ハイスクールD×D 響き渡る魔神の音(試作)   作:xix

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あらすじにある注意を読んでからお読みください。



SOUND.02 動き出す魔神

 

「……………変なの」

 

 

僕のここ数日の口癖だった。

その理由二つ。

一つは、皆の様子。

と言うより、記憶? がなんか変。

 

皆が………天野さんのことを忘れてる。

 

イッセーが「夕麻ちゃんのこと憶えてないのか?」と何時もの二人、マッツー(松田)ハマー(元浜)に尋ねると、二人とも「知らない」って答えたんだ。

僕は憶えてるのに、アレだけショックを受けていた二人が憶えてないのはおかしい。

 

しかも、イッセーはケータイからメアドとかを見せようとしたけど、無かったみたいなんだ。

 

………もしかして、僕とイッセーの方がおかしいのかな?

 

 

 

……で、もう一つは………ここ数日のイッセーの様子。

少し良く見ないとわからないけど、顔色が優れていない。

 

それと僕だから判るんだけど……以前は今よりも呼吸音が落ち着いてたし、心拍数も正常だったんだ。

 

………興奮で乱れることは何時ものことだったけど。

 

ちょっと前からその両方がおかしい。

前より心拍数は狂いがあるし、呼吸音も若干乱れがある。

 

それだけなら良かったんだけど………

 

 

「………あの人……イッセーと心拍数……似てたな……」

 

 

あの人というのは、今日、始めてみた先輩、リアス……グレムリン? あ、グレモリーだ。

三年生のリアス・グレモリー先輩。

紅い髪の美人で、出身は北欧。学園の二大お姉様の一人………みたい。

 

僕はマッツーとハマーの二人から最近聞いたからよくわかんない。

というか、僕は基本的に自分と友達関係にしか興味ない。

 

……………それとR18関係にも興味ない。

 

 

話を戻すと、グレモリー先輩と初対面したとき……って言っても、目の前を通り過ぎたぐらいだけど。

その時に聞こえた体の音がイッセーと……似ているところがいくつかあった。

 

………………………ホント

 

 

「…………………………変なの」

 

「ん? どうしたヒビキ」

 

「うわっ……!」

 

 

いつの間にかマッツーが目の前にいた。

この前見た顔もそうだけど………お前は妖怪か?

 

 

「今日は一段と暗ぇな。お前もイッセーと同じで気分でも悪いのか?」

 

 

そんなこと知ってか知らずか、マッツーは僕のことを心配してくれる。

こういうところは友達として好感は持てるんだけど―――

 

 

「よし、お前も俺の家来い! イッセー達と共に俺の秘蔵コレクション観賞しようぜ!」

 

 

………こういうのがあるから、女の子にモテないんだよ。

しかも知らない人が居る前で。

 

 

「………黙れ……変態バカハゲエロ猿妖怪セクハラパパラッチ」

 

「罵倒し過ぎだろ!? お前のこと心配しただけなのに!」

 

「R18に……染めた手で触れるな………猿……」

 

「もはや人間扱いしてねぇ!?」

 

 

当たり前だ。人類が全部お前みたいのなら……僕は腹を切るよ。うん。

 

 

「まあまあ、それは今さらだろ。それよりも松田氏、今回は何話見るのだい?」

 

 

そこへ現れたのはハマー。

眼鏡を直しながらマッツーに確認を取ってるけど………その内容を聞けば別にかっこよくもない。

コイツも卑猥な会話とか視線しなければ、女の子が出来ないこともない………と思う。

 

にしても、なんで眼鏡してるのに女の子の………ス、スリーサイズ………わかるんだろ?

 

………ぅぅ、考えるだけで恥ずかしくなる僕って………ヘタレなのかな?

いや、否定はしないけど。

 

 

「………ハァ」

 

 

僕はさっきからグフフとか、二人の気持ち悪い笑い声を聞きながら溜息をついた。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

そんなこんなで、マッツーの家。

 

 

「………………毎度のこと思うけど………君らってバカ?」

 

「「「ぅぅぅっ!!」」」

 

 

観賞し始めて五時間ぐらい経ちました。抱き合いながら号泣する三人を見た感想です。

この三人、いつもこういうの見ていると途中からこうなるんだよね……。

三人のうち誰かが「なぜ彼女がいないのか?」とか、「初めて女の子にカツアゲされたよ…」とか、ネガティブなこと言い出して自爆してる。

前者はともかく、後者は確かにトラウマになるかもしれないけどさ……。

 

