ゆり「ファミレスなんて、来るのいつぶりだろう」
美秦「ゆりは家で食べたいものを作って食べられるから。私は……」
ゆり「別に、料理なんかできなくても大丈夫。今の世の中、女の子が料理を作るなんていう固定概念は古いものにしようという風潮もあるし」
美秦「でも、作れないといざというときに死んじゃう」
ゆり「いざって?」
美秦「……地球が」
ゆり「待って、いきなり規模が大きい」
美秦「お金が無くて」
ゆり「今度はすごくシビアよ」
美秦「この議題については何度も考えてるからね。料理ベタ女子の死活問題のマエストロとは私の事ね」
ゆり「そんなマエストロいらないから」
圭太「別に料理は苦手でもいいけど、一品くらいは作れると一人暮らしさせても不安はないけどね」
錦「お母さんかよ」
圭太「みんなのお兄さんだよ。それに、実のお母さんだと心配で心配でしょうがないんじゃない?そんなレベルじゃ」
錦「まあ、そうかもしれないな。だったら、料理ができる人と付き合ったり、すれば……」
圭太「錦、料理できたっけ」
錦「……」
圭太「この前の調理実習で分厚い輪切りの大根を味噌汁に入れたがために、全く火が通っていない大根味噌汁を作ったのはどこの誰かな」
錦「すいません以後気をつけます」
圭太「いいんだけどね。あれはあれでまあおいしいと言えなくもなかったし」
錦「……あ、甘やかすなよっ」
圭太「ただ、夫婦で料理ができないとなると・・・・・・」
錦「ふっふふふふふふーふふ!?」
圭太「あ、そっちに行ったか。落ち着きなさい、錦くん。店内のお客さんたち、君にドン引きだよ」
錦「えええ、あ、まじか、すまん」
圭太「気持ち悪いくらいに素直だなあ」
錦「収まったら収まったで気持ち悪がられた!?」
ゆり「なんだか騒がしいテーブルがあるわね。どうせどこぞのちょーっとおつむの弱い学生さんなんでしょうね」
美秦「ゆり、見ず知らずの人にそんな悪口言っては、だめ」
ゆり「・・・・・・それが、本当に見ず知らず、ならね」
美秦「?」
ゆり「そうね、美秦。私の口を汚すほどのことはないのよ。ふふ、覚えてなさい、お兄さん」
美秦「??」
ゆり「さ、デザートでも食べましょう。メニューは決まった?」
美秦「・・・・・・! デザート・・・・・・」
ゆり「美秦、怖いわよ。その体からにじみ溢れているワクワクオーラを抑えて」
美秦「これは、止められぬ・・・・・・」
ゆり「あー、話口調さえ変わってるし」
美秦「あんみつパフェに4種の季節のアイス、さくらんぼタルトにフルーツ白玉、それから・・・・・・」
ゆり「よく入るわね、その細っこいからだに。・・・・・・すみません、このページのスイーツすべて。はい、全てです。お願いします」
美秦「ゆり・・・・・・!」
ゆり「さ、食べ尽くすわよ」
《女子の別腹は底なし沼》