ついにμ'sとガンプラの物語に完結のときがきました。
長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
ずらずらと述べるのはあとがきにしたいと思います、ではどうぞ!
『あの日から時は過ぎて。
μ'sは、3年生の卒業を以て解散すると決まった。
辛い、そうしたくないと思ったけれど。
みんながそう考えていた。
今も胸に手を当てると思い出す。
ラブライブとは違う、もうひとつの栄光を掴んだ、あの日のことを…。』
メイジン「ガンプラバトル全国大会、高校生以下の部!
優勝は!!
音ノ木坂学院・μ'sだ!!!!!!」
ワァァァァァーーーーーーーーッ!!!!!!!!
μ's!μ's!μ's!μ's!!
会場を揺るがす大声援、そしてμ'sコール。
メンバーは穂乃果に駆け寄り、そして言葉にならない想いを涙に乗せて流した。
アシムレイトの影響で無数に傷を作り、くたくたに疲れているはずの穂乃果でさえ、その顔は笑顔と涙で溢れていた。
ツバサ「…穂乃果さん」
μ'sに歩み寄ったツバサが、笑顔で穂乃果に手を差し出す。
ツバサ「あなたの勝ちよ。
おめでとう…」
しかしその声はすこし震えていた。
穂乃果「ツバサさん…
楽しいバトル、ありがとうございました!!」
穂乃果も負けじと笑顔でその差し出された手を握る。
ツバサ「次は、負けないわよ!」
穂乃果「望むところです!!」
結果発表と表彰式を終え、暮れそうな夕陽を横目に、μ'sは会場を後にするのだった。
にこ「ほんっとうに…
ほんっとうにやったのよね、私たち…」
にこが優勝旗を持って、また涙ぐみながら言う。
希「そうや。
みんなで叶えたんやで、にこっち」
絵里「まぁ、始めた当初はこんなことになるなんて思わなかったけど…
それはスクールアイドルも同じね」
そう言いながらにこを挟むように歩く希と絵里が、感慨深そうに旗を見る。
凛「まだ信じられないにゃぁ…
だって優勝だよ!優勝!」
花陽「でも…あっ!」
スマホを持った花陽が、ネットニュースの画面を見て固まっているのを見て、真姫がなにかと画面を覗くと。
真姫「私たちの優勝…ネットに出てるじゃない!」
花陽「夢じゃ…ないんだね…!」
ことり「穂乃果ちゃん、大丈夫?疲れてない?」
海未「無理は禁物ですよ?」
穂乃果「うん…大丈夫。」
すこし寂しそうな顔で歩く穂乃果の表情を、2人は見逃さなかった。
海未「穂乃果。
これで終わりじゃ、ないのですよ?」
ことり「穂乃果ちゃんが言ったんだよ?
『これが最後じゃない…
またここから駆け出して、羽ばたくために!!』
って。」
穂乃果「わかってる。
わかってるよ、でも…」
夕陽に照らされていても肌寒く感じる、冬の風がメンバーを包む。
穂乃果「μ's9人で、大会に出られるのはきっと…もう」
穂乃果の呟きが、μ'sの歩みを止める。
全員わかっていたはずだった。
3年生の卒業。
それはなにをしても避けようのない事実であることを。
しかし言わなかった。
言えなかった。
今まで歩んできた9人の足取りを、崩したくなかったから。
にこ「続けなさいよ。
ガンプラも…スクールアイドルも」
にこがうつむいたまま言うと、横にいた希と絵里がにこを見る。
にこ「これからもμ'sとして…
アンタたちには、続けていってほしい。」
穂乃果「…それって、私は違うと思うな」
にこ「え?」
穂乃果の予想外の返答に、にこも含め全員が一番前を歩いていた穂乃果の背中に視線を移した。
穂乃果「わたしはこの9人だからμ'sなんだって、そう思ってる。
ガンプラだってスクールアイドルだって大好きだし、これからも続けたいよ。
でも…このグループは。
μ'sは、私達9人の思い出にしたい。」
声を震わせながら言い切った穂乃果に、にこが飛びかからんとする勢いで飛び出したのを、真姫が抑える。
にこ「続けなさいよ…
μ'sの名前は…
そんなものでなくなるものなの…?
