ATUIOMOI 改 ロウきゅーぶ!編   作:ウッチー39号

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第四十五話 本来の姿

「こんなものじゃないでしょ隆志君は」

そのエールとも思える声は味方の智花ではなく恵だった

 

「田辺さん?」

 

 

「がっかりさせないでよ。私は全力できてるんだから。隆志君も全力できてよ」

 

 

「全力でやってるよ」

 

 

「なら何でそんなに涼しそうな顔しているの。もっと本気でぶつかってきてよ」

 

 

「え?」

 

 

「隆志君」

智花がかけよる

 

「湊さん?」

 

「私もそう思う。確かに隆志君のドリブルやパスはこの前の試合よりも上手くなってると思う。上手く言えないけど隆志君は上手くなっているけど上手くないっていうか。えーとその隆志君のことを下手って言ってるわけじゃなくてえーとその」

 

 

「お前はお前ってことだよ」

観客側から声がする

 

 

 

竹中だ

 

 

「お前のことだどうせE組のやつらに見せるために力を無意識にセーブしてるんだ。それがお前の弱点なんだよ。アシストや地味な黒子に徹する。お前のバスケを見せてみろよ隆志」

 

 

「そうだべ隆志、オイラ達は隆志がすごいのは認めているべ。」

 

 

「お前はオレたちに気を使いすぎなんだよ。お前のパワーを見せてくれ」

 

 

「隆志、君はウチのクラスのリーダーだ。でも、それを重く感じすぎてる。君は君だ」

 

 

「本当はオレより速いんだろ隆志」

 

「隆志頑張れ」

 

「当日は黒子にはオレが接する。だからお前の思うようにやれ。お前がいったんじゃないか選手には活躍するべき時があるって。今がそうだろ」

 

 

竹中に続き

安芸、力也、淳也、孝輔、伸二が声をかける

 

「みんなありがとう。見ててくれオレのプレーを。田辺さんの言うとおりだよ。ごめん。今からが本当の勝負だ。湊さんどんどんパスくれ」

 

 

「そうこなくっちゃ」

 

「もちろん」

 

「君達早くしなさい」

審判に注意されセットアップする両チーム

 

 

 

 

攻守交代

先ほどと同じ動きで隆志と恵を1ON1に持っていく

 

 

 

パスを受け取った隆志

ボールを受けた隆志の目がギラリと光る。

 

 

恵も心なしか少し後ろに下がる

「(これだよこれ。これが本当の隆志君なんだ。でも、コースは分かる。このまま右にドライブがくる)」

 

 

ダム

 

 

先ほどとは音が違う。そしてドライブの一歩目のスピードも違う

 

 

しかし恵の読み通り隆志は右に

 

 

「(読まれたか流石だね。でも、関係ない!!)」

 

ガシッ

 

激しい接触

 

 

恵を弾き飛ばしシュートを決めた。

 

 

 

「(読まれてようと関係ない。もともとドリブルの苦手なオレだ相手を弾き飛ばして決める。なまじ技術が上がったからそれに頼りすぎてた。もともとオレに技術なんてなかった。あるのは気持ちだけ。それはどんなに上手くなろうとも技術がつこうとも関係ない。オレの一番の武器だから)」

 

 

心の持ちようによって人は変わる

スポーツにおいてメンタルは大きく左右する

迷いを無くし、暑い想いで燃え上がる隆志のメンタルは隆志を更なる成長をとげた

 

次のディフェンス

 

 

「ディフェンス」

大きな声とともに激しいプレッシャーをかける

 

 

パス、ドリブル、シュート

何もやらせないといわんばかりに腰を落として

攻めるようなディフェンス

 

「(おとなしくやるなんてディフェンスじゃない)」

 

 

「(すごいプレッシャー!!でも、私はまだドリブルを使ってない。ドリブルを使った後にこのプレッシャーをかけるのは分かるけど、こんなにつめてくるなら抜ける)」

左にフェイクを入れ、右へ

 

 

隆志がぴったりとつく

そのままスティールする

 

 

 

「まだまだこれからだよ」

 

 

「ダメだよ、次抜かれたら負けちゃうもん」

 

 

お互いニヤリとする

 

 

攻守交代

 

 

「今度は負けない」

さっきよりも腰を落とす恵

 

 

「甘いよ」

右ドライブからレッグスルーで急ストップからのクロスオーバーで抜いた

 

 

腰を落としすぎている恵には対応しきれない

 

 

 

「頭もちゃんと使うよ」

ニヤリと笑う隆志

 

 

隆志は成長した

もうパワーだけの選手ではない。アウトサイドのプレーも取り入れプレーの幅が広がったのだ

 

 

フッ切れた後の隆志達は恵達を完全に抑え込み

5-4で逆転勝利した。

 

 

パチン

智花と隆志がハイタッチ

「やったね」

笑顔の智花

 

 

「迷惑かけたね」

 

 

 

「やっぱり隆志君はすごいね」

 

 

「そんなことないよ。湊さんの方こそ」

 

 

「じゃあなバカップル」

和樹はそういうと帰っていった

 

 

「気にしないで、きっと負けたのが悔しいだけだよ。それより負けちゃったな。でもいいんだ。本気の隆志君とやりあえたし。球技大会じゃ戦えないもんね」

 

 

 

「田辺さん、ありがとう。田辺さんのおかげで強くなれたよ」

 

 

 

「なら良かった。智花ちゃん。頑張ってね」

 

 

「うん。ありがとう」

 

 

「ちょっと羨ましいな」

恵がポツリと呟く

 

 

「みんなありがとう」

隆志がみんなに頭を下げる

 

 

「別にお礼を言われる筋合いはねえよ。お前達と戦いたいだけだ」

竹中がそっぽを向く

 

 

「それは無理だ夏陽。お前たちは私達に負けるんだからな」

真帆が二ヒヒと笑みを浮かべる

 

 

 

「・・・・お前なんかじゃ勝てねぇよ」

 

後ろを向いたまま竹中が答える

 

 

 

それはいつもの竹中とは別人のような

低く、暗い声だった

 

 

次回竹中&戸嶋VS真帆&紗季

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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