昨日のことがあった翌朝、みんなやる気が出ているのか昨日までとは目の色が違っていた
「みんなおはよう。さっそく朝練をはじめるよ。今日は昨日言ってたやりずらいっていうのを考えてみよう。どうすればいいかな?」
「走って、走って、走りまくる。とにかく足でかき回す」
光が自慢げに言う
「正解。走るチームっていうのはやりづらいんだ」
「ねえ隆志、ディフェンスはどうすればいいの?」
最近ディフェンスに興味を持ち始めてる孝輔が積極的に質問する
「まぁ待って孝輔。今、光が言ったように走るバスケにするにはどうすればいい?」
「ラン&ガン」
「お、力也、勉強してるね。それをするにはどうすればいい?」
「パスをつなぐことだべ」
「そう。パスをつなぐためにみんなで走ってパスコースを作るんだ。先ずは縦に一人、横に一人誰かがいることが大事なんだ。それも後から練習しよう。次にディフェンスだけど、体感した方が早いね。孝輔、光、和樹。今からオレがディフェンスするから。パスを受けたらシュートまでいって。
マリカパス出しお願い」
「まかせとき」
最初は孝輔が出る。マリカと孝輔の間に手を入れパスコースを塞ぐ。孝輔の動きに合わせ隆志も動く
マリカが隆志の届かないところにパスを出すが孝輔がキャッチしたのは背中向けだった。その後、簡単に弾かれてしまった
「次」
「おう」
今度は光がいく
隆志は孝輔にしたような激しいプレッシャーはかけない
光がボールをキャッチしドリブルに入る
光は隆志の右を抜きレイアップに行く。しかしバランスがとれずに決まらない
「次」
「いっくよ」
和樹だ
隆志は今度はかなり距離をとる
和樹はボールをキャッチしてすぐシュート。しかし外れる
「淳也。今の三人の動きを見てどう思った?」
「孝輔には、いい体勢でボールをとらせないようにしてた。光にはわざと右から抜かせてた。和樹には技とシュートを打たせてた」
「流石淳也。正解」
「今のが答えだよ。まず、孝輔にやったのは楽にボールをキャッチさせないこと。相手が上手いなら上手いほどね。抜かれるのは仕方ないことだよ。だから相手の体勢を少しでもくずすこと。後ろ向きにとらせたら百点かな。光にやったのは外側にぬかせること。外側にぬかせることで微妙に変わってくるんだ。現に光はふくらみすぎてレイアップに行きずらかっただろ?」
「おう。めっちゃやりずらかった」
「最後に和樹にやったのは距離をあえて離すことで心理的プレッシャーを与えたんだ。どんな一流選手でもシュートだけは絶対入るなんてありえない。この三つがいやらしいディフェンスなんだ」
「これらを踏まえて今から実戦形式に入る」
みんな顔が笑っていた。
このディフェンスを身につけたらきっとすごいものとなる。
声には出さなくても一人一人がそう実感したのだった。