デバイス音声は日本語表記です。結構普通に喋ります。
フェイトの元へなのはが行方不明になったとの連絡が届く、その2時間前………
■ショッピングモールからやや離れた路地
「こっちの方かな?レイジングハート?」
«ええ、おそらく»
バリアジャケットを通常展開させて私は路地を見下ろすように飛行する。
«しかしいいのですか?こんな市街地で飛行魔法など展開しても»
「私もそう思ってクロノ君に聞いてみたんだけどね、なんでも“よくは解らないがその辺りには既に避難勧告がなされてる”って」
«…妙ですね»
「レイジングハートもそう思う?」
«おそらく別の局員の手によるものでしょうが…普段に比べて迅速過ぎます »
「そう…なによりもクロノ君すら事情を把握しきれてないってことが、ね」
«この任務、少しいつもより警戒した方がよろしいかと»
「そうするよ、ありがとレイジングハート」
そうこうしていると目的地に辿り着く。早速周辺の魔力反応を探し出しにかかる。
«マスター、4時の方向探査魔法にヒットしました»
「なんだか解る?」
«いえ、今の時点では……?»
「どうしたの?」
«……何処かで見たことのある魔力反応です。これは…»
「この感じ……まさかジュエルシード!?」
«管理局に押収されたものが何故ここに…»
「とりあえず確保しよう、久しぶりだけどシーリングモードの準備しておいて」
«了解しました»
反応があった方向に向かうとそこには元々ビルでもあったのだろうか、取り壊され瓦礫が散乱して少し開けていた。
「ジュエルシードは…っと」
すると瓦礫の奥の方から吹き出すような魔力反応。すぐさまバリアジャケットをエクシードモードに変更する。
«マスター、封印形態の展開が完了しました»
「じゃあ早速…」
「待て!」
そこに突然かかる声。驚き振り向くとそこには管理局員が何名か武装状態でいた。
「大丈夫です。このロストロギアには見覚えがあるんで封印は私が行います」
「そういう問題ではない!早くそれをこちらに寄越せ!」
「何か危険なことでも…?」
「いいから寄越せ!ほら早く!」
随分と高圧的な物言いに少し疑念を生じさせると、それを敏感にも感じとったのかやや相手も踏みとどまる。
「さっきから思ってたんですが」
「なんだ?」
「これがどうしてここに?本来はどこかの遺失物管理所に預けていますよね?」
ッ!と、それだけは言われたくなかったかのようで何人かは歯ぎしりしている。そうしているうちにさっきから誰かと連絡をとっていた局員が他の局員に何やら耳打ちしている。
「……管理局戦技教導官高町なのは」
「はい?」
「貴君をこれよりMIA処分とする」
「は、はいぃ?」
全く話の流れが読めない。いったい全体何をどうやったら今ここで対話している相手を行方不明扱いにできようか。
「それはどういう…」
「異論は聞かん。大人しく消されろエースオブエース!」
«マスター、ここは一度撤退を»
「うん、よくわからないけど…」
そうして空に飛び上がろうとした私に局員の一人が叫ぶ。
「逃がさんぞ!上層部の命令は絶対だ!」
「え?きゃっ!?」
その局員が叫んだと同時に私の飛行魔法が突然キャンセルされる。
「まさか…AMF…」
「そうだ!しかもただのAMFではない、対Sランク魔導師用に編まれた超高濃度AMFだ!」
「くっ…一体どうしてこんなことを!立派な職務妨害ですよ!」
「まだわかってないのか」
そういう局員の顔は嘲りに満ちていて
「上層部が、お前を、殺せと命じたのだ。解るか?お前は、ここで、死ぬんだよぉ!」
何処か現実離れして見えた。
「くっ…でも魔法が使えないのはあなたたちも同じ…」
「ところがどっこい、我らにはコレがある」
そういって取り出したのは拳銃。あまり詳しくないからよくわからないけど確か自動拳銃と呼ばれる部類だ。なんにせよ立派な質量兵器であることに変わりはない。
