【習作】キヨシ投獄回避ルート   作:PBR

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本日、キリッとした可愛い花さんが表紙の18巻発売です。


第9話 ゴールデンブリッジ

 

「花さんってどんな男子がタイプですか?」

「急になんの話だっての」

 

 ドーナツを食べながら刑務作業をしている男子を眺めていたキヨシは、唐突に好きな男性のタイプを花に尋ねた。

 直前までたまに会話する程度でそれぞれ携帯をいじったりもしていたというのに、何で話題を振ってきたかと思えば恋バナ系なのか。

 そんな事を気安く話すほど親しくはないし、そもそも、何が悲しくて刑務作業の監視中に後輩の男子とそういった会話しなければならないのか分からず。花は一度面倒そうな顔をすると、ティーカップに手を伸ばしながら言葉を返した。

 

「まぁ、会ったばっかりの女子に気安くそういうこと訊かない男子かなー」

「へえ、じゃあシンゴはアウトっすね」

「テメェのことだよボケ」

 

 話が聞こえていたのか、遠くにいたシンゴが驚いた顔で振り返ったので、花は近くに落ちていた木の枝を投げて真面目に作業しろと注意しつつ、キヨシのこともしっかりと睨みつける。

 この男は、たまに本気で上級生を敬う気がないのではないかという、非常に舐めた態度を取ってくるので、規則や序列を重視する花としてはブラックリストの最上位に置いていた。

 いまも軽口を叩きながら自分はドーナツを食べており、友人をだしにしておきながら一切悪びれていない。

 もしかすると、これが男子高校生のノリなのかもしれないが、生憎と花は男子高校生の生態には詳しくない。なので、会話の中から相手の性質や性格を理解しようと、敢えてキヨシの話題に乗ってやることにした。

 

「そういうアンタはどういう女子がタイプなの?」

「あ、この話題に乗って来るんですね」

「聞いてきたから聞き返しただけだっつの。別に本気でアンタのタイプに興味ある訳じゃないわよ」

 

 花が聞き返したことで嬉しそうに笑うキヨシに、花は呆れた表情で単純なやつだという評価を下す。

 頭は悪くないようだが根が単純で、会話を重ねるにつれて“色々と考えているように見えるだけ”といった人物だと分かってくる。

 これで今の状態が監視されている状況を逆手に取った演技ならば大した役者だが、仲間の男子と比較すればそれはあり得ない。

 途中から、性質や性格の理解を進める以上に、好きな人の情報など何か弱みを握れないかなと花が思っていれば、キヨシは顎に手を当てて自分の女子のタイプを語り出した。

 

「んー、そうですね。笑顔が可愛い子がやっぱり好きです。格闘技っていうか武道に興味あるのもギャップ的な意味でポイント高いですね。髪型とかは似合ってれば別に何でもいいですけど、肩ぐらいの長さでたまにうなじが見えるのとかもいいかなって最近気付きました」

 

 キヨシが口にした女子のタイプ。それは奇しくも彼の知り合いである二人の少女に合致した特徴であった。

 故に、それを聞いた花が勘違いをしてしまうのも無理はない。

 

(こ、こいつ、話題の振りが唐突だと思ったら、もしかして遠回しに告ってるのか? 笑顔の可愛さは低めに見ても悪くない、武道は空手をバッチリやってる、髪型とかモロヒットしてるし。や、やばい、こいつ本気だっ!!)

 

 話を聞いてこれだけの思考を巡らすのに僅か一秒。ほぼ一瞬でバッチリ間違った解釈を終えた花は、髪に隠れた耳を真っ赤にしながら、声を上ずらせて会話を続ける。

 

「や、やけに具体的だけど、アンタもしかしてこの学園に好きな人いんの?」

「えっ!? い、いや、まぁ……はい」

 