そんなグループだったの…!?」
次第に声を大にして叫ぶにこに、穂乃果は向き直らず、そのまま言った。
穂乃果「私達は9人でひとつだって、そう思うんだ。
μ'sがひとつの光になって今まで駆け抜けてきたけど、そこからひとつでも欠片が欠けてしまったら、もう前みたいには輝けないと思う。
それはμ'sじゃないし、名乗る資格だってないよ。」
にこ「だからって…
だからってやめるの!?
ねえ!アンタたちは何も思わないの!?なんで泣いてるのよ!!ねぇ!!」
メンバーは皆泣いていた。
真姫「にこちゃん…
なんでわかんないのよ…
私決勝の前に言ったじゃない!
ガンプラ続けるって!
スクールアイドルだってそう!
私だけじゃない、皆そう思ってるはず…!
わかるでしょ!?
そのはずなのに…なんでそういう言い方するのよ!!
にこちゃんが一番…
μ'sのこと大好きなのは、みんなわかってるからっ…
だから…にこちゃんもわかって…
私たちなりの、μ'sへの向き合いかたなのっ…!」
流れる涙もぬぐわずに真姫がにこに言い放つと、にこは涙を流すまいと耐えるように真姫を振り払い、先陣を切って歩き始めたのだった。
帰宅中、誰も口を開こうとしなかった。
大会の優勝という栄誉をつかんだはずなのに、晴れない気分で電車に揺られていた。
翌日。
μ'sは部室に集まって、昨日終わらなかったμ'sの今後についての話し合いをする予定だった。
一通のメールが届くまでは…
『μ's諸君
突然の連絡すまない。
この度の優勝、おめでとうという言葉を送らせてもらおう。
本当に素晴らしいバトルであった…
そしてそんな君たちに、折り入って頼みがある。
お台場に、「Gミューズ」というガンプラの聖地と呼んでも過言ではないスポットが存在するのは知っているかな?
近くには等身大のガンダムもそびえ立つ、ガンプラファンであれば誰もが笑顔になれる場所だ。
そんなGミューズ、もといガンダムの前で、今回のファイナリストである君たちとA-RISEに、ガンプラとスクールアイドル双方の発展を願って、スペシャルライブを演じていただけないかと考えている。
Gミューズという名前も、君たちμ'sとなにか運命めいたものを感じずにはいられないからな。
とはいえプロジェクトは君たちの了承を得て初めてスタートする、期日については春頃になってしまうかもしれない…
それでもよければ、是非協力願えないだろうか。よい返事を期待している。
3代目メイジン・カワグチ』
9人「…えぇぇぇぇぇぇぇぇええええええぇぇえぇ!?!?!?」
すこし険悪だったムードが一瞬で解け、各々が目を輝かせるμ'sの面々。
にこ「メイジンが…私たちに…直々に…?」
希「昨日も今日も…嘘みたいやなぁ…」
絵里「し、信じられないわぁ…」
花陽「大変です…!!」
凛「すごいことになってきたにゃあ…!」
真姫「期日はラブライブ決勝大会の後…」
ことり「それならできるよね!きっと!」
海未「ええ!
それに…3年生の門出を祝うにはこれ以上ない舞台です!」
穂乃果「…」
穂乃果は無言でにっと笑った。
穂乃果「よし…
ラブライブが終わったら、μ'sとA-RISE…
それだけじゃない、スクールアイドルとガンプラが好きな人みんなが笑えるステージをしよう!
それが…きっと私たちにできる一番のことだよ!」
3年生の卒業とμ'sの解散。
それが決まっても、結局結局μ'sは変わらなかった。
これまでと同じだった。
それが一番だと、全員が思っていた。
真姫「海未、決勝で歌う新曲の歌詞のアイデアある?」
海未「えぇ。
私たちが、みんなで始めたガンプラで頂点まで上り詰めた、そんな今までの想いを込めて、綴ってみました。
ラブライブの頂点を目指すには、もってこいの歌詞に仕上がっていると思いますよ」
部室に輝くガンプラバトル全国大会の優勝トロフィーと、穂乃果と共に戦い抜いたμガンダムを横目に、メンバーはラブライブ決勝に向けた練習を続けた。
そして、ラブライブ決勝当日。
μ'sは、今度はスクールアイドルとして全国の舞台に立っていた。
海未が綴った歌詞と、真姫が奏でたメロディー。
それに9人の想いが乗せられ、これまでμ'sが歩んできた道を辿るかのような、キラキラ輝く1曲の歌を作り上げた。
その歌は全国へと響き…
アンコール!
