「さあ来い隆志」
やる気満々。気合い充分。今にも噛みついてきそうな勢いで隆志と対面する竹中
「(どうしてこうなった)」
朝、いつも通りに起きて野球のトレーニングして、智花の練習に付き合い、マリカとグラウンドの草むしりをして、朝食を食べ、学校に行き授業を受け、給食を食べ、昼休みに瀬川君とキャッチボールをする予定だったのに。
「隆志いるか?体育館シューズ持て」
いきなり教室に入ってきた竹中に強引に体育館シューズを持たされ、つれていかれた
「どこに行くんだ竹中?」
「1ON1やろうぜ」
「は?」
そして現在に至る
断ろうと思ったが目の前の男が真剣な眼差しでこちらを見てくる
「(仕方ない。やるか)」
スゥ~
一呼吸ついた隆志はもう一度竹中を見る
そしてドリブルを開始する。
じっくり、ゆっくり。そして急にテンポを早め、低いドリブル
チェンジ・オブ・ペース
智花ほどの緩急ではないにしろ
隆志だってそれなりには・・・・・・・・・・出来なかった
竹中もまた隆志のスピードに上手く右手を合わせボールをスティールした。
「甘いぜ、隆志。この前の試合から思ってたけど、お前ドリブル苦手だろ」
「(やっぱり見破られてる)」
「そんな苦手分野でオレに挑んでくるんじゃねぇ!!なめるな。お前の得意分野でかかってこい」
「おう(その気迫みせられたらな)」
「行くぜオレはお前のそのディフェンスと勝負したいんだ」
竹中が右手で右にしかけてくる
隆志もそれにピタリとついていく
右手から左手へクロスオーバー
「(前より早い。キレが違う。でも、追いつける)」
隆志も負けじとついていく
少しのズレが出来たが、まだついていける距離だ
「(想定内だよ)」
竹中が左手でボールを背中から右手へ。そして右に切り返す
「(ビハインド・ザ・バック。お前ホントに小学生かよ)」
隆志は左を意識していたため右に切り返せない
完全に隆志を抜き去り、シュートを放つ
「まだだ」
隆志が跳ぶ
「(間に合え)」
チィ
隆志の指先が少しだけふれた
ガッ
そしてシュートが外れる
「くそう」
竹中が悔しがる
「竹中。オレの得意分野はディフェンスじゃない」
「何だと?(前の試合でこいつが目立ってたのはディフェンスだった)」
隆志はことごとく男バスの攻撃を止めた。それ以外では普通だったはず
隆志の得意分野とは??