 照れたように答えるキヨシの言葉を聞いた花はそこで確信する。先ず間違いなくこの男の好きな相手は自分だと。

 弱みを握れないかとは期待したが、正直この展開は予想外だった。

 相手の事はなんとも思っていないし、会長の言う通り他の男子と同じように害でしかない存在だと思っている。

 けれど、全寮制の女子校で過ごして来た花にとって、年の近い異性からアプローチを受けるのは初めての体験であった。

 勿論、彼女は告白されたことにより意識し始めて、自分も知らず知らず惚れてしまうような単純で軽い女ではない。

 規則を破る行為や仲間を裏切るような色ボケでもないけれど、しかし、好意を向けられること自体は満更でもなかった。

 遠回しに告白されたと思って動揺していた彼女は、表面上は平静を装い震える手でティーカップを口に運びながら、学園に好きな人がいると白状したキヨシに言葉を返す。

 

「ふ、ふーん。けど、ウチの学園は不純異性交遊は禁止だからその恋は叶わないわよ。残念でした」

「最初から上手くいくとは思ってませんよ。けど、同じ学校にいたら会って話したりする機会もあるでしょうし。学内じゃちょっとしか会えなくても、デートとか誘えば隠れて会えるかもしれないじゃないですか」

 

 いくら裏生徒会が禁止しようと、彼女らの目の届かぬ範囲であれば、デートだってなんだって出来る。

 一時間も電車に乗れば新宿や渋谷に行けるのだから、そこまで行けば流石に同じ学校の生徒に見られる事もほぼない。

 故に、最初から叶わぬ恋であると言った花に、そこまでの約束を取りつけさえすれば、可能性がゼロなんて事は絶対にないとキヨシは熱意を籠めて語った。

 そのあまりの迫力に花は怯みかけるが、そういえばと彼の言葉にあることを思い出した。

 

(そういえば、さっき、こいつ一緒にドーナツを買いに行こうって。そっから既にアプローチかけてきてたのか。クソッ、こいつ分かり辛い手法ばっかり取って小さくアピールしてやがった。普通気付かないっつの!!)

 

 分かりづれぇよ、自分でなければ聞き流していた。彼の発言が全て繋がっていたと誤解した彼女は、周囲にばれぬよう気を付けての事だろうがアピールが遠回し過ぎて分かり辛いと頭を抱える。

 無論、アピールされても応える気はない。今だって色々と考えている事は評価するが、アピールの内容自体は平凡であり、伝える方法はむしろマイナスだと思っている。

 しかし、これだけ周囲の目がある状況でも想いを伝えようとする真剣さは理解した。本気でぶつかってくる相手には、自分もしっかりと返すのが花の流儀だ。

 急に頭を抱えて黙った彼女を心配そうに見ている相手に、顔を上げた花は表情を引き締めると真っ直ぐ見つめて口を開いた。

 

「キヨシさ、アンタって自分の長所はどこだと思ってるの? 顔はまぁそこそこってか平均くらいだとして。現時点の評価は他の男子より覗きしてない分だけマシって程度でしょ。魅力とか相手にちゃんと伝えられるの?」

 

 相手のプロフィールは知らないが、パッと見でルックスはそこそこ悪くないと思える。少し芋っぽいが服装に気を付ければいい感じになりそうだ。

 花自身、別に男を見た目で選ぶつもりはないが、内面が同じなら見た目が格好良い方がいいに決まっている。

 ルックスに関しては十分合格ラインに達しているので、後は中身でアピールしてみろと告げた花に、キヨシは戸惑った様子で返した。

 

「な、なんか急に面接っぽいですね」

「茶化すなバカ」

「すみません。えっと、自分の長所っていうと多趣味なとこですかね。植物育てたり筋トレしたりFXで小遣い稼いだり、一人で暇なんで色々とやってるんですよ」

 

 そういったキヨシは携帯電話を取り出し、植物の生育記録の写メや筋トレアプリに外貨レートアプリを見せてきた。

 FXで小遣い稼ぎをしているとは初耳だったが、普通の趣味以外に身体を鍛えたりインテリっぽい趣味を持っているのは評価できる。

 けれど、それだけではダメだ。いくら趣味を色々とやっていようと中途半端ならば意味がない。

 もっと自分の興味を惹くような物はないのかと、溜め息まじりに彼女はダメ出しをした。

 