アンコール!
アンコール!!
止まないアンコールの中に、再びμ'sは飛び込んでいった。
激動のうちに日々は流れ、第2回ラブライブが終わり。
ガンプラバトル全国大会の優勝トロフィーの近くに置かれた優勝旗の横に、ラブライブ制覇の優勝旗が増えた部室で。
卒業式を間近に控えた3年生も含めた9人が、真剣な面持ちで集まっていた。
ついに、メイジンの言っていたスペシャルライブへ向けて準備を始めようとしていたのだ。
すると、部室のドアが不意に叩かれた。
9人がドアのほうを向き、何事かとノックの主の入室を待つと、入ってきたのは…
ツバサ「久しぶりね、μ'sの皆さん。」
あんじゅ「決勝以来かしら?」
英玲奈「メイジンからの話、聞いているな。
君たちと話し合って決めなければならないことがたくさんある。」
ツバサ「急で申し訳ないけど…お邪魔するわね」
英玲奈「これ、お土産だ」
μ's『A-RISE!?』
入ってきたのは、紛れもないA-RISEの3人だった。
にこ「なんでA-RISEがわざわざ音ノ木坂に!?」
あんじゅ「貴女たちの学校に来てみたかった…っていうのと、あなたたちのホームでの意見を聞きたかったからよ。」
英玲奈「μ'sの感じたままの意見がほしい。
今回のライブをどうしたいか…
何を歌って、どんな風に踊るか。」
ツバサ「そして、私たちがガンプラとスクールアイドルの架け橋になって、なにを伝えていくか。」
A-RISEの言葉に、μ'sは言葉をつまらせる。
穂乃果「なにを…伝える…」
穂乃果はスクールアイドルとガンプラを始めてから今までのことを思い返し、そして言った。
穂乃果「曲を…
曲を、作りましょう!」
すると今度はA-RISEがぎょっとした顔をする。
ツバサ「曲を…今から?」
穂乃果「はい!
メロディーも歌詞も振り付けも…誰かに任せるんじゃなくて、みんなでアイデアを出せば、スクールアイドルとガンプラ、両方やってる私たちにしか作り出せない歌が出来上がるんじゃないかなって!」
ツバサ「…穂乃果さんらしいわね。
私は賛成よ!」
ツバサが不敵に笑うと、呆気にとられていた他のメンバーもその表情を笑顔に変えてゆく。
かくして、お台場スペシャルライブで披露する曲の作曲と作詞が始まった。
歌詞に入れたい単語をそれぞれ出し、それをまとめる海未と英玲奈。
海未「夢、笑顔、輝き、喜び…」
英玲奈「次へともう一歩踏み出すような明るい曲…か。」
曲のイメージが固まったところで、今度は真姫とツバサがピアノにその指を走らせて、旋律を奏でてゆく。
ツバサ「…いいんじゃないかしら。
素晴らしいメロディーだと思うわ。」
真姫「ありがとう…」
ツバサ「でも、ここをこうしたら…」
真姫「…!」
にこ「」ポカーン
メロディーが完成し、歌詞を乗せる過程で、曲名が決まっていないことに気づいた12人は、しばし曲名を思案した。
希「明るくて元気になるような…」
絵里「人を笑顔にできるような、そんな曲名…」
あんじゅ「すぐ近くにいいヒントがあるじゃない。」
ことり「まるでみんなを照らす太陽みたいに、私たちを引っ張ってくれたリーダーがいる…
これってヒントにならないかな?」
歌が出来上がり、振り付けに移る頃には、ライブまで2週間を切っていた。
凛「…かよちん、凛ね、今楽しいにゃ。
すごく…」
花陽「凛ちゃん…」
刻一刻と迫る3年生の卒業。
目を背けたくても、そんなことはできないくらい目の前に、それは迫っていた。
μ's9人でいられるのは、もうあとすこし。
考えたくなくても、考えてしまう度に涙が流れそうになるのを堪えながら、ライブの練習を続けた。
そしてライブ当日。
お台場・実物大ガンダム立像の前に。
ラブライブ決勝の規模に、勝るとも劣らないサイズの大きなステージ設置されていた。
しかし誰ひとりとして物怖じしなかった。
今日のために積み重ねてきたこと。
それはμ'sが、スクールアイドルとしても、ビルドファイターとしても、ここでその幕を下ろすという、大事なライブだったから。
春風が会場を包み、晴れ空に雲はなく。
集まった観客は静かに、ステージを見つめていた。
メイジンもその視線をステージに向けている。
幕が開き、μ'sとA-RISEの登場と共に歓声が上がるが、12人はただ目を閉じてその声を聞いていた。
歓声が収まり、再び静かになった会場。
そこで目を開いた穂乃果とツバサが、前へと歩み出る。
ツバサ「皆さん、今日は私たち12人のライブに集まってくださりありがとうございます!
