「ディフェンス!!!」
「(男バス、気合い入ってるな)みんな、一本ずつ返していこう」
「「おー」」
「(智花にオールコートダブルチームしてるならまだまだ付け入る隙はある)
隆志はチラッと智花を見た
男バスが智花へのパスを警戒しようとする刹那、隆志はトップスピードで突き進んだ。
これで状況は四対三。
和久井がオレのマークにつく。
オレは右にいくと見せかけて左に、和久井も反応しようとするが
「おー」
ひなたが和久井にスクリーンをかけていた
隆志が和久井を簡単に抜き去り、ジャンプシュートを撃とうとする。
しかし、深田がブロックに跳ぶ
「(これを待ってたんだよ)三沢さん」
隆志は跳んだのではなく、跳んだフリで真帆にパスを出した
真帆がゴール下でゴールを狙う
「落ち着いて、版をよく使って」
隆志が叫んだ
真帆はプレッシャーに強い子だ。
難なく、初めてやるバンクショットを決めた。
隆志や智花のシュートを見て覚えたのだろう
「ナイスシュート」
「任せとけって」
「袴田さんもナイスアシスト」
「おー。ひなも役に立った?」
「シュートまで行けたのは袴田さんのおかげだよ」
「おー。ひな、嬉しい。ありがとう隆志」
ひなたが右手を出してきた。
オレも右手を出し、ハイタッチする。
「永塚さん」
「何?」
「三沢さんに対抗しようとしなくていいからね。焦らないでね。シュート外してもリバウンドとるから」
「私は別に真帆に対抗しようとなんかしてないもん・・・・・・・バカ 」
「いくぞーみんな」
竹中が攻め込んでくる。
「(オレの推測が正しければ、やつは重心をめいいっぱい後ろにして、追い付いてるはずだ。だから、オレのジャンプシュートには対応出来ないはずだ)」
竹中がジャンプシュートを放つ。
「!!っ」
隆志は思いっきりジャンプしたが
チッ
何とか指先にかすってシュートが外れた。
「(しまったリバウンドに間に合わない。和久井にベストポジションを取られた)」
「私に任せて」
隆志その瞬間に直感した。真帆がリバウンドをとってくれると、ならば自分の仕事はシュートまでの確実なルートを探すことだと。
「永塚さん、走れ」
オレが指示を出すより前に紗季は走っていた。
「(何てすごいんだ。お互いを信じてなければ出来ないはずだ)」
真帆と和久井と田嶌がリバウンドを争う。
ボールは真帆と和久井の方に跳んだ。
真帆と和久井。身長さは10cm以上あるが、
真帆は和久井に全体重をかけ、和久井に体を預ける。和久井にベストジャンプをさせないようにして、ボールをとるのではなく、オレの方へティプ(はじく)してきた。
「(一瞬の閃きかもしれないけど、これはかなりの高等技術だ。だったらオレは)」
オレは真帆からティプされてきたボールをバレーボールのトスのようにタップパスで前線にあげる
先ほどから走っていた紗季がこれを何と、教えてもいないはずのレイアップで決めた。
「ナイスシュート」
隆志は紗季の前に右手を出した。
「ありがとう。でも、ハイタッチなんてそんな、子どもみたいなこと、でも、チームワークを乱してはいけないわね」
パンッ
「心の中ではものすごく喜んでる紗季であった」
「真帆」
「さあ、ディフェンスだよ。」
隆志はあることに気づいた。みんなの動きが鈍くなっていることに
その証拠に智花までもがあっさり抜かれてしまった
「(この距離なら)」
竹中がいつもより遠くからジャンプシュートに入る
隆志が前に出る。
キュキュキュキュ
竹中が和久井にパスを出した。和久井は真帆をターンでかわして、シュート
ドン
何と、隆志が先にコースに入っていた。
ピー
笛が鳴る
「オフェンスファール」
「(何で追い付けるんだよ。ん?)」
竹中が倒れていた隆志を見た。
「(パッシュの底がすれてる。それにさっきのキュキュキュキュって音と何か関係が?)」
「竹中、スターターだ。やつはスターターを使っているんだ」
カマキリが叫ぶ
「スターター?確か雑誌でよんだことがある」
「ねぇ昴、スターターって」
「スターターって言うのは、どう説明すればいいかな?スターターっていうのは、つま先で通常の何倍も小刻みにステップを踏むことだよ。今、見たいにキュキュキュキュって音がするんだ。
「へぇ。難しいのか?」
「やるのはそんなに難しいことじゃない。高校生にもなれば大抵のやつは使う。でも、足にかかる負担がかなり大きくなる。隆志はそれをさっきからずっとやってるんだ」
「にゃはは。じゃあ隆志のやつすごい根性だな」
「でも、さっきから音はしませんでしたよね」
愛梨が不思議そうに尋ねる
「それは、隆志が相手にばれないように上手くやってたんだよ。隆志のバッシュはかなり底がすれてる。だから、音がなりずらいんだ。それを利用して、隆志自身も意識して音を消していたんだ。でも、今のは竹中が上手かった。音を出さざる終えなかった」
「(ばれたか。もうちょっとだけ、遅かったら良かったのに)」
「湊さん、エンドスローお願い」
「分かった」
「竹中、斎藤につけ、お前の力で男バスに勝利をもぎとれ」
「おす」
隆志が智花からボールを受けた。
「(痛。足にきたか)」
隆志の前に立ちはだかるのは竹中
side隆志
オレはボールを受け、周りをみる。
やはり、みんな疲れてる。さっき、休んでも、疲労があるからな。
オレはドリブルをつこうとしたが、やめた。
目の前からものすごいオーラを感じたからだ。
竹中がよく腰を落として獲物を狙う野獣のような眼だ
隙が全くない
これが竹中の覚悟か、静電気のようにビリビリ伝わってくる。
キャプテンとして、エースとしての覚悟
立派だよ。尊敬するよ
sideout
side竹中
監督が、みんなが、オレを信じてる。斎藤を止めてやる。
勝つのはオレ達だ!!!!!!!
残り一分半
51ー46
男バスの5点リード