「弱いわね。それじゃあ何の魅力も伝わってこないし」

「別に花さんに伝えようとは思ってませんけど」

「はぁ? 私に伝わらないと意味ないじゃない」

「え、どういう理屈ですか、それ。裏生徒会の許可が出れば男女交際OKになったりするんですか?」

 

 一瞬キヨシが何を言っているのか分からなくなりかけたが、続きを聞いてオープンな交際は出来ないと思っていたから恍けていたのかと花は納得する。

 いまは花しかこの場にいないが、先ほどシンゴが振り返ってきたこともあり、男子が聞き耳を立てている可能性は否めない。

 もしも、そこから副会長や会長に伝われば、不純な事を考えているとして、告白やデートへの誘いをする前に監獄送りになる事は十分に考えられた。

 普段はふざけた馬鹿にしか見えないが、重要な場面ではしっかりと周囲の状況に気を割いて慎重に行動する辺り、キヨシはやはり道化を演じているのかもしれない。

 侮れないこの男への評価はまだ保留にしておこうと決め、花は真剣な相手のために自分も声の大きさに注意しながら、シャイな後輩が思い出として告白くらいは出来るよう最低限のアドバイスをしてやる。

 

「アタシにOK貰うのが最低条件でしょ。会長たちにはその後に許可を貰いに行く必要があるけど、そっちは正直難しいでしょうね。だから、当面はアタシに許可貰えるように無駄な努力でもしてみたら」

 

 第一関門は自分。というより、そこでOKを貰えなければ会長たちに許可を取る意味もないため、色恋沙汰で傷心することは目に見ているのに、それ以外に余計な面倒を起こす必要もないだろうと花は自分のところで全てを終わらせてやるつもりだった。

 これが会長や副会長相手だったなら告白するまでもなく罵倒で断られ、分不相応な恋心を抱いたとして監獄送りになっていたかもしれない。

 それに比べれば先はなくとも想いを伝えて終われるだけマシだろう。足と腕をそれぞれ組んで不敵な笑みで花が伝えれば、話を聞いていたキヨシは顎に手を当て急にぶつぶつと呟き始めた。

 

「現状維持でも別に……いや、でも許可が出れば…………花さんって意外と真面目で優しいし……やっぱ、だよな……」

 

 不気味に呟くこと一分。思考を終えたらしいキヨシは顔をバッと上げると、テーブルに手をついて勢いよく立ちあがり、真剣な瞳で花を見つめながら声を張り上げた。

 

「花さん、許可ください!!」

「……ねーよ。直前の会話を聞いていたくせに、何を持って許可が出ると思ったのよアンタ」

「ああ、いや、勢いでくれるかなって」

 

 急にこの場で告白してくると思って身構えた花は、そっちの言葉で来るか普通と思わず脱力する。

 そして、馬鹿かお前はと呆れながら返せば、キヨシもノリだけで言った事を反省するように頭を掻きながら着席した。

 だが、花としては不完全燃焼な状態である。ここで好きですと言われても即決で断るしかなかったが、どうして相手は勢いで許可されると思ったのか疑問だ。

 それはつまり、花ならば告白すれば勢いで頷く可能性があると思ったという事だろうか。随分と馬鹿にしてくれたものだ。

 怒りで目が据わった花は、テーブル越しに身体を乗り出すとキヨシの襟元を掴んで引き寄せるなり、顔を近付けドスの利いた低い声で言葉をぶつけた。

 

「アンタ、私のこと勢いで頷く安い女だと思ってんの?」

「い、いえ、けっしてそんな」

「思ってないなら言わないでしょ。考えなしに言ったってなら、それはそれで幻滅だし。今のアンタじゃ誰だって許可なんて出さないわよ」

「その、すみません……」

 

 多分、相手は自分を軽く見て言ったのではないことは花にも分かる。けれど、誤解を与えるような発言や、そう取られてもおかしくない行動は減点だ。

 こういったところが、男は馬鹿で子どもだと言われる理由なのだろうと思いながら解放すれば、キヨシは暗い表情で謝りながら椅子に座り直した。

 

