ちなみに七夕一切関係ありません。本編です。
「――――
……ふぅ、さすがにオレが投影を使うのには骨が折れる。
神社も直り魔法使い達も森に消えたことで俺は久しぶりに一人になっていた。それに暫くは依頼も来ていなかったため、ここ数日は修行に時間を費やしていた。
「――――
俺は戦闘および魔術を使うときよく人格を切り替えて使用している。
普段は英霊と異常者が混じっている俺だ。この時なら投影もそこそこでき固有結界の展開もわずかな時間ながら可能だ。
次にアーチャーだ。この時は性格、口調ともに全てが英雄に近づく。当然ながらこの時が一番力を使いこなすことができる。まあそれでもオリジナルに比べれば弱いが。
最後にオレだ。魔術は最低ランクに落ち投影は干将莫耶が精々で連続の投影も不可。戦闘ではアーチャーの経験も生かすことができないのがこの状態だ。
まあ人格を切り替えてるよりは精神を切り替えてる方が近いのかな。オレを鍛えることは俺を活かすことにつながりそしてアーチャーの力を最大限引き出すことに繋がる。まあどんなに足掻こうがエミヤに追いつくことはないと思うが。
結果は見ての通り散々だが、これでも少しは進歩した方なんだから救いがない。最初のころは神秘のない剣の投影すらまともに出来なかったんだからな。
「――――
さて次は俺でやるか。投影するものは竜殺しの神秘を内包した魔剣グラム。ランクにしてはAくらいかな。
「――――
何とか投影できたが…さすがにグラムの完璧な投影は俺では無理か、Aの予定だったけどこれじゃよくてB+だ。さて次は剣の修行にでも移るか。
「…ふぅ」
ようやく師匠に頼まれていた薬の材料が揃ったわ。全くこの竹林にある珍しい竹なんて私よりもていの方が絶対早く見つけられるに、あの子ったらサボってどっか行っちゃうんだもん。
「最近ついてないなー」
ついてないっていったらあの赤い人と出会ったのもついてなかった。何時もの姫の気まぐれに付き合わされただけと思ったら殺されかけたのよね。
……ああ、思い出したらまた寒気が。師匠はあの人捜すって言っていたけど見つかったのかな?場所が特定出来ないって話しだったけど一体どこに住ん出るんだろ?
「やめやめ、こんなこと考えても仕方が無いし」
正直見つかってほしくもないし。あの人殺し慣れてる感じだったからなのかあんまり好きになれないから。
「ただ今戻りました」
そうこうしてる間に永遠亭に帰ってきた。
「…あら、うどんげお帰りなさい」
中に入ると師匠が出迎えてくれた。何時もは出迎えてくれないのに珍しい、丁度研究が一段落してたのかな。
「丁度いいわ、姫の言っていた人物が見つかったからお迎えにあがってきて」
どうやら私の運は絶賛低下中のようだ。
「ああ、なんでこうなるんだろう」
現在竹林を出て師匠が見つけたあの人の家に向かっている。師匠が言うにはつい最近あの家に住み始めたそうだ。
竹林を抜けてあの人の家に向かっているとふと気になることがあった。
(なんであの人はこんなところに住んでいるのかしら)
別に住むんだったら人里にでも住めばいい。それをわざわざ人里から少し離れたこんな辺鄙な所に家を建てたのかしら?人里近いとはいえ妖怪だって出るかもしれないのに。
「…まあ、あの人なら普通の妖怪に負けたりはしないか」
初めて会った時のことを思い出して一瞬寒気が襲った。あの時は本当に死を覚悟した。全く見えなっかた動きや私の能力が効かなかったのはまだいいほうだ。
何より危険だた感じたのは、あの人…いや生き物を殺しなれてる雰囲気だ。いったいどれくらいの生き物を殺してきたのか、私を初めて見たときの目が人間とは思えなかった。
しいて挙げるなら機械だ。それも生き物を殺すための機械、殺人マシーンという言葉がここまで合う人物もそういないだろう。
「ついたみたいね…ん?」
そうこう考察している間に目的地に着いたようだ。一人で住むには随分大きなお屋敷だけど腑に落ちない点が一つあった。
「これは結界?」
家全体が大きな結界で門を含めて覆われていた。私はよく師匠が竹林に架けてある結界に触れているから分かったけど、巧妙に結界が張り巡らせてある。
……よく考えたらこんな所に家を建ててあるんだから妖怪対策として結界を張っていても可笑しくはないか。けどそれだと迂闊に家に入れない。あんな人だし結界に触れたらいきなり死ぬような罠が張られていることだって考えられる。
「……帰りたいなぁ」
でも帰っても師匠にお仕置きされるし、やはりここは意を決して入るしかないだろう。大丈夫、別れた時のあの人は優しそうだったもの!
