デュエライブ!〜school duedol project〜 作:無言の白米
廃校を告げたられた翌日の学校で、
「そうだ!アイドルだよ!スクールデュエルアイドル!」
廃校阻止のために動くことを決めた、穂乃果が言う。
その結論に辿り着くまでには、壮大な勘違いや、理事長を除く職員全員のライフを0にした帰りの生徒会長とのエンカウントや、家で妹の進路についての一悶着や、UTXで情報アドの差を見せつけられたり、歌の上手い下級生と会ったりした。
だが、穂乃果は答えを見つけることができたらしい。
ちなみに、デュエルアイドルとは歌って踊る
簡単に言えば、エンタメデュエルの派生ということになる。
まぁ、
それを学生が部活動として行うことが、スクールデュエルアイドルである。
「それで私、考えたんだ!」
一通りスクールデュエルアイドルについて、幼馴染2人組に解説し終えた穂乃果が言う。
「あれ……?」
だが、穂乃果が結論を言う前に1人の姿が見えなくなっていた。
そう、海未がソロリソロリと立ち去ろうとしていたのである。
「海未ちゃん!まだ話は終わってないよー!」
「あ、あはは……私はちょっと用事が……」
「いい方法思いついたんだから聞いてよー!」
そんな穂乃果を見て、海未が溜息をついた。
どうやら、海未は穂乃果の言いたいことが分かっていたからこそ、逃げようとしたらしい。
「私たちでスクールデュエルアイドルをやり出すとか言うつもりでしょう?」
穂乃果が、大きなリアクションと驚きの声を上げる。
「っ!?海未ちゃん、エスパー!?」
「誰だって想像つきます!」
「それなら話は早いよね………今から先生のところへ行って、アイドル部を!」
「お断りします」
魔宮の賄賂でも送ってきそうな穂乃果を、海未がピシャリと止める。
「なんで!?」
海未に断られたのがショックだったのか、穂乃果は更に海未に詰め寄る。
「だってこんなに可愛いんだよ!?こーんなにキラキラしてるんだよ!?こんな衣装、普通じゃ絶対着れないよ!?」
「そんなことで、本当に生徒が集まると思いますか!?」
「そ、それは……人気が出なきゃだけど……」
やはり思いつきだったのだろうか、穂乃果は口ごもってしまう。
「雑誌に出ているようなスクールデュエルアイドルは、プロと同じくらい努力し、真剣にやってきた人たちです」
反撃の機会を与えまいと、海未は言葉を続ける。
「穂乃果みたいに好奇心だけで始めても、うまくいくはずないでしょう!」
海未の言葉に迷いはなかった
「はっきり言います………アイドルはなしです!」
「………」
言い返せなくなった穂乃果。
だが、彼女の目はまだ死んでいなかった。
「じゃあ!
言葉で分かってくれないのなら、
だって
「……いいでしょう。もしも穂乃果が勝てたら、アイドルに協力します。ですが、私が勝ったらーーー」
「海未ちゃん!」
海未の言葉を、ことりが遮った。
そんなことりの目には、明らかに野望が宿っていた。
「なんですか……?ことり」
「せっかくなんだから、『何か言うことを一つ聞く』っていう条件にしたらいいと思うの。それなら、穂乃果ちゃんは何回も挑んでくるかもしれないけど、海未ちゃんにもいいことになるでしょ?海未ちゃんが何回も勝つ自信がないんだったら仕方ないけど……」
ことりは少し上目使いで海未を見つめる。
かわいい女の子にかわいい服を着せるのが好きな南ことり。
ぶっちゃけ彼女はアイドルに乗り気だった。
(ごめんね海未ちゃん、今回のことりは穂乃果ちゃんの味方です♪)
空気を読む能力に長けた彼女は、なんとか海未にもアイドル衣装を着せようと模索する。
(これと言って穂乃果に頼みたいことはありませんが………。まぁ、あまりにしつこいようならアイドルを禁止にすればいいですしね)
海未は、損得換算を終えたようだ。
「いいでしょう……。私が勝ったら、穂乃果に一度だけ『有効期限∞のお願い権』」
「穂乃果が勝ったら、海未ちゃんも一緒にアイドルをする!」
2人が、デュエルディスクを構えた。
(………穂乃果ちゃん、頑張って!)
