ラブライブ!×ガンダムビルドファイターズ   作:ませな

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大変期間が空いてしまい申し訳ないです!
兼ねてから声をいただいていた、3年生の過去の話です!
ではどうぞ!


外伝 3年生編Ⅰ 『出逢い』

『ガンプラ…すごい…』

 

 

 

そう。

始まりはすべてあの時。

 

 

 

『私も…ガンプラやってみたい!』

 

 

 

 

にこ「もう2年以上たつのね…」

 

 

 

ラブライブ!×ガンダムビルドファイターズ

外伝 3年生編Ⅰ

 

出逢い

 

 

 

 

 

 

 

『2年と少し前の春。

 

私たち3年生は、この音ノ木坂に入学した。

 

 

 

はじめは、金髪でキリッとした絵里とか、いつも笑っているような希とか、気に入らないな、なんて思ってたけど。

 

 

それでよかった。

 

私には趣味があったから。

 

 

 

アイドルについてはもちろん大好きだったし、もうひとつ。

 

 

ガンプラが、あったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

私がガンプラと出会ったのは、小学生の頃。

 

他の女の子たちは見向きもしなかったガンプラ…

でも私は、その魅力にとらわれてしまった。

 

 

初めて買ってもらったのは、HGUCのシャア専用ザク。

何度も手をかけて、塗装をしては落として…

 

形が歪んでしまうほど、シャアザクをいじっていた。

 

 

地元のおもちゃ屋では名前を知られるくらい、バトルもしていた。

 

 

 

 

そして、高校に入学して間もなく。

 

エドバシカメラに大量のバトルシステムが設置されていると聞き、私は学校帰りに走って向かっていた。』

 

 

にこ「ついた…!」

 

 

今まで見たこともないような量のバトルシステム。

それのすべてで手に汗握るバトルが繰り広げられ、バトルを見る人々の目は老若男女問わず輝いている。

 

にこ「…くぅ~っ!

これよ!!」

 

 

沸き上がる感情を抑え、シャアザクを握りしめたにこの目の前のシステムで勝負がおわり、負けた少年がガンプラを手に去ると、向かいに立っていたのは…

 

 

にこ「あれ?アンタ、音ノ木坂の…」

 

希「矢澤さん…だっけ?

あなたもガンプラを?」

 

他でもない、まだにこと話したことのない希だった。

 

にこ「ええ、まあね…

どう?一戦やってみる?」

 

希「いいよ。」

 

 

どこか他人行儀な希ににこは少し壁を感じながら、バトルが開始された。

 

 

 

 

 

 

Field:7

Canion

 

 

にこ「渓谷ステージ…

高低差が激しいけど、シャアザクなら!」

 

 

にこのシャアザクが開始直後からバーニアを全開で吹かし、岩影に補足した希の機体向けて奇襲をかける。

 

にこ「そこ!」

 

シャアザクが岩影の横を高速で通りすぎながらバズーカを数発放つと、轟音と共に岩が崩れた。

 

 

にこ「…やれてない!?」

 

敵機接近の反応に焦るにこの足元を、クナイのような短剣が掠めた。

 

 

にこ「この装備…

イフリート・シュナイド!」

 

希「へぇ…ガンダム詳しいんだね!」

 

岩が巻き上げた煙から飛び出た希のイフリートが、にこのシャアザクとついに対面した。

 

 

にこ(機体特性だけで考えればイフリートは近距離型…

一旦離れてマシンガンで牽制を!)

 

手近な岩を蹴ってイフリートから離れたシャアザクが、マシンガンを放ちつつその距離を離していく。

 

希「なかなかの戦況判断…でも!」

 

にこ「あれは!?」

 

希がにこを追って飛び出しつつ腰から取り出したのは、ストライクノワールのビームライフルショーティーだった。

 

にこ「ビーム兵器…!

対策はバッチリってわけね!」

 

希「さぁて…どうくるかなぁ?」

 

 

次第に笑顔になりつつある希が、ビームを放ちながらにこのシャアザクに詰め寄る。

 

にこ「…!」

 

 

知らぬ間に迫っていた谷の行き止まりに気づいたにこは、一瞬迷ったような表情を浮かべてからザクを急旋回させた。

 

にこ「一か八か…!」

 

 

そのまま崖を蹴って機体を翻し、ヒート・ホークを抜きながらシャアザクがイフリートに飛び込んだ。

 

希「!?」

 

咄嗟にヒート・サーベルを取り出して応戦する希だったが、シャアザクの勢いは止まらなかった。

 

意を決して超スピードで飛び込んでくる様は正に、赤い彗星を想起させる。

 

にこ「これでぇっ!」

 

勢いのままに押し込み、シャアザクが蹴りをいれようと右足を引き込む。

 

 

希「…ふふ、あれを使うしかないみたいやね…!」

 

すっかり素のままにバトルを楽しんでいる希が、にっと笑って言った。

 

 

次の瞬間、シャアザクの繰り出した蹴りは空を切っていた。

 

にこ「…!

