今回はpop'nmusicより、黒ニット×さなえちゃんです。
お楽しみいただければ嬉しいです。
夏の日。
今日も暑い。
日差しが燦々と降り注ぐ外界を傍目に、涼しい家でで二人のんびり寛ぐ。
果物に過度の熱は毒だもの。
「ニットちゃ~ん」
「どうしたサナエー?」
私に向けて少し気怠さの混じった明るい声が届く。
「今日のお昼ご飯何がいいかな~?」
「そうね...冷たいものがいいわね。」
彼女の明るく透き通った声は、私が今日目覚めてから感じる意識の混濁を軽く吹き飛ばせるものだった。
かといって彼女は元気に何かしているわけでもなく、向かいのソファーに寝転がりながらファッション誌を読みふけっている。
私は...お気に入りのクッションを抱いて畳に寝転がり、冷房の直撃を受けている。
「了解ニットちゃ~ん」
そういうとさっきまで読んでいたファッション誌を閉じ、キッチンへ向かった。
それを見届けたのと時を同じくして、私は強烈な眠気に誘われた。
「...ちゃん、ニットちゃん。」
「ん...」
呼び声と揺さぶられた体のコンボで、私はゆっくり瞼を開く。
「私...寝てたのね...」
「こんなとこで寝ちゃったら風邪ひいちゃうよ?さ、お昼ごはんもできたし、食べましょう?」
「ええ...」
少し眠気の残った体を起こし、食卓へ向かうと、そこには冷たいそうめんがあった。
「食欲無さ気な感じだったから、そうめんにしてみました♪」
「サナエ...」
彼女の気遣いに、嬉しくなる。
「いただきます。」
声をそろえて言った。
・・・・・
「お粗末さまでした。」
「ごちそうさまでした。」
「...で、どうだった?今日のは。」
彼女が問う。
「うん。やっぱりサナエのトマトラーメンは本当に美味しい。」
「ありがとう!」
私が褒めると彼女は今日一番の笑顔を見せてくれた。
私はこの笑顔が愛おしくてたまらなかった。
どのぐらい時間が経っただろうか。
ほんの少しだけ日が傾いてきたときだったろうか。
「あーっ!!」
彼女が家中に聞こえるような声で叫んだ。
「!...どうしたのサナエ...」
「ない...」
「何が...?」
「晩ごはんの材料...」
普通なら、買いに行ってもらうとこだが、今日は何かが違った。
「...明日も、休みよね?」
「うん...そうだけど...どうしたの?」
「セカンドハウスに久々に行こう。近くにショッピングモールもあるのだし。」
「う、うん。いいよ...」
「あら、嫌だったかしら...?」
彼女の少し怪訝そうな返答に少し自信を無くした、が、
「ううん、ニットちゃんがそんなこと言うなんて珍しいなーと思ってね。」
「そ...そうね...」
「でも、ニットちゃんからそういうこと言ってくれるの、嬉しいな♪」
「...っ」
少し顔を赤らめてしまう。
「じゃあ、行きましょう...?」
「うん。」
セカンドハウスまで...二時間ぐらいか。
私たちはガレージへ向かった。
彼女のかわいらしい軽の隣に置いてある黒のシルビアS15こそ、私の愛車。
そのシルビアに乗り込み、エンジンをかけ、出発する。
そう、この時は全く想像もしていなかった。
夜に甘い蜜をかけられた葡萄になるなんて。
いかがでしたか?
この後、二人による濃密な展開が待っています。
期待しないで待っていてくださいね。
最後になりましたが、読んでいただきありがとうございました。