普段は中立の立場を取ることりは、今回はやはり穂乃果の味方だった。
「「
今、ここに。スクールデュエルアイドルの歴史を大きく動かす始まりの
穂乃果LP4000 vs 海未LP4000
「先行は私が貰います」
挑まれた方が先行後攻を決めるルールである。
「うん、分かったよ」
それぞれがカードを5枚引いた。
(穂乃果には悪いですが、すぐに勝負をつけさせてもらいます。本来の私のデッキは速攻で動くべきデッキではないんですが、ね………)
(………この手札なら、うまくいけば次の私のターンで………。負けないよ!海未ちゃん!)
[ターン1]
「メインフェイズ。私は手札から、永続魔法《
海未:手札 5→4
【炎舞ー「天璣」
永続魔法
「炎舞-「天璣」」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキからレベル4以下の獣戦士族モンスター1体を手札に加える事ができる。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は100アップする。】
「永続魔法のサーチカード!?」
「一応言うけど、《天璣》のサーチ効果は発動した時にしか使えないよ、穂乃果ちゃん」
驚きの声を上げた穂乃果に、ことりがフォローを入れた。
(じゃあ、普通の魔法でいい気がするんだけど………。永続魔法ならサイクロンとか打たれたらサーチもできなくなるはずだし)
「私は、効果によりデッキから《
海未:4→5
【武神ーヤマト
効果モンスター
星4/光属性/獣戦士族/攻1800/守 200
1ターンに1度、自分のエンドフェイズ時に発動できる。
デッキから「武神」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
その後、手札を1枚墓地へ送る。
「武神-ヤマト」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。】
「そして、そのまま攻撃表示で召喚します」
海未:手札 5→4
海未のフィールドに、分厚い装甲で覆われた獣戦士が現れる。
「《天璣》の永続効果により、《ヤマト》の攻撃力が100ポイントアップします」
[武神ーヤマト 攻撃力1800→1900]
ヤマトは炎を纏い、攻撃力が上昇した。
(うーん……あの永続魔法、残ってたら地味にやっかいそうだな……)
(1ターン目から《ヤマト》かぁ……穂乃果ちゃん大丈夫かなぁ……)
「カードを1枚伏せて、ターンを終了します」
海未:手札 4→3
「そしてここで《ヤマト》のモンスター効果発動。デッキから《
海未:手札 3→4→3
【武神器ーハバキリ
効果モンスター
星4/光属性/鳥獣族/攻1600/守 300
自分フィールド上の「武神」と名のついた獣戦士族モンスターが
相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、
このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
戦闘を行う自分のモンスターの攻撃力は、
そのダメージ計算時のみ元々の攻撃力の倍になる。】
【武神器ーヘツカ
効果モンスター
星4/光属性/獣族/攻1700/守1200
自分フィールド上の「武神」と名のついたモンスターが
カードの効果の対象になった時、
墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
その効果を無効にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。】
「手札交換………?わざわざサーチしたモンスターの効果がそれだけなの?」
(穂乃果ちゃんは分かっていない……!武神デッキは《ヤマト》の効果を使えば使うほど、アド差を広げることができるということを!)
「これでターンエンドです」
〝海未:手札3枚 LP4000 vs 穂乃果:手札5枚 LP4000〟
[ターン2]
(海未ちゃんがなにを企んでるのかは分からないけど、穂乃果は自分にできることをするしかない!)
