μ'sが、A-RISEが…
これから歩む道とは…?
1期最終話、お楽しみいただけたら幸いです。
#13 明日へ
ツバサ「…やっ…たの?」
爆風の引いた後、ゴッドガンダムはまだ立っていた。
穂乃果「…」バタッ
BATTLE END
誰も、何も言わなかった。
言えなかった。
静寂を破ったのは、海未とことりの叫びだった。
海未「穂乃果!!」
ことり「穂乃果ちゃん!!!」
二人が駆け寄ると、穂乃果の腕は傷だらけで、顔は汗だくだった。
メイジン「μ's諸君!
彼女を医務室へ!
結果発表はそれからだ!」
屋上へ来たメイジンの指示で、穂乃果を抱き上げ、μ'sは医務室へと向かった。
あんじゅ「ツバサ…
私たち…勝ったのよね?」
ツバサ「ええ…勝つには勝ったわ。」
恵令奈「…納得、いかないか」
ツバサ「行くわけないでしょ…。」
μ'sを倒したとはいえ、最後にはライザーソードを破られ、耐えきられたという事実がツバサに悔いを生んでいた。
そして、穂乃果が倒れてしまうという釈然としない勝敗も。
くっと、下唇を噛みしめ、ツバサは遅れて医務室へ向かった。
あんじゅと恵令奈も、ツバサに続く。
メイジン「端的に、高坂くんに起こったことを説明しよう。
これはアシムレイトと呼ばれる現象でな。
プラシーボ効果により、自分の肉体とガンプラをリンクさせ、ガンプラの性能を上げる…
つまりは、意識がガンプラとひとつになる現象のことだ。
腕の傷はそれ由来のものだろう」
メイジンが穂乃果を見やりながら言う。
希「アシムレイト…
聞いたことはあったけど、穂乃果ちゃんがなぁ」
にこ「確かに、急に押し返したときがあったわね…
ゴッドガンダムのリングの形状も変わってたし」
絵里「それほど本気だったのね…」
不安そうな顔でメンバーが穂乃果を見つめていると、穂乃果はゆっくりと目を開いた。
穂乃果「う…ん…」
海未「穂乃果っ!?」
穂乃果「うみ…ちゃん…
みんな…」
ことり「穂乃果ちゃん!!
よかったぁ…」
穂乃果「バトルは…
私、途中で意識が…」
穂乃果がその話題に触れたところで、A-RISEの3人が入室してきた。
ツバサ「メイジン、どうか決勝のやり直しを…!」
それがA-RISE側の判断だった。
真姫「…そんなこと言っても、もう勝敗はついちゃったんじゃ…」
凛「穂乃果ちゃんが倒れちゃったっていうのは、病気とかじゃなくて、理由もはっきりしたし…」
花陽「私たちとしては嬉しくても、応援してた人たちってどう思うのかな…」
口々に、難色を示すμ's。
メイジン「それはならん。
もう、決勝の勝敗はついた…。
双方、納得のいかないところはあれど、これもまた運命だったとしか言えん」
穂乃果「そっかぁ…やっぱ私…負け…ちゃってっ…」
穂乃果が横になったまま、眼からぼろぼろと涙を溢す。
穂乃果「ごめんねみんな…
みんなに託された想い、届けられなかった…
わ…たし…」
にこ「バカね。
あんたは…あんたはよくやったわよ…!
穂乃果だけじゃない…みんなが頑張ってここまできたんじゃない!
手探りで始めたガンプラバトルで、無我夢中で決勝戦まできて、A-RISEを追い込んだ…!
それだけで勲章じゃない!」
溢れる涙を拭わずに、にこは言い放った。
みんなが泣いていた。
悔しかった。
納得いかないところだってあった。
穂乃果「…なら」
海未「穂乃果…?」
穂乃果「ならまず、決勝の勝敗をみんなに知らせなきゃ。
きっと、見ててくれた人たちは待ってるよ。」
ことり「で、でも体は…?」
穂乃果「私はもう大丈夫だよ…
頭も痛くないし、腕だってほら!」
穂乃果が腕を見せると、幾分傷は減ったように見えた。
穂乃果「そして、A-RISEの皆さん…
お願いがあります。」
ツバサ「なにかしら…?」
不意に話を振られたツバサが戸惑いながら返事する。
穂乃果「いつか、また再戦を…。
その時は負けません!」
ツバサ「…もちろんよ。」
穂乃果「よし!じゃあみんな屋上にもどって結果発表を聞こう!」
穂乃果は跳ね起きると、さっきまで寝ていたのが嘘のように駆け出して屋上へ向かった。
μ'sのメンバーも躊躇いながらそれを追う。
メイジン「再戦の時…か。
そうは遠くないかもしれないな、君たちなら」
ツバサ「え?」
メイジンの呟きに耳を傾けたツバサが、軽く聞き返す。
メイジン「すぐにわかるさ…
さあ諸君、結果発表だ!」
A-RISEとメイジンも、次いで屋上へ向かったのだった。
メイジン「諸君!大変長らくお待たせした!!
ただいまより!決勝の結果発表を行うっ!!!」
登場したメイジンに、静まっていた観客が沸く。
メイジン「地区大会決勝勝者、すなわち優勝は…!!
