圭花「ねえ、錦お兄ちゃん、うちにくるんだよね」
圭太「・・・・・・そうだよ」
洸太「もう約束の時間から15分はたってるぞ」
圭太「わかってるよ」
圭花「お兄ちゃん、怒ってるみたい」
圭太「当たってるから、ちょーっとだけ黙ってて、ね」
圭花「はーい」
圭太(いやいや、俺は怒ってるんじゃなくって、錦が遅れてくる理由を想像するのがいろいろ怖いだけだって。うんうん、そう。事故とかじゃないよね。さすがの錦もそこまで緊張で何も見えなくなったりはしないよね。でも、だとしたらなんでいつもはわりと時間通りに来るのに今日に限って遅いんだ)
洸太「あ、ピンポンなっt」
圭太「錦っ」
洸太「・・・・・・はえー」
圭太「どうしたの、錦。大丈夫?」
錦「へ、平気さ・・・・・・」
圭太「顔真っ青で何言ってんの」
錦「え、そんな!?」
圭太「どうしたの」
錦「いや、組体操のピラミッドの天辺のこととか、それを美秦さんも見るんだとか、今日のお弁当母さんが丹精込めて作ってたの見たのとか、あれこれにプレッシャーを感じちゃって」
圭太「・・・・・・下痢か」
錦「あああ圭太ごめん、緊急事態っ」
圭太「トイレ、好きに使って」
錦「うおおおおごめんんんん! 消臭はふっとく!」
圭太「そこしっかりするところかよ! ・・・・・・よかった~」
錦「洸太、圭花ちゃん。しばらくトイレ借ります!」
圭花「あ、お兄ちゃん! 下痢止め飲んでく?」
錦「ありがとう・・・・・・」
圭太「あ、盛岡から電話だ。はーい」
盛岡『お前ら今何時だと思ってんだよ! 教室集合時間になったぞ!』
圭太「盛岡、今錦がピンチなんだよ」
盛岡『んんん、どうしたんだよ、長谷やん』
圭太「止まらないんだよ・・・・・・下痢が」
盛岡『んだよ下痢かよっ!! んなもんみんなが待ってるって脅しゃあ引っ込むだろ』
圭太「食あたりじゃなくて、ビビリだよ」
盛岡『今更かよ』
圭太「変わる?」
盛岡『いや、んじゃ今日の主役体育委員の盛岡北斗様がびしっとその旨、はじめちゃんに伝えとくからな。まあ、瀬川が落ち着いたらソッコー来いよ! 長谷やん、特にお前は100m走の期待の星だからなっ』
圭太「了解。んじゃあ、連絡は頼んだ。錦の面倒はまかせて」
錦「うう・・・・・・。圭太、出し切ったー・・・・・・。電話、盛岡から?」
圭太「そうそ。一ちゃんに遅れるって言ってくれるってさ」
錦「まじか、もうそんな時間!? 良かったぁぁぁ」
圭太「だから、ゆっくり行こうよ」
錦「だなー。あ、おばさんとおじさんは先行ってるんだっけ?」
圭太「そうそう、俺は圭花と洸太を連れていく予定」
圭花「わたし、錦お兄ちゃんと一緒に行くから」
圭太「俺も一緒に行くんだけど」
圭花「わかってないなぁ。錦お兄ちゃんの手は私がつなぐの!」
錦「あああ待って圭花ちゃん、今から手を洗ってくるよ、・・・・・・念入りに」
圭太「落ち着けよ錦、相手は10歳だz(圭花の肘鉄を食らう)」
圭花「そんなんだから、お兄ちゃんには彼女がいないんだね」
圭太「朝からまじ鬼畜だな、圭花・・・・・・」
錦「うお、圭太、生きてる??」
圭花「そんなのいいから、行こう、錦お兄ちゃん。洸太はお兄ちゃんの水筒とか持ってあげて」
錦「・・・・・・よくわからんが、圭太、頑張ろう」
圭太「今はその言葉が1番辛いって」