え、僕? なんとも無いです。

 

まず三人は見ていましたけど、僕は寝てましたから。

 

それに女の子に興味がないといえば嘘になりますけど、まず女の子を好きになることを知らなきゃいけないので。

だって女の子を好きになるって思う暇がなかったんですもん。

 

 

「………終わった?」

 

 

今見ているものが終わったところで話しかける。

さすがにこれ以上お邪魔しているのは迷惑だし、明日だって学校があるからね……。

 

 

「ああ、おう。さすがに帰るか」

 

 

イッセーが切り出して、それを切っ掛けに僕たちは立ち上がる。

三人は見すぎて固まってたからか、背伸びしたりする。

僕も昼寝のしすぎたから首を回したりする。う~ん、よく寝た。

 

僕たちはそのままマッツーの家を後にする。

そのまま三人とも無言で歩き出し、帰る途中でハマーとも別れた。

 

 

「ふぅ………」

 

「………イッセー?」

 

 

突然溜息するイッセー。でも今のはDVDの見すぎで出たものじゃないね……。

たぶん別のことで疲れが出てるのかな?

 

………にしては呼吸音が昼より安定してる……なんでだろ?

 

考えていると、いつの間にかT字路に着く。

僕とイッセーはよくここで分かれるから、ここでお別れだ。

 

 

「じゃあ僕も……帰るね………また明日」

 

「ああ。また明日」

 

 

軽く手を振って分かれていきました。

 

 

「……………ハァ」

 

 

なんかイッセーがいつもと違う調子だから、なんか僕も狂う。

いや、いつも通りエロい所は変わってないんだけど………どこか違う。

 

 

「う~ん…………………………ん?」

 

≪――――――! ―――――!!≫

 

 

 

これは……叫び声? それにこの声って………

 

 

「………イッ―――」

 

ガクリッ

 

 

………あ、あれ?

急に眠気が来る。さっきまでずっと寝てたというのに、すごく強く来ている。

そのせいか、脚もフラフラしてくる。

 

な、なんで……?

 

声に出そうにもなるけど、それも出てこない。

いつの間にか膝が地面に着いて、身体がうつ伏せになってしまった。

 

 

「ぅ………ぁ………」

 

 

僕はそのまま睡魔に負け、意識を断ってしまった。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

 

俺は今、夜道を全力で駆けている。しかも俺自身がビックリするほどの速度で。

もしかしたら陸上部でレギュラー取れるかもしれないって思うほどだ。

でも今はそんな事どうでもいい!

 

なんでこんなに走ってるかと言えば、ヒビキと別れた後に俺は黒スーツの男に……変質者に追われたからだよ!

 

 

「ハァハァ……あ」

 

 

ここは………。

無我夢中で走っていたら空けた場所に出た。

そこは噴水のある公園……この前、夕麻ちゃんとデートしたときに訪れた場所だった。

 

―――っ!

 

背に来た悪寒から、俺は後ろへ振り向く。

 

 

「ふん、下級な存在はこれだから困る」

 

 

そこにいたのは男……変質者だった。

でも、その背にはさっきまで無かったはずの黒い翼を生やしていた。

 

……黒い翼? ………夕麻ちゃん!?

 

俺は前に見た夢………夕麻ちゃんに殺された夢を思い出す。

 

 

「くそ、また夢かよ………!?」

 

「夢だと?………ふむ、主の気配も仲間の気配もない。消える素振りすら見せない。魔方陣すらも展開しない。となると………貴様、『はぐれ』か? ならば殺しても問題あるまい」

 

 

何、物騒なこと考えてんだこいつ!?

男は俺に向けて手をかざしだすと、その手に光……らしき物が集まっていく。

そしてそれは………槍に(かたど)った物に変わった。

 

………ってまた槍かよ!? 夕麻ちゃんの時にもそれで殺されたんだけど!?

 

 

そう思った瞬間―――俺の腹には槍が貫かれていた。

 

 

「ごふっ、ぅぐぅぅぅううううう!!!」

 

 

ちょ、超痛ぇぇぇぇええええええ!!!

激痛と共に、腹から込み上げてきたもの……血が吐き出される。

腹の中から来る、焼けるような痛み。

何故か、それが全身に回ってくる。

 

や、やべぇ………

 

 

「痛かろう? 光はお前ら『悪魔』にとって猛毒だからな。しかし意外と頑丈だな」

 

 

あ、悪魔……?

