Fate/EXTRA 太陽狐と月兎   作:淡雪エリヤ

8 / 21

クラス:ライダー
マスター:マリー・マクシミリアン
真名:ルイ14世
属性:秩序・善
身長・体重:174cm・58kg
筋力C 耐久D 俊敏C 魔力C+ 幸運B 宝具A+

クラススキル
騎乗:B

保有スキル
太陽の威光C:体から眩いほどの輝きを放つ事ができ、神性とカリスマのランクを1段階上げる。本来は神性を持たないのでEランクの神性を付与する形となった。
神性E(-)
カリスマA(B)

宝具
偽・太陽神の弓(アポロン バレエ)
ランクE+ 対軍宝具 レンジ4〜20 最大補足10
男性を射抜くと苦痛なく死を与えると呼ばれている太陽神の弓を模した舞台用の弓。あくまで舞台用の弓なので本物の太陽神の弓には遠く及ばない。
舞台用だからなのか矢を放つ演出が過剰である。

魔法島の歓楽(パレー ド ヴェルサイユ)
ランクA+ 対軍宝具 レンジ:1〜40 最大補足500人
ヴェルサイユ宮殿とそこで行われたパレードを再現した。固有結界と似て異なる大魔術。
ライダーを主役としたパレードが始まり、周囲に戦闘用の自動人形が出現する。
そして、その場においてライダーの言葉は令呪並みの拘束力を持つ。ただしCランク以上の対魔力を持つ相手には完全には効かず、禁止した行動を取ろうとすると全ステータスが1ランク下がる効果になる。


こんな、作者の痛々しい設定は需要があるのだろうか?

では本編です↓


2-1

人の目を引くその容貌

 

産まれた村では天の遣いではないかと持て囃され

 

蝶よ花よと育てられ、何一つ不自由などはなかった。

 

仲の良い隣人も多く、とてもとても楽しく過ごしていた。

 

そんな光景を見て、どこか既視感を覚えた。

 

一体、いつの話だっただろう……。

 

 

 

 

マリーとの戦いが終わった次の日、いつものように食堂へと向かう廊下でライルは誰かに声を掛けられた。

 

「浮かない顔をしていますね」

 

声の方向を見てみると、そこに居たのは金色の髪をした小柄な少年と、その少年の側に控えるように佇んでいる白い騎士の姿があった。

 

「レオナルドか……そう言えば久しぶりだな、予選以来か」

 

「はい、お久しぶりですライルスフィール」

 

レオナルド・B・ハーウェイ。

この世界において地上の殆どを支配する西欧財閥の次期当主。

この聖杯戦争での優勝候補の名を挙げるとしたら、確実にその中に入っているであろう人物だ。

レオナルドがそこに立っているという事は、彼も一回戦を無事に勝ち抜いたという事他ならない。

 

「貴方もご友人の死を憂いているのですか?」

 

「まぁ……そうかな。覚悟はしていたつもりだったんだけど、その覚悟が甘かったんだって気付かされたよ」

 

ふと、レオナルドの背後に立つ騎士に目がいく。

彼がレオナルドのサーヴァントなのだろう。

 

「あぁ、紹介が遅れましたね。ガウェイン、ご挨拶を」

 

「はい、ご紹介に預かりました。サーヴァントセイバー、名をガウェインと申します。以後お見知り置きを」

 

「どうも、ライルスフィール・フォン・アインツベルンです。」

 

サーヴァントの名を隠さずに呼んだ事にライルは少しの間驚くが。

レオナルドなら、そんな事をしても不思議ではないと納得をした。

今は小さき金色の王と、その王に仕える清廉なる騎士。

なるほど、これはレオナルドらしいサーヴァントを召喚したものだ。

 

「こちらが俺と契約したサーヴァント、キャスターだ」

 

ライルの後ろに控えていたキャスターは無言で一礼をする。

 

「それにしても意外ですね」

 

「意外?」

 

