ハイスクールD×D 響き渡る魔神の音(試作)   作:xix

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SOUND.01 居眠りの少年

おす、俺は兵藤一誠。

友達やクラスメイトからは親しみを込めてイッセーって呼ばれてる。

 

俺は今自分の通ってる高校『私立駒王学園(くおうがくえん)』はちょっと前……いや三年ぐらい前だっけ?それぐらいまでは女子校だったんだけど、なぜかその後から男女共学になり始めたんだ。

俺がこの学校に入学したのもそれが主な理由。なんせちょっと前まで女子校だったから……周りには女子、女子、女子!!可愛い子なんていくらでもいる!!

 

これ、すなわち、ハーレム!!!

 

…………………はい、すいません

そんな素晴らしいとこに来ているのに未だに彼女一人できてません。

 

なぜかは一応わかってるんだよ。

そりゃあ朝からエッチなDVDとか出してくる奴とか、見ただけでスリーサイズが解るという奴とかと友達で、人目も気にせずにエッチなお話を大声でしていればそりゃあ女子から嫌われますよ………

 

 

 

で、今日も――――――――――

 

 

「いってて…竹刀で殴るかふつー…」

 

「災難だったな一誠」

 

「てんめぇら~………よくも置き去りにしやがったな!」

 

 

俺は友達(ダチ)の松田、元浜に怒りをぶつける。

何があったかっていえば………俺たちはさっき、女子剣道部の部室を覗きに行った。

 

………ゴメンなさい。悪いことなのはわかってるんですけど、行きたかったんです。

 

でも覗けませんでした。だって、こいつらがずっと覗き穴から離れずで俺が退けようとしたら部室(なか)の人に気づかれちゃいまして………逃げ遅れた俺はそのまま女子の制裁を喰らいました。

 

ああ、ちくしょう!

 

 

「これでおっぱいの一つも見れたなら納得もしようが見てもいね―――ん?」

 

「「あ」」

 

 

ふと、俺の背中に違和感が来る。それと同時に松田たちは、俺を見ながら素っ頓狂な声を出してきた。

何かと不思議に思って振り返ると………

 

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………むにゃむにゃ」

 

「「「……………」」」

 

「くぅー……………」

 

 

俺の背中で『子供』が寝ていた。………いや、それじゃあこいつが可哀そうだな。

でも、この前の身体測定で身長が160ちょっとって言ってたっけな?

だと中学生ぐらいって言ったほうがいいかもな。

………いや、、一応コイツが誰だかは分かってるんだけどね。見た目は確かに、俺たちより少し小さいけど、こいつは列記とした高校生なんだ。その証拠に俺たちと同じ制服を着ている。

 

 

「……………また、音もなく現れたな」

 

「ああ。毎回思うが、いつの間に、どこから出てくるんだろうな。こいつは」

 

 

松田たちが毎度のことだけど、こいつのことで不思議に思う。

こいつは気づいたら俺の後ろで寝ていることってのは別におかしなことじゃないんだけどな。

まぁちょっと気持ちよさそうに寝ているけど、俺としては重苦しいし、ずっと男に背中貸すってのも嫌だから起きてもらわねぇとな。

 

 

「はぁ~………おい、起ーきーろ」

 

「う~ん………………………………あ、イッセー………おはよ~」

 

 

眠そうな顔でノビノビとした声の挨拶をする俺のもう一人の友達(ダチ)

 

 

 

―――根島(ねしま) (ひびき)こと、ヒビキだった。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

………あ、こんにちは皆さん。

 

僕の名前は根島(ねしま) (ひびき)です。職業は高校生で、駒王学園の二年生です。

 

自己紹介したんですけど、僕のことをわかってもらうために回想に移らせてもらいますね。

 

………………………さっきから誰に言ってるんだろ僕。まあいいや。

 

 

 

 

 

二年前、僕はちょっとした事情で今の学校を志望校に入れてたんですが、元々僕は頭よくないんで必死に受験勉強して入学しました。

合格通知が来た日はもう、嬉しくて目が真っ赤になりましたもん。だってこの学園の偏差値が七十……ぐらいだったかな? 覚えてませんけど、かなり高かったんです。この時の僕は初めて神様に感謝しましたね………一年ちょっと前なのに懐かしいです。

 

……………言っておきますが、僕は彼女を作りたいとかそんな気持ちで入学したわけじゃありません。

 

まあ、確かに憧れはするんですけど、そんな理由で入学したんじゃないんです。

 

 

 

 

 

……………実は僕、「いじめ」を受けていた経験がすごく多いんです。

 

 

 

理由は………自分の身体にあるんです。

 

まず、僕の髪の毛は黒じゃありません。赤っぽさが強めの茶髪をしているんです。

一応、地毛なんですが、僕の家系には外国人の血はまったくない、純粋な日本人です。

そうです。父さんも母さんも、爺ちゃんも婆ちゃんも黒髪(・・)なんです。

 

そしてもうひとつ、あるんです。僕には唇の左端からモミアゲ近くまでの大きな傷跡があるんです。

何でこんな傷があるのか、実は僕本人でも知らないんです。

いつ出来たのかも、どうやって出来たのかも、知らないんです。

 

