「キャスター、様子見する余裕はなさそうなので、畳み掛けましょう。風の攻撃で」
風の攻撃であれば、相手が素早い攻撃をしてこようが強力な攻撃をしてこようがガードしてこようが、関係なく確実にダメージを与えられる。
「はい。……気密よ唸れ」
しかし、キャスターが投げた札はライダーの前で行進していた自動人形が掲げた旗によって防がれてしまう。
「そうも簡単にはいかないか」
「私の前で日輪を名乗った者の劇というのですからどんな物かと思えば、とんだ人形劇ですね」
「まあ、そう言うなキャスターよ。朕の輝きの前では他の役者など霞んでしまうであろう。ならば人ではなく人形でも問題あるまい。主役である朕さえ見ていれば良いのだからな!」
やはり、ライダーの周りで行進している人形は、ただのオブジェクトではなかったようだ。
恐らくサーヴァント程の強さは持っていないだろうが数が多い。
幾体かは処理しなければライダーにキャスターの攻撃は届かないだろう。
ならば……
「僕が人形を何とかするので道が開いたらライダーに攻撃を」
キャスターにそう伝えてライルは行進している人形のもとへと走り出す。
「ダメですわよ。パレードに乱入だなんて、無粋な事をなさっては」
進行方向へとマリーが立ち塞がったがライルは立ち止まらずに走り続ける。
走りながら髪の毛を一本抜くと、ハルバードへと変質させ、マリーへと振り下ろす。
「オーホッホッホ! 見てから回避余裕ですわね!」
「流石はゲーマーと言ったところか……だが」
横方向へとローリングをしながら回避したマリーに追撃はせずライルは再び人形の下へと走り出す。
「ワタクシに背中を見せるだなんて随分と余裕ですわね!」
マリーは何処からか取り出した銃を構えライルへと撃ち放つ。
その攻撃が是、十二の試練に弾かれるのを確認したところでライルはドヤ顔で言い放つ
「余裕だね」
「なっ!」
「降霊再現…イ………ブ…」
人形の下へと辿り着いたライルは、まるで無双ゲームをしているかのように一度に何体もの人形を薙ぎ払った。
「ほぉ……やはり一時的ではあるが身体能力が英霊の域まで達しているようであるな。面白い! だが主役は朕ぞ、今は控えよ」
「気密よ……」
「これより、魔術及びコードキャストの使用を禁ず」
ライダーの言葉により、ライルの手に握られていたハルバードは元の髪の毛へと戻ってしまう。
そしてライダーの手には弓が握られていた。
「っ!? キャスター! 攻撃を中止して避ける事に集中して下さい」
「朕こそが太陽である(ジュ スィ アポロン)!」
ライダーが上方へと放った矢は光の球体となり、そこから光の矢がキャスターへと降り注ぐ。
連続して降り注いでいる矢を走りながらギリギリのところで避ける事に成功しているが……いや、徐々にキャスターの服にかすり始めていた。
(流石にまずいな……)
宝具を使えなくされただけならまだ何とかなったかもしれないが、攻撃手段や防御手段である魔術まで禁じられてしまっては……
(ん? 魔術の使用を禁じた?)
何かに気付いたライルは先程とは打って変わって人形を背にしてキャスターの下へと走り出した。
「何をする気か知りませんが、もう私を無視して行かせませんわよ……ってあれ?」
マリーが銃を構えるが、弾が発射される事はなかった。
「ど、どういう事ですのライダー! ワタクシまでコードキャストが使えなくなっていますわよ!」
「フハハハハ! マリーよ、下がっておれ。言ったであろう、今は朕が主役であると! マスターは一番近くで見ておれば良い、朕の陽光がどれほど偉大なのかを!」
特に何の妨害もなくキャスターの下へとライルは辿り着く。
光の矢の雨は降り止んでいたが、ついには避けきる事が出来ず、何度かキャスターへと直撃していた。
「すみません。僕の判断ミスで」
「いえ、そんな事は……っ! 御主人様あちらを!」
キャスターの指し示す方向を向くと、ライダーとその周りの人形がこちらへと迫ってきていた。
「すみません逃げてばかりになってしまいますが今はそれで耐えて下さい。キャスターもしかして……ですか?」
「はい、その通りです」
「なるほど、では……」
言葉の最後にライルはキャスターへとライダーに聞かれないように耳打ちをし、キャスターから離れた。
人形達は各々の武器を構え、キャスターへと振りかぶった。
しかし、武器が振り下ろされる事はなかった。
キャスターの掌底により人形の一体が周りの人形を巻き込んで吹き飛んだのだ。
「ほう! これは驚いたぞ、武の心得まであるのかキャスターよ」
「さて、どう思います?」
「フハハハハ! 良いぞ、良いぞ! 簡単に終わってしまっては詰まらぬ劇となってしまう故にな!」
なおも人形はキャスターへと迫り来るが、同じように掌底で吹き飛ばしていく。
「ふむ、こちらも同じことばかりでは芸がないと言われてしまうであろう。面白い物を見せてやろう」
ライダーがそう言うと周囲の明るさが突然暗くなった。
ライダーから発せられていた眩いほどの光が消えたのだ。
「人呼んで、雲隠れとな」
ライダーは馬車から飛び降りると人形達の中へと紛れ込んでいった。
そうしてライダーの気配が消え、姿をくらました。
それに気を取られてしまったのか、いつの間にかキャスターは人形に囲まれてしまっていた。
「フハハハハ!」
ライダーの笑い声が聞こえるが場所は依然として分からない。
そして、キャスターの背後へとレイピアの一閃が迫る。
「キャスター後ろです!」
ライルは、なんとか視界に捉える事が出来たが、キャスターへ伝えるのが遅く完全に避ける事が出来ず攻撃を受けてしまう。
慌てて、その方向へと掌底を放つが人形は吹き飛んでも、ライダーに当たった気配はない。
このままでは確実にまずい。
先程の矢といい、今のレイピアといいキャスターへのダメージはかなり蓄積されてきている。
予選の最初に戦った時もさほど強力でもないエネミー相手にダウンを取られたのだ、キャスター自身の体力はそう多くないだろう。
勝機を待っていても、一行に来る気配はない。
長引けば長引く程に不利になっていく。
(いっそ、もう使わせるか?)