『…………』

 

 先ほどまでと打って変わって両者の間に気まずい空気が流れる。

 別に花も意識して場の雰囲気を悪くしたかった訳ではないが、後輩の馬鹿な行動を諌めるのは先輩の役目だとして注意したのだ。

 キヨシも花に非はなく自分が悪いと思っているようだが、異性の先輩と二人きりの状態でこの空気には耐えられなかったのか、顔をあげて目の前の少女に声をかけた。

 

「あの、俺ちょっとトイレ行ってきます」

「……ふん。勝手に行けばいいでしょ」

「はい、すみません。それじゃあ行ってきます」

 

 それだけ言うとキヨシはいそいそとトイレに向かって去っていった。

 覗き事件の日など先輩にも怯まず自分の意見を言えていた事で、少しは骨のあるやつかと思っていたのに、空気が悪くなると逃げるのではとんだ根性無しだ。

 去っていく背中に冷たい視線を向けてお茶に口を付けた花は、丁度良いので自分もトイレに行こうかなと考えたところである事を思い出した。

 

「……あ、忘れてた」

 

 そもそも、キヨシをここ数日追い回し、今日ここに呼んだ理由の六割はそれだった。

 なのにキヨシがドーナツを買ってきたり、色々と変な事を言ってくるのですっかり忘れてしまっていた。

 今から追えば間に合う。急がねばと立ち上がった花は、作業をしている男子らに向き直ると言葉を残してゆく。

 

「ちょっとアンタたち、少し離れるけどすぐ戻ってくるからサボるんじゃないわよ! 副会長が来たらトイレに行ったって伝えておきなさい!」

『押忍!』

 

 素直に返事をした男子らに頷くと花はトイレに向かった。そう、全てはキヨシのおしっこを見るために。

 

◇◇◇

 

「はぁ……」

 

 トイレに向かう途中、キヨシは肩を落としてとぼとぼと歩いていた。

 千代に告白したりするにも、花を筆頭に裏生徒会メンバーの全員に許可を貰わないといけないとは気が滅入る。

 OKが貰えた仮定の話として、隠れてなら交際を続けても大丈夫そうではあるが、許可が貰えればオープンに付き合えるのなら、絶対にそっちの方がいいに決まっている。

 にもかかわらず、不用意な発言によって第一の門番である花に悪印象を与えたのはまずかった。これではさらに遠退いてしまうと落ち込みながら歩いていれば、後ろの方から速いテンポの足音が聞こえて声をかけられた。

 

「キヨシ、トイレ行くんでしょ! ちょっと待ちなさい!」

「え? ……ああっ!?」

 

 足音の主は花だった。トイレに行く事を許可してくれたはずなのに、どうして追って来るんだと考えたところで、そういえば彼女が自分のおしっこを見たがっていたのだとキヨシは思い出す。

 距離はまだ十メートル以上離れているが、運動しているだけあって花の足は速かった。

 このままでは追い付かれておしっこを見せなければならなくなる。それは嫌だと思ったキヨシは、地面を深く踏み締めると一気に足に力を籠めて大地を強く蹴った。

 

「なっ、逃げんな!」

「ヒィっ!?」

 

 キヨシが駆け出すと花はさらに速度を上げて追ってくる。

 だが、トイレまではあともう少し。元女子校だけあって普通のトイレには個室しかない。逃げ切り鍵をかければキヨシの勝ちだ。

 そして、

 

「ハァ、セーフ……」

 

 どうにか追い付かれる前に個室に入り鍵を閉めたキヨシは、安堵の息を吐いて額の汗を拭う。

 

「……うぇっ!?」

 

 つもりだったのだが、そのとき上から花が降ってきた。いや、正確にはフェンスを乗り越えるような感じで、身軽に個室に侵入してきたのだ。

 見事に着地した彼女は汚れを払うようにスカートを整えると、キヨシが逃げた理由を勘違いしたのか冷めた視線で呆れ気味に話しかけてきた。

 