「はい。貴方が召喚するサーヴァントは、ゴツゴツと厳つい益荒男なんじゃないかと思ったのですが」

 

「レオナルド、お前は俺にどんなイメージを持っているんだよ……」

 

「あはは!」

 

「はぁ……そう言うお前は、イメージ通りのサーヴァントだな」

 

そんなレオナルドとライルが知り合ったのは聖杯戦争予選。

お互いに聖杯戦争の記憶を思い出しておきながら学園生活を楽しみたいという理由で予選に留まっていた事を、偶然知り意気投合して友人となったのだ。

友人と言っても偶に話す程度ではあるが。

と、そこまで思い返して

 

「そうか……お前が特異点か」

 

聞き慣れない第三者の声が背後から聞こえた。

 

「はじめは柳洞一成、ヤツが特異点だと思ったが」

 

ライルが振り返ると、そこには黒髪碧眼の何のカスタムもしていない制服を着た少年が立っていた。

 

「ライルスフィールのお知り合いですか?」

 

「いや、知らないと思うが……」

 

レオナルドの知り合いかと思ったが、反応からすると違うようだ。

ライルが困惑する中、少年が再び口を開く。

 

「お前は何者だ」

 

それはこっちが聞きたい、とライルは思ったが口にはしなかった。

少年から僅かに敵意を感じたのだ。

 

「名を聞いているのだとしたら、僕の名はライルスフィール・フォン・アインツベルンです」

 

「アインツベルンだって? なるほど、白い髪はそういう事か……」

 

「えっと……そういう君は誰なのかな?」

 

「……俺の存在を知らない? それとも知らないフリをしているのか……」

 

黒髪碧眼の少年は、考え込むように独り言を呟いている。

こっちの事は御構い無しのようだ。

そんな様子を見かねてかレオナルドが疑問を口にする。

 

「やはりお知り合い。知らないフリをしているのですか?」

 

「いや、してねえよ」

 

初対面の筈だ。

おそらく予選でも話した事もない。

相手も何者だと問いかけてきたくらいだ。

知り合いだが忘れている、という事ではないだろう。

 

「これ、マスターよ」

 

独り言を呟いて一人思案している黒髪の少年を拳骨が襲う。

 

「痛いっ!」

 

少年の横には白と桃色を基調とした装束を身に纏った男が立っていた。

 

「いきなり何を……」

 

「いきなり何を、ではないわ戯け。人に名乗らせておいて、己が名を問われた時に答えぬなど礼が欠けておろうが!」

 

「名を問われ……あ、あぁ悪い」

 

黒髪の少年はこちらを見ると、ライル達の存在を思い出したようで、謝罪を口にした。

 

「俺は、田中太郎。何かの間違えでこの聖杯戦争に参加する事になり、運良く一回戦を勝ち抜いた。特徴のない一般マスターの一人だ」

 

あからさまな偽名だとライルは思ったが、これも口に出すことはなかった。

日本を知っているライルだからこそ気付いだのであって、レオナルドはそれに気付いた様子はない。

 

「このマスターめ、失礼千万。勝ち抜いたのは、運ではないわ。この俺が強かったから勝ったのだ」

 

「運良く、相手が弱かっただけだろう」

 

「お前は本当に礼儀がないな、マスター。彼奴も英傑の一人、それを貶すでないわ」

 

「痛いっ……」

 

そのやり取りに呆気に取られるライルであったが、対照的にレオナルドは楽しそうにその様子を見ていた。

 

「これがジャパニーズ漫才というものですか!」

 

「いや、違うだろ……」

 

そんなレオナルドにライルは呆れた。

しかし、黒髪の少年をライルは警戒する。

何を言っているかは分からなかったが、意味深に何かを呟いていたのだ。

自分の預かり知らぬ所で何かがあるのではと思案してしまう。

 