そして僕の髪と傷跡を見て、気持ち悪がられることよくありました。

それだけなら………その視線だけ(・・・・)ならよかったんです。

だって………僕にはその時の愚痴が……その小言(・・)が聞こえるんですから………

 

みんなは知らなかったり信じてくれたりしないんですけど、僕はすごく耳がいいんです。中学校の定期試験真っ最中に、他のクラスの(・・・・・・)小言すら聞こえたんですから。

 

僕は……自分のこんな特徴(こと)とかが嫌いでした。

 

 

 

僕はこの髪の毛と傷が嫌で両親に相談しました。

耳が良すぎる事と、いじめのことについては内緒にしたんです。

耳が良すぎるって言っても、それを信じてくれるかわからないですし、いじめのことは……心配掛けたくなかったので。

 

だから、「髪とこの傷がなんか嫌だから消したい」としかいいませんでした。

そして夏休みを利用して髪を黒に染めて、傷跡を手術で消したんです。

でも………

 

 

普通になれた次の日の朝。僕はまた異常に戻っていたんです。

 

 

その後も何度かそれを繰り返したんですが、全部終えた次の日には元には戻っていたんです。

原因も、調べたようなんですけど「原因不明」と言われて僕には詳しく教えてくれませんでした。

 

 

 

だから僕は、いじめを受けたくなくて「男子が少ない」ということ、そして頭の良い人ならそんな事(いじめ)なんてしないんじゃないかと考えて、この学校に進学したんです。

男子が少ないのにちょっと拘ったのは………今まで男子からやられることが結構あったんで。

 

僕は入学したら友達を作ることをまず目標にしました。

男子が少ないなら、いじめとかもあんまり無く、作りやすいと思ったからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも……………友達作り(そんなこと)を知らない僕は、やっぱり友達ができませんでした。

 

 

今はこんな風に説明してますけど、僕って………声が出ないんです。

 

いや、話すことが出来ないって意味じゃないんです。

口にしようとすると、どうしても小さくなっちゃうんです。

結果、僕が話しかけようとしても誰も振り向いてくれないんです。

それどころか「またアイツ何かぶつぶついってるぞ」と勘違いされてしまい………

 

嫌われちゃいました。

 

だから僕は……またここでも、中学時代のような経験をしていくのかと思いました。

「ああ、僕はずっと友達できないのかな……」そんなネガティブ思考で机の上に突っ伏してしまう僕。

 

 

でも………そんなときに

 

 

「大丈夫か? お前」

 

 

………僕に話しかけているかわからなかったけど、僕は聞こえた方向に顔を向けた。

どうせ僕以外の人を心配してるんだ。そう考えちゃったけど……

 

目の前にいた男子………クラスメイトの……兵藤君だっけ?

入学したてだったからうまく覚えられなかったんだよね。

 

僕は彼が話しているであろう人を探してキョロキョロと首を動かす。

 

 

「お前に聞いてるんだって。えと………ゴメン、名前なんだっけ?」

 

 

……………な、名前もわからないのに話しかける人なんて………始めてみた。

じゃなくて! えっと………僕はもう一度周りを見る。でも今この場で僕と彼以外に誰もいなかった。

 

 

「えと………僕?」

 

「他に誰もいないだろ。あ、俺は兵藤一誠。イッセーって呼んでくれていいぞ」

 

 

 

そしてそれが彼……イッセーが………

 

 

 

「えと………僕……は………」

 

 

 

僕の………

 

 

 

「根島………響………です………」

 

「おう! ヒビキっていうんだな! クラスメイトだし、仲良くしてこうぜ!」

 

 

 

初めての友達になる瞬間でした。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

そんなこんなで、僕らは友達としてこれまで一緒にいます。

あ、でも彼らが変なことしてる時はちょっとだけ避けてますけどね………

 

 

「はあ~、暗い青春だ……このまま俺の学園生活は花も実もなく、おっぱいに触れることなく終わるのか~」

 

 

今はイッセーが覗きをしてシバかれた帰り道。

夕日が綺麗なとある歩道橋で手すりに頬杖を突きながら佇むイッセー。

 

 

「………………自業自得……でしょ?」

 

「なんだとヒビキ!?」

 

 

そこへ話しかけてくる僕に振り向いてくる。

元気あるのかないのかどっちなんだろ? 大きく叫ばれたからちょっと耳が痛くなったよ……

でも事実だから弁護しようがないし、本人も「はあ~」と溜息ついてるからね。

 

 

「まあ………なんとかなる………んじゃない?」

 

「悪いけど、お前がいっても説得がねぇよ」

 

 

む、イッセーのくせに酷いな。

面倒見がいいところとか、普通よりちょっと容姿がいいとか、熱血なところとか見せればモテそうなのに………いや、熱血なのを卑猥なことで見せてるから最後のはダメか。

 

友達のためと思い、僕がイッセーがどうやって女の子と付き合えそうか思案していると………

 

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

「……………?」

 

「駒王学園の兵藤一誠君……ですよね?」

 

「………はい?」

 

 

僕らは聞きなれない声の方へ振り向く。

そこにいたのは………見慣れない制服を着た女の子。というか、僕は自分の学校(とこ)のしか見たことないんですけどね。…は、ははは。

心の中で苦笑しつつ、女の子に顔を向ける。

ロングで艶のありそうな黒髪、そして可愛らしい顔に、色気があるような身体を……していました。

 

……ぅぅ、自分で言ってて恥ずかしいです。

本当にイッセーとかは、よくこんな……女の子を色目で見ようとするよね……

 

 

(う~ん………これって……アレかな?)