「穂乃果のターン!ドロー!」
穂乃果:手札 5→6
「いきなり手札から、《
「どうしてユーゴくんがここに!?まさか自力で脱出を!?」
「ことり……なにを言っているのですか………」
穂乃果:手札 6→5
【融合
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。】
「ユーゴくんじゃないよ!《融合》だよ!これで手札のーーー」
(1ターン目からサーチも使わずに《融合》とは、相変わらず運『は』いいようですね………ですが………)
「リバースカードオープン」
「え?」
「《
(ああああ!穂乃果ちゃん!)
「《虚無空間》?そんな昔のカード入れてるの?」
「穂乃果、《虚無空間》は評価が見直されたカードなのですよ。初期の虚無空間はかなり値上がりしたそうです」
(………確か家に15枚くらいあった気がする………じゅるり………)
(穂乃果ちゃん悪い顔してる……)
「チェーンがないようなので、逆順処理でまずは《虚無空間》の効果が発動します」
「えっと………効果は………?」
【虚無空間
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
お互いにモンスターを特殊召喚できない。
(2):デッキまたはフィールドから自分の墓地へカードが送られた場合に発動する。
このカードを破壊する。】
「…………え?」
(穂乃果ちゃん………《虚無空間》突破できるのかな……)
「《虚無空間》の効果により、《融合》は不発でそのまま墓地行きですね」
「ええええ!?《融合》は融合召喚だよ!?」
「融合召喚もシンクロ召喚もエクシーズ召喚も儀式召喚も、すべて特殊召喚扱いですよ」
「本当なの!?ことりちゃん!?」
「う、うん………本当……」
穂乃果の発動した《融合》は、虚無空間から出てくる呪いによって、そのまま消失した。
「………」
「穂乃果?どうしました?貴女のターンですよ?」
「………インチキ効果もいい加減にしてよ!」
と、穂乃果は《虚無空間》を指差す。
「いや、まだインチキと呼べるほどのカードは使ってませんよ?」
「そうだよね!穂乃果ちゃん!」
「ことり!?」
自分と同じ価値観を持っていると思っていたことりに裏切られ、海未は驚愕する。
「そんなカードが許されるなら、ことりに《ゲイル》を返してよ!」
「そっちも十分インチキ効果だよっ!」
「今回は穂乃果に同意します………」
「ええっ!?」
「《ゲイル》は特殊召喚効果をなくす等、変更したら3枚積みしていいと思いますよ」
(それじゃあBF要素ないよ……海未ちゃん……)
「も、戻りましょうか」
「う、うん!」
(逃げられた……(・8・) )
「まだ穂乃果のターンは続いてるよ!穂乃果は、手札から《
穂乃果:手札 5→4
【E・HERO アナザー・ネオス
デュアル・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1900/守1300
(1):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、
通常モンスターとして扱う。
(2):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを
通常召喚としてもう1度召喚できる。
その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
カード名を「E・HERO ネオス」として扱う。】
穂乃果のフィールドに、子供のようなヒーローが現れる。
(デュアルモンスターですか……。相変わらず穂乃果のデッキはHERO融合のようですね……。ここで打点1900を超えるモンスターを出されるのはツライですが……)
(ここは………海未ちゃんにはリバースカードもないし、《ヤマト》を破壊して、《虚無空間》を消滅させるよ!)
