中世ヨーロッパ大広間について、一息ついたサッカー部員たちは、改めて、部屋の広さと豪華さに驚いた。
その度真ん中には、サッカー部員が全員座れるテーブルがあり、その周りには、たくさんの食材、簡単にいえば、超豪華ビュッフェがあった。そして、それらの前には、ウェディングケーキよりも大きいケーキと、たくさんの袋の包み、そして、ステージがあった。
「これは・・・?」
「キャプテンの為です!俺が用意したんです!」
「おい、天馬。お前もキャプテンだろう。それに、用意したのは、俺だ!」
「ちゅーか、霧野なわけ?俺じゃね?」
「浜野君じゃありませんよ。ぼ、僕です!」
「速水じゃない!俺俺!」
「倉間先輩じゃありません。僕です!」
「いや、信助じゃない。俺」
「狩屋くん、ずるいよ!僕!」
「輝じゃないぜよ!わしじゃ!」
「錦じゃないし!俺だし!」
「一乃は無理だろ。俺だって」
「青山も無理だろ。やっぱオレ、霧野蘭丸!」
「ってか、結局楓だろ。あとは、山吹家の使用人の皆さん」
「「「「・・・そうです」」」」
「ははっ。面白いな」
「ふふっ。じゃあ、始めましょうか!まずは、親友の霧野蘭丸先輩から、あいさつです!」
「はっ、はい!」
「・・・それで、霧野が挨拶したのか?」
「はい。それで、神童さん、泣いちゃって・・・」
「泣いたのか!?」
「は、はい・・・わ、悪いですか!?」
「いや、純粋だと思ったんだ。それで、続きだ」
「はい、そしてですね・・・」
霧野のあいさつが終わった時、神童は泣いていた。
その後、涙でぐちゃぐちゃの顔で、ケーキカット&プレゼント渡しをした。皆、神童にはサッカーボールやタオル、普通に筆記用具など、神童がもらったことのない、普通のものをもらえた。
楽しい時間は、あっという間にすぎ、終わりの時間になった。
「では、最後に神童キャプテンからの言葉です。キャプテン、宜しくお願いします」
「はい・・・皆、今日はありがとう。とてもうれしかった。・・・俺は、財閥の跡取り息子だから、毎年誕生日にもらえるものと言ったら、参考書くらいだった。そんなことが、嬉しいはずもない。だから、誕生日とは憂鬱なものでしかなかった。だから、言わなかったんだ。でも、今日はとても楽しかった。本当にうれしかった。・・・今日は、本当にありがとう」
「神童・・・」
「キャプテン・・・」
「神童、喜んでもらえてうれしいよ。あ、でも、この後は家に帰るんだよな・・・」
「あぁ・・・」
神童の顔にあった笑顔が、霧野の言葉によって、消えた。それにいち早く気がついた楓が、提案した。
「なら、ウチに泊まりますか?皆さん。皆さんが大丈夫なら、私は大丈夫です。客間が30室ほど余ってますし、パジャマだって、男女別々のお風呂もありますし、バスローブもありますから。お風呂上がりには、ジェラートでもどうですか?」
「「「「ホント!?」」」」
「じゃあ、俺らは皆、泊まるってことで。神童は?」
「俺も、泊まる。でも、いいのか?楓?」
「はい。大丈夫です。・・・帝国Aの皆さん、ここへ」
そして、楓が部屋の手配を済ませて、皆で楓の家に泊まったのだった。
「そんなこともあったのか」
「はい。まだ、お兄さんは来てませんでしたし、知らなかったでしょう?」
「あぁ」
「あれは、産まれてから初めて、誕生日が楽しかったです」
「よかったな!それで、クライマックか・・・?」
「はい・・・」
その日の夜・・・
皆が、大広間Aに集まり、ジェラートを食べながら、最後のお話をした。
そして、皆が
「「「神童キャプテン!お誕生日、本当におめでとう!」」」
といったため、また神童は泣いてしまった。
―そして、現在―
「・・・いい話だな」
「そうですよね!俺、本当にうれしかったんです」
「今でも、楽しかったことをよく覚えているくらいだからな」
「今になっても、嬉しいです」
「なら、明日の剣城の誕生日、俺たち家族も行くよ!」
「そうだな・・・俺たちも行くか」
「神童キャプテン・・・お兄さん・・・京介も、喜びます!」
「「あぁ!」」
そして、その日はお開きとなった。
次の日の剣城の誕生日は、今度は、剣城が泣いてしまった。