明日も頑張ります。
テーブルを挟んで、僕、イッセー、塔城さんが一つのソファに。
対面するように木場君、グレモリー先輩、姫島先輩がもう一つの方に座っている。
そして全員の視線が僕とイッセーに集まっている状況………注目されるの嫌いなのに。
「単刀直入に言うわ。私達は悪魔なの」
そんな中、グレモリー先輩が話を切り出してきた。
………というか、単刀直入すぎます。せめて前置きかなんかくださいよ。
嘘……は言ってないと思う。ホント、この耳って便利だよ。
でもこれじゃあ、僕って人間嘘発見機だよね?
なんかそれも嫌だ。
でも………
「信じられないって顔ね。まあ仕方ないわ。でも、あなた達も昨夜、黒い翼の男を見たでしょう?」
? 昨夜?
え、黒い翼の男?
ずっと聞いてましたけど………堕天使とか、悪魔とか、天使とか、冥界とか、契約とか。
………え、オカルト研究部ってそういうことですか? と言いたくなる。
信じたくないけど、この人頭おかしいのかな?
さっきから嘘を言ってないと思っても信じられない。
ファンタジー、ここに極まる。
「いやいや、先輩。いくらなんでもそれはちょっと普通の男子高校生である俺達には難易度が高いお話ですよ。え?オカルト研究部ってこういうこと?」
イッセーも僕と同じ意見をする。
だよね。こんなこと聞いて「ほうほう、なるほど興味深い」とか、理解できる
「―――――天野夕麻」
―――――!
その一言で、僕とイッセーは目を見開いた。
なぜ先輩がその名を? 確かイッセーがマッツー達にも確認したけど知らないって言ってたのに。
「あの日、あなたは天野夕麻とデートをしていたわね?」
「……冗談ならここで終えてください。正直、その話はこういう雰囲気で話したくないんで」
………? デートがあったのは知ってるけど………あ。
今思い出せば、イッセーの雰囲気が変になったの……天野さんのデートの後からだ。
それに他にもおかしい……だって、イッセーはメアドとかが全部消えていたって言ってたし……。
だけど先輩は覚えて―――――
僕がそのことで考えていると、グレモリー先輩は懐から何か取り出し、デスクに置く。
「この子よね? 天野夕麻ちゃんって」
………それは、僕も目にしたことのある女の子………天野さんの写真。
「この子は、いえ、これは堕天使。昨夜あなたを襲った存在と同質の者よ」
「どうやってこれを……ケータイの写真にもなかったのに。それに松田や元浜も覚えてなかったって
言うのに……!」
「力を使ったのよ。それで念入りに証拠を消したようけれど。私があなたの両親にしたように」
………ハッキリ言います、全然話が分からない。
イッセーは何か驚いてるけど、僕には全然わからない。
説明してほしいよ、まったく……。
「あなとの周囲から自分の記憶と記録を全て消させたのは、この堕天使にある目的があり、それを
果たしたから」
「目的?」
………まあ、いいや。
そういうオカルトな存在がいると仮定して話を聞いてみようかな……。
で、イッセーと接触した目的って……
「そう、あなたを殺すため」
………真面目に聞こうと思ったとたんにコレ!?
イッセーを殺すってなんで!? 本人も「なんで俺がそんな!?」って叫びだす。
僕も普段あんまり開けない瞼が、今はパッチリしてる。
………って、ちょっと待った。今の会話を逆再生してみよう。え~っと……
天野さんの目的はイッセーを殺すこと。
↓
目的を達成したから消えた。
……………なんでイッセーちゃんと生きてるの?
僕が幽霊なのかと一瞬考えていると、イッセー自身も生きていることを主張している。
「彼女があなたに近づいたのは、あなたの身にある物を宿しているか調査するため。そして、あなたが
……………セイグ………何?
またまた知らない単語が出てきた。
そしてまた何か思い出してるような顔をするイッセー………。
ああもう、なんで君はわかるの!?
