オレはどうすればいいのだろうか?
何回このことに悩むのだろう
フッ切れたはずなのに
オレはリングを見た
リングの下にはボールが転がっていた
竹中が強引に引っ張られていったので忘れてたようだ
気がつくと隆志はボールを拾っていた
ダムダム
軽く三回ほどドリブルをつき
シュッ
カッ
スポッ
リングの壁を利用したバンクシュートが決まった
ボールが転がっていく
ツインテールの女の子がボールを拾ってくれた
「すごいね!!よーし、私もえいっ」
ドタッ
盛大に転んだ
ボールはリングにかすることなく落ちた
「(エアーボール。っていうか石もない平面の体育館でシュート打つときに転ぶか普通?しかもこの距離をエアーボールって。誰だっけ?見たことある気がするけど)ええっと?」
「私?私は同じクラスの松川 明里(まつかわ あかり)だよ」
「そうだったんだ(そういえばグラウンド作りの時にいたようないなかったような)」
「ひどい隆志君。グラウンド作りも一緒にしてるし、席だって右斜めにいるのに」
グスッ
いかにもわざとらしい泣きまねをする明里
「ちょ、ちょっと待ってよ転校してきたばかりだしそんなに周りを見る余裕なんてなかったから」
クスクス
明里が笑う
「冗談だよ。転校してきたばっかりじゃ無理ないもんね。やっと隆志君らしい顔になったね」
「え?」
「ここに入って来るときすごく険しい顔してたよ」
「ごめん。ちょっと悩んでて」
「オレは野球とバスケどっちをすればいいんだろう?でしょ」
「え?どうして?」
隆志は驚いた。今、自分が考えていることを当てられてしまったからだ
「だって隆志君、昼休みに瀬川君と野球やってる時、笑っててとてもたのしそうだった。何ていうか純粋な笑顔って感じ。体育で見せたバスケしてる姿は野球と比べて真剣そのものだった。ゆとりがない感じ。でも楽しんでるようだった。どっちも好きなんだなぁって思ったの」
「すごいね松川さん」
「悩んでることがあったら私で良ければ話聞くよ。力になれるか分からないけど」
「実はこの学校は三校目なんだ。オレは前の学校では野球をしてたんだ。でも、前の前の学校ではバスケをしていたんだ。でも、オレは本当は野球がしたかった。野球が大好きで小さいころから憧れていたんだ。転校して野球をすることになった時は本当に嬉しかった。ずっとやりたかったことだから。最高のチームメートと一緒に優勝を目指して頑張っていた。でも、決勝を前に転校することになったんだ。それがこの学校。ふとしたきっかけでここのバスケの試合に出たんだ。そのときオレはバスケも好きだって改めて思った。最初は気乗りしないで始めたバスケだったけど。ここのバスケ部をはじめ、クラスのみんなが期待してくれている。でも、今ここでバスケを始めたら、前の学校のみんなを裏切っちゃうんじゃないかって思えてくるんだ。確かにバスケは好きだけど、野球はもっと好きなんだ(転生のことは話せないからな)」
隆志は転生のことを除いてなるべく真実に近く話した。
「大変だったんだね。でも、それならどっちもじゃダメなの?」
「え?」
「無理に一つにしないで両方やればいいじゃん。二つとも好きなんでしょ?」
「はははははははははははっははっは」
隆志は笑った
「私なんかおかしいこと言った?」
「そんなことないよ。(こんなに心から笑ったのはいつ以来だろう?こんなに簡単なことだったんだ。両方すればいいんだよ。両方やってはいけないなんて決まってない)ありがとう松川さん」
「はーい。私のことは明里って呼んでね」
「分かったよ明里。じゃあまた後で」
「またね」
隆志が体育館を出るとマリカがいた
「顔がすっきりしとる。決心がついたようやね」
「うん。まずはこの球技大会で優勝する」
「よっしゃ!!こうなったら授業サボっていくで~」
「おう」
良い子は真似しないでね!!