転生して第一級冒険者になるのは間違っているだろうか 作:子子子
すいません、見捨てず読んでてただけたら幸いです・・。
出会い
迷宮都市・オラリオにある大きな塔『バベル』の地下にある、深い深い穴『ダンジョン』に、都市の中でも有数な巨大ファミリア、『ロキ・ファミリア』の遠征部隊が地上に向け、地下50階層から多くの団員を引き連れ階層を上がっていた。
遠征目的である58階層以降の未到達階層の開拓と、50階層での他ファミリア『ディアンケヒト・ファミリア』からの
深い地下から階層を繋げる階層を登り続け、深層よりもはるかに地上に近い中層17階層。
「まだまだ行けたのに~。暴れたんないよ~」
「しつこいわよ、あんた。いい加減にしなさい」
「だって、50階層で引き返しちゃうなんてさぁー」
私、ことラフィティスカのすぐ後ろでティオナがぼやくと、その隣にいた双子の姉であるティオネが言い返す。
それを深層で撤退することが決まってから繰り返している。
未知のモンスターに襲われ、多数の団員の負傷と武器の消費により、ファミリアの団長であるフィン・ディムナが帰還を決め今こうして地上に向かっているのだが、
嘆いているティオナの武器である
階層を上がる際、大きな団体では身動きも取りずらいため二手に分かれることになり、前行部隊は副団長リヴェリアをはじめアイズやラフィティスカにティオナなどの十数名。
残りは団長のフィンが率いる後続部隊だ。
付近を見回すと、遠征帰りということもあり団員の疲労も見えるが、特に荷物を運搬するサポーターの疲労は色濃い。
「リーネ、大丈夫?」
「……手伝おうか?」
ラフィティスカとアイズがサポーターでもまだまだ下っ端な彼女に声をかける。
「えっ?あ、だ、大丈夫です!?」
声をかけられたリーネは、滅相もないと勢いよく断られ、猫人であるラフィティスカの頭に生える金の耳は悲しげに下へ垂れた。
アイズやラフィティスカは、ほぼ名目上とはいえファミリアの幹部を務めているためか、はたまた浮世絵離れした雰囲気や行動のためか、ほとんどの団員に畏まったような態度を取る。
ラフィティスカの垂れた耳を見て、アイズが頭を撫でると、臀部から生えた耳と同じ毛色をした長い尻尾を嬉しそうにパタパタと揺らした。
「止めろっての、アイズにラフィティスカ。
そういうのは同じ第一級冒険者の獣人、
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端正な顔立ちには左の頬かにかけて稲妻のような青い刺青が施されている。
その顔立ちと、引き締まった体のため、街中を歩けば若い娘たちから熱い視線を送られるのだが、いかんせん、彼はいつも眉間にシワを寄せている。
「それだけ強えのに、まだわかってねえのか、お前らは。弱ぇ奴等にかかずらうだけ時間の無駄だ。間違っても手なんて貸すんじゃねー。
精々見下してろ。強いお前らは、そのままでいいんだよ。」
追加して言うなら、彼の短所は弱い人を見下すことか…。
「ベート。私、そういうこと言う人、あまり好きじゃない…。」
「んな゛っ!!」
フイと顔を背けると、ティオナが走ってやってきたと思ったら勢いよく抱きついてきた。
「アイズ、ラフィー、駄目だよ。ベーとの言うことなんか聞いちゃ、あ………あれ、ベート、落ち込んでる?」
「くたばれ糞女!べ、べつに落ち込んじゃいねぇよ!てめえはあいつ等の雑用でも引き受けてろっての。
「うるさぁーいっ!?」
仲いいな。喧嘩する二人を離れてみていると、
ヴォオォ、ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!