「更に、手札から魔法カード、《
(………!打点を上げてきますか………。また使いづらいカードを………)
穂乃果:手札 4→3
【Hーヒートハート
通常魔法
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップし、
このターンそのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。】
「これにより、《アナザー・ネオス》の攻撃力は500アップ!」
[アナザー・ネオス 攻撃力1900→2400]
アナザー・ネオスは炎を纏った。
「バトル!《アナザー・ネオス》で、《ヤマト》に攻撃‼︎」
〝アナザー・ネオス AP2400 vs ヤマト AP1900〟
(海未ちゃんの《ヤマト》は攻撃力は1900………穂乃果ちゃんの《アナザー・ネオス》の攻撃力は2400……だけど………)
(………ここは、使うしかありませんね)
「行っけー!《アナザー・ネオス》‼︎」
炎と光を拳に纏い、《アナザー・ネオス》が《ヤマト》に殴りかかる。
だが、
「私は手札から、《武神器ーハバキリ》を墓地に送り、効果を発動します!」
海未:手札 3→2
「手札から、モンスター効果を発動!?インチキ効果も(ry」
墓地に送った《ハバキリ》の鎧が《ヤマト》に装着されていく。
「これにより、《ヤマト》の攻撃力は元々の攻撃力の2倍になります」
[武神ーヤマト 攻撃力1900→3600]
「攻撃力3600!?でも、これで海未ちゃんの墓地にカードが送られたよね!《虚無空間》は破壊だよっ!」
(穂乃果ちゃん………)
「残念ながら、それはありません」
「ええっ!?なんで!?」
「《虚無空間》の自壊効果は、フィールドかデッキからカードが墓地に送られた時のみです」
「つまり………?」
「手札から墓地にカードが送られても、《虚無空間》は残るの………」
「えええええ!?」
なお、これはテキストを読めば簡単に分かることである。
「それでは……まだバトルの途中でしたね」
〝アナザー・ネオス AP2400 VS ヤマト AP3600〟
「やりさない!《ヤマト》‼︎」
《アナザー・ネオス》の拳は鎧に弾かれ、そのまま破壊された。
〝穂乃果 LP4000→2800〟
「うわあああああ!?」
衝撃で、穂乃果の体が吹き飛ぶ。
廊下で一体なにをやっているのだろうか(KONAMI感)
「穂乃果ちゃん!」
「大丈夫………だよ!ことりちゃん!」
ことりの悲痛な叫びを受け、穂乃果は立ち上がった。
無論、その目はまだ死んでいない!
[武神ーヤマト 攻撃力3600→1900]
「………《ヤマト》の攻撃力は1900に戻ります。ですが、《虚無空間》があっては、貴女のデッキは真価を発揮することができないでしょう。そもそも、廃校を阻止するのにアイドルである必要はないでしょう?」
「諦めない………絶対に穂乃果は諦めない!……勝って海未ちゃんにも、アイドルをやってもらうんだもん!……カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
穂乃果:手札 3→2
〝穂乃果:手札2枚 LP2800 vs 海未:手札2枚 LP4000〟
「………そうですか」
ならば、切り伏せるのみ………海未はそう思っていた。
廃校を阻止するため、3人でアイドルを始める!このヒラメキは譲らない!………穂乃果はそう思っていた。
どんな衣装にしようかな………ことりはそう思っていた。
3人の思惑が重なり合い、
◇
同時刻、屋上。
そこには、1人の少女がいた。
「…………」
彼女は、自然な手つきでカードを引く。
(…………ウチが引いたのは、当然正位置の《アルカナフォース
魔術師のタロットカードが正位置で意味する言葉、それは『物事の始まり・起源』
(始まり………か)
この場所で、このカードを引いた。
それは、もしかしたら必然だったのかもしれない………。
「希ー?早く行きましょう」
屋上の扉から、また1人の少女が顔を覗かせる。
(ま、ウチはウチのやりたいようにさせてもらおーかな♪)
「今行くでー!」
誰もいなくなった屋上には、なにかの訪れを感じさせる風が吹いていた。
やめて!《虚無空間》の効果で特殊召喚を封じられちゃったら、穂乃果ちゃんに勝ち目はないよ!お願い、頑張って穂乃果ちゃん!今穂乃果ちゃんが負けちゃったら、海未ちゃんに可愛い服を合法的に着せれなくなっちゃうよ!まだライフは残ってる!《虚無空間》を突破できれば、海未ちゃんにもきっと勝てるから!
次回のデュエライブ!
ヒーロー見参!現れよ、私のHEROヒーロー!
デュエルスタンバイ♪