吉木「今日は欠席は清水だけだな。特に連絡事項はないが、雨降っとるから窓開けっ放しとかはやめとけよ」
盛岡「誰がこんな湿気てるのに窓なんて開けるかよ」
吉木「えええ、盛岡とか、『雨に濡れてる俺、格好いいだろ』とか『黄昏てる俺、どうよ』とかしてそうだもんな。いやー目に浮かぶわ」
盛岡「んなこと誰もしねえだろ」
錦「はぁ……。美秦さん、今日はお休みか……」
盛岡「瀬川っ! アホか! 窓閉めろ! 雨が入り込むだろ!」
錦「うわああごめん盛岡! つい、黄昏ちゃった……」
吉木「しっかりフラグを回収してくれる奴がいるたぁいい事だ。んじゃ、朝ホーム終了ー」
ゆり「起立気をつけ礼着席」
吉木「井上、みんながやってから次の指示を出してやれって。ぐだぐだじゃねえか」
ゆり「えっ」
圭太「錦が馬鹿やってたから、呆れてたんでしょ」
錦「ええっ、そうなの? ごめんね、井上さん」
ゆり「い、いえ……。貴方のせいではありません。お気になさらず」
錦「そう……?」
吉木「まあいいわ。ぅら、とっとと1限の準備でもしとけー」
ゆり「……私がしっかりしなければ、」
美秦「……あめ……。窓が冷えてる。ひとり。さみしい……」
吉木「井上、井上ー」
圭太「井上さん、大丈夫?」
吉木「井上っ」
ゆり「……えっ、はい……」
吉木「……具合でも悪いのか? きつかったら、保健室行ってもいいぞ……?」
ゆり「え?」
吉木「え??」
ゆり「……なんでも、ありません。授業を続けてください」
吉木「や、続けるとかじゃなくてだな。まあ、なんだ。お前らはみんな、1人ですくっと野に生えてる背の高い草みてぇなもんだからさ」
盛岡「草って」
吉木「だから、隣の草と絡むことも時にはあるし、おかしくないよくある事だけどな。根っこは1人一塊なんだよな」
ゆり「別に、一つの根っこからいくつも草が生えていることも珍しくはありませんわ」
吉木「だから、1本の草だっつったろ。猫じゃらしとか、チューリップとか、そういうヤツで」
ゆり「それなら、そうですわね……。で、何なんですの」
吉木「幾ら隣の草に絡んで取れなくなっても、1本の草として真っ直ぐに立つ方法を忘れちゃ何ねぇってことだよ」
ゆり「……」
吉木「……んで、ここのレ点で上の文字に返って読み始めて、はい盛岡! この1文はなんと読むでしょうか」
盛岡「曖昧に授業に戻るなよ!! 下手くそか!」
吉木「んな文章、教科書には載ってねぇぞー」
盛岡「……いず……、も……」
吉木「島根かよ」
ゆり「……下手くそ、ですわね。吉木さんも私も」