岩の壁を震わすほどのミノタウロスの咆哮が響いた。
その咆哮をきっかけに、周りからゾロゾロと出てくる赤銅色の巨体。
「リヴェリア…」
振り返り、後ろに居たリヴェリアを見ると、彼女もこちらを見て頷き先戦闘許可が出た。
ラフィティスカは金色の耳をピンと立て、尻尾も興奮げに毛を逆立ながら腰に装備してある大刃のミケと短刀のタマを構える。
「ラウル、フィンの言い付けだ。後学のためにお前が指揮を取れ」
「は、はい!」
アイズやティオネにベート、私やリヴェリアが戦闘を始め、多く周りにいたミノタウロスが数を減らしたとき、一匹のミノタウロスが私たちに背を向けた。
そのミノタウロスに続き、残ったミノタウロスも伝染したかのように足並み揃え、一気に集団逃走をはじめたのだ。
「ええっ!?」
「お、おい!てめえ等、モンスターだろ!」
驚愕的光景だろう。中層最強モンスターとうたわれるミノタウロスが、逃げるようにドスドスと走っていくのだ。
走りながら逃げるミノタウロスをミケで倒して行くが、それでも数はなかなか減らない。
「ちょっと、そっちは!?」
前からティオナの悲鳴が聞こえ振り返ると、16階層へつながる階段を駆け上がるミノタウロスの姿。
第一級冒険者であるラフィティスカやアイズたち以外にももちろん多くの冒険者がこのダンジョンにいる。現在の17階層にはいなかったが、これより上の中層域、さらにその上の上層域にはまだまだ駆け出しの冒険者も多いだろう
その階層に見合ったレベルや能力で迷宮探索している者達からすれば、このミノタウロスの集団など悪夢そのものだ。
ラフィティスカ達は死に物狂いでミノタウロスを追いかけた。
「ひぃっ!」
「どけえっ!」
1階層、もう1階層、更にもう1階層と駆け上がりモンスターはデタラメに走り回り時折見失っては鼻で探す。
そしてとうとう6階層まで上がってきてしまった
周りをみればアイズ、ベートとラフィティスカの3人のみ。
「……!?見失った!?」
残る一匹が先ほどの場所から消え、周りを見渡すもいない。
「来い、ラフィティスカ、アイズ!」
匂いを嗅ぎ分けたのか、ベートが私とアイズを呼んだ。
ミケについたミノタウロスの血をはらい、アイズも交戦していたミノタウロスを倒すとべートの方へ走る。
足の速さには自慢のある獣人であるベートとラフィティスカ、人間であるアイズでも先に走るミノタウロスになかなか追いつけない。
速度を振り絞るが上階へ逃走を許してしまう。
そして、5階層
ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
「ほぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
聞こえた。
その声が。
「っ!?」
「あっ!?」
アイズとともにベートよりも先に飛び出し、叫び声と咆哮が絡み合う方向へ身を馳せる。
ミノタウロスと、そしてその人物はすぐに見つかった。
処女雪を思わせるほどの真っ白な髪。今にも涙が滲みそうな瞳は深紅。まるで兎のような外見のヒューマンの少年。
「ド素人じゃねえか!?」
追いついたべートが言うように、少年の身につけた貧相な防具は一目で
身のこなし、防具の汚れからしても駆け出しの駆け出し。
ミノタウロスにとってはただのいい餌だ。
アイズが距離を詰めようと疾走すると、追うようにラフィティスカも走る。
ヴゥムゥンッ!!
「でえっ!?」
蹄の一撃は少年の細い体を捉えはしなかったが、足元の地面を砕き、巻き込まれ足を取られたのかダンジョンの床を転がっていく。
2人の姿が霞んだ。
軽やかに、音もなく視線の先の光景へと加速する。
ルームの隅へ追いやられた少年は巨体のミノタウロスを見上げ、引きつった顔をしていた。
埃まみれの白髪に涙腺崩壊の赤い瞳。震える姿は哀れな小兎だ。
アイズが剣を一閃させた。
「え?」
ヴぉ?
少年と間の抜けた声が響く。
背後から胴下半分へ手を止めず無数の線をモンスターへ刻み込む。
グブゥッ!ヴゥ、ヴゥモオオオオオオオオオオオオッ!
原型をとどめていた巨体の半身がが思い出したかのように斬撃の軌跡を追うようにずり落ちていくが、
最後の一撃と言わんばかりに上半身を力強くひねり少年を襲う。
「ひゃあああああああ!」
「アイズッ!」
自身へ走ってくるラフィティスカとアイコンタクトし地面を蹴った彼女の靴底に、自身の武器のデスペレートを付け、
ミノタウロスの方へ勢いよく振り上げる。勢いがついたラフィティスカはミケを構え、背中を切りつける。
今にも
くるりと宙を舞い、ミノタウロスの肩へ着地し、もう片方のタマ(短刀)を取り出すと、
「おいた、しちゃダメよ……?」
振り上げながらそう呟くと、勢いよく頭頂を貫いた。
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
断末魔をあげ、アイズとラフィティスカに貫かれた箇所から血飛沫を上げながら崩れ落ちた。
そして、3人の目と目があった。
あぁぁぁぁ、
出会いだなんて題をつけましたが、ほぼ出会っても会話してねぇぇ・・。
今回も読んでいただき、感激です!
非常に情景ばかりの作品となりそうですが、どうかよろしくお願いいたします!