空振り…!?」

 

希「EXAMシステム・起動!」

 

 

 

EXAMを発動したイフリートが、シャアザクの背後を一瞬でとっていた。

 

にこ「嘘っ…!?」

 

希「もらったぁ!」

 

にこ「…っ!」

 

 

モノアイの色を赤く染めたイフリート・シュナイドのヒートサーベルが、シャアザクに一撃を叩き込んだ。

 

 

 

 

BATTLE END

 

 

にこ「…強い…

これほどだなんて…」

 

希「ウチの勝ちやね♪」

 

バトル開始前とはうってかわって、嬉しそうな声で希が言う。

 

 

にこ「やねって…

アンタ関西弁だったの?」

 

希「あっ…」

 

ちょっと前の表情が嘘のように、やってしまったと言いたげな顔で希が固まる。

 

にこ「ま、いいけど。

 

いいウデしてるじゃない、今度から一緒に来ましょうよ?」

 

希「え…

 

ウチで、いいの…?」

 

にこ「ウチで、って、アンタとしかバトルした覚えないわよ。

 

そういえば名前、聞いてなかったわね。

私は矢澤にこ。アンタは?」

 

希「ウチは…希。

東條、希…!」

 

 

 

 

こうして、にこと希が出会い。

 

学校おわりにエドバシカメラに集まってはバトルする日々を過ごして少し経った頃。

 

希がもうひとり、音ノ木坂の生徒を連れてきたのだった。

 

 

 

希「にこっち、ウチの友達のーーーーー」

 

にこ「絢瀬絵里、ね。」

 

絵里「なんで私のことを…?」

 

 

にこと絵里、学校ですれ違うことはあっても、面と向かって話すのは初めてだったはずである。

 

なのににこは絵里を知っていた。

 

にこ「希から聞かせてもらったわよ。えりちっていう友達がガンプラバトル強いんだ、こんなガンプラ作ってて、ってね。」

 

絵里「全く、希ったら…」

 

 

にこ「で、やるんでしょ?」

 

絵里「えぇ、そのために来たんだもの。」

 

 

これ以上は語るまいと、二人がシステムにつき、バトルが開始された。

 

 

 

 

 

絵里「ジャブローのマップ…木で見通しが悪いわね」

 

絵里の操る百式が、木々の隙間から漏れる日光に日光に照らされきらりと輝く。

 

にこ「そこよっ!」

 

絵里「!?」

 

出方を伺っていた絵里に、ジャブロー周辺の林のマップを今までのバトルで体が覚えているにこが、先手をとって百式に突撃をかける。

 

ザクの眼光がピンクの軌道を描いて百式へと迫った。

 

にこ「でぇぃっ!」

 

にこのザクがそのスピードに任せて空中で1回転を決め、その勢いにのせて蹴りを放つと、百式はそれを腹部に思い切り食らった。

 

 

ように見えたが。

 

 

にこ「!?

感覚が…ない!?」

 

絵里「危なかったわ…!」

 

瞬時にバーニアを吹かして蹴りのパワーをいなした百式は未だ健在であった。

 

にこ「さすが…希が言うだけのことはあるわね!!」

 

絵里「なめてもらっちゃ困るわ…!」

 

 

ザクの眼差しに対抗するかのように、暗かった百式の双眸が赤く光ると、仕返しとばかりに百式の蹴りがシャアザクを捉えた。

 

絵里「スピードの乗った今の状態では、蹴りの威力だって…

 

え!?」

 

突如として爆発した右足に驚きながら百式が後退をかけると、爆発の煙の中から左手を失ったシャアザクが飛び出した。

 

絵里「今の一瞬で…何を…」

 

にこ「左手とヒートホークはやられたけど…!」

 

蹴りをいなすのは不可能だと判断したにこは、相殺覚悟でヒートホークを取りだし、蹴り込まれた百式の脚に思い切り一撃を叩き込んだのだった。

 

にこ「しっかし片腕じゃバズーカはおろかマシンガンも…

辛いところね…」

 

絵里「でも幸い相手はもう丸腰…いかせてもらうわ!」

 

ビームサーベルを抜き、迷わぬ機動でザクににじりよった百式の斬撃が、シャアザクを掠める。

 

にこ「…今ぁ!!」

 

しかしにこは、サーベルを振り下ろした後の一瞬の隙を狙っていた。

 

肉を切らせて骨を断つ…とでもいうのだろうか。

にこはシャアザクの残った右手で百式からビームサーベルを奪い取った。

 

絵里「…!

なんて作戦なの…!」

 

にこ「決めるわ!」

 

紙一重のところでもう1本のビームサーベルを抜き、応戦した百式だったが、肩アーマーに損傷を受けてしまう。

 

にこ「外れた…!

