説明回はここまでにしたいな………
[私…『星天の書』の核は当然ながらジュエルシードだ]
«それがどうかしたのかね»
[ジュエルシードの莫大な魔力の源は何だと思う?]
「え?元々内包されてるんじゃないの?」
<元々の魔力もかなりのモノですが、それでは“無尽蔵の魔力”とは言えません>
[つまるところ、それは欲であり願いでもある。『星天の書』の魔力源はそれだ]
«成る程、要するになのは君が願えば魔力の無限精製が可能という訳だ»
[まぁいくらか本人の魔力使用がいるがそれも最初の起動時だけ。ただ…]
「«ただ?»」
<マスター、実は『星天の書』は古代ベルカよりも前に製造されているので非殺傷設定の導入が不可能なのです>
「そんな……」
«初っから相手を殺す覚悟をもって挑めば構わないのだろうが…なのは君的には譲れないのだろう?»
「勿論、最初から殺す気でかかったら、お話なんて出来っこないよ」
[となると今はその強力な力を相手を殺さないような場所に当てるなんていう曲芸じみた真似をする必要があるな]
<マスターの空間把握力と演算能力があれば不可能ではありませんが、それでは頭がもちませんよ>
「手段がそれしかないならやるしかないよ」
«それでもしばらくは様子を見ないとダメだよ。今、傷の処置が終わったけど絶対安静だからね。ほら、ポッドを開けるよ»
「う、うん………って」
«そこの患者服でも着たらどうだい?»
一拍あけて船内に響く甲高い悲鳴。
「きゃあああああああああああああ!?」
急ぎ服の置いてある机に駆け寄ると、正面のドアがスライドして開く。
「うぃー、リペル戻ったぞ…………って」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
反射的に同じ机にあったパール(何故そこに?)を目の前のリペルに投げつける。当然、パニックに陥っている私は目の前のその男が自分の命を直接救った人物だとは毛頭思わず。
リペルも扉が開いた先の光景に呆然となっていて。
…リペルの眉間にパールの先端がクリティカルヒットする事態は必然的に起こったのだった。
「そんなこんなで、ぜーいん集合?」
「そうですね、顔を真っ赤にして机に突っ伏してる人や額から真っ赤なモノを垂れ流してる人を人数に含むのかどうかは疑問ですが」
<うちのマスターはパニクって勝手に自爆しちゃう悲しい乙女なんです。そっとしておいてあげてください。具体的には関わったらああなりますよってことですね>
「なんか最後フォローになってない!?」
「おぉ復活したか、白い悪魔」
[そんな呼び方されてるのか、へー]
「今では管理局の白い魔王と呼ばれているがね」
「……どうでもいいから早くしましょう。一応これ、会議でしょう?」
「あぁそうだったそうだった。じゃあ自己紹介を…プレシア君から」
「わ、私から!?」
「ぷれしあ早く~」
「ぐっ……コホン、えーと私の名はプレシア・テスタロッサ。昔は大魔導師として…」
[つまりさっき言ってた愚か者か]
「ぐうっ!?」
<あげく病魔に冒され少々ラリって虚数空間に飛び込むという…>
「ぐうっ!?ぐうっ!?」
「また一人突っ伏しましたね、では私がいきましょう」
[いやにマイマスターに似ているな]
「私は理のマテリアル。気軽にシュテル、と呼んで頂いて結構です。そして私はプログラム構成体でもあり、オリジナルにタカマチナノハを設定しています」
「ボクは力のマテリアル!レヴィだ!よろしくな!」
「そして我がこやつらを束ねる闇統べる王、ディアーチェじゃ!恐縮し、我にひれ伏せっ!」
「王様~」
「なんじゃ雷刃」
「その自己紹介、しょーじき見てて恥ずかしいよ?」
「んなっ……………」
「もういっちょ上がり、ですね」
「お、俺はリペル・クロイツ……よろしく」
「私はジェイル・スカリエッティ。気さくに“ドクター”と呼んでくれたまえ」
そして私の番。
「私は高町なのは」
ここで自分の決意を
「管理局の空戦魔導師です」
固めて、言葉にする。
「でも、私は今この瞬間から」
まだ静かに燻る…仲間や局との決別への不安を振りきるために。
「“ヘルメス”の高町なのはです!」
そして周りには……
「いろいろと気にくわない奴だと思ってたけど、案外あっさりしてるわね。いいわ、この加入を私は認めるわよ」
大魔導師の素直じゃない賛同の声や
「俺も局の上には少し因縁があるんだ。拒否する理由がないな」
恩人の言葉だったり
「私に自由を結果的に与えてくれた局の上には感謝してるが、それはあくまで結果的に死ななかっただけのこと。この闘争でそれを是非わからせてあげようじゃないか」
マッドサイエンティストの怖い発言だったり
「「「我らマテリアルは協力を惜しまない。よろしく頼む(ゾ)」」」
<デバイス、レイジングハートです。以後お見知りおきを>
[ジュエルシードの管制人格だ]
「そのことなんだけどさ」
[?]
「名前だよ名前。無いと不便でしょう?」
[いや別にそんなモノは…]
「いいの。もう決めてあるから」
[独断!?]
<マスターはそういう人です>
「あなたの名前は………“アストライア„。意味は“星を司る正義”。愛称は…アステル。うん♪これでいいよね?」
[ですから名前にそこまで拘る必要は…]
<よろしくお願いします、アステル>
[…解りました]
「では新しい仲間、なのは君、レイジングハート君、アステル君の参入を、まずは祝おうじゃないか」
その日一日は私にとって何物にも変えがたい時間となった。皆と離れてからずっと張りっぱなしだった神経が緩むのが解る程に楽しんだ。
(ゴメンね、フェイトちゃん、はやてちゃん、皆…私、もうそっちには戻れそうにないけど、頑張るよ。)
今回は少なかったけどまぁいっか