魔法少女リリカルなのは~星を統べる少女~   作:sT油

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今度の文字数や如何に………!?


忘れられし前世紀の遺産

[こうして会うのは初めてでしょうか]

突然響く声に私は振り向く。

…いや振り向くというよりそちらに意識を向けた、といった方が適切か。

何処かは解らないがここでは首はもちろん四肢の区別すら曖昧。前後上下左右、ありとあらゆるものが曖昧。解るのは自分が今、ここに存在するということのみ。

視覚に異常がある訳ではないが色彩が見えず、聴覚に支障がある訳でもないが聞こえる方向が解らず、触覚、三半規管に問題がある訳でもないが浮いてるのか座っているのか立っているのかすら解らない。ただ自分が対峙している存在は知覚できるし、見えもする。

「私は……死んじゃったの?」

[まずはそこですか。どうもヒトというのは、死によほどの感情を有しているらしい]

「うっ……じ、じゃあ質問を変えるね。あなたは誰?」

[私は言うなればあなた方の言うジュエルシードの管制人格です。そして先程の質問に答えるならあなたは死んではいません。もっとも、ここはそこに随分と近い場所ですが]

「ジュエルシードに管制人格!?そんなのあるの…?」

[なければ私はここでこうしてあなたと対峙したりしません]

「ほぇー…」

ジュエルシードの管制人格、と名乗るその女性(?)は夜天の書の管制人格リインフォースとはまた違っていた。深い蒼の肩まで垂れる髪に見ている者が吸い込まれそうになる黒色の瞳。体躯こそリインフォースに近いが、それ以外はまるで似ても似つかない。

[あの…あまりジロジロ見ないでくれます?]

「はっ!ごめんなさい…」

[…まぁいいでしょう。あぁそういえば、この場にはもう一人いましたね]

「え?誰が?」

«私です、マイマスター»

今度はその声の方に意識を向けるとそこには金髪灼眼の少女が立っていた。

「もしかして…レイジングハート!?」

«はい。私もここにいるのは少し…その、居心地が悪いのですが…»

[ここでは何でも願えば叶うのよ。例えば人型になって主と会話してみたい、とかいう願いでもね]

「そ、そうなのレイジングハート?」

そう言うと曖昧なこの空間でもはっきり解る程に赤面するレイジングハート。

(かっ………かわいい……!?)

[あー…その…本題に戻しますよ]

「は、はい」

[詳しいことは目覚めた時にいる筈の人に聞けばいいのですが、最低限のことは言っておきます]

「最低限?」

[えぇ、例えばあなたとレイジングハートが今や私の存在無しでは生存できなくなりました]

«それは一体…»

[もう時間なので行きますが、これだけは伝えておきます」

「…?」

[あなたがこれからも不屈の二文字を掲げるというのなら試練はここからですよ]

「え?ちょっと…ってあれ?なんだか重く…?」

[またお会いしましょう……マイ、マスター]

そうして周りが暗闇に包まれる。

 

 

 

 

「………は良好。ですがリンカー………」

「デバ…………どうかね?」

「コアの…………しかし………」

「これは………ちょっと………」

聞こえる声に薄目を開ける。

「ドクター、起きたみたいだぞ」

「ほぅ、スピーカーをオンにしてあげたまえ」

どうやら私はなにかのポッドに入っているらしく、周りは液体で体のあちこちにチューブがつけられている。

「ん……ここは……?」

しっかりと周りが見えるようになってから声を発する。周りには3人ほどいるようだ。

「起きたかね、管理局のエースオブエース、高町なのは君」

「!?その声……!」

「ん?あぁやはり覚えているのか」

「ジェイル・スカリエッティ……!!」

「そんな病み上がりの状態で主治医を睨み付けるもんじゃないよ」

「何故…?どうしてあなたが」

私の疑問は至極普通の筈だ。なんといってもジェイル・スカリエッティと言えば7年前のJS事件の首謀者。現在進行形で拘置されている筈なのだ。

「ふむ、まぁその疑問も仕方ないか。ではこう言えば解るかな?『プロジェクトF』だよ」

「っ!!」

『プロジェクトF』正式名プロジェクト・フェイト。基本骨子としてはかつてプレシア・テスタロッサが娘、アリシア・テスタロッサをクローン技術の応用で甦らせようとしたもの。結果として生まれたのは記憶を持つ、全く別の少女、フェイト・テスタロッサだったのだがそれに限らず、違法研究所で稀に研究されているものだ。他の例としてはエリオ・モンディアル等がいる。

もしもスカリエッティがここにいる理由が『プロジェクトF』に起因するとするなら、ここの彼はジェイル・スカリエッティでありながらジェイル・スカリエッティではない、という式が成り立つ。

「飲み込みが早くて助かるよ。そう、つまり私は君の知るジェイル・スカリエッティではないのだ。まぁ私がオリジナルなのだがね」

「じゃああのジェイルがあなたのクローンだというの?」

「まぁそういうことだ、安心したまえ君を盾に管理局に攻撃を仕掛けようなんて微塵も考えてないよ」

「私を助けてくれたのは?」

「このフネまで運んでくれたのはリペル君だ。今は出掛けてていないがね。そして治療に当たったのが私と……」

するとそこへカツカツと足音をたてて誰かがやって来る。

「私よ。久しぶりね、高町なのは」

「プ、プレシアさん!?」

今、私の目の前にいるのは私が9歳の頃、PT事件にて虚数空間に落ちて死んだと思われていたプレシア・テスタロッサだった。

「死んだんじゃ…」

「ところがちゃっかり生きてるわ、今、こうして」

ゾンビ……というよりむしろ最期の時よりずっと若々しく、生き生きとしているように見える。

「まさか…ついたんですか、アルハザードに」

「いいえ、だから残念ながらアリシアは生き返らなかった。でも今ならそれも受け入れられる。……色々あったのよ」

なにがあったのかは知るよしも無いがよほどのことがあったのだろう。今の彼女は毒気が抜け、本来の母性溢れる大魔導師としての姿だった。

「どうやらお知り合いだったようだが、もう一人君の看病をしてくれていた人がいる。彼女だ」

「こちらもお久しぶりですね、ナノハ」

「もしかして…シュテル?」

無限結晶エグザミアの構成体マテリアルの一人、星光の殲滅者、シュテル・ザ・デストラクターまでもが私の前にいた。

「も、もう何がなんだか…」

「レヴィもディアーチェもいますよ」

「まぁ我々は君を歓迎するよ、ようこそ我等がフネへ」

「さっきも言ってましたけど、フネって何です?」

「ここは沈没船を改造している施設でね。一応修繕してあるし元が次元航行船というのもあって多少の移動も可能なのだよ」

「次元航行船が沈没?」

「この船は100年以上前に第97管理外世界近辺を巡回していたらしいのだが、あいにくデブリとの接触で乗り捨てられた船なのだよ。名を“ヘルメス”。当時の地球の艦船の影響か、三笠と呼ばれる戦艦に酷似している」

それ以降もこのフネについての熱い解説があったが以下割愛。

 

果たしてこれから自分はどうなるのやらとポッドの中で一人考える私だった。




2500越えが精一杯………頑張ります。
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