ついに決勝…の前に、自信を砕かれた穂乃果のもとに渡った機体、そしてμ'sとA-RISEの決意を描いたつもりです!
ではどうぞ!
《前回のラブライブ!》デンッ!
テレテッテッテッテッテー
絵里「A-RISEにとって宿命の相手だったガンプラ学園との対決。その勝利に手を届かせたのは…?」
にこ「そしてついに穂乃果の手中で完成を迎えた、私たちの結晶。
穂乃果、頼むわよ!」
2期#13『決戦前夜』
キジマ「見事…!」
トランジェントの胸にGNソードⅡが突き刺さり、トランジェントの瞳が輝きを失うと、メイジンが叫んだ。
メイジン「勝負あり!!!
この勝負…
UTX学園・A-RISEの勝利だッ!!!!!!」
衝撃の結果に、客席はだんまりを決め込んでいたが、徐々に各所で拍手が起こり始めた。
次第にそれは大きくなり、会場をA-RISEコールがつつむのにさほど時間はかからなかった。
ツバサ「勝てたのね…本当に」
キジマ「ああ。間違いなく、君たちの勝利だ。」
いつの間に歩み寄ったキジマが、ツバサの背後から声をかける。
ツバサ「…ありがとうございました。
あのときのあの言葉がなければ、私は…」
キジマ「感謝するのはこちらだ。
自分達は強い、そう思い込んでいる節が我々にはあったのだろう…
そしてそれを、そうではないと否定してくれたのは君たちだ。」
キジマが手を差し出すと、ツバサもまた手を伸ばし、握手を交わした。
アドウ「ッ…
納得いかねぇが、奴らがここまで腕を上げているとはな…」
シア「やられたわね、アドウさん。
でもこれで…私たちは新たな目標に向かって戦うことが出来る」
新たに決意を固める2人に、あんじゅと英玲奈が駆け寄り、それぞれがその手を交わすと、会場はひときわ大きな歓声に包まれたのだった。
メイジン「再び、交わるか…
果たして、どちらがその運命を掴みとるかな」
メイジンが、握手を交わすA-RISEをみて呟いた。
そして、夜が来た。
試合終了直後から、μ's、そしてA-RISEの両名が、ガンプラ改修に尽力していた。
にこ「ちょっとぉ!アームド・アーマー欠けてるじゃない!!」
希「しゃあないやん、ああするしかなかったんや」
絵里「あなたたち、口を動かしてないで手を動かしなさいよ?」
にこ、希「は、はーい」
凛「真姫ちゃん、この時間からそんな改造…」
真姫「まるまる回収するより早いわよ。
花陽、ここお願い」
花陽「うん!
…真姫ちゃん、絶対完成させよう!」
μ'sの決勝のエントリーメンバーは、とっくに決まっていた。
まるで思いを託すかのように…
あの時、A-RISEと剣を交えたメンバーに、他のメンバーのパーツが集約されていく。
そしてその頃、2年生は。
回復した穂乃果に、機体の試運転を兼ねた練習試合を申し込んでいたのだった。
海未「穂乃果、私たちの身勝手かもしれませんが…」
ことり「決勝は、地区大会の決勝とおなじメンバーにしようって。
決めたんだ。」
穂乃果「…」
穂乃果は不安をぬぐえずにいた。
強敵との戦いで壊れてしまったトライゴッドガンダム…
勝利を掴んだとはいえ、穂乃果にとって特別な想いの込められたゴッドガンダムが壊れることは、自信の喪失に繋がった。
穂乃果「…私、いいよ。
きっと海未ちゃんとか、絵里ちゃんとか…
私よりバトルうまい人が…」
海未「穂乃…」
ことり「穂乃果ちゃん!」
弱気な穂乃果に、ことりが珍しく声を荒げる。
ことり「みんなではじめて作ったガンプラ、それが壊れちゃって辛いのはわかるよ。
でもそれは、海未ちゃんだって一緒。
それにね穂乃果ちゃん、海未ちゃんはそれよりも前から、にこちゃんたちと一緒にこのμガンダムを作ってきたんだよ?」
穂乃果は俯いたままだ。
海未「大変でした。
バトルの練習に私のグフカスタムの調整もあったのですから。
でも穂乃果、それはその苦労に見合う価値があると考えたから私自らが選んでやったことです。
私たちの知ってる穂乃果は、そんな暗い顔はしてませんよ?」
穂乃果が顔を上げ、海未とことりの顔を見つめたあと、バトルシステムに佇むμガンダムに視線を移す。
穂乃果「…いいの?
