「斎藤君」
誰かが隆志のことを呼んでいる
「う〜ん。この声はまさか?いや、そんなはずはない。君がここにいるはずがない。でも、この声がまた聞けるなんてね。夢でも嬉しいよ。光さん」
隆志は高校一年のころから光と同じクラスだった。
光の髪型はポニーテールで身長は150後半くらいだった。
「かわいい」
それが隆志の第一印象だった。
隆志だけじゃなく、クラス、学校の男子達が光のかわいさにもうアタックしていた。
隆志はそんな彼らを見ていたらどうも積極的になれないでいた。
しかし、席替えがあり隆志は光のとなりになった。
隆志は頭はそこそこだが、きちんと予習をするので授業で困ることはほとんどなかった。
逆に光の方は学年一位でありながら、授業で苦戦しているようだった。
そんな、ある日の数学の授業でのこと
「斎藤君」
「え、オレ?(あの光さんがオレに話しかけてる!?)」
「?他に斎藤君っていたっけ?」
「(何て天然な返し方だよ)いないね。何か用?」
「ここの問題教えてくれない?」
隆志は意外だった。この問題そんなに難しくない問題だ。学年一位の光なら尚更だ。
「ここは、この公式を使えばいいんだよ」
「何それ?」
「だからこの公式」
「それどうやるの?」
「はぁ〜?(おいおい。そんなに難しい公式じゃないだろ。普通のやつが分からないならともかく、学年一位だろ)」
「ご、ごめんなさい」
光はオレの声にびっくりしたのか、いつもより、オドオドしている
クラスの男子達がこっちを睨んでくる
「ごめん、ごめん。この公式はこうなってるからここをこうして・・・・」
隆志は分かりやすく丁寧に教えた。
光も分かったのか。すらすらと解いていく。
「できた。出来たよ隆志君」
無邪気な笑顔だ
「(学年一位ならこのくらい解けて当たり前のような気がするが)よかったね」
「ありがとうね」
ニコッ
「(かわいい)どういたしまして」
「私、トロイからなかなか授業についていけないんだよね。入学テストなんか160位だったし」
「うそ〜(160位って下から数えた方がはやいじゃん。オレは9位だったけど)」
「本当だよ。ほら」
光が隆志に成績表を見せた
「(マジかよ。そっから横は全部一位だし。どんな努力したんだよ?)テスト前はどれくらい勉強してるの?」
「平日は8時間。休日は14時間くらいかな」
「(え)すごいね。オレなんか長く勉強しても2時間くらいだよ」
「斎藤君は頭いいからそれでいいかも知れないけど、私は頭悪いから」
「(オレ頭よくないけどな。てか、なんて、すごい子なんだ。ここまで努力できるなんてすごい)他に分からないことがあったらきいてね」
「ありがとう」
「(かわいいな)」
それから、隆志は光と話す機会が増えていき、どんどん仲良くなっていった。
仲がよすぎて、付き合ってるのと言われることも少なくなかった。
ただ、男子達がその話になると、すごい形相でこちらを睨んでくるが
隆志の奥手な性格のせいで友達から発達することはなかった。
隆志はだんだん光のことが分かるようになってきた。
「(確かにかわいい。見ているだけで目の保養になる。でも、光さんのすごいところはどんなことにも全力で取り組む姿勢。目標のためならどんな努力も惜しまない。)」
本当にすごい子だよ。
しかし、隆志がもっと驚いたのは遠行だった。
隆志達の学校は毎年遠行で40㎞を走る。
隆志はバスケ部で鍛えていたのでさほど問題はないが
逆に光は文化系で運動神経はあまりよくない。
ぞくに言う運動音痴
とまではいかないかもしれないが
平均よりちょっと下
これが隆志の評価だった。
いい例がそうじ時間のことだった。
そうじ時間光が雑巾で床をふいていた。
しかし、よくみると、床が水浸しになっていた。
「ちゃんと雑巾しぼったの?」
「うん」
「(うんって)ちょっと貸して」
隆志が雑巾を取り上げた
「全然しぼれてないじゃん」
隆志が水道までいって絞る
水がたくさんでてきた。
「斎藤君すごいね」
「(こんなの普通なんだけどな)光さん握力は?」
「9だったと思うけど」
「そうなんだ(力がないとは思ってたけどそこまでとはな。これで遠行大丈夫なのか?どうみても持久力無さそうだし。華奢な体だし)」
そして、夜のことだった。
隆志は10㎞のランニングを終えて家に帰ってきて携帯を開いたとこだった
「光さんからメールだ」
件名 お疲れ
本文
斎藤君っていつもどのくらい走ってるの?
end
REお疲れ
本文
最近は10㎞くらいかな
end
「(ちょっと刺激が強すぎたかな。正直10㎞はかなりきついしな)」
返信がきた。
本文
10㎞?
