錦と美秦   作:黒枝 芳乃

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プールが望みだった

 

 

錦「もうそろそろ、プール開きの時期じゃないのか・・・・・・。暑くて、衣替え直前だからシャツ長袖だし、袖まくるにも限度があるっつーのなー」

 

圭太「錦、そんな君に残念なお知らせだよ」

 

錦「・・・・・・なんだよー」

 

圭太「ええいだれるのをやめたまえよ、錦くん。見聞きするだけで暑さが増すだろう?」

 

錦「わかったから、お知らせってなんだよー」

 

圭太「全然わかってないだろ・・・・・・。まあいいや。お知らせはね」

 

盛岡「おい長谷川、来週からの体育はバレーボールだとよ。ったく、東西学院《とうさいがくいん》の野郎、あんだけの敷地を持ってるってーのに、林田のプールの近くに屋内プール建てるとか邪魔なことしやがるよな。そのせいでプライバシーがなんだとかをお互いが言い合った挙句、俺らのプールが使用禁止になるとかまじ本末転倒ってやつだろ」

 

圭太「ほんとにねー」

 

錦「? 言葉が多くて理解ができなかったんだけどさ、え? 東西がどうしたの?」

 

盛岡「ああん? お前ほんと何も知らねぇんだな」

 

圭太「まあまあ盛岡、錦は大切なことはちゃんと見えてるから良しとしてやって、ね」

 

錦「え」

 

盛岡「心して聞け、瀬川。男児にとっての一大事だ」

 

錦「え、もりお、か、ちょっ、近い顔近い」

 

盛岡「林田は今後プール授業をしないことになったんだ」

 

錦「」

 

盛岡「だよなそうだよな、お前もそう思うよな」

 

圭太「え、無言だったよね!? 何が伝わったの」

 

錦「・・・・・・盛岡、本当か」

 

盛岡「ああ・・・・・・」

 

圭太「ああ、何故かここに墓地が見えるよ・・・・・・」

 

 

 

ゆり「暑いわねー美秦」

 

美秦「うう・・・・・・」

 

ゆり「あら、溶けないでね、美秦」

 

美秦「プ、プール~・・・・・・」

 

ゆり「無いわよ」

 

美秦「あるよ」

 

井口「あるけど使えないよ?」

 

美秦「水を入れればこっちのもの・・・・・・」

 

ゆり「雨乞いなんてしないでね。したところで水温水質の管理をしないと入れないわ」

 

美秦「私がする」

 

井口「授業は?」

 

美秦「サボタージュ」

 

ゆり「美秦、1週間晴れ通しみたいよ」

 

美秦「奇跡は、作り出すもの・・・・・・」

 

井口「それは奇跡じゃないね。それより、プール授業がなくなるのはいいけど」

 

ゆり「ねー。この年にもなって男の子と同じプールだなんて考えられないわ」

 

井口「その点では東西学院の皆様にはありがとう、かな 」

 

ゆり「問題はその代わりよね」

 

井口「ねー。バドミントンって、夢中になっちゃうから暑くなるし、汗もかくし。夏場に授業でやるの辛いなー」

 

ゆり「制汗剤の使用禁止とかダブルショックだね」

 

美秦「・・・・・・入っていけない。なんだろうこの女子トーク」

 

ゆり「美秦も女子でしょ」

 

 

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