そんな思いを抱き、書きはじめたのがきっかけです。
ラブライブ!とガンダム、好き嫌いの別れる組み合わせではあると思いますが、両方のファンの方には楽しんで読んでいただけるかと思います。
片方のファンの方は、もう片方に触れるきっかけにして頂ければ幸いです。
#1『ガンプラを始めよう!』
#1 ガンプラを始めよう!
ガンプラバトル…
ガンダムのプラモデル、ガンプラを使った、かつてない体感的バトル。
その人気は今や世界に広がり、世界大会が開かれるほどだ。
自ら作ったガンプラを駆り、戦場で戦う臨場感、勝利を掴んだときの爽快感、負けたときの悔しさ…
全てが詰まったこの''遊び''は、男女問わずに楽しまれていた。
そしてここにも、ガンプラバトルと初めて出会った少女がひとり。
穂乃果「海未ちゃん!ことりちゃん!!」
海未「なんですか穂乃果、いつにも増して大きな声を出して…」
ことり「なにかいいことでもあったの?」
穂乃果「私ね!
すっっっごいもの見つけちゃった!!」
穂乃果は喋りながら片手間にカバンから冊子を取りだし、二人に見せた。
二人は少し戸惑いつつも冊子を手に取り、パラパラと捲ってみる。
海未「ガンプラ…」
ことり「バトル?」
穂乃果「そう!この前アキバのエドバシでたまたま見かけたんだけどね、すっごいの!
どかーんっばーんっ!って感じ!!」
穂乃果の相変わらずの語彙の無さに二人は呆れつつも、苦笑いと共にこう返した。
海未「興味ありません」
ことり「私もこういうのはちょっと…」
穂乃果「ふふふ…!」
海未「えっ?」
てっきり穂乃果がえぇーー!?と残念がるかと思っていた海未は、予想との差に驚く。
穂乃果「お二人さんのそういう意見はお見通しだよ!
これ、見てみて!」
穂乃果の差し出したスマホには、μ'sの衣装の塗装がなされたガンプラの画像が表示されていた。
海未「これ…μ'sの?」
ことり「こんなのも売ってるの?なんだか恥ずかしい…」
穂乃果「ううん!ファンの人が作ったやつみたいなんだ!」
驚く二人を自慢げに見つめながら穂乃果は続ける。
穂乃果「どう?作ってみたくなったでしょ!」
海未「しかし練習もありますし…」
ことり「うーん…」
穂乃果「練習の時間は犠牲にできないのわかってるよ!
だから暇なときにでもゆっくりやってみよーよぉ!!」
海未、ことり「…」
ー放課後ー
海未「結局こうなるのですね…」
ことり「仕方ないよ、見るだけでもいいって言ってたしちょっと付き合ってあげよう…?」
少し困り顔の二人の先を、るんるんと軽い足取りで穂乃果が歩いていく。
行き先はエドバシカメラであることは明確だった。
ーエドバシカメラ 6Fー
穂乃果「すっごぉーい!!」
ショーケースに並んだ塗装・改造がなされたガンプラの数々を見て、穂乃果が少年のような声を上げる。
海未「…まず、ガンプラ?ってなんなのですか?」
ことり「ガンダムのプラモデル…のことだよね?穂乃果ちゃん」
穂乃果「…」
穂乃果は今度は静かになって見入っている。
ことり「…あはは…
私が知ってる限りでは、その事しか知らないなぁ…」
海未「ガン…ダム…
ガンダムって…何ですか?」
ことり「海未ちゃんあんまりアニメとか見ないから知らないかぁ…
ガンダム、っていうのはね、アニメに出てくる架空のロボットのこと。
私も詳しくはないけど、アキバ歩いてるとお店とかによく置いてあるの見かけるよ。」
海未「穂乃果…あなたはまたそんなものに…ってあれ!?」
さっきまでショーケースをかじりつくように見ていた穂乃果が、知らぬ間に二人の前から消えていた。
ことり「穂乃果ちゃん、またどっかいっちゃった…」
すると、奥のプラモデルコーナーから穂乃果の声がした。
穂乃果「おーい!二人ともぉー!!」
海未「全く…穂乃果ったら…」
二人が穂乃果のところへたどり着くと、穂乃果は既にいくつか物を手に取っていた。
ことり「穂乃果ちゃん、その持ってるのはなに?」
穂乃果「あぁこれね!
お店の人に聞いて、必要なもの集めてみたんだ!」
穂乃果はニッパーと紙ヤスリ、デザインナイフとトップコートを早くも手元に揃えていた。
海未「刃物にヤスリ…
ガンプラ、ってこんなに物騒なものなんですか?」
穂乃果「ううん、違うよ海未ちゃん!