まぁ斎藤君ならそれくらいの量で足りるかもね
end
「(はぁ?10㎞で少ない?)」
隆志はすぐさま返信した。
本文
光さんは何㎞走ってるの
end
「メールだよ」
携帯がなった
本文
20㎞だよ!!
土日は30㎞!!
end
「(言葉がでない)」
そして遠行が始まった
隆志は頑張って十一位になった
隆志は女子の方を見る
一位、二位はバレーボール部の三年。
三位の人が走ってくる。よく見ると光だった。
もう少しでゴールだがふらついている
「諦めない」
光はゴールした
「光さん」
「斎藤君。諦めなかったよ」
「すごいよ。本当にすごい。(勉強で一位とるのは分かる。言い方は悪いが勉強何て誰でも頑張れば一位は取れる。でも、運動には適性がある。光さんはどうみても適性があるとは思えない。すごい根性だ)」
「斎藤君のお陰だよ」
「え?」
「斎藤君に抜かれたときに斎藤君の背中をみて、すごいな。私も頑張ろうと思ったんだ」
「光さん」
「斎藤君、斎藤君」
「湊さん」
「昴さん。斎藤君が目を覚ましました」
「大丈夫か?」
「はい。それより何分間くらい気を失ってました?」
「15分くらいだ」
「よし。審判さん」
「君、大丈夫かな?」
「はい。でも、まだ痛みがあるので、テーピングの時間をいただけませんか?」
「分かった」
「長谷川さん。お願いします」
「分かった」
「斎藤君大丈夫?」
「平気。平気だよ湊さん」
「隆志。君はわざと突っ込んだのか?」
「はい。ルーズボールに飛び込むのは同然ですから。後、みんながかなり疲れていたので、怪我したふりをしてレフリータイムで休んでもらうつもりでしたから。気を失ったのは予定外でしたけど」
「それでケガしてバスケができなくなったらどうするんだ!!」
昴が真面目な顔をしている
みんなビックリしている
「(昴がこんな顔をするなんて)」
「確かに長谷川さんの言う通りです。すみませんでした。でも、一バスケットボール選手として、将来のことより、今の一試合を大切にするべきではないでしょうか」
「斎藤君」
智花は感動している
「私たちのことをそこまで考えてくれるなんて」
と、紗季
「ありがとう」
と、真帆
「おー隆志すごい」
と、ひなた
「斎藤君」
愛梨も感動している
「どうしたの?みんなで居場所を守るんだろ」
「分かった。オレもいいすぎた。確かにお陰でみんなが休めたがそれは男バスも一緒だ」
「分かっています。それでも、みんなを休めた方が勝つ可能性が高いと思ったんです」
「1ー3ー1崩しはどうやって対処する?」
「そ、それはまだです。長谷川さん。何かありませんか?」
「う〜ん。なかなか完璧な作戦だしな」
キュ、キュ
「ちょっと真帆、何してるの?」
「いや〜バッシュのキュ、キュって音が面白くて」
「!!」
「隆志」
「長谷川さん」
「どうやらお互いに気づいたようだね」
「はい」
「これは君にかかる負担が大きいよ」
「大丈夫です」
「何々?どうしたの」
「ありがとう。三沢さんのお陰でいい作戦が思い付いたんだ。みんな、聞いて」
隆志が作戦を説明する
「テーピングはまだかね」
「すみません。今、いきます」
「ちょっと、隆志っち」
「何?」
「私のお陰で作戦思いついたんだから。お礼がまだなんだけど
「?。お礼はさっき言ったけど」
「お礼を言っただけじゃだめだよ。誠意をみせたまえ隆志っち」
「じゃあどうすれば?」
「私の頭をなでなでして」
なでなで
隆志は真帆の頭をなでた
「ようし。頑張っていくぞー」
「おう」
真帆の顔が少し赤かったようなきがするが
「湊さん頑張っていこうね」
「うん」
プイッ
「(どうしたんだ?)」
「袴田さん頑張ろう」
「ぶー」
プイッ
「長塚さん」
「全くみんな子供ね。でも、チームワークはだいじよね」
プイッ
「みんなどうして?」
「なぁミホ姉、真帆以外どうしたんだ。隆志に冷たくないか?隆志も心当たりなさそうだし」
「試合に集中しろ。このウルトラ鈍感コンビ」
「はい?」
「(どうしたんだ?真帆以外の女バスのみんなからオーラがでてるぞ)みんな気を引き締めていくぞ」
「おう」
51ー37
男バス14点リード
逆転なるか?