「な…!?そんなもの一体何処で」
「管理局は質量兵器の非所持不使用を全管理世界に徹底したが、何も押収もしくは没収した質量兵器を燃やしたりしてる訳じゃない。こうして一部のワケ知り局員に装備として配布してたりするのだ」
「何のために!」
「何のために…か。そうだな色々と使用用途はあるが…例えばこうやって」
ガキリと撃鉄を起こしてその拳銃を私に向ける。
「局の平穏に発生する不穏分子を、始末すること…等に使うのではダメかね?」
するとその局員は躊躇なく引き金を引いた。
「いっ!?~~~~ッ!!」
「なんだ?エースオブエースともあろう御方が弾丸一発を腿に受けた程度で痛みに転げ回るのか?笑い者だな!ハッハッハ!」
そうして足を撃たれて立てない私を彼らは蹴ったり殴ったり、中には鉄パイプで打ち付けてくる局員までいた。
「がっ、ゲホッゲホッ…」
「我々一般の局員は常々その魔力があるだけのなよなよとした娘っこ共に制裁を下したいと願ってきた…何年もだっ!」
「ガフッ!」
「そうして巡りあったこの機会、楽しまずにはいられ…まいっ!」
「グッ…」
しばらくしてリンチに飽きたのか今度は銃を向けてきた。
「さぁ…どこへでも逃げるがいい」
「ハァッハァッ…あぁっ!」
パァンという乾いた音に一瞬遅れて腹部に焼けつくような痛みが走る。
続けざまに二回、三回、四回と鳴り響く銃声。
もともと殴られた後で体力もほとんどない状態。六回の披弾と言えどもはや瀕死に近い。
「なんだぁ?反応しなくなりましたよ隊長」
「よし、お前確認にいけ」
「了解了解っと~エースオブエースは生きてるか…なっと!」
そいつに蹴り飛ばされ私は瓦礫の方へと転がりながら局員達の下卑た笑い声を遠くに聞いていた。
「そぉら止めだ。華々しくそこらに脳奬咲かせてくれや」
その局員の指が引き金にかかった時、どうしようもなく私は死を確信した。本当にどうしようもなくただ
(ああ…ここで死ぬのか)と。
(ヴィヴィオに…教えて…上げられなかった…な)
そうして私が瞼を閉じたと同時に。
パァン………キィン
(え…?)
重い瞼を開けるとそこには
紅い宝玉が
レイジングハートが
その小さなコアに銃弾をめり込ませ
チカチカと明滅していた。
「あ…あ……あ…」
「チッ…インテリ型のデバイスか」
«マスター………早く……お逃げ下さい……»
「そん…な、レイジン…ハート…どう…して…!?」
«ご無事を……祈って……おります…»
それっきり瞬かなくなる小さなコア。例え様のない喪失感が私を襲う。
「デバイスにまで愛されるなんて魔導師本望じゃねぇか。そのまんま後を追えよエースオブエース」
そして再び向けられる銃口。
そんな中、私の頭に声が響く。
[あなたはそれでいいのですか?]
朦朧とした頭でその言葉に答える。
(いい訳…ないに決まってる…)
[ならば願いなさい。あなたが今望むことを]
(私は…何がなんだかよくわからない…それを知りたい……そして…こんなことにならないようにする……力が欲しい!)
[ならばひとまず生きましょう。それがあなたの願いへの道です]
そんなことを頭の中でしている間、局員達は謎の襲撃を受けていた。
「誰なんだ、くそっ!弾が当たらない!」
「ぐあああ!!」
「そっちか!…居ない?ッ!うわああ!!」
不可視の敵に次々と惨殺されていく局員。あるものは背中から斬り捨てられ、またあるものは首をスッパリと斬られていた。
全ての局員が死ぬと忽然とその血溜まりの中央に二十代くらいに見える男が現れる。その男はこちらに駆け寄って来ておもむろに私の肩を担ぐ。
「誰……?」
「今はそんなことに答えてられない。転移するぞ」
「どこに…」
「俺が知る限り最も腕のいい医者のところだ」
「そう…ありがと…」
それを言うので精一杯だった私はそこで意識を手放した。
かなり頑張ったのにたったの3000文字……だと……!?
…精進致します。