「
木場君、どうも説明ありがとう。
そして君もオカルト好きだと、今のでわかったよ。
あ、オカルト研究部にいる時点でそうか……。
付け加える様にグレモリー先輩が続ける。
「時には、悪魔や堕天使の存在を脅かすものもあるわ。イッセー、手を上にかざしてちょうだい」
「え?」
「いいから、早く」
グレモリー先輩が急かす。
何するんだろ? ちょっと好奇心が……。
「目を閉じて、あなたが一番強いと感じるものを想像してみて」
「い、一番強い存在。……ドラグ・ソボールの空孫悟かな……」
……まあ、漫画とかかな? 知らないけど、それが強いと思うならいいんじゃない?
「ではそれを想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべてその姿を真似るの」
「「……………」」
多分……僕とイッセーは頭の中で似たようなこと考えてると思う。
この歳で、人前で漫画の技のポーズとか恥ずかしすぎるでしょ!!
でもイッセーは決心したのか、目を閉じてポーズをとり
「ドラゴン波!」
イッセーは両手を上下に合わせて前へ突き出す格好のまま、声を張り上げる。
僕は知らないけどこんな感じなんだろう……うん、子供がやるポーズだ。
僕は絶対やりたくない。
「さあ、目を開けて。それで
………そんなこと言って、恥ずかしい格好させたかっただけなんじゃ―――――
カッ!
………………………………………
イッセーの左腕が光ったと思ったら、そこに赤い籠手らしきものが着いてた………。
「な、なんじゃこりゃあああああああああ!」
イッセーもビックリ。
というか、今の君が出した光だよね? なんで君自身がビックリしてんの?
というか、コレが先輩の言ってたものだっていうなら………
え、ファンタジーは
「それが
信じられねぇ……でも………すげぇ!
「さて、イッセーは発現できたとして、次はあなたの番よ。―――根島君」
「――――――――――は?」
◇ ◇ ◇
俺がドラゴン波をやり終えて、出てきたものに消えろ! と念じると、本当に消えた。
そしてリアス先輩が―――
「……なぜ……僕が?」
「あなたはあの場で、私達をも超える『なにか』を持っていた。そしてあなたは昨夜、堕天使をも退けた。………あなたも持っているはずよ。
………ええ!? あの時ヒビキいたのか!?
ってあれ? そういえば昨日会ったあの人……ヒビキと同じ髪の色してたような……
俺はすぐ横にいるヒビキに目を向ける。というか、皆がヒビキに注目されてる。
ヒビキは何か、頭に?マークを浮かべながら首を傾けている。
………まさかな。だって、あんな怖い人と、このヒビキが同一人物なわけがないし。
「あの~……すいません………質問いいですか………?」
「何かしら?」
「………昨夜僕………何してました……?」
「「………え?」」
「実は………イッセーと別れてから……何にも覚えてないので………」
ポリポリと頭を掻きながらそんなことを口にする。
お、覚えてないって。
「………確かにあなたの纏っている物が今は違うわね。あの時は……恐怖するようなものが、アナタにはあった。けれど、今はそんな物がなければ、覇気すら感じられない。……一体どういうこと?」
「さ、さぁ………僕にもさっぱり………?」
「……でもいいわ。もしかしたら、何かあるかもしれないからアナタも
「………拒否権とかなさそうなんで……やります……」
当たり前だ! 俺だけにあんなことさせといて、自分は逃げるようなことはさせねぇぞヒビキぃ!
俺は怒りをぶつける様にコイツのことを考える。
さあ、お前の恥じるところを見てやる!
「えと………強いと思う者であれば………いいんですよね………?」
「ええ」
「じゃあ…………みなさん………耳を塞いでて……ください…………では………」
? 耳を塞ぐって………何の真似するんだ?
俺たちはヒビキに従って、耳を塞ぐ。
木場や小猫ちゃん、朱乃先輩は俺と同じく、何をするか全くわからず、疑問に思っている。
リアス先輩は………なんか、ワクワクした顔をしてらっしゃる。
「ふぅぅぅぅぅぅっはぁぁぁぁぁぁっ」
目を閉じて、大きく深呼吸するヒビキ。ホントに何するんだ?
「……………ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ―――」
………なんか嫌な予感。
というか、今思ったけど俺って―――――ヒビキの大声する姿、見たことあったっけ?
「ゥォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ヒビキの叫びが室内に響く。
………っていうかぁ!!