また訳のわからないことを言い出すと、男はまた手に光を集めだす。

や、やばいやばいやばいやばい!!

 

 

「今のは弱めで形成したがそれで耐えたからな。ならば次のは更に強く―――」

 

 

男が投げ出しそうになるその時―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オォレのダァチにナニしてんだぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!」

 

ビュゥゥッ!

 

「!?」

 

 

俺の後ろから大声が聞こえ、次の瞬間―――――大気が、揺れた。

 

 

「ぐぉぉ!!」

 

 

突然来た風に、男は吹き飛ばされる。

な、なんだ今の!?

 

ってかそれより耳が痛ぇぇぇ!! 鼓膜破けそうになったぞ!

 

 

「な、何者だ!」

 

 

男は俺に向かって……いや、たぶん後ろにいる声の正体に向かって問いだす。

俺も痛みを感じながらも、後ろに顔を向ける。

 

そこには―――

 

 

 

「あ゛あ゛? 今言っただろうが……そいつのダチだよぉ……」

 

 

眉間には大量の皺。眼つきは鋭く、口の左側が大きく裂けた……赤み掛かった茶髪の男―――狂人がいた。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ダチだと? それより貴様……人間か?」

 

「んなこたぁどうでもいいんだよぉ。それよりテメェは………オレたち(・・)のダチにテぇダしたんだ……キッチリ、オとしマエつけさせてもらうからなぁ………」

 

 

その一言と同時に……狂人からは殺気が放たれる。

放たれる殺気は翼を生やす男に向けられ、それを受ける男は―――戦慄した。

 

 

「っっっ!!?? き、貴様はいったい……人間がこのようなものを……!」

 

 

男は狂人を睨めつけるが、その背には滝のような汗が流れている。

今は目の前にいる悪魔―――イッセーよりも狂人を警戒し、手に槍を創りだそうとする。

 

しかし狂人は殺気を引っ込めて、顔を横に向きだす。

 

 

「それと、いつまでコソコソしてんだぁ。デてこい、そこのサンニン」

 

「………ばれているようなら、仕方ないわね」

 

 

狂人の見た先にある林から……三人の女子が出てくる。

その先頭には、狂人に答えた紅い髪の美女……。

彼女が出てくると、男もそのものに視線を向ける。

 

 

「………紅い髪………グレモリー家の者か」

 

 

男は憎々しげに紅い髪の女性を睨みつける。

 

 

「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん。そしてあなたは……まあいいわ。その子にちょっかい出すなら容赦はしないわ」

 

 

リアス・グレモリー。

 

イッセーの学校の先輩である。

その後ろには黒髪ポニーの美女と小柄の少女も歩いている。

 

 

「………ふっ。これはこれは。この者はそちらの眷属か。………この町もそちらの縄張りだったということか。まあ、今日のことは詫びよう。だが下僕は放し飼いにしないことだな。今回のように散歩がてら狩ってしまうこともあるやもしれんぞ?」

 

「ご忠告痛み入るわ。でも、この町は私の管轄なの。あなたも土地の情報を持ってほしいものだわね。そして、私の邪魔をしたらその時は容赦なくやらせてもらうわ」

 

「……その台詞、そっくりそのまま返そう」

 

 

すると男は翼を羽ばたかせ、飛翔していく。

―――と思ったら、次に狂人に向き、再び睨みだす。

 

 

「貴様は………次に会ったときには殺す」

 

「はっ! コシのヌけてるヤツがチョウシこくな。クってやるぞ……」

 

「………我が名はドーナシーク再び見えないことを願う」

 

 

そのまま男は夜の闇へと消えていった。

 

 

 

 

 

「さて」

 

 

一段落着いたか、と思ったのか、リアスは狂人に振り返る。

 

 

「あなたには聞かなければならないことが―――」

 

「アア。ザンネンながら……ジカンだ」

 

「………どういうことよ?」

 

 

時間、という一言に疑問を持つリアス。しかし狂人はそれに答えず、気絶している一誠を指差す。

 

 

「とりあえず、コイツのことタノむ。それと―――」

 

 

付け加えるようにいいだすが―――

 

 

「この………カラダも………」

 

「「「!!!」」」

 

 

言い終えた所で、狂人は倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある二人の日常が、ここで崩壊した。

 

 

 

 




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