圭太「俺、今日図書室寄るよ。本読みたくなってさ」
錦「今日の現文の作品面白かったよな。なんだっけ、『檸檬』だっけ?」
圭太「それもあるし、いろいろ情報収集したいしね」
ゆり「美秦、今日図書委員の仕事で6時まで図書室にいないといけないんだけど、帰りどうする?」
美秦「……待ってる」
ゆり「わかった。でも途中で帰りたくなりそうだったらすぐに帰るんだよ。まだ暗くなるのはそう遅くないんだから」
美秦「わかった」
錦「圭太、俺も行く」
圭太「ふふふ、んじゃ、放課後な」
圭太「錦ー、落ち着けって。静かにしろよ」
錦「静かだろ」
圭太「動きがうるさいんだよ。そわそわしてあちこちの棚うろついて。まあ、あそこのお姫様に関係あるんだろうけどね」
錦「なっ……!」
圭太「しーっ」
錦「すまん、けど、だって」
ゆり「美秦、模型ばっかり見てる」
錦「なんでうちの図書室にはこんなにいっぱい不思議な模型があるんだよ」
圭太「OBOGの皆々様の寄贈品だよ」
錦「そしてそれを制覇するかのごとく見つめているのはなぜだ!」
圭太「不思議だよねぇ、相変わらず。どんな生徒も見ないふりをしていく模型の数々に惹かれる少女、ねぇ」
錦「はああ、気になる」
圭太「錦もだいぶ危ないよねぇ」
錦「るせぇ」
美秦「これは……飛行機。羽根が2層ずつついている。重そう」
美秦「ハート、かな?でも、いろんなものに囲まれて苦しそう」
美秦「遊園地みたい。びー玉転がして遊べそう」
圭太「姫の天然は健在だねぇ」
錦「可愛いだろうが」
圭太「はいはい。うん、錦、お待たせ。借りたい本は揃ったよ」
錦「またジャンルがてんでばらばらだな」
圭太「情報収集だって言ったでしょ。広く浅く、時々凄ーく深く。それでいいんだよ」
錦「かっこいいな、俺にはできないや。本そんなに1度に沢山は読み切れねぇよ」
圭太「練習だね。入試にもその力は必須だよ」
錦「やめろよ、入試はもうこないだの高校入試で腹一杯だって」
圭太「逃げられないよ。もうあと3年切ってるんだよ、次の入試まで」
錦「」
ゆり「美秦、お待たせ。鍵締めまで終わったから、鍵を職員室に返したら帰れるよ」
美秦「うん」
ゆり「最後まで何度も見に来ていたけど、この展示だけなにか特別だったの?」
美秦「公園に集まる動物たち、まるで私たちみたいだった」
ゆり「へぇえー。美秦にはそう見えるのね。フタコブラクダと猫とインコと・・・・・・これは?」
美秦「んんん・・・・・・よくわからないの」
ゆり「人のような、霊長類なのかもちょっとわからないわ・・・・・・」
美秦「ゆりにもわからない?」
ゆり「そうね・・・・・・ちょっと不気味になってきたから、帰ろう?」
美秦「不気味・・・・・・」