私、前みたいに戦えないかもしれないんだよ…?」
不安げな表情で2人に問う穂乃果に、海未とことりはにっこりと笑って頷く。
海未「穂乃果、あなたに自信を取り戻してほしくて…
とっておきの練習相手を用意しました。」
ことり「きっと、きっと穂乃果ちゃんならμガンダムを乗りこなせるって、信じてるから…!」
穂乃果「2人とも…」
穂乃果の顔に、少しだけ笑顔が戻る。
システムが起動し、μガンダムの瞳についに光が宿った。
穂乃果「あれって…?」
オーソドックスな宇宙ステージを、穂乃果に向かうように突っ切ってきたのは、極めて完成度の高いビギニングガンダムだった。
穂乃果「すごい出来…!
これが海未ちゃんたちの言ってた…」
ある程度の距離まで接近したビギニングが、ビームライフルを連射しながら、さらに距離を詰めてくる。
穂乃果「ビームライフル…
これ!」
μガンダムの腰にマウントされたビームライフルが右手に握られ、穂乃果が後退しつつも迫るビームを狙って
放つと、放たれた射撃は的確にビームに命中し、拮抗したエネルギーが爆ぜた。
海未「μガンダムのビームライフルは威力を調整して、連射したり一撃の威力を高めたりすることが出来ます!」
海未の説明を聞き、穂乃果がビームライフルのスロットを開くと、確かに出力の調整ができるメーターが展開された。
穂乃果「えいっ!!」
穂乃果が瞬時にメーターを振りきると、最大出力まで高められたビームライフルの一撃が、ビギニングの横を紙一重で通り抜けた。
穂乃果「すごい…!」
その威力に驚く穂乃果だったが、今度はビームサーベルを3本引き抜いて迫り来るビギニングに持ちなれた扇形ビームサーベルで応戦する。
穂乃果「こんな持ち方って…!」
しかしビギニングのビームサーベルは予想以上の出力を誇っていた。
穂乃果のかざしているビームサーベルが1本とはいえ、μガンダムもさることながら、相手取っているビギニングも相当の完成度であることを、その力で再確認する。
穂乃果「でもこの持ち方…どこかで…?」
戦っているうちに、穂乃果は何かを感じていた。
知らない相手のはずなのに、なぜか知っているような。
そんな気分に包まれながら、戦いは続く。
穂乃果「いっけぇ!
フィン・ファンネル!!」
穂乃果の声と共に、両肩に懸架されたフィン・ファンネルが外れてコの字型に展開し、ビギニングを包囲する。
穂乃果「すごい…
私の思い通りに…?」
海未「苦労しましたよ…
ファンネルは、穂乃果のクセに合わせて調整してあります!」
8基のファンネルが断続的にビームを放つと、さすがにビギニングも防戦を強いられることとなった。
海未「穂乃果、SPのウェポンを展開してください!