「………………大丈夫、よね」
意を決して結界の中に手を一本入れてみる。特に体に異常もないし罠が飛んでくる様子もない、どうやら取り越し苦労のようだけどまだ油断はできない。ここは戦場のつもりで一歩一歩玄関に向かい……
「何をしている?」
「うにゃぁあ!?」
なんで!?なんで後ろにいるのよ、さっきまで気配もなかったのに。
結界に反応があったため、修行を中断して玄関に向かったら以前あった鈴仙というウサギがなぜかすり足で玄関に向かっていたから声をかけたら驚かれた。なんでさ
まるで戦場に赴くような姿勢で家に来られてはこちらも気を使う。こちらから声をかけてみるか
「何をし……」
「……………………」
何をしに来たのか尋ねようとしたら土下座された。俺何か悪いことしたかな?
「とりあえず家の中に入れ」
そういうと鈴仙は無言で立ち上がり、まるでこれから処刑される兵士のように俺の後をついてきた。
「……えっと、これは?」
「見ての通りお茶だが」
居間に通しお茶とお茶菓子を持ってきたところ鈴仙は不思議そうにこちらに訪ねてきた。
「さっきから落ち着きがないが一体どうした?」
俺が尋ねると鈴仙は一つ一つ事情を話し始めた。なんで俺が鈴仙を殺さなければならないのか、掻っ捌いて夕飯にしなければならないのか小一時間問い詰めたいところだが、今はよそう。なるほど、だからあんなにビクビクしていたのか。
そりゃ俺も修行中だったから剣を持ったままにしていたのは悪かったが、そこまで恐怖の対象に見られると少しへこむな。
「まあそれは全て君の思い違いだから安心してくれ。俺は君を殺すつもりもないしましてや食卓に挙げるつもりもない」
鈴仙もどうにか納得してくれたようで、まだ少しぎこちないながらもお茶を飲んでくれた。
「それで改めて聞くが今日は何の用でここにきたんだ」
「はい、実は私の師匠があなたに会いたいそうなので私がお迎えに上がりました」
「君の師匠が?一体どんな人物なんだ」
まさかウサギの親分じゃないだろうな。
「私の師匠は八意永琳といいます。以前のことを話したらあなたに興味が湧いたとかで永遠亭に来てほしいと」
……あの時のことか。まさかあの時のお礼参りとかじゃないだろうな、けどあの時の原因は俺だし行かないわけにもいかないか。
「分かった。同行しよう、準備してくるから少し待っていてくれ」
「はい、ありがとうございます」
俺が答えを出すと鈴仙はほっと息をなでおろした。まああの時の無礼な行動のカリを返せたと思うことにしよう。
「ほらそこにも落とし穴があるぞ」
「え…うわぁあ!?」
また、またなの。これで三回目。アーチャーさんが永遠亭に来てくれることはよかったけど今度は道のりに悩まされる。なんで行くときは罠なんてなかったのに帰りには罠が仕掛けてあるの!
「なぜ忠告したのに落ちるんだ君は」
そう言いながらも引き上げてくれるのには感謝するけど、できればもう少し早く言ってほしい。
「なんでアーチャーさんは罠の場所がわかるんですか?」
罠を仕掛けるなんてマネをするのは十中八九てゐの仕業だろうけど、その仕掛け方は巧妙で月で訓練を積んだ私でも発見することができない。罠を巧妙に仕掛けるくらい器用ならもう少し仕事もまじめにやってほしい。
「ああ、それは解析って魔術を使ってここら一帯の構造を調べたからな。このよく解らん結界の解析は厳しいが地形把握くらいだったら即座に行える」
説明を聞くと案外単純な方法だった。
「それって私でもできますか?」
「さあな、もともとこの魔術はこの世界の魔法と体系が違うから何とも言えん。それ以前に魔力は持ってるのか?」
「う、持ってないです」
私は魔力というものを持っていない。理由としては科学が発達した月では魔力なんてものは必要ないからだ。なにせただ仰ぐだけで森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす扇子があるくらいだし、元からある霊力、妖力を持つ者はいてもわざわざ魔力を取り込む必要がある無駄なことはしないからだ。
「まあこの解析は、知り合いの魔法使いが研究してるみたいだからもしかしたら魔力なしで使える日も来るかもしれんけどな」
できればその時が早く来てほしい。
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