「・・・と、なんだかんだで、ウチに入ることになったんです」
「ほう。それで、続きはどうなったんだ?」
「それはですね・・・」
楓の家に着いたはいいが、なかなか、家まではたどり着けなかった。
・・・というのも、庭が広すぎたのだ。おまけに、後ろには帝国の制服を着た男の子が、ぴったりとひっついている。ゆっくりと通ることも、ままならなかった。しかし、楓がそれに気付き、
「もういいわ。また、門のところで構えておいていいわ」
といったため、その状況から逃れることができた。
そして、ようやく家に着いた。
楓が、家の前に来て、またお礼を言い始めた。
「キャプテン、本当にありがとうございます」
「いや、それより・・・」
「早く入りましょうか」
そして、3人そろって、豪邸(地元では、『山吹ビックキャッスル』と呼ばれている。通称『山吹Bキャッスル』)に入った。
入ったと思った時だった。
急に、大きな音がして、目の前が真っ白になったと思ったら、声が聞こえた。
「「「「神童キャプテン!お誕生日、おめでとうございます!」」」」
「な・・・皆じゃないか!」
そこにいたのは、雷門中学校サッカー部、ファーストチームに所属する、2年、3年だった。よく見ると、全員、手に使った後のクラッカーを持っている。どうやら、さっきの大きな音は、このクラッカーの音だったらしい。それより、神童には、気になることがあった。
「なぜ、俺の誕生日を知っているんだ?」
「あのな、神童は理由は知らないけど、誕生日、隠してるんだろ?でも、小学校1年の時、自己紹介したときに、お前の誕生日言ってたの、俺、覚えてんだよ?」
「霧野・・・記憶力、いいな」
「この、『神童キャプテンドッキリ誕生日会』を企画したのも、霧野先輩なんですよ?」
「楓・・・それ、本当なのか?」
「えぇ。そうですよね、皆さん?」
「「「あぁ!」」」
「「「うんっ!!」」」
「そんな、照れるな」
「霧野、照れなくてもいいんだけど」
「それを言わないでくれ、倉間」
「そうかぁ!?まぁいいじゃねーか!なぁ、楓」
「はい。では、皆さん、ウチの『中世ヨーロッパ大広間』に来てください。そこが、本当の会場
メイン
です。あ、キャプテン、剣城、靴はそこの靴箱に入れて下さい。その中に、スリッパも入っていますから、履いてもらって結構ですから」
「あぁ」
「分かった」
そして、皆が大広間の方に移動していった。
神童は、心底驚いていた。霧野が、誕生日を知っていたことは、理解できたが、誕生日会を開くなんて、そんなこと皆、一言も言っていなかったからだ。
皆は、楓の家の中に入った瞬間、迷ってしまった。
どうやら、玄関でずっと待機していたらしく、家の中には入っていないらしい。なら、迷うのはしょうがないだろう。
楓の家の玄関は、とても広い。その目の前には、1番大きい階段、それを25段ほど上がったら、普通の家の玄関ほどの大きさの広いところがあり、そこからさらに、左右にはそこそこの大きさの階段がある。その大きな階段の裏にも、10個以上大きな部屋があるのは、間違いないだろう。玄関から左右にわかれたところにも、5つずつくらい部屋があるらしい。右に行ったところの、一番手前が楓の部屋だった。
1階に、これだけ部屋があるのだから、2階にはもっとあるに違いない。さらに、普通に広い3階もあるし、別館もあれば、地下迷宮(1度入ったら、一生抜けだせないといわれるほど広い)もある。おまけに、ゴルフの18コース、50mプール、大ジャグジー、バラ園、植物園・・・離れた所には、別荘は国内はもちろん、海外も10軒ほどリゾート地にあるらしいし、自家用ジェットのおいてある家庭用飛行場もあるらしい。
こんなに広い家なのだ。迷わない方がおかしい。
そして、3階の半分を占める大会場、『中世ヨーロッパ大広間』に着いた。皆が、へとへとだった。息切れしていないのは、楓と、家がとても広い神童(といっても、この家の3分の1くらいだが、この家が広すぎるだけで、神童の家も普通に豪邸)と、体力が人並みではない、剣城だけだった。
そして、いよいよメインのイベントが始まった。
「メインか・・・」
「はい」
「全く、楓の家は広すぎだ」
「それは、私に言わないでくださいよ・・・」
「まあいい。それで、続きはどうなんだ?」
「続きですか・・・それはですね・・・」