これね、ガンプラを作る上で絶対に必要な道具なんだって!」
ことり「私、ガンプラって箱ばっかりで中を見たことなかったけど…こんな板みたいのが入ってるんだ!」
近くにあった【ガンプラ入門】と書いてある特集展示を見て、ことりが感心する。
穂乃果「どうどう!?やってみたくなった!?」
海未「私は…特に…」
ことり「少し気になるかも…!」
海未「ことり!?」
ことり「私、服飾やってるから細かい作業好きだし…
ためしに作ってみたい!」
穂乃果「こっとりちゃあああああああああん!!!!!!」
ことりも穂乃果と同じ道具を手元に揃え、二人はガンプラ選びに移るのだった。
海未「…」
一方で、海未はまだ迷っていた。
穂乃果「海未ちゃん、迷ってるなら道具は貸してあげるよ!
だからガンプラだけ選んで一緒に組んでみようよ!!」
ことり「私もおんなじこと言おうとしてた!
海未ちゃん、やってみよ!」
海未「しかし…」
と、言いかけたところで海未は気づく。
自分が少しずつ、興味を持ち始めていることに。
海未「…わかりました、でも私も道具から揃えます!」
結局三人それぞれ赤、緑、青のグリップ色のニッパーを持ち、揃ってガンプラを選び始めた。
しかしここからは穂乃果もよく知らない世界である。
冊子をパラパラ捲りながら、ルールに目をやると…
穂乃果「1/144、っていうサイズ限定…なんだってさ、バトルのルール!」
ことり「1/144…
ちょうどこの辺にあるやつだよ!ほら!」
並んだガンプラの箱を凝視したことりが、指を指して言う。
海未「しかし…こんなものもあるのですね…」
HGUCズゴックを手に取り、海未が呟く。
海未「弱そう…です…」
穂乃果「よし!わかんないや!
お店の人に聞こぉーう!!
すいませぇーん!!」
穂乃果はまたバカでかい声で店員を呼び止めると、今度は店員が三人のところまで来てくれたのだった。
店員「ガンプラバトルを始めたい、ということでよろしいですか?」
三人「はい!」
店員「なるほど…では皆様にひとつずつおすすめをご紹介しますよ」
徐にあるきだし、少し進んだところの棚からガンプラの箱をひとつ取り出すと、店員は海未に言った。
店員「まず青髪のあなたにはこちらがおすすめですね」
海未「ぐ…ふ…」
店員「HGUC グフカスタム。
とてもかっこいいキットですよ」
海未「…カタカナ苦手です」
店員「名前はあとで自然に覚えられると思いますよ、愛着もわきますからね」
海未「う、うーん…」
海未にグフカスタムを手渡すと、店員はまた少し進み、棚からガンプラを取り出した。
店員「次は緑の髪飾りのあなた、あなたにはこれをお勧めしますよ」
ことり「わぁ、ガンダムだ!」
店員「これはバスターガンダムといって、砲撃を目的とした機体です。
主に補佐役としての役割が多いかもしれませんね」
ことり「ありがとうございます!」
店員は満足そうに笑うと、最後に穂乃果のガンプラを見繕い始めた。
穂乃果「ねぇ!穂乃果のはどんなのなの?!」
店員「…正直、迷いますね…
あなたは心の強さを持ってるように思えますので」
穂乃果「心の…強さ?」
店員「逆に、あなたの気持ちで選んでみてもいいかもしれません。
気になってる機体、ありませんか?」
穂乃果「…これ。」
穂乃果が棚から取り出したのは。
海未「ゴッド…」
ことり「ガンダム…?」
穂乃果「ゴッド、って神様のことだよね?
だから強そうだなって思ったの!」
店員「ぴったりな機体だと思いますよ!
では組み立ててみましょうか!」
この店はガンプラ製作コーナーとバトルコーナーを完備しており、子どもから大人まで多くの人たちが日夜集まることでコーナーそのものも大きな規模を誇っていた。
また、ガンプラ専門の店員もおり、初心者には分かりやすくガンプラの組み立てについて教えてくれるサービスもあった。
運よく先程声をかけた店員もガンプラ専門で、道具とプラモを買い揃えた穂乃果たちは製作コーナーへと案内された。
穂乃果「すごい!!この人たちみんなガンプラ作ってるんだね!!」
ことり「小学生くらいの男の子も、すごく真面目に作ってるね…!」
海未「本当に人気なんですね、ガンプラというものは…」
店員は三人を空席に案内すると、説明を始めた。
店員「ガンプラはまず、その機体のことを知ることが重要です。
ましてやバトルで使用するのであればなおさらです。
説明書に書いてある機体解説を、ゆっくり読み込んでみてください」
3人「…」
時間にして1分ほどであろうか。
店員「そろそろ読めましたか?」
穂乃果「…ネオジャパンって」
ことで「…ザフトって」
海未「…ジオンって」
3人「何ですか?」
そう、3人はガンプラを作るといってもガンダムに関しては全くの素人。
自分の使う機体名もさっき知ったような3人が、到底組織名など知っている訳はない。
店員「それぞれ組織の名前ですよ、ネオジャパンは国名ですが…
その辺りに興味がおありなら、ガンダムのアニメをお勧めします」
穂乃果「組織かぁ…
まあ関係ないよね!穂乃果のゴッドガンダムだし!」
ことり「ことりもそう思う!自分で作るんだもん、自分のだよね!」
海未「…」
穂乃果「海未…ちゃん?」
海未「……
はっ、なんでもありません!」
ことり「も~、海未ちゃんたまに天然なんだからぁ!」
海未「すいません…
(グフカスタム…とても、格好いいです…)」
店員「それでは組み立てていきましょうか!