「えっと……いきなり絡んで悪かったな。相違点であっても、特異点だとは限らない。それと、俺などという存在は覚えておく必要もないだろう。どうせ、お前らと戦うことなく敗退するだろうしな……」

 

「もうちっと、俺の強さを信用して欲しいものだな……時にお前」

 

田中と名乗った少年のサーヴァントがキャスターを一瞥しライルを見て口を開く。

 

「面白いサーヴァントを連れているな。そのようなモノまで英霊とするのか、この聖杯戦争は」

 

そう言って、マスター共々来た道を引き返すように去っていった。

 

「色んな意味で面白そうな方でしたね」

 

「自分の知らない間に何かに巻き込まれてるとしたら、ゾッとする」

 

田中太郎、それが実名か偽名かは置いておくとして、警戒しておこう。

そして、そのサーヴァントが言った言葉。

面白いサーヴァントとは、十中八九キャスターの事を指している。

当のキャスター本人はいつも通り涼しい顔で佇んでいた。

 

(キャスターの正体か……)

 

今の所、積極的に知ろうとは思ってはいない。

うっかり名を口に出してしまって弱点がバレてしまっては困るからだ。

しかし昨日の戦いで口にしていた言葉。

 

(セッショウセキ……殺生石)

 

その単語で、真名はかなり絞られる。

キャスターの使う、呪術が俗にいう陰陽術と同じモノであれば……

 

「そう言えばライルスフィール。貴方は何処かへ向かう途中だったのでは?」

 

「あ、あぁそういえば食堂に行く途中だったな」

 

「なるほど、では僕とは逆ですね。ちょうど食事を済ませてきた所で貴方を見つけたので。ではお邪魔してしまいましたね」

 

「いや、邪魔という程でもなかったよ。久しぶりに話せて良かった」

 

「それでは」

 

「では、失礼いたします」

 

別れの挨拶をするとレオナルドとガウェインは去って行った。

 

「では、行きますかキャスター」

 

「………」

 

ライルの声掛けにキャスターの反応がない。

見てみると、先程と変わらぬ顔で佇んでいる。

否、正しくは固まっていた。

 

「キャスター?」

 

「あ……申し訳ありません。ささ、行きましょうご主人様」

 

二度目の声掛けで何でもなかったかのように反応したキャスターだったが、流石にライルもどうしたのかと気になった。

 

「どうしたんですか?」

 

「あ、いえお気になさらずに、私の勘違いかと……ご主人様もお腹が空いていますでしょう。まずは朝餉に行きましょう」

 

あのサーヴァントとキャスターは知り合いだったのだろうか。

キャスターはあまりこの事に触れて欲しくないようだったので深くは追求しなかったが……

 

 

 

 

食堂へと着くと、今までと比べて人の数が大分少ない事に驚く。

聖杯戦争に参加した128人のマスターの内半分が減ったのだが、食堂を利用している人数は半数どころか前と比べ二割ほどしかいない。

食堂を利用していたマスターよりも利用していなかったマスターが数多く勝利したという事なのだろう。

 

「副会長殿。やはりお前が勝ち上がったか」

 

「一成か……そういうお前もな」

 

食堂で出会ったのはまたもや柳桐一成だった。

食堂でばかり会うが、ずっと食堂にいりびったっているのだろうか?

 

「ふむ、勝ったというのに浮かぬ顔だな」

 

「お前もそれを言うのか……覚悟のない相手を殺すのは想定してなかったんだ。どちらも覚悟の上で戦う、そういったモノだと思っていた」

 

「そうか……」

 

「思った以上に……心が痛んだ」

 

きっと、マリーが友人だったから、そしてあんな記憶を見てしまったから、というのもあるのだろう。

戦ったのが見ず知らずの相手だったら、ここまで落ち込まなかったと思う。

 

「へぇ、やっぱり意外ね。ますます本当にホムンクルスなのか疑っちゃうわ」

 

一成とライルの会話に割り込む声が一つ。

 

「むむ! 貴様、遠坂! 何の用だ、この女豹めが」

 

