ここは一体どこなんだろうか。辺り一面青々としたクローバーが風で葉をなびかせている。周囲を見渡してみても同じ光景が延々と続いていくばかりでそれを遮るものはなにもない。その広大な野原の真ん中(真ん中なんてあるのか)
で僕は1人横になっている。なぜここにいるんだろう、
訪れたことがある場所なのだろうかなどと過去の記憶を遡ってみるが全く思い出せない。いや、そんなことなんてどうでもいい。考えることさえ忘れてしまうほどの心地よさがこの場所にはあったのだ。
そんな中、1人の子どもがこちらに向かって走ってくるような足音が聞こえてきた。僕は音のする方向に顔だけを向けてみる。 そこには白い服をきた少女が1人、無邪気に走り回っていた。その子が被っている帽子についている、母親に買ってもらったと思われる可愛らしい花形をした飾りが明るい光を放っていた。顔を見ることは出来なかったが、僕はその少女に対して、とても不思議な懐かしさを感じていた。少女が寝そべっている僕に気づいたようで、こちらに向かってくる。しかし僕の方は快楽で意識が遠のくばかりで、全く動くことが出来なかった。少女が地を踏みしめるたびに沸き立つシロツメクサのかすかに甘い香り僕を包んでいった。
……とうとう僕の意識は消えてしまった。
僕がいなくなった世界で少女はまだ走り回っている。そして急に立ち止まったかと思うと不気味な笑みを浮かべて
「フフフ……。あの人もとうとういなくなってしまったのね」
と微かな声でつぶやく。さっきまで青かった空には彼女の豹変に呼応するかのようにいつの間にか影が差しており、風もかなり強くなってきていた。そんな中、彼女は1人で語り続ける。
「よくぞ、この我が世界へきてくれたわね。我が世界とは言ってみたけれど、正直私もここがどこかは分からないの。普段はいつも私1人だからそう読んでるだけ。ただ1つだけ言えるのはここは普通の人がいる世界ではないということなの。だって私はもう……」
そんな彼女の目は微かな量の涙を浮かべていた。
この涙はただ自分が人間の世の中からいなくなってしまったことへの悲しみから来るものではなかった。彼女は当時幼いながら、自分が死んだ時の記憶を覚えていた。さらにこれが偶然の事故などではなく、他人の意思により計画されたものであったことも。
「私は自分の未来を奪った人達を絶対に許しはしないッ‼︎まだまだ始まったばかりだった私の人生をあんなにも簡単に奪っていったやつらをッ‼︎」
もはや女の子が見せる表情とは思えないような形相で叫び散らす。空には影がさらに増して、かぜは嵐のように吹き付け、今でも彼女を吹き飛ばしてしまうかのような勢いである。
「そして私は願ったの。もう一度人間の世に戻りたい、まだ始まったばかりの人生を過ごしたい……色々な人と出会い、色々な経験をしたい……」
そんな彼女の積年の思いがある一つのゲームを作りあげた。彼女が人間の世に戻るためのゲーム。
その名を『リサシテーションゲーム』
「そう。私はこのゲームの支配人。私はこのゲームを通して必ず人間の世に戻って見せる。」
先ほどとは全く異なった穏やかな表情で彼女は言う。
「でも、このゲームを行うためには何人かの協力な必要なの。あなたも是非そのうちの1人になってみない?……ふふ…いやならいいのよ。他を探しに行くことにするわ。」
やがて少女と少女が存在していた世界は消え去って行き、そこにはこの世界などまるで最初から存在しなかったかのように一つの膨大な闇が存在するだけだった……
ご鑑賞いただきありがとうございました。この話を見ただけでは意味が分からないと思われるかもしれませんが、これも物語の展開に必要な演出だと考えていただければと思います笑
追伸で私には定期テストというものが近づいて来ていますので、次の話の更新が少々遅めになってしまいます。