魔法少女リリカルなのは~星を統べる少女~   作:sT油

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またオリキャラ…


ライオブモール

“近いけど遠い、遠いけど近い”

 

 

森の中を黙々と歩く。

魔力消費と余計な騒ぎを起こさないため、私は街に程近い森林から徒歩で向かう街に向かうことにした。近くとはいってもリハビリのために1キロ程度の道のりだ。その間、私の頭は1つの事柄に占められていた。そんな時だった。レイジングハートが声をかけてきたのは。

<怖いですか>

「…!」

<そうでしょうね、今まで貴女が最も忌避してきたことですから>

そう、レイジングハートの言う通り私にはまだある決心がついていない。

[人を殺しかねない力…つまり殺傷設定の魔法で闘えるか、と?]

「そう…私は誰も傷付いて欲しくないし傷付けたくもない。…急所を外せば死なないかも知れないけど、それも絶対じゃない」

<もし万が一殺したときの覚悟がないんですね>

[殺らなければ殺られると言いますよ?]

「私にはそれが争いの種に見えるよ」

何より私…高町なのはの生き方の根底にあるのは人助けの精神なのだ。殺すか殺さないかなんて考える前から答えは出ている。

「そこは、譲れない」

<私はマスターの意向に沿います。どこまでも>

[御意に]

ただこうやって先伸ばしにすることにも一抹の不安を覚えていた。

 

<町がそろそろ見えてきます>

「あ、ホントだ」

街といって思い付くのは海鳴やミッドチルダだがここはそのどれとも違う、やや古風の落ち着いた町だった。

そのちょうど入り口あたりに誰かが立っている。こちらの姿を認めると寄ってきた。

「貴女がテスタロッサ女史の言っていた訳ありの人でいいのかしら?」

「あ、ええと、その、あ、合言葉は?」

「んーなんだっけ。ええと…らりるれろ?違うなぁ。そうだ“ヘルメス”?」

何か変なことを言っていた気もするが一応合っているので頷いて肯定の意を示す。

「よし!じゃあ行きましょうか。あと、私の名前はラネル・クロイツよ。ラネルでもラニーでも御姉様でも、どんな呼び方でもいいわ」

「クロイツ…?」

その苗字には聞き覚えがあった。そう、あの私の裸を見た変態兼命の恩人。

「弟よ。リペルは、私の弟」

「そ、そうだったんですか」

<あまり似てませんね>

[DNAパターンも一致しません]

「こ、こら!」

「あははっ!個性豊かなデバイスって聞いてたけどここまでとはね。えぇ確かに私とあの子に血の繋がりはない。けどそんなこと貴女なら気にしないでしょう?なのはさん」

「当然です」

答えながら、この人はヴィヴィオのことだけを言っているのではないと気付く。恐らく私の実家のことも知っているのだろう。

「じゃあまずは普通に買い物しましょうか。リストはもらってるんでしょ?」

だけど悪い人ではなさそうだ。

「支払いはテスタロッサ女史持ちだろうけど」

訂正、侮れない人みたいだ。

 

 

[これであらかた買い終わりましたね]

「うん。あんまり注目されなかったし」

「あ、買っていきたいもの忘れてた。少し待ってて」

ラネルは私を売店のベンチに座らせどこかへと駆けていった。手持ち無沙汰になった私は周りを見渡そうと…

「わぶっ」

突然視界が何かに覆い尽くされる。

<ただの紙です。マスター>

顔から退けると確かにそれは紙だった。だが

「これ新聞…?」

ミッドチルダに長い間いたせいで随分懐かしく感じる。この町ではまだ紙を媒体とした情報伝達システムが残っているようだ。

「あ……」

<どうしました?>

そこの新聞の一面に載っていたのは

“エースオブエースの失踪 離反か?拉致か?”

覚悟はしていたことだがやはり堪えた。一般人は真相を知らず恐らくほとんどの管理局員も歪められた情報で動いているのだろう。

そう言えば、まだあのときの局員の狙いが解っていない。プレシアあたりにでも聞けば解りそうだが…

「新聞なんて読むんだね」

「にゃっ!?」

「あはは。可愛い」

いつの間にか戻ってきていたラネルは不思議そうに続ける。

「ミッド暮らしの人は新聞なんて知らないと思うけど」

「…出身世界が違うので」

「そうだったね。確かチキュウだっけ?」

わざわざ第97管理外世界のことを“地球”と呼ぶ管理世界在住者はいない。それも日本語で。

「どこまでですか」

「ん?」

「私のことをどこまで知ってるんですか」

「有名なエースオブエースでしょ?誰だって知ろうと思えば知れるわよ」

どうも煙に巻かれた気がしてならない。じっと相手を見つめる。

「…合格ね」

「へっ?」

「テスタロッサ女史に頼まれたのよ。貴女が周りを疑えるようになってるかどうかですって。確かに疑ってさえいればいざというときに対応できるしね」

ラネルの言う“いざというとき”は来ないに限るがこれでようやく理解できた。…プレシアがわざわざ病み上がりをお使いに行かせた理由、ラネルの憶測を呼ぶ言動。全て私を試していたのだ。

<流石です。マスター>

[信じていました。私は]

よもやデバイスまでグルだとは思わなかったが。

 

その後私とラネルはヘルメスに帰還した。




Fateの二次創作も制作予定です
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