圭太「考査が近づいてきてるね」
錦「何も聞こえない」
圭太「仕上がりはいかがですか錦さん」
錦「だってなんで、ついこの間まで体を使わないといけなかったのに、今度は頭を使えとか、そんな頭いいことできてたら、この15年間苦しんでないよな・・・・・・」
圭太「・・・・・・だな、聞いた俺が悪かった」
錦「そんなこんなで今おれは悟りの聖地に入ってるから」
圭太「どこにあるの、その聖地。境地だろ」
錦「授業は寝ずに受けてるんだけれど、宿題ができるほどの頭はないし、かといって、どこがわからないのかももはやわからないし」
圭太「1年生のうちからそんなこと言ってどうするの」
ゆり「あら、おつむの足りない男の子があちらに。美秦、馬鹿がうつるから早く行きましょう」
圭太「馬鹿じゃありませんー」
錦「わっ!? ・・・・・・(いつからいたのどこからいたのきょうもかわいいですねなんて! どれも言えるわけがない・・・・・・でも無言でいるのはおかしいよな、ええと)」
美秦「・・・・・・お、おはよう」
錦「おおおおおおおおはようごじゃいます!!」
圭太「おやおや」
ゆり「なっ・・・・・・(私や身内以外に挨拶なんてしたことのなかったこの美秦が!? そもそも身内にもろくすっぽ挨拶をしていなかったのに・・・・・・)」
美秦「・・・・・・お友達、だから。お友達がなにをするべきなのか、知らなかったから、日常あり得るTPOに合わせて学習してきた」
圭太「学習? ・・・・・・AIかなにかと話してるのかな」
ゆり「はあっ・・・・・・! 美秦、よく頑張ったわ・・・・・・!」
圭太「ええっ」
錦「」
圭太「大変だ、錦が息してない!! しっかりしろ、自我を保て!」
ゆり「あらやだ、変な人がいるわ。行きましょう美秦」
美秦「じゃあまた教室で・・・・・・」
圭太「助けてくださいーっ」
ゆり「どこの中心よ」
圭太「古いねそのネタ! 田んぼの間の道路だよ!」
ゆり「美秦、教室に入ったらなんていうの?」
美秦「おはよう」
ゆり「うんうん♪ その調子ね!」
圭太「その勢いが続くと、錦を別室に移動させないといけなくなるな・・・・・・。吉木先生に申請したらいいのかな」
ゆり「教室の扉の前で妙なことをつぶやかないでくださいますか」
圭太「さすがにそれが望ましい方向への成長であったとはいえ、錦がテストに合格できずに留年なんて考えたくもないし本末転倒だし・・・・・・」
ゆり「さ、入りましょうか」
美秦「うん」
美秦「お、はよう」
井口「清水さんが、しゃべってくれた・・・・・・!」
ゆり「井口さん、おはy・・・・・・泣いてますの?」
井口「へ?」
盛岡「すげぇな、体育祭様様だったってことかよ・・・・・・! おい、旦那はまだ来てないのか! こんな大事な日だってのによう・・・・・・」
圭太「お・・・・・・よう」
盛岡「おい長谷川! 瀬川はいっしょじゃねぇのか!?」
圭太「錦は、・・・・・・トイレだよ」
盛岡「おう・・・・・・、そうか」
圭太「嬉しすぎて感情が高ぶりすぎて、意識を取り戻すまでに時間かかったんだよ・・・・・・」
盛岡「・・・・・・は? なんのことを言っとるんだ」
錦「オレ、リュウネンデキナイ。オレ、ガンバル。テストバンザイ、テストバンザイ・・・・・・」
盛岡「怖いことぼやきながら教室に入ってくんじゃねぇぇぇぇぇ! 今、この空間は、天使降臨の幸福感に満ち溢れてたんだぞ」
錦「テンシ・・・・・・そうだ、俺は登校中に天使に遭遇したんだ!」
盛岡「長谷川! おまえこいつをどうにかしろ!」
圭太「だめ・・・・・・もう今日は無理、盛岡、あと頼んだ。錦の留年を防ぐには・・・・・・」
盛岡「つまらん男どもだなぁ! くそっ」
吉木「おら、もーりおか、席につかんか。本玲なっただろ」
盛岡「・・・・・・や、天使が・・・・・・! ・・・・・・なんでもねえよ」
吉木「え、何それすごく気になる。盛岡、天使がどうしたんだよ」
盛岡「んでもねえよっ早く出席でもなんでもとれって・・・・・・。この教室には今、幸せが・・・・・・」
吉木「えええ・・・・・・もやもやするやつだろこれ。あと盛岡、先生には敬語な」
遅くなってすみません。
テストの話をしたかったのに、美秦ちゃんに邪魔されてしまいました。
盛岡君しゃべりすぎやん。もう主人公やん。