上の空の男子部員達は、結局1日中上の空だった。放心状態で、ニヤニヤ、もう気持ち悪くて仕方がなかった。そんな部員たちに、構っているのは、マネージャーだけだった。
しかし、部員には、その心配もうるさいだけだった。
「もぅ、唯斗?潤ちゃん?」
「ポケーッ」
「ホワワワァ」
「もうっ!ゆ・い・と!じゅ・ん・ちゃ・ん!」
「何だよ、空?」
「今、瞑想中なんだけど・・・」
「もうぅ・・・気持ち悪いよっ!ね、菜那?」
「あぁ。キ・モ・イ☆」
「岩田・・・かわいくねぇぞ」
「うっ、うるさいっ!でも、本当にキモいんだが」
「・・・なぁ、空、岩田?」
「なぁに、潤ちゃん?」
「何だ?露住?」
「うるさい。黙ってくれねぇ?」
「「・・・」」
「じゃあ、ごめんな。あ、悠基!こっち来て、一緒に瞑想しよう」
「・・・行くぞ、空」
「うんっ!まったく、酷い!心配してやってんのにぃ~むぅぅっ~」
結局、マネージャーを怒らせただけだった。
そして、放課後になった。
練習には、皆が一応来たが、やはり上の空だった。
それを見た監督、コーチ陣は、一部不思議に思った。朝練には来なかった部員たちが、放課後の練習には来ているのだ。
「おい、おまえたち、朝練に何で来なかったんだよ?サッカー、嫌いになっちゃったのか?」
「うん、本当にそうなのか?」
その質問には、キャプテンである唯斗が答えた。
「いいえ。その、あの・・・昨日、たくさん見せてくれましたよね?ショーみたいにして。それの興奮が、収まらなくって、それで・・・」
その一言を聞いた円堂、天馬、信助、錦は、一気に機嫌が良くなった。
「そうだったのか!いや、あんなことでいいなら、いつでも見せるよ!なぁ、鬼道?」
「俺にふるな。コメントに困るんだが」
「そんなこと言わないでください!鬼道さん!酷いですよ!ねえ、剣城?」
「おっ、俺にふるな・・・」
「わぁ、剣城可愛い♪でも、なんで嫌なの?楓ちゃんは嫌じゃないよね?ねっ?」
「私にふってもらっては困るんだけど。別の人にしてちょうだいよ」
「楓!男として名がすたるぜよ!」
「いや、私、女なんですが・・・」
「気にするなぜよ!豪炎寺さんは、そう思わないですよね?」
「俺も困る」
「「「「皆さん~」」」」
「「「「「困る」」」」」
そんな騒動もあり、結局練習は遅れてスタートしてしまった。しかし、昨日のまねごとをする人が多すぎて、練習にならなかった。
それにあきれたマネージャーと、鬼道、豪炎寺、神童、剣城、楓は帰ってしまった。
帰ってしまっていたのを知ったのは、練習が、もう終わるころだった。
そのことを知ったサッカー部員たちや、残りの監督、コーチ陣は、ショックを受けたらしい。
「鬼道~!豪炎寺~!」
「剣城~!」
「楓ちゃ~ん!」
「神童~!」
「「「「うをぉぉぉぉ~!!!!」」」」
そのころ帰ってしまった5人は・・・
「京介・・・私、ものすごいなんか気迫というかなにかが・・・背中から・・・襲ってきている気がするんだけれど・・・気のせい?」
「楓、それは、俺も感じている。胸が苦しい」
「なんなの?これは?」
「わからねぇ」
プルルルル、プルルルル・・・
「キャプテンだ・・・はい、なんですか?キャプテン」
「剣城・・・なぜか胸が苦しいんだが・・・」
「キャプテンもですか・・・実は、俺と楓もなんです・・・」
「そうなのか?あ、もう1つの携帯が鳴っている。・・・豪炎寺さんだ。剣城、電話を切るなよ」
「はい。あと、楓の携帯には、鬼道さんからです」
「・・・出てみるか。同時に」
「・・・はい。ってことだから、楓、いいか?」
「えぇ。OK。せーの」
「はい、神童です」
「はい、お兄さん、どうかしましたか?」
「あ、神童か?あのな、今胸が苦しいんだが・・・」
「それ・・・俺や剣城、楓も同じです。いま、もう1つの携帯で2人とつながってるんです。話してもらっていいですよ」
「楓ぇぇぇぇぇ!!!胸が、胸がぁぁぁぁ!!!」
「お兄さんっ!キャラが、キャラがぁぁぁぁ!・・・です!どうしたんですか!?」
「胸が苦しい!冬花に見てもらったが、理由がわからん!」
「それ、私も同じです。後は、京介と今電話でつながっている、神童キャプテン、そのキャプテンのもう1台の携帯でつながっている、豪炎寺さんもです!」
「なんか、複雑になっているな。やはり、これは影山の・・・」
「違いますよ!それに、祖父とは和解したはずでは・・・」
「冗談だ。なら、これは何なんだ?!」
「私の勘では、円堂さんたちが、先に帰ったことを何か思ってるんじゃないのでしょうか?」
「確かにな・・・」
「鬼道!!」
「豪炎寺!大丈夫か?!」
「あぁ。やはり、これは影や・・・」
「いや違う。円堂のだ!」
「そういうことか。なら、明日謝れば済むことだな」
「あぁ。みんな、よく聞け。明日、4人に謝るんだ!いいか!」
「あぁ!」
「「「はい、鬼道監督!」」」
こちらも、かなり疲れていたのでした。