それがμガンダムの切り札…
私たちの想いが乗せられた、一番の装備です!」
穂乃果「スーパーモード…じゃない!?」
初めて見る表示に戸惑いながらその装備を発動させると、ファンネルがμガンダムの元へ舞い戻り、青と白のファンネル以外は背後へと格納された。
残された2基のファンネルが、コの字をすこし広げて六角形を作るように組み合わさると、その空間に水色のフィールドが生成されるのが見えた。
穂乃果「これは、聖鳳学園が使ってた…!」
海未「ホシノさんに協力してもらいました。
土壇場での作業でしたが…
その仕上がりにぬかりはありません!」
そのフィールドが広がると、穂乃果は迷わず右の拳をフィールドに突っ込んだ。
穂乃果「これが…みんなの力…」
海未「いえ。
穂乃果、それはまだ本当の力を発揮してません。
あなたのアシムレイトの力が発揮されたとき、きっとその装備も真の力を見せてくれる…はずです。」
穂乃果「海未ちゃん…」
そこで、それまで様子をうかがっていたビギニングが突撃をかけてくるのに気づいた穂乃果が、輝くμガンダムの右手を掲げてからビギニングのビームサーベルと真正面から激突させた。
穂乃果「…みんなの気持ち、伝わったよ。
私……やる。
やるったら、やる…!」
ビギニングのビームサーベルが押し切られ、μガンダムの拳がビギニングに届いたのだった。
こうしてバトルは終了したのだが、穂乃果には気になることがひとつあった。
もっともそれはバトル中に疑問が推測になり、穂乃果のなかでは確信に変わりつつあったのだが。
穂乃果「…」
海未「穂乃果?
どうしたのですか?」
穂乃果「今の相手って…もしかして…」
正面を見ると、もうそこには相手の姿はなかった。
穂乃果「!」
穂乃果が駆け出し、部屋の外に出ると、見慣れた背中が遠ざかっていくところだった。
穂乃果「お父さん!!」
そう、何を隠そう穂乃果と戦っていたのは穂乃果の父だったのだ。
自信を失った穂乃果を再び前に向かせたい。
しかし海未やことりでは、何かが足りない…
そこで2人が思い付いたのが 、穂乃果の父だった。
店のこともあるが、穂乃果のためにと海未とことりが無理を言ってお願いしたのだった。
穂乃果「お父さん…
ありがとう…!
私…私、絶対、楽しくバトルするね!
だから…見てて!」
穂乃果の声を聞き届けると、穂乃果の父は何も言わず、オレンジ色のサイリウムを掲げて歩いていった。
その頃。
μ'sの他のメンバーのガンプラも改修が終わりつつあった。
希「突貫工事にも程があるけど…
まさか、こんなことになるなんてなぁ」
絵里「私もこんな風になるとは思ってなかったわよ。」
にこ「何はともあれ、完成よ。
…アンタたち、ありがと。」
希「ええんや♪」
絵里「代わりに責任は重いわよ?」
にこ「わ、わかってるわよぉ!」
金、黒、そして白。
今まで足並みを揃えて進んできた3色が、重なってひとつのものを形作るとは、誰も思っていなかった。
にこ「フルアーマーユにこーン・プランB…
私のじゃなく、私たちの…」
損傷の少なかったユにこーンの頭部、そして上半身と下半身を使用し、補修した希のバンシィのアームド・アーマーを両腕ごと移植、背面には同じくバンシィのアームド・アーマーXCに加え、フェネクス本来の装備法に戻ったアームド・アーマーDEが2枚装備されている。
色こそ違えど、そこには確かにフルアーマー・ユニコーンプランBが出来上がっていた。
絵里「さ、塗装しましょうか」
希「このまま、って訳にはいかんしね…
急いでやらんと」
にこ「いいわ。
このままで…
いや、このままが、いい。」
にこのつぶやきに2人は驚いたが、すぐに穏やかな表情を浮かべてにこに抱きついた。
にこ「な、なぁーにすんのよぉっ!!!」
花陽「なんとかなった…よね」
凛「なんとかじゃないよ。
ちゃんと…できあがってるにゃ。」
真姫「こんな短時間で…
小改造とはいえ、アンタたちどれだけ製作スキル上がってるのよ…」
真姫のストライクルージュには、パーフェクトストライクのバックパックの代わりに花陽のDXのツインサテライトキャノンが装備され、腕にはインパルスの機動防盾が備えられていた。
花陽「幸い真姫ちゃんのルージュは、機体そのもののダメージは低いし…」
凛「それに、一番頑張ってたのはやっぱり真姫ちゃんだよ!」
真姫「…そりゃ、自分の機体だし…」
声をくぐもらせる真姫に、あっと思い出したように希が声をかける。
希「そういえば真姫ちゃんは機体を変えずに今まで戦ってきたけど…
なにか理由でもあるん?
