「は?」
「いや、だからおつかい。行ってきて」
「…………え?」
プレシアさんから新しいリハビリ案が貰えると聞いて来てみると、突然おつかいに行けという。
「まだ理解できない?いい?おつかいっていうのは…」
「いやそれは知ってるけれどもなんで突然おつかいなんか」
「言ったでしょう?リ・ハ・ビ・リ」
「訳が解りません」
<マスター、息抜きも大切です>
「あら、息抜きじゃないわよ」
「<へ?>」
「確かに買い出しに行って欲しい資材はたくさんあるけれど、ホントのところはあなたが街へ出た時、周りがどうなるのかの確認よ」
[しかしそれは些か危険なのでは?]
アステルの言うことももっともで、もし管理局員、最悪6課の面子と鉢合わせでもしたら厄介だ。管理局との離反を決意しても、未だ何をすればいいのか明確に決まっていないこの状況下でかつての仲間と会うのは危うい。
「わたしも、少しそれは危ないかと…」
「ええ、確かに危ないわ。なんといっても管理局の違法研究所があるそうだから」
「えっ…」
局にいた頃(そんなに昔でもないや)にも少し噂で聞いていた局の裏の部分。局内では管理局制に不満のある反抗派が混乱を招くデマだという認識で流れていたが、まさか本当にあったとは思いもよらなかった。
「もしかして違法研究所なんてないって思ってたの…?」
「で、でも局にはいい人がいっぱい…」
「確かにあなたが接してきた局員のほとんどが局の裏を知らない人達だけれども…今となっては局の上層部は腐ってるっていっても過言じゃないわ…まぁその辺の話はジェイルにでも聞きなさい。あのマッドサイエンティストは一時期、局の科学者として詰めていたらしいから」
「そう、ですか。…じゃあそのおつかい、行きます」
<充分注意を>
[なにぶん、まだ貴女も我々も本調子でないもので]
「よし!じゃあここに書いてあるやつ買って来るように。それじゃあ」
用件だけ伝えるとさっさと部屋に戻るプレシア。部屋に消えていくその背中に少し不満気な視線を送る。
[何か変なものでもリストに入っていましたか?]
「ううん、ただなんとなく上手くやられちゃったなぁ、って」
<ところでマスター>
「ん?何?レイジングハート」
<目的地をご存じですか?>
「……………。」
[………………。]
<……………。>
出掛ける前から早速詰んでしまった。
どうしようと悩んでいるとそこに狙ったかのようにプレシアさんから通信が来て、現地にいる知り合いを紹介してくれた。
「弄ばれてる…?」
[深く考えるのは負けでしょう]
<行きましょう。マスター>
とりあえずリハビリの甲斐あって行使できるようになった飛行魔法を展開し、街の方へと飛びたった。
編集でもう少し増量するかも知れません(というかしなくちゃいけない)