今日披露する曲は、スクールアイドルとガンプラを愛する人たちの心に届けたいと思い、μ'sとA-RISEで作り上げた曲です!」
穂乃果「そして、皆さんに大事な話があります。
私たち、μ'sは…」
徐々に穂乃果の声が震えを帯びて行く。
穂乃果「…私たち、μ'sは…
今日のスペシャルライブをもって、活動を終了します…!」
突然の発言に、どよめきたつ会場。
穂乃果「これはみんなで決めたことです。
私たちの最後のステージ…
見ていってください!」
涙を堪えて言い切った穂乃果が、笑顔に戻ると 、穂乃果とツバサ以外も歩み出て、12人が一列に並んだ。
穂乃果「これが、私たちの気持ち、私たちの想いを乗せた歌です!
聞いてください!」
12人『SUNNY DAY SONG』
舞台にたった12人が、今までのどのステージよりも輝いて、生き生きしていたのは言うまでもない。
歌い終わった12人を包んでいたのは、歓声と拍手の海だった。
『ついこの前までは9人一緒だったのに。
あれで終わりだなんて信じたくなかったのに。
それでも私たちは、解散を選んだ。
それが正しかったのかは、分からない。
でも私は、それでよかったと思ってる。
最後のステージ。あれで終わりだと思っていたけど
本当の最後に、今度はスクールアイドルとラブライブの発展のために歌って、私たちは…』
「穂乃果、さあ」
「みんな待ってるよ!」
「これが本当に最後なんだから」
「悔いのないようにやるにゃ!」
「緊張するけど…それよりワクワクするね!」
「にこのスクールアイドル最後の晴れ姿、見せてやるわ!」
「ウチだって!負けへんよ~?」
「もう…みんな最後までこれね」
「…みんな。」
みんな笑っていた。
いつもと同じように。
そして右手でチョキを作り、円陣の中心に差し出す。
『…μ'sファイナルライブ、全力で飛ばしていこう!
1!』
『2!』
『3!』
『4!』
『5!』
『6!』
『7!』
『8!』
『9!』
『ミューーーーーズ!!』
『μ'sic…START!!!!!!』
μ's9人、本当の最後のステージ。
その歌の歌詞にも、メンバーの心にも、同じ言葉が綴られ、そして刻まれていたのは言うまでもない。
こうしてμ'sは、スクールアイドルとしてもガンプラビルダーとしても伝説的な功績を残し、解散を迎えた。
その影響は大きく、スクールアイドルとガンプラビルダーがさらに増えたのはμ'sのお陰と言っても過言ではないかもしれない。
そして、ガンプラの聖地・静岡県の海沿いに佇むある高校にも、μ'sの影響を受けてスクールアイドルを始めた一人の女子高生がいた。
『私たちもいつか…
μ'sみたいになれるかな!』
ラブライブ!×ガンダムビルドファイターズ
~side:μ's~
完
いかがでしたでしょうか!
曲てんこ盛りで少々無理矢理な展開だったかと思いますが、自分では満足のいく終わりかたをすることができてよかったです。
μ'sがガンプラをしているだけでなく、スクールアイドルであることを忘れない、そんなことを意識して書いたつもりですが、全体的に見るとバトルに傾きぎみだったかなと思っております。
次回からはとりあえず1.2.3年生の学年ごとの話を外伝短編という形で投稿していきたいと考えています。
そして、エピローグの最後…
μ'sではない、『もうひとつのラブライブ!』の企画も、進行していきたいと考えています!
μ'sの話としては一応の完結を迎えるこのssですが、今後とも更新をどんどん続けていくつもりですのでよろしくお願いします!
そしてここまで読み進めて下さった皆様、本当にありがとうございました!
これからも精進しますので、どうぞよろしくお願い致します!!
2016.5.17
(2016/6/17 凍結の為歌詞を削除し改訂)