ただ好きなだけなん?」
真姫のガンプラ選びについていったのは3年生の3人。
しかし3人のおすすめを断ってルージュを選び、共に全国まで歩み続けてきた。
自分が機体と共に成長していくかのように進んできた穂乃果や、出来上がりに一目惚れして今もグフカスタムで戦い続けている海未に比べ、真姫は幾分ルージュを使い続ける動機が少ないように思えた。
真姫「…あの時、ショップでルージュを見かけてね、思い出したの。
パパがガンプラやってた頃、いっつもストライクに乗ってたなって…。
まだ小さかった私でも名前を覚えてるくらい、パパはストライクを私に見せてくれて、いつもその時の顔は笑ってた…
だから、いつかまたパパとガンプラをする日が来るなら…
その時まで私はルージュに乗りたいって。
そう思って今までずっと乗ってたのよ。」
真姫が少し照れ臭そうに、しかしどこか寂しげに言うと、花陽とにこは目に涙を浮かべて話を聞いている。
希「そーだったんやね。
いつか、来るとええね。その日が」
真姫「えぇ。
パパは今忙しいけど…
私は大会が終わっても、ガンプラ続けるつもりよ。」
こうしてμ'sの決勝に出場する機体3機が出揃う頃。
A-RISEは大破したあんじゅのストライクフリーダムヴィヴィッドの改修を急いでいた。
あんじゅ「ツバサ、あなただけでもダブルオーの調整を…!」
ツバサ「チームメイトをほっといて、そんなことできないわよ」
英玲奈「私のエピオンも損傷は軽微だ。
あんじゅ、私たちを頼ってくれていい」
あんじゅ「ツバサ…英…玲奈…」
声を震わせながら言うあんじゅの肩に、ツバサが手を置く。
ツバサ「泣くのは…
まだ早いわよ。
明日、泣きましょう。」
夜が更け、日付も変わる頃。
決戦の日を直前に、μ'sは全員、大部屋に雑魚寝をすることにしたのだった。
花陽「ついに明日だね…!」
絵里「いよいよ、なのね…」
海未「絵里、私たちが弱気になっては怒られてしまいますよ」
にこ「そうよ!
全くもう、戦う身にもなりなさいっての!」
凛「あれ~?にこちゃん手が震えてるにゃ?」
にこ「う、うっさいわね!
真姫だってそうよ!」
真姫「ヴェェェェ!?
わ、私は震えてなんかぁ…」
希「お二人さん、仲良く手でも繋いで寝たら~?ふふっ」
真姫「希っ!」
希「あーもう、怒らんといてやぁ
真姫ちゃんったら素直やんなあ♪」
ことり「穂乃果ちゃん、穂乃果ちゃんも緊張してる…?」
穂乃果「…」
ことり「穂乃果…ちゃん…?」
穂乃果「……ZZZ」
ことり「ふふ、穂乃果ちゃんらしい…かな♪」
そして、それぞれの決意を胸に。
決勝の開始を告げる朝日が、会場を照らした。
次回
2期#14
『交錯する道』
μ'sは、そしてA-RISEは、その戦いの果てに何を掴むのか―――――――――
いかがでしたでしょうか!
次回、ついにラストバトルの火蓋が切って落とされます。
残す話数も少ないですが、よろしくお願いいたします!