打開策はあるがそれをしてしまうと、手の内を見せてしまう事になる。
そうなると今は何とかなっても、勝利へは遠ざかってしまう。
「ライダー! いつまでそんな事をしていますの! チミチミとして、派手さが、派手さが足りませんわ!」
マリーの言葉にライダーの手が止まる一瞬の隙。
「今です! キャスター、包囲からの脱出を最優先で」
再び人形はキャスターの掌底で吹き飛び、人形達の包囲の綻びから脱出に成功する。
今のはマリーのお陰で助かったと言うべきか。
「フハハハハ! こういった物は気に召さんかマリーよ! 退屈していたのならば、よかろう。そろそろエピローグとしようではないか!」
「そうですわね。キャスターも満身創痍のようですし、これ以上続けてしまっても蛇足ですわ」
包囲していたキャスターがいなくなった事によりバラバラになっていた人形達が急に整列し始めた。
そうする事によって人形達に紛れていたライダーの姿をはっきりと視認する事ができるようになる。
整列した人形達が一斉に跪坐くと、再び輝き始めたライダーはゆっくりとそして堂々とした歩きで馬車へと戻った。
「キャスターそろそろです」
「はい」
ライダーが馬車の上に立つと高らかに言葉を発する。
「キャスターとそのマスターよ。中々に驚かされた、故に面白かったぞ。これは、その礼だ。朕の至高の輝きを以って終幕としよう」
「ライルさん、悪く思わないで下さいまし。貴方との触れ合いもこれで最後ですわ。機会があればいつか、また……」
ライダーが弓を構えると、放っていた太陽のような輝きがライダーの体から矢へと収束し、直接それを見ていられない程の眩しさとなった。
「これは偉大なる威光にして、至宝なる陽光。世を照らす日輪の輝き。とくと見よ!」
「キャスター! 準備を!」
「お見せ致します私の本気をば」
呪層界・怨天祝祭、次に放つ呪術の威力を上げる溜めの技。
それを静かにキャスターは発動した。
「何をする気なのか分かりませんけど、魔術の使えない貴方達が何をしても無駄ですわ!」
ライダーが矢を放つとそれは空に浮かぶ太陽へと変貌する。
光の矢の雨を放ってきた時の物とは比べ物にならない程の眩しさ、まるで本物の太陽がすぐそこにあるかのような感覚。
「今一度名乗ろう、朕の名をそして王の名を!」
ライダーは馬車の上から飛び上がると、打ち上げた太陽よりも高い位置まで上昇した。
「今です、キャスター!」
ライルはそう叫ぶのと同時にキャスターを庇うような位置へ走って移動する。
「そう! それこそが太陽神王の弓(ジュ スィ アポロン バレエ)!!」
レーザー光線のような光がライルへと降り注ぐが、見えない壁のお陰でライルには今は届いていない。
しかし、それも時間の問題である。
ライルの目には亀裂のようなものが見えていた。
見えない壁にヒビが入っているのだ。
そしてそのヒビは徐々に広がっていく。
「いざや散れ、常世咲き裂く怨天の花……」
ライダーの光が止むのが先か、ライルの是、十二の試練が砕けるのが先か
何れにしても……
「常世咲き裂く、大殺界(ヒガンバナ セッショウセキ)!」
キャスターの呪術で終わりだ。
「なんと!」
矢(ビーム)を放ったライダーが降りてくる着地の瞬間、キャスターの呪術がライダーへと直撃する。
是、十二の試練が破れる音と同時にライダーの絶叫が聞こえた。
破れる直前にライルはキャスターの手を引いてその場を離れた事によりライダーの矢の直撃を避ける事が出来た。
こうして、聖杯戦争第一回戦は幕を引いた。
キャスターはまだ、トワイスがマスターだった頃と同じただ従っているだけの状態です。
一目惚れじゃないキャスターを書きたかったが……さてさて、この状態からどうやって主人公に惚れるんでしょうかね
一年以上経っているのに、ぼんやりとしか考えていないので、どうなるかは私も分かりません(笑