「いくぜ」
さっきよりもキレのあるクロスオーバーからのロール
川原が見せたものとは全然違う、教科書のようなロール
隆志も反応出来ずそのままレイアップを決められてしまった。
「どうだ」
竹中が吠える
「まだまだ。次、いくぞ」
そこから隆志が決めれば竹中も決めかえす一進一退の攻防がくりひろげられた
体が温まってきたのか
竹中はスピードとキレが増し
隆志はパワーが増していった
竹中を柔とするなら隆志は豪
柔と豪の対決だ
隆志のオフェンス
Side竹中
隆志のパワーにも慣れてきた。次はとめる。
今までのプレーから隆志は生粋のパワーセンターだ
次も真っ向から来るはず
絶対とめる
Sideout
竹中の予想通り隆志は真っ向からきた
そして、隆志がパワードリブルをしかける
「(今だ)」
腰を落として隆志のパワーを受ける
多少とばされたが受けきった
隆志のシュートに合わせ竹中がブロックに跳ぶ
「(しまった。フェイクか)」
隆志のシュートフェイクに見事に引っかかった竹中。
隆志はそのままシュートを決めた
「(そんな簡単に止められては困る。曲がりなりにも三年間やって来て必死に身につけたセンタープレーだ。智花にだってとめさせない)」
竹中もまた決め返した
「竹中、そろそろ終わらないか?」
「そうだな」
二人ともその場に倒れこんだ
「疲れた」
竹中はスッキリした顔をしている
「そうだな」
「なぁ隆志」
「ん?」
「何でお前女バスに力を貸したんだ?」
「香椎さんのプレーに心を打たれたのもあるけど、体が勝手に動いたんだ。女バスが負けたら解散だったんだろ?」
「ああ。負けたからもう何も言う気はないが、オレら男バスはな去年地区優勝して県大会に出場したんだが一回戦負けで。今年こそはって思ったんだ。だから練習時間を増えしてほしいと頼んだんだけど、女バスが練習するからダメって言われてな。アイツらが真面目にやるんだったらオレだって仕方ないと思ったんだ。でも、アイツらは遊んでるだけ。だから試合で決着をつけることになったんだ」
「竹中達には遊んでるだけに見えたかも知れないけど、彼女達は真面目やってたのかもよ」
「ああ。オレも今はそう思う。お前のお陰で考えを改められた。でも、何であそこまで頑張れるんだよ。女バスが解散してもお前には関係ないだろ」
「好きなものを失う気持ちを味会うのはオレだけでいい」
低く、暗い声
竹中はそれ以上は聞けなかった。聞くことが出来なかった
それほど隆志の表情にはオーラが出ていた
それから沈黙が続いた
沈黙を破ったのは竹中の言葉だった
「隆志。バスケ部に入ってオレ達と全国を目指さないか?」