つぎは!」

 

絵里「…こうなったら!」

 

組み合いを解き、突きの姿勢で再度突っ込んできたシャアザクのサーベルが、百式の頭部を捉えた。

 

にこ「やっ…

 

えっ!?」

 

絵里「…私の勝ちよ!」

 

 

絵里はただ食らったように見せかけ、ビームライフルを小脇に構え、密着したザクの腹部に一射を放ったのであった。

 

 

 

BATTLE END

 

 

 

 

にこ「(接戦だったとはいえ…同じ学校のしかも女子に、2連敗だなんて…)」

 

 

にこは悔しいという感覚をガンプラバトルで初めて感じた。

 

自分が甘えていたわけではない。

ただ、運だったにしろ負けてしまったという事実が、にこに降りかかった。

 

 

 

 

絵里「ふぅ、危なかったわ…

 

強いのね、矢澤さん。

私…勝手に想像してたけど、想像よりずっと強かった…」

 

にこ「そんな言葉ほしくなんか…!」

 

 

そこまで言って、にこは言葉を詰まらせた。

 

 

汗。

 

絵里の額に光る汗が、にこの目に入ったからだった。

 

生徒会長で堅物、そんなイメージしかなかった絵里が、自分とのバトルでこんなに本気で、素顔を見せた。

 

それに気づくと、途端に勝敗にこだわっていた自分が恥ずかしくなった。

 

 

にこ「…いや、なんでもないわ。

バトル、ありがとね」

 

 

 

 

知らぬ間に、求めていたのかもしれない。

 

一緒にガンプラバトルができる仲間を。

 

そして、にこは2人と本気でバトルして、負けて。

初めてそれが希であり、絵里であることに気づいたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1ヶ月。

にこたちは、エドバシカメラの店舗大会に3人でエントリーしていた。

 

 

3人の手に握られていたのは、それぞれ白、黒、金、3色のユニコーン。

 

 

この大会のために、そして奇しくも音ノ木坂というひとつの場所に集ったガンプラ好き3人の、共に作った初めてのガンプラとして、想いを込められたその機体。

 

 

 

 

 

しかしそれらは、それ以降、戦場に立つことはなかった。

 

 

 

 

 

負けてしまったのだ。

 

それも手酷く。

 

 

 

 

 

3人の知識、製作テク。

 

それはたしかに、並以上のものであった。

 

しかし、大会に出揃った選手もまた、並以上…

 

その選手たち各々が磨いてきたテクニック、オリジナリティが、3人には欠けていた。

 

 

 

そして知らぬ間に、その3機を使うことは3人の中でタブーになりつつあった。

 

 

ただ1人、にこだけは、そのユニコーンを今日、今まで使い続けてきた。

 

例え出来は普通でも、それはにこが初めて仲間と作ったガンプラだったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にこ「…まさか、こんなことになるなんてね」

 

にこの視線の先では、白、黒、金がつぎはぎに入り交じった、1機のユニコーンが組み上がっていた。

 

 

にこ「あれから2年…

 

私たち、全国大会の決勝まで、本当に…」

 

何度も思い返しては、やはり信じられないとばかりに視線をそらした。

 

 

希「にこっち」

 

にこ「希…」

 

1人ガンプラと向き合っていたにこの近くに、希が歩み寄った。

 

希「にこっちは覚えてる?2年前のこと…」

 

にこ「当たり前でしょ…」

 

希「やっぱ忘れられないかぁ…」

 

少し困ったような笑顔で、希は言った。

 

 

絵里「でも、そのおかげで今、ここにいるんじゃないかしら。」

 

にこ「絵里…」

 

希に続いて絵里も、にこの元へやってきたのだった。

 

絵里「2年前のこと…

忘れろなんて言わないし、言えないけど…

 

でも、もう気にならない。

今はもっともっと、楽しいし…

 

なにより、こうやって3機が揃ったのが、一番の証拠でしょ。」

 

 

 

3人はユニコーンを見つめた。

 

それ以上はなにも言わなかった。

言わなくたって、にこには伝わっていた。

 

 

絵里「さ、行きましょ。

少し遅めだけど…明日のためにご飯食べなきゃ。」

 

希「そやね。

 

にこっち?行かへんの?」

 

 

にこ「…先、行ってて。

用意してすぐ行くから。」

 

 

 

 

 

1人部屋に残ったにこは、静かに涙を流した。

 

色々なことが積み重なり、心がいっぱいいっぱいになっていたのだった。

 

 

 

しかし気分は晴れていた。

 

 

にこ「…うん。

さ、私もいかなきゃね」

 

 

 

すこししかめていた表情がいつも通りに戻ったにこが部屋を出ようとすると。

 

 

にこ「えっ…?

 

気のせい…よね」

 

 

 

 

ユニコーンのサイコフレームのパーツが、一瞬キラリと緑色に光ったように見えた

 

 

 

 

 

外伝

3年生編Ⅰ




いかがでしたでしょうか!
本編決勝前あたりに繋げるつもりで書きましたが、伝われば幸いです。
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