「ぅおおおおっ!!??」
「な、なんなのこれはぁぁぁあああ!?」
「ぐぅぅうぅう!!」
「ぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「み、耳がぁ!!」
でもこれはまだホンの序の口で―――
「―――オオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
更にデカいのが来たぁ!?
なんか壁とか床がピシピシ鳴ってる気がするけど、それどころじゃねぇ!!
「「「「「ぎぃあああああああああああ!!!!」」」」」
◇ ◇ ◇
「―――――ふぅ」
久しぶりに大声出したな~………お腹減ってきた。
にしてもなんで自分の声は大してうるさく感じないんだろ? ……ま、いっか。
僕は目を開けて発現しているか確認―――
「……………あ」
………確認する前に、無残な光景が広がっていた。
壁や床には亀裂、窓ガラスや電球は全部割れて、皆は……………泡吹いてた。
◇ ◇ ◇
「なんてことするのよ!!」
「す………すいません………」
数分して皆が目を覚ましました。
室内がメチャメチャになってたので、僕とリアス先輩以外が割れたガラスとか掃除してます。
そして僕は目の前にいる絶賛お怒り中のグレモリー先輩に土下座中です。
……これ、修理費いくらかかるんだろ………僕もう、今月の小遣いないよ?
というか、こんなことになるなんて思ってもいなかった。
強い人のイメージがなかったから、大声出して威嚇する人の真似してみただけなのに……。
「はぁ………ところで、
「……………いえ………何も………出ませんでした………」
頭に手を着きながら僕に聞いてきたけど………ごめんなさい。何もなかったです。
「でも、あなたの
「……………へ?」
本日何度目かわからない素っ頓狂な声。
武器って………どういうことですか?
「この部屋は今、強力な結界が張ってあったのよ。そして壁や床も魔力で強化されたもので作られた特注品……それらをあなたは
え? ………え~っと………
「あの………僕もこんなことになるとは………思ってなかったので……」
「話を続けるわね」
「先ほどは……ごめんなさい……………」
僕は掃除を終えた皆さんに頭を下げる。僕の性で苦労かけてしまいました。
今は皆ほぼ元通りになった部屋で、先ほどの様に座っている。
ただし、イッセーが少しだけ僕から離れてるような気が……。
ぅぅ、
「イッセーの話に戻るわ。とにかく、あなたの持つ
そう言って一枚のチラシを見せる。
………あ、僕もつい最近、スーパーの帰りに見かけたような………。
イッセーもなんか天野さんが来る前に貰ってたっけ?
『あなたの願いを叶えます!』と、その紙には載っていて、ちょっと不気味だったんだよね。
そして紙の説明をされる。
これは先輩たちが配っていて、書かれてるものは本物の魔方陣。
そしてそれは先輩たちを召喚するためのもので、悪魔を召喚しそうな人達に配っているみたい。
そんでたまたまイッセーがそれをあの場で手にし、死ぬ間際でグレモリー先輩を呼んだ。
とのことです。
説明が終わると……
バッ!
………え~、と。何が起きましたかというと、僕とイッセー以外の人が翼が生やしました。
コウモリっぽいのが特徴です。悪魔らしい。
バッ!
……………訂正。イッセーにも生えました。
ここに居る人間って僕だけ? ………まぁ、こうなると信じるしかないようです。
オカルト
「改めて紹介するわね。祐斗」
呼ばた木場君が、ここに来るときにやったスマイル顔になる。
「僕は木場祐斗。君達と同じ二年生ってことは、わかってるよね。えーと、僕も悪魔です。よろしく」
「………一年生、塔城小猫です。よろしくお願いします。………悪魔です」
それに続いて、小さく頭を下げる塔城さん。
「三年生、姫島朱乃ですわ。一応、この部の副部長も兼任しております。今後ともよろしくお願いします。これでも悪魔ですわ。うふふ」
礼儀正しく姫島先輩は頭を下げる。
ホントにこの人、あらあら、うふふ、といった言葉が似合う………。
これが所謂、大和撫子?
そして最後にグレモリー先輩。髪を揺らしながら堂々と前に出て言いだす。
「そして私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー、ヒビキ」
………………はぁ、異常な日常が始まりそうです。
それに―――――
お腹すいた………。
仲間はずれなことより、そっちを気にした。
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