「ママぁ~」
「ど、どうしたの?みか」
「パパが・・・帰ってきたぁ~!」
「母さん!父さんが・・・!」
「えっ?!」
それは、突然のことだった。
楓は、気を失いそうになった。夫が・・・剣城が帰ってきたと、子供が言っているからだ。
「あ、あなた・・・どうして・・・それに、お兄さんも・・・」
「楓、剣城の話を、聞け」
「はい・・・」
「俺は、真・フィフスセクターの思惑通りに動かないように、裏で手をまわしていた。豪炎寺コーチと、同じことだ。そのことは、鬼道コーチは、知っていた。しかし、そんなことをお前に言ったら、お前はどうする?」
「反対するに決まってるじゃない!」
「だろう。だから、知られないようにしてもらっていた。しかし、それももう終わりだ」
「え・・・?!」
「もう、フィフスは、思い通りに動くこともできない。だから、もうやめにすることにしたんだが・・・」
「お兄さん・・・京介・・・」
「許してくれるか?楓」
「当たり前じゃない!私は、私は・・・ずっと、京介の帰りを、待ってたのよ!」
「楓・・・ありがとう・・・」
そして、剣城家に、再び平和な日々が訪れた。
数日後・・・
「そっか!剣城、帰ってきたのか!」
「はい」
「よかったな。楓」
「ありがとうございます。円堂さん、豪炎寺さん」
「それにしても、剣城が、豪炎寺とおんなじことしてたとはなぁ・・・」
「エースストライカーの、宿命だ」
「鬼道・・・それはひどい」
「・・・本当に、お兄さんたち3人は、仲がいいんですね」
「そうだな。なんたって、親友だからな!出会ってから、もう20年・・・になるか?」
「あぁ。そうだな」
「そう考えると、俺たちの出会いには、1人の人がいた」
「誰なんですか?」
「影山総帥だ」
「確かにそうだな」
「なぜ、祖父が・・・?」
「えぇ?!影山って、楓のじいちゃんかよ!」
「はい。まぁ、私もこの前知りましたが。・・・私は、お兄さんと似たような人生を歩んでいます。・・・母は、影山零冶の隠し子でした。それで、私と兄が・・・」
「兄さんがいたのか?!」
「お兄さんも知らなかったんですか?兄は、本当は1歳上なのですが、同級生として、雷門にいた河原翔です」
「そうだったのか・・・」
「あ・・・で、なんで祖父が?」
「円堂は、元から雷門にいたが、豪炎寺には悪いが、総帥が夕香ちゃんを事故に会わせなかったら、豪炎寺は雷門に来ていなかった」
「確かに・・・」
「そのことに目を付けた俺が、雷門に来た」
「確かにな!おぉ、影山にも感謝だな!」
そういう3人の顔は、笑顔であふれていた。
その風景を、楓は優しい顔で眺めていた。