皆さまよいお年をお迎えください。
「(強い。今まで戦ってきたどの選手たちよりも。スクリーンを効果的に使うとこんなにオフェンスの幅が広がるんだ。すごいな。でも、負けたくない)」
智花は素直に感動していた。
再び隆志と智花の攻撃。ボールは智花が保持しており、花梨が先ほどのように誘導するスタンスをとっている
「(誘導されてる。どうすれば?)」
智花は迷う。先ほどのスティールが頭によぎったからだ
「湊さん」
力強く隆志が呼ぶ。中で翼を背負いセンタープレーの構え
「(お願い)」
ビッ
花梨は今、智花のほぼ真横につくスタンスのためパスがきれいに通る
「(よし)」
ドンッ
力強くワンドリブルをつき、翼を弾きとばす。隆志と翼に一定の距離が生まれる
ググッ
隆志がシュートモーションに入る準備に入る
「隆志君後ろ」
智花の凛とした声がする
花梨が隆志に近づきスティールを狙っていた
「読んでるよ(淳也と力也がやられたプレー。一度見てるからオレたちには通じない)」
隆志の行動、それはシュートフェイクだった。花梨の手を避ける
「(よし。かわした。崩したぞ)」
隆志は心の中でガッツポーズをした
が、そこに翼の手が伸びてくる。
「(ウソッ。リカバリー早すぎだろ!!智花)」
隆志が智花にパスをさばこうとするが花梨がパスコースをふさいでいる。智花に出すことはできる
が、隆志にはパスセンスがない。簡単なコースが潰されている状況ではパスできない
パスコースを探すためにボールから意識を離したその一瞬
その一瞬で翼がスティールするには十分だった
「おーーーーーーーーーーーーーーーっとここで翼のスティールが決まった!!隆志&智花コンビいい形までもっていったがやはりこの翼&花梨コンビのコンビプレーは堅い。さぁここで攻守交替。次はどんなコンビプレーを見せてくれるのか」
翼がボールを持ち、ビッ
すぐさま花梨にパス
「オッケー」
花梨はボールを受け、レッグスルーからのクロスオーバーで崩しにかかる。
「(負けない)」
智花はこれに完璧に着いていく
「(隙がないわね)翼」
ビッ
翼にリターンと同時にスクリーンをかけにいく
「隆志君スクリーン!!」
智花の素早い掛け声
「オッケー、ナイスコーチング」
隆志は翼との距離を調整し、スクリーンにかかっても対応できるように備える
「こっちは任せて」
隆志と智花の迅速な対応。花梨のスクリーンと隆志とは逆方向へのドライブを智花が警戒し、隆志はスクリーンにかかりながらも翼のドライブに集中する
ボールを受けた翼が隆志と対面する。
チラッ
視線を一瞬智花に向け、ボールと身体を隆志の方に大きく振る
「(来るか?)」
隆志の身体が反応すると同時に翼は逆方向--智花の方にドライブ。隆志の方への大きなモーションはジャブステップだった。
キュキュッ
素早く智花が出て、隆志が花梨へのパスコースをふさぐ。
「(これは無理だね)」
ダムダム
翼がバックステップで下がる。智花もすぐに元のポジションに戻る
「(仕切り直しか)」
隆志と智花はそう思った
(フリーだ行ける!!)
二人の予想とは逆に翼はシュートモーションに入る
「やらせない」
隆志が慌てて跳ぶが間に合わない
シュッ
ボールはきれいな放物線を描き
ポスッ
リングに吸い込まれた
「決まった!!3-0。上手く隆志&智花コンビが対応したかに見えたがやはりこの二人はとめられな~い」
「(ふうっ、しんどいな)湊さん」
「何?隆志君」
【あきらめようか】
隆志から信じられない言葉がとびだす