遠坂凛の姿がそこにあった。

 

「ご機嫌よう柳洞くん、ライルスフィール」

 

「ええい! ご機嫌ようではないわ! 何の用だと聞いている!」

 

「別に用と言う程の事はないけど。落ち込んでる暇なんて無いんじゃない。もう二回戦目の対戦相手が発表されてるわよ」

 

それは、言われずとも知っていた。

まだ確認はしていないが、その前に食事を済ませようと思ってここにいるのだ。

腹が減ってはなんとやら

 

「そう言う遠坂は人に忠告するほど暇なんだな」

 

「な……暇じゃなくて、余裕があるって言って欲しいわね。ホモップル」

 

「やめろ」

 

「何の訳の分からぬ事を、言いたい事が終わったのなら立ち去れ!」

 

「そうね、最後に一つ。何が目的で参加したか分からないけど、そんなんじゃ勝ち残れないんじゃない?」

 

それじゃ、と言い残して遠坂凛は立ち去った。

 

(まったく、耳が痛い)

 

覚悟はしていた。

だが、残ったのは後悔ではないが、それにに近い感情。

 

(何が目的で参加したか……)

 

そうだ、最後まで勝ち残りさえすれば何もかも関係なくなる。

そうやって覚悟を決めたのだった。

 

「まったく、あの女豹の所為で折角の食事が台無しではないか」

 

「一成」

 

「む、何だライルスフィール」

 

「俺は食べ終わったから、そろそろ行くよ」

 

「そうか、ではまた今度だな」

 

勝ち残らなければいけない理由が一つ増えただけの簡単な話だ。

 

 

 

 

次の対戦相手の名前は、ユーリ・シュライツマン。

知らぬ名前だった。

おそらく、予選でも一度も関わった事のない人物なのだろう。

ライルからしてみれば、そのような相手の方が戦いやすい。

一回戦の時のような思いは、なるべくしたくないのだ。

だから、今回は出来れば決戦の時まで関わらないでおきたかった。

一度も話さない、それがベストだ。

しかしどうやらベストは尽くせないようだ。

対戦相手を確認していたライルの前に中肉中背の茶色いコートを纏った男が姿を現わす。

 

「ライルスフィール・フォン・アインツベルン。いきなり大物と相対する事になるとはな」

 

この台詞からすると、ライルの目の前に現れた男がユーリ・シュライツマンその人なのだろう。

 

「その容貌からして、君がそうなのだろう?」

 

ライルを見据えながら男は問う。

 

「はい。僕がライルスフィール・フォン・アインツベルンです。そう言うの貴方はユーリ・シュライツマンさんでお間違いないですか?」

 

「そうだ。私が君の対戦相手で相違ない。ふむ……大物とは見込み違いだったかな」

 

ユーリはライルの瞳を覗き込むと、そう言い放った。

 

「迷いまたは悩み。そんな感情を孕んだ瞳だ。そして何より信念を感じない」

 

そして、失礼な物言いで続けた。

 

「所詮はホムンクルス、人で無き者か」

 

ユーリは、自分の言いたい事だけ言って、ライルの前から去っていった。

 

「信念って言われてもな……感情論かよ」

 

ユーリが去った後に、ライルは反論のように呟く。

同じ日に同じ指摘を違う人物から何度も指摘されている程にライルは、目に見えて消沈していた。

本人もそれには気づいていながら、いくら考えても気分が晴れる事がなかった。

 

「しょうもないだろ……」

 

アインツベルンのホムンクルスとして産まれたとしても、その精神は平和ぼけした国のいち学生のものに過ぎないのだから……





エクステラが思ったよりも早く終わってしまった事に落胆
しかしエクステラをやってるとエクステラ編の設定とか展開とか頭に浮かんできて、書きたくなってくる。
まぁ無印編がまだまだ完結しないのとCCC編があるので書かないで終わりそうな気もするけど
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