楓が化身を出して、剣城に、勝った日から、丸1日。
「サッカー部の女子部員が、男子部員でもなかなか出せない『化身』とか言うやつを、軽々出して、とても強い男子部員に勝利した」
という、噂が学校中で流れた。その為、各学年のサッカー部の部員は、質問攻めになっていた。特に、楓本人と、剣城と、サッカー部キャプテンの神童は、もう、自分の話したいことを話せない状態だった。
「楓ちゃん!化身だしたのって、やっぱ、楓ちゃんだよね?!」
「えぇ」
「やっぱり!すごいなぁ・・・」
「でも、やっぱり難しいんだよね・・・だよね?松風」
「えっ?!俺っ?!」
「・・・聞いたのが間違いだったんだな。ごめんな」
「俺・・・ただの役立たずじゃん」
「「「ははっ」」」
1年生のクラスが、わいわいがやがやしているころ・・・
2年生のクラスでは・・・
そのころ、2年生のクラスは、新学級委員を決めるための学級会が、開かれていた。その為、下の階の、1年生がうるさくて、集中できなかった。
「先生、1年がうるさいです」
「そうだな・・・注意してくるか・・・神童、行ってくれないか?」
「俺・・・ですか?」
「確かに、神童ならいいと思う。だって、新学級委員だからな」
「霧野・・・分かりました、先生。俺、行きます」
「頼む」
そういうことで、神童は1年生のクラス・・・おそらく楓や、天馬や信助、空野達がいるクラスだと思うが・・・に1人で向かった。
「俺は、学級委員なんだ。しっかりしないと・・・うるさいのやめてもらわないと、任務が果たせないと・・・」
「責任感、強すぎ」
「き、霧野!なんでここにいるんだよ!」
「先生に、『1人じゃいくら神童でも、大変だろう』って、言ってたから、俺が行くことになったんだよ。迷惑だったか?」
「いや、ありがとう。それじゃあ、行くか」
「あぁ!」
そして、2人で1年生の教室に向かった。神童の表情は、霧野が来てから、かなり柔らかくなっているようなかんじた。
コンコンッ
「誰かしら?私、ちょっと見てくる。皆話してていいから」
「「「うん!」」」
と言って、学級委員の楓は、ドアの前まで行った。
「でさー・・・」
「はい」
「「2年の神童拓人と、霧野蘭丸です」」
「神童先輩、霧野先輩。どうしましたか?」
「楓か。実は今、2年生のクラスでは、学級会を開いているんだが・・・」
「少し、静かにしてもらってもいいかな?」
「そうでしたか・・・すいませんでした」
「いや、楓が謝ることじゃないよ。ただ、少し注意してもらってもいいかな」
「はい、注意しておきます」
「「では、失礼します」」
そういうと、2人は教室を出て、自分たちの教室に向かった。向かっている最中、さっきまでいた1年生の教室から、
「皆さん。先ほど来たのは、2年生の先輩方でした。2年生のクラスでは、学級会を開いらっしゃいます。ですから、皆さん、静かにしましょう」
とはっきりと言い放つ声が聞こえた。2人は、顔を見合わせてから、笑った。
教室に帰ってから、今度は2年生の教室がにぎやかになって、1年生の学級委員の、楓が、2年生のクラスに注意しに来た。