UTX学院・A-RISEだ!!!」
ウワァァァァァァァァーーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!
今までになかったレベルで観客が沸き立つのが、屋上まで聞こえてきた。
μ'sはなんとも言えない気持ちで、屋上にいた。
ただ舞台に立つ、A-RISEを見つめていた。
ツバサ「皆さん…!
形式上…私たちの勝利となってしまったこの試合ですが…
どちらが勝っても、どちらが全国に行っても、おかしくない試合だったと私は思います!
どうか、μ'sにも…
私たちのライバルにも、熱い拍手を!!!」
ツバサが言うと、会場が今度はμ'sコールと拍手に包まれた。
μ's!
μ's!
μ's!
μ's!…
にこ「全国…
高い壁だったわね。」
涙を流さず、にこは闘志に満ちた目で空を見上げた。
絵里「ええ…
でも、あと一歩だったんじゃないかしら。」
ふっと穏やかに笑顔をこぼし、絵里は目を閉じてμ'sコールに耳を向ける。
希「ウチらμ's、9人。
みんなの力でここまで来れたこと…
それが奇跡なんやなって、今まで何で気づかんかったんやろね。」
目を少し閉じ、希は絵里とにこの手を握った。
凛「みんながμ'sって…
私たちのこと、呼んでくれてるね…」
少し寂しそうに、凛は言った。
真姫「…続ければいいのよ。」
当初誰より乗り気じゃなかった真姫は、誰よりその気だった。
花陽「まだ始まったばかりだもんね…
今の敗けを悲しんで、泣いてる場合じゃない。」
心の強さをもらった花陽も、続けると心に誓った。
メイジン「ツバサくんの言うとおり、全国出場チームはA-RISEに決まった!」
マイクを再び取ったメイジンが言う。
メイジン「しかしA-RISEは昨年、全国大会に出場している…
そして、東京の全国出場枠は3枠!」
μ's『えぇっ!?』
メイジン「よってμ's!
君たちには東京代表決定戦への出場権が与えられる!!!」
μ's『えぇぇぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!?!?!?』
ツバサ「わかるって…このこと…」
あんじゅ「今ならわかる…
来るわよね、彼女たちなら」
恵令奈「もう駆け出しじゃない、そんな言葉じゃ表せない可能性の塊…。」
ツバサ「ええ…
次こそは、私たちの完全なガンプラで戦いましょう!」
A-RISEの顔に、笑顔が戻る。
海未「穂乃果!」
ことり「やったね!!!」
穂乃果「うん…うん!
まだみんなで…この9人で戦えるんだ!」
μ's!
μ's!
μ's!
μ's!…
止まらないμ'sコールに、穂乃果は堪えきれなくなり、満面の笑みでツバサに駆け寄った。
穂乃果「あの…A-RISEの皆さん!
ステージ…貸していただけませんか!」
凛「急すぎるにゃあ!」
絵里「まあ…穂乃果らしいわね」
ことり「私もそう思うな!」
にこ「やるからにはこっちだって本気よ!いい!?」
真姫「分かってるわよ!」
海未「もちろんです!」
花陽「緊張するね…!!」
希「よーし!穂乃果ちゃん!
いつもの行こ!」
穂乃果「うん!
いくよみんな…!
ガンプライブ!
全力で飛ばしていこうっっ!!!!!!」
チョキの指を円陣の中心に全員で重ね、そして…
穂乃果「1!」
海未「2!」
ことり「3!」
真姫「4!」
凛「5!」
花陽「6!」
にこ「7!」
希「8!」
絵里「9!」
穂乃果「ミューーーズ!!」
9人「ミュージック…
スタートっ!!!!!!!」
μ'sの、明日への希望に満ちた歌声が、会場と観客を包んだ。
『私は…やりたい。
こんなに楽しいことなんてなかなかない。
みんながいて、自分のガンプラがあって、いくらでも膨らむアイデアと技術…
ほんとに、こんな楽しめることはないよ』
『でも…海未ちゃんたちが言うこともその通りだって思う。
どっちかなんて絞りたくないし、絞れない。
かといって、両方やってクオリティが下がるのも嫌だよ。
…だから、強制はしない。
μ'sの練習もこれまでどおりやるし、やりたい。
でも、自分の時間…
それか暇な時間の合うときに、ガンプラをやるのは悪いことじゃないって思う。
私はこれからもガンプラバトルをしたい。
だから…やる!』
あのときから…
μ'sみんなが、そう思っていた。
ステージを終え、晴れ晴れとした表情になったμ's。
そして穂乃果が言う。
穂乃果「いこう!みんな!
更なる先、この大会を越えて…
全国へ…!!!!」
第1期 完結
いかがでしたでしょうか?
ラブライブ!のアニメ1期を彷彿とさせるベタな展開だったとは思いますが、自分では一区切りをつけられたと感じているので満足です。
また、読んでくれていた皆様のお陰で、1期終了まで辿り着けました。
この場を借りてお礼致します。
さて、終わってしまうようなムードですが…
次回から、このssは新たな展開を迎えます!
μ'sの新たなガンプラ、新たな敵、立ちはだかる全国の壁…
これからもお付き合いいただけると幸いです!
それでは次回、2期1話で!
(2016/6/17 凍結の為歌詞を削除&改訂)