「心配しなくても誰もいないわよ。ま、いいわ。ほら、早速出して」

「い、嫌ですよ! なんでアンタ勝手に入って来てるんですか?! 正気ですか!」

「アンタのおしっこ見るために決まってるでしょ! いいから、ほら、さっさとチンコだせ!」

「ちょ、おしっこじゃないの!? え、そっち見るのが目的ですか!?」

 

 確かに食堂で再会したときに、キヨシは自分が花のおしっこと性器の両方を見たと話した。

 だが、それを聞いて以降も彼女はおしっこを見せろと言っていたので、てっきりメインはおしっこの方だとばかり思っていた。

 それが勘違いでむしろ性器を見る方に主眼を置いていたとは思わず、ズボンに手をかけてベルトを外そうとしてくる花にキヨシは精一杯抵抗する。

 

「や、やめてください! 痴女ですかあなたは!」

「うっさい! 最初からどっちも見せる約束だったでしょうが! いいからチンコだせ!」

「顔真っ赤にしながらチンコチンコ言わないでください! てか、マジでおしっこでますって!」

 

 男が相手ならぶん殴ってでも引き離すが、女子の先輩が相手だとそうもいかず、両手でズボンを押さえて抵抗するもベルトを解除されてしまう。

 第一関門を突破した花は、顔を真っ赤にしながら荒い呼吸で嬉しそうに口元を吊り上げ、次はホックとチャックだとばかりに再度手を伸ばす。

 

「ほら、抵抗すんな! 見たらそれで終わるんだから!」

「こっちは見られたら別のもんが終わるんですよ!」

「はぁっ!? じゃあ、アンタに見られた私は終わってるっていうの?!」

「今の行動見たら女子高生としては終わってますよ!」

「なら、テメェが責任取れ! いい加減……覚悟決めろっ!!」

 

 女子高生として終わっていると言われた彼女は頭に血が上り、お前のせいだろうがと怒りによってリミッターを解除した。

 リミッターを解除して一時的に力の上がった花は、抵抗するキヨシの両腕を素早く頭上に固定する。

 

「ハァ、ハァ……大人しくしてなさい。そうすれば、すぐに終わるから」

 

 チャックに手をかけた花は、それをゆっくりと下ろしてゆく。少しずつ開くチャックの隙間からはボクサーパンツが見え、これを下ろしきったら次はそれだと瞳を輝かせる。

 彼女は別に性的興奮で見たいと思っている訳ではない。キヨシのチンコに対しても少ししか興味はない。

 ただ、お互いに必死になっているせいで冷静さを失っている彼女は、問題をクリアーして目的のものに辿り着く事だけを考えていた。

 そして、そのせいで視野が狭くなっていた事で気付けなかった。最後の瞬間のためにキヨシが休んで力を溜めていた事に。

 

「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!」

「なっ!?」

 

 大人しくなったと思った相手の突然の抵抗に花は驚く。

 押さえている腕を押し返すのではなく、真横に逃がすことで拘束を逃れ腕の自由を得ると同時、拘束を解かれてバランスを崩した相手と距離を取るため、キヨシは相手の胸を押して突き飛ばした。

 

「うぐっ」

 

 服の上からでも感じる柔らかい感触。膀胱の限界が訪れようとしている今、そんな事を考えている状況ではないのだが、キヨシは掌に残る感触に鼻の穴を膨らませた。

 そして、突き飛ばされた花は、同時に足を滑らせてその場に倒れる際、慌てて伸ばした手の指先がキヨシのズボンに引っ掛かり、引っ張った勢いでホックとチャックを破壊しながらパンツごとズボンを引っ張り下ろして尻もちをつく。

 

「――――――あ」

 

 おしっこを我慢した状態でズボンとパンツを脱げば、条件反射でどうなるかなど考えるまでもない。

 その日、学校のトイレで二人を繋ぐ金色のかけ橋が生まれた。

 

 

 




本作では花さんがかけられましたが、18巻ではついに花さんが……続きは漫画でっ!!
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