ゆり「美秦ー、支度できたー?」
美秦「もう、少しだけ、待ってて~」
ゆり「じゃあ、中で待つね」
美秦「あ、ドアは開けちゃだ」
ゆり「・・・・・・っ! げほっ、げほっ! なんなのこれ、煙たい・・・・・・」
美秦「ごめん、換気扇が壊れちゃってて、でも、あとごはんでっせいれたら終わるから」
ゆり「待ちなさい。美秦、そこに座って」
美秦「でも」
ゆり「前に言ったよね、美味しい食事屋さん紹介するから、こんな暴挙は起こすなって。テロですか」
美秦「がーん」
ゆり「口で言うのね」
美秦「せっかく楽しみで眠れないから、定番のアイテムお弁当を準備しようかなって、ほんの出来心だったのに」
ゆり「少しでも反省する気があるのなら、その無駄に大きな窓を全開になさい。じゃないと、既にいま着ているその体操着が煙臭くなっちゃうでしょ」
美秦「うん・・・・・・」
ゆり「でも、このハンバーグは美味しそうじゃない」
美秦「レンジで、チンッ」
ゆり「フライドポテト」
美秦「レンジで、チ」
ゆり「卵焼き」
美秦「レンジ」
ゆり「こんな青い卵焼き見たことないけど!? 何が入ってるのよ」
美秦「本当に・・・・・・何だろう」
ゆり「こわい、怖いわこの子・・・・・・」
美秦「なんとなーくやってたら、こんな感じに」
ゆり「魔法ですか?」
美秦「真面目です・・・・・・」
ゆり「んー、今からでも遅くないわ。まず洗い物からね。そっちのフライパンを・・・・・・え、それ、お鍋じゃない? 何に使ったの」
美秦「あ、これは、少しの愛情を作るときに」
ゆり「この前の余計な愛情もそれで作ったのか!」
美秦「心を、込めました」
ゆり「愛情は作り物だった!」
美秦「でも、余計って・・・・・・」
ゆり「気持ちはしっかり受取りました」
美秦「よかった」
圭太「遅かったね、学級委員さん」
ゆり「ふっ、こっちは朝からフルスロットルで死にかけでしたわ」
圭太「え、今なにか物騒な表現がちらほらと・・・・・・煙たい」
ゆり「それ見たことか! ・・・・・・私が行った時には、既に手遅れでした」
圭太「なにが、やられてたの」
ゆり「レンジが1人、魚焼きグリルが1人・・・・・・」
圭太「痛いところを潰してくれたね・・・・・・。 使いたい時にそばにいて欲しい調理器具たちじゃないか」
ゆり「もう、あの子達を救う手立てはないのかしら」
圭太「相手がみは・・・・・・見守っていてくれるなら、あるいは」
ゆり「駄目よ。相手の方の命が危ないわ」
錦「2人とも、開会式遅れるよ? グラウンドに・・・・・・臭い」
圭太「言葉がストレートすぎる! 女の子に対する言葉のチョイスは命取りなんだ、錦。そう、料理というものの理解を間違えた人のように」
錦「え、なに、なんのこと」
ゆり「瀬川くんにはまだ早かったみたいですね。さ、行きましょ」
錦「また俺だけ家の外じゃない!? えええ」
圭太「蚊帳ね」
手書きのプロットで、臭いという感じに点を付けるのか付けないのかでしばらく悩みました。