みんなに負けてから悔しかったのか川原の動きがあきらかに変わってきた。
ドリブルも少しは見られるようになってきたし、ゴール下のシュートとレイアップの決定率も上がってきた
だが、
「いくぜ川原」
光がドリブルで川原を抜く
シュートに行く前に孝輔がコースを塞ぐ。
「安芸」
光がすかさず安芸にパス
安芸が落ち着いてシュートを決めた
川原も頑張ってはいるがまだまだみんなにはおいつけてはいない。
サボってたツケがまわってきたのだ
逆にみんなはこの前の川原との勝負に勝って自信がついたらしい。自信を持つのはいいのだが、
「みたかぁオレの高速ドリブル。バスケ部にも通用するぜ」
「オイラのシュートも安定してきたべ」
「今のは自信を持たせるためにわざと抜かせたんだよ」
「今ならバスケ部でもとめられる気がするよ」
「早く試合したいぜ。オレがリバウンド王になってやる」
「力也~リバウンドとったらオレにパスちょうだいね~」
「おう。決めろよ和樹」
この通り自分達の力を過信しすぎている。川原=バスケ部と思っているのだ
正直オレも川原も下の下。
県大会出場の男バス。
いくらエースでキャプテンの竹中がいないといっても今のままじゃ勝てるはずもない
いくらオレが口で言っても聞かないだろう
「みんなちょっと集合」
全員が集まって来る
「今日の体育の時間はD組と一緒に合同で体育館を使うことになってるよね。それだったらコートは半分しか使えないよね。だから昨日戸嶋と相談してゲーム形式の練習試合をすることになった」
「「「「やった~~~~~~~~~~~」」」」
みんな喜んでいる
「(さて、試合が終わってからみんなどうなるかな)じゃあ今日の朝練は終わり」
みんなが帰った後、オレは一人残った
みんなが帰った後に一人でドリブル練習。これは日課になっていた
右から左にクロスオーバー、クロスオーバーからのレッグスルー、そこからロールからのシュート
まだまだ洗練されたものではないが形にはなってきた
「けっこうドリブル上手くなってきとるやん」
「マリカの教え方が上手いんだよ。ありがとう」
「それはアンタが頑張ったからや。ウチはなにもしてへん。そろそろ学校に行く時間やで」
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「隆志。二分後にスタートな」
「分かった。よろしく」
竹中の影響から男バスみんながオレを下の名前で呼ぶようになった。
「とりあえず最初は光、川原、力也、安芸、オレでいく。状況次第でどんどん交代していくから三人とも準備しといて」
「「「分かった」」」
センターサークルに力也と和久井が立つ
ボールが上がる
バシッ
勝負は力也に軍配があがり、ボールは隆志の方へ
「(ここだ)光走れ~」
ビッ
隆志がゴール前の空いたスペースにパスを出す
光と戸嶋が競り合う
「(純粋なスピード勝負なら光の方が上。行け!!光)」
「よっしゃ~。スピードなら負けね~」
光が先にボールをキャッチしレイアップを決めた。
男バス軍団も一瞬驚いた表情をみせたが、すぐに表情を戻した
「いくぞ」
戸嶋がボールを運ぶ
ディフェンスのマッチアップは
戸嶋に川原、深田に光、和久井にオレ、田嶌に力也、そして竹中の代わりの田中に安芸。
戸嶋から深田へ深田から中に陣取っている和久井へ
「勝負だ隆志」
和久井が身体をぶつけてくる。
隆志が腰を落としてこらえる。
そこから和久井がシュートフェイクを二回入れてシュートへ
隆志がブロックに跳ぶが身長差もあり、指先をかすめただけだった
「力也リバウンド」
「おう」
力也がリバウンドをとると同時に隆志が左に開く
「こっち」
力也から隆志へ
「隆志もう一丁」
光が走っている。が、今度は戸嶋が前にいる
「(体感しろ光。バスケ部のディフェンスを)」
隆志から光へ
光がドリブルで戸嶋を抜きにいく
スッと戸嶋がいとも簡単にボールをスティールする
「速攻」
戸嶋が素早いドリブルで切り込んでくる
川原がディフェンスにいくが簡単に抜かれる
「オレが行く。力也後ろは任せた」
オレが前に出た瞬間にフリーになった和久井へ
力也がブロックにいくが和久井が力也を弾き飛ばしてシュートを決めた
「(力也、これがバスケットの当たりなんだ)よーしいくよ」
隆志がドリブルで運ぶ
「川原」
右四十五度にいる川原へパス
川原がそれを受けいきなりロールへ
深田が川原がまわりきる前にボールをスティールしそのまま一人で決めた
「(そのロールじゃこれから先ずっとそうなるぞ川原)」
再び隆志がボールを運ぶ
安芸が和久井にスクリーンをかける
隆志が右に行く瞬間に安芸がゴール下へ
隆志から安芸へパス
「スイッチ」
田中が叫ぶ
安芸がシュートに入った瞬間後ろから和久井がブロック
「(ただ、スペースでボールを待ってるだけじゃだめだ安芸)」
それから光が最初に点を決めた得点だけで十分が過ぎた
十分間D組にいいようにやられていた
「(おかしい。この得点差は予想通りだが隆志がおとなしすぎる。!!!そうかそういうことか)おい和久井」
「ん?」
「隆志とのマッチアップ代わってくれ。オレがつく」
「分かった」
「(隆志、お前の思い通りにはさせないぜ)」