「まずは・・・これからは、新入生の皆さんも、在校生の皆さんも・・・日々、がんばりながら・・・まぁですね・・・えぇ~、そうでした・・・あとですね・・・以上、あ、あと1つ・・・もう1つ・・・これで最後・・・以上です。よろしくお願いします」
今は、入学式の最中。どこの学校でも同じように、今は、校長先生の長い挨拶中・・・
俺は、松風天馬!ことしから、ここ、雷門中学校に入学するんだ!・・・なんか、さっきは、すごいことに巻き込まれちゃったけど、実は、憧れの雷門でサッカー出来て、本当に楽しかった!
それに、伝説の「化身」を使う人である、「化身使い」が、見れたしね!しかも、2人も!とっても嬉しかったけど、なんか、剣城ってやつが、フィ、フィ、・・・そう!フィフスセクターとか何とか言ってて、それだけが、今、とても気になる。あと、化身だした後に倒れちゃった、キャプテンの容体も気になるな・・・
そんな俺に、横に座っている、超小柄な男の子が話しかけてきた。
話しかけてきたのは、西園信助っていう子だった。俺と同じで、サッカーが大好きで、部活は、サッカー部に入るんだって!まぁ、意気投合しすぎて、信助が話の最中なのに、たちあがったのには、とってもびっくりした!でも、こいつなら、仲良くなれる!って思った!
そして、クラスに行った。もちろん信助も一緒のクラスだったし、幼馴染の葵も、同じクラスだった。そのクラスの中に、周りとは比べ者にならないくらい美人な女の子がいた。
俺も葵も信助も、話しかけずらくって、それは他の人も同じで、なかなかその子に話しかけようとはしなかった。でも、1人の女の子が
「あなた、なんて言う名前?」
と質問したら、見た目と通り冷静に、でも、優しく
「私は、山吹楓!よろしくね。」
って答えたから、その子は、すぐに人気者になったんだ!なんか、すごいなぁ~って思ったなぁ。その後、部活の話になった。
「楓ちゃんは、何部に入るの?」
「私はね・・・サッカー部かな」
その一言に、俺と信助は、反応した。まぁ、俺たちが不思議に思ったことを、質問できるような状況ではなく・・・
「わぁ~!女子マネ?」
「かっこいい!頑張ってね!」
などと、さらに、その子・・・山吹さんは人気者になった。その後、山吹さんが、
「サッカー部に入る人って、誰がいるの?このクラスに」
って、質問した時に、ようやく俺たちにも、会話のチャンスが訪れた。結局、俺たちのクラスでサッカー部に入るのは、俺と信助、マネージャーとして、葵・・・の3人と、山吹さんだけだった。
その後、俺は、
「松風くん?あとで、屋上に来てもらってもいい?絶対に1人でね」
と、小さな声で、はっきりと言われた。
俺たちは、サッカー部に行ったけど、サッカー部の空気は最悪で、でも、よくなった気もするけど・・・まぁ、とにかく、結局、明日、入部テストをすることになって、サッカー部の部室から出た。
「「天馬ー!帰ろー!」」
部室から出た後、葵と信助に誘われたけど、山吹さんとの約束を思い出して、
「ごめんっ!忘れ物した!先、かえってていいよ!」
って言って、急いで屋上に向かった。
「ごめんっ、遅れてっ!・・・って、山吹さん?・・・いないなぁ・・・」
「松風くん」
「うわっ!ご、ごめんね!・・・改めて、俺、松風天馬!よろしくね!」
「私は、山吹楓。楓・・・って呼んでね。よろしく」
「じゃ、俺も、天馬・・・で、よろしく」
「えぇ、早速だけど・・・」
「えぇ」という声から、楓の声が、急に低くなった。
「か、楓?どうしたの?」
「あの・・・その・・・」
「大丈夫。言ってみて」
「剣城・・・って、1年がいたでしょ?アイツが言っていたことって・・・覚えてる?」
「剣城の 言ったこと?それって、フィフなんとかってやつのこと?」
俺が言った「フィフ・・・」という言葉に、楓の顔は、さらに曇る。
「えぇ。フィフスセクターのことでしょ」
「そうそう!で、それって、いったい何なの?」
「天馬はやっぱり知らなかったのね」
「うん。で、なんなの?」
楓は、一瞬間をおいて、また、しゃべりだした。
「フィフスセクター・・・というのは、サッカーを管理する・・・つまり、管理サッカーの、中心となって活動している、大型の組織のことよ」
「管理・・・サッカー・・・って、何なんだよ!」
「落ち着きなさい!・・・サッカーは、もはや、管理されるものなの。皆が、サッカーする機会を、平等に与えてもらい、サッカーをする。だから、試合の時は、勝敗だって管理される。サッカー部を廃部にするための、フィフスからの刺客、シードと呼ばれる人たちも来る。剣城は、そのシードなの。そして、私と、もう1人、河原翔(かわはらしょう)という1年も、それに似た立場よ。聖帝に、形だけ仕えている存在」
「じゃあ、楓は、悪い奴なのか?サッカー部を崩壊させる為に来たのか?!」
「違うわ!」
「違わないよ!」
俺と、楓の大きな声が、誰もいない学校に響き渡った。
「ご、ごめん・・・」
「ううん、大丈夫。こちらが悪いし、軽蔑されて当然の立場だもの。でも、これだけは理解してほしい。私は、フィフスの考え通りには動かない。聖帝に、嫌われ、フィフスを抜けていいなら、すぐに抜ける。そして、きちんとサッカー部に入部して、普通にサッカーする。そして・・・」
「待って、楓。いま、『サッカーする』って、言った?マネージャーじゃないの?」
「えぇ。普通に選手としてプレイする。女だけど、フィフスの考えにのっとって、サッカーするは出来るの。だって、サッカーは、平等なものだから・・・こういうところは、フィフスの考えで、唯一、いいと思えるところね」
「そうなんだ・・・あ、で、話し続けて。ごめん・・・」
「いいえ、大丈夫。そして、あと1つ。剣城は、本当は悪い奴ではないの。ただ、人には言えない事情があり、それで従っているだけ・・・だと信じてくれない?あと、もちろん、この事は、誰にも口外しないでね」
「剣城の事情か・・・うん、分かったよ。じゃあ、もう帰るね」
「えぇ、さようなら」
俺は、重大な秘密を、一般人で知る、数少ない存在になってしまったのではないか・・・と、家に帰りながら思った。