 

 

僕は彼女の様子を見てからちょっと考える。

彼女の頬が赤くて、目線はやや下だけどイッセーのことを見ているような感じ………って言うのかな?

つまりこれって……

 

 

「えと………僕は……邪魔だと思うから……帰るね………イッセー」

 

 

僕は気を遣ってその場を退く。

こんな空気の場所に長居したくはないし、僕はKYでもない。

 

………はず。

 

 

「お、おう! じゃあ、また明日学校でな!」

 

「うん………また………明日………」

 

 

軽く手を振って先に行きます。

………ちょっと離れてるけど、念のため耳栓しとこ。

 

秘密の話かもしんないし、聞くのも無粋だからね………。

 

 

「うんしょ……………そういえば……」

 

 

耳栓をした後、ふと気づく。

 

 

「……………なんで呼吸音が変だったんだろ?」

 

 

……………まあ、いっか。緊張してたからかもしれないし。

 

僕はそのまま、寄り道せずに帰って寝ました。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

その翌日

 

 

「な、なにぃ!?」

 

「な、何故…!?」

 

「………あ」

 

 

僕らはいつも通り登校して松田こと『マッツー』と、元浜こと『ハマー』の二人とイッセーを待っていた。

そしたらだ、昨日の帰りに出会った女の子と一緒に来たではないか。

 

 

「あ、この子、天野夕麻ちゃん」

 

 

何やら得意気に女の子……天野さん? を紹介するイッセー。

そして驚きを隠せないマッツーとハマー。

僕は昨日会ったから別に驚いてもいない。

 

 

「こいつら、俺のダチの松田と元浜、それとヒビキだ」

 

「よろしくね」

 

 

可愛く笑みを浮かべる天野さん。

マッツーとハマーは口開けっぱなしで固まっている。

けど、そこに追い討ちをかけるようにイッセーはマッツーの肩に手を置くと

 

 

「一応俺の―――か・の・じょ」

 

 

『彼女』の部分を強調しながら、イッセーは言う。

この時のマッツーの顔がなんていうか………すごく面白かった。

思わず「ぷっ」と笑ってしまうほどに。

 

 

「ま、お前らも早く彼女作れよ。行こう、夕麻ちゃん」

 

「うん!」

 

「じゃあ………また後でね~………」

 

 

固まる二人と僕に会釈してイッセーの後を付いていく天野さん。

僕はイッセーに手を振って送っていく。

そして固まってた二人は………

 

 

「う、裏切り者めぇ~!」

 

「がはぁ……」

 

 

………とにかく号泣しています。

イッセーが同類だと思っていたからね……

先を越された者の悲しみ……という奴かな?

 

 

「まあ………ドンマイ」

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

それからしばらくして………日曜日です。

 

 

「………早すぎでしょ…」

 

 

駅前にいるイッセーを見ながらそう呟く。

何でここにいるかと言うと、イッセーが天野さんとデートする、という話を聞いてしまったからです。

 

………え~っと、釘を刺しておきますが勝手に耳に入っちゃったんです。

ホント、この聴覚何とかならないのかな………ハァ。

 

 

「………あ」

 

 

そんな風に考えていれば彼女が来た。

う~んと………息切れしてるかな、この音は?

 

だとしたら、急いできたのかな? ええ子やな………ってんん?

 

 

『全然! 俺も今来たところだから』

 

「……はい、ダウト」

 

 

イッセーの返事で僕は即答する。

40分も待っておいて嘘をつくのかお前。

まあ、一度言ってみたかった台詞なんだろうけどさ………あ、動き出した。

 

僕はそのまま二人を尾行していきました。だいたい500メートルぐらい離れてるけど、普通の会話なら聞こえるしね……。

 

………ストーキングだけど、ばれなきゃいいよね?

 

 

 

 

 

………見ていて思ったけど………王道だね。

洋服とかアクセサリー買ったり、パフェを一緒に食べたり、それはもう楽しそうだった。

 

というか、イッセーにとっては幸せの一言だよね。

 

 

「………大丈夫……だよね?」

 

 

僕はもう心配ないと思って、二人から離れていった。

尾行し続けるのって結構、疲れるんだね……。

早く帰って寝よ。

 

 

「………イッセーが幸せでいられますように」

 

 

僕は友達の幸福を祈りながら家へ帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう少し後をついていけば良かったんじゃないかと、僕が後悔すると思わずに………。

 

 

 

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