基本的にHGのガンプラは腕か胴体・頭部から作る説明書になっているものが多いので、今回は腕から組みましょう!
ちなみに順番通りでなくとも、部位毎にちゃんと組めていれば最終的には問題ないのでご安心ください」
穂乃果「最初はこのパーツから…
ニッパーで切って、組み立てて…」
店員「ランナーは2回切るのが基本ですよ!
まずパーツそのものから余裕をもって棒部分の端を残す形で切り取り、2回目に棒部分を切り取ると綺麗にはずすことが出来ます。
2回切った後で気になるようなら、デザインナイフでこそぎとるようにランナー部分を削るといいでしょう」
穂乃果「そうなんだ!
めんどくさいけど…頑張らないと綺麗にできないもんね…」
腕の作成も終盤に差し掛かった頃。
ことり「あれ…?
合ってるはずなのに…差し込めない?」
店員「ポリキャップの入れ忘れではないですか?
説明書だとPCと表記されているパーツです」
ことり「…あ!そうみたいです!
でも…パーツくっつけちゃった…」
店員「ご安心ください、こんなときもデザインナイフがあれば…」
店員はゆっくりとデザインナイフの刃先をパーツの隙間に差し込むと、てこの原理でパーツに負荷をかけずにはずして見せた。
ことり「デザインナイフってこんな風にも使えるんですね!」
店員「そうです、ナイフだからといって切るだけの道具ではありませんよ!
プラモ作りではニッパーに次いで大切な道具と言えますね」
「…できた!」
穂乃果、ことり「え!?」
海未「…完成しました、私のグフカスタムが!」
海未が座っていた作業用デスクの中心には、習ったことに忠実に、そして初心者とは思えないほどの完成度で組み上げられたグフカスタムが堂々と立っていた。
海未「説明書を読んだとき、私はこのグフカスタムを完成させたいと強く思いました…
すると作っていくうちに、私はどんどんのめり込んでいき…
気づいたら完成していました。」
店員「…初めてとは思えない完成度ですね…」
穂乃果「すごい!!海未ちゃんすごすぎるよ!!!」
ことり「私なんてまだ両腕が組み終わっただけなのに…
海未ちゃんにこんな才能があったなんて…!」
店員「残りのお二方も、負けずにかっこよく仕上げましょう!
次は胴体ですよ!」
…
海未がグフカスタムを完成させて1時間ほど。
残りの2人も店員にアドバイスされながら無事に自分のプラモを完成させ、達成感に浸っていた。
穂乃果「これが…ゴッドガンダム…!
かっこいい!」
ことり「私のバスターガンダムだって負けてないよ!」
海未「私のグフカスタム…
浮き足立つのはよからぬことですが、我ながら綺麗に仕上げられたと思います」
店員「皆様お疲れ様でした!
それではお待ちかねの、バトルの方に移りましょうか!」
穂乃果「ついに…!!
ついにバトルだぁぁぁ!!!!」
ことり「穂乃果ちゃん落ち着いてよ、まだ私たち初心者なんだからぁ…」
海未「グフカスタムには剣が1振りに楯と一体化した機銃…
これらを活かして戦うには…」
穂乃果「海未ちゃん!?
作戦立ててるの!?」
海未「…は、はい、つい癖で…
勝負とは真剣なものです、こちらも真剣にならないと勝てるものも勝てませんから」
ことり「海未ちゃんの言う通りかもね!
でも最初は、動かし方から覚えないと…」
海未「そうでした…私の早とちりでしたね」
店員「さあ、こちらです!」
ついにバトルシステムの前に立った3人。
店員「このGPベースをおいて…
今回はレンタルという形にしておきます、もちろん勝敗の結果などは残りませんので操作になれてきたら3人で戦ってみるといいでしょう」
3人「はい!」
Beginning plavsky particul dispersal…
穂乃果「高坂穂乃果!ゴッドガンダム!」
ことり「南ことり!バスターガンダム!」
海未「園田海未!グフカスタム!」
3人「出ます!」
3人はガンプラバトルの第一歩を今、踏み出したのだった。
「へぇ…穂乃果ちゃんにことりちゃんに海未ちゃんまで…
面白くなりそうやね♪」
次回につづく!
第1回、いかがでしたでしょうか。
書き貯めている分は近いうちに投稿